今日から毎日スク水着ようぜ!

    作者:空白革命

    「ハァァァァァァァァァイル・スク水!」
    「「スク水!」」
     スク水(女性用)を着込んだ男達が一斉に右手を掲げた。
     とある地下空間。
     軽くライブくらいはできそうな部屋の中央ステージで、スク水を着た幼女がビシッとポージングした。
    「いいか! 私の部下になれば意中のあの人の普段着をスク水にすることなど造作もない」
    「オォ……!」
    「テレビのお天気おねえさんを基本スク水のみにすることも可能だ」
    「オォォ……!」
    「現にこの男の片思い相手であるA子さんはこのように毎日スク水で学校に登校している始末!」
    「オォォォ……!」
     写真に写った(なんかやけにフラフラした)少女がスク水にランドセルという犯罪じみた格好で外を歩く写真がスクリーンに表示された。
     沸き立つ男達。
    「どうだ、私についてくるか!?」
    「「世界の果てまでェ!」」
    「ようし来た、じゃあ今度同じ趣味のヤツ十人は連れて来い!」
    「ハイ喜んでェ!」
     威勢よく叫ぶ男達。
     スク水幼女は中央ステージで仁王立ちすると、天を仰いで笑った。
    「くかかかか! ちょろいぞ、人心掌握! この調子で末は世界征服だ! はーっはっはっはっは!」
     
    「という、ダークネス事件が起きてるんだよ?」
    「ダークネス事件だったの!?」
     須藤・まりん(中学生エクスブレイン・dn0003)がいつもの『this is a pen!』のポーズで説明しきると、灼滅者たちはがたっと身を乗り出した。
    「というか、闇落ちした一般人の事件って所かな。普通ならこの時点で元人格は消滅する筈なんだけど、趣味のせいなのか志のせいなのか若干元人格が残ってるみたいなの」
     もしかしたら救出のチャンスかもしれない。
     ってなわけで、彼女を救う(?)べくアジトに殴り込みをかけようという作戦がたてられたのだった。
     
     彼女の名前は木更津・海波(きさらず・みなみ)。
     ダークネス『ソロモンの悪魔』のなりかけである。
    「彼女は身の回りにやけに沢山いたスク水愛好者をかき集めて、自分に従えば世界をスク水天国にできるぞというかなりネジの外れた勧誘をして取り巻きを増やしてるの。彼らは力を分け与えられているから、戦闘力もあるんだよ」
     木更津海波自身もそれなりに高い戦闘能力を持ち、力を与えた取り巻き集団も相まって割と激しい戦闘が予想されている。
     が、しかし。
    「相手が相手。もしかしたら何らかの手段で戦闘能力をブレさせることができるかもしれない」
    「何らかの手段とは……」
    「ぶっちゃけスク水だよ!」
    「やっぱりスク水かよ!」
     ずだだーんと机をぶっ叩き合う一同。
    「と、とにかく。彼女を救うにはとにもかくにも倒すしかないよ。皆、よろしくね!」


    参加者
    神鳥谷・千聖(灼熱・d00070)
    星祭・祭莉(彷徨える眠り姫・d00322)
    薫凪・燐音(涼影・d00343)
    月瀬・一沙(月瀬流二十一代目・d00669)
    舞・冥華(小学生魔法使い・d03743)
    桐谷・要(観測者・d04199)
    ストレリチア・ミセリコルデ(銀華麗狼・d04238)
    山南・元気(味噌煮込みうどんを愛する男・d08374)

    ■リプレイ

    ●スク水という単語だけで癒されるようになったら変態の仲間入り
     集合中。ファミレスでのことである。
    「そもそもだ」
     神鳥谷・千聖(灼熱・d00070)はストローを咥えつつもごもごと喋りはじめた。
    「スク水って、へそみえねーじゃん? 腰とへその神ラインを見せねえとか絶対許せねえよな! 頑張ろうな!」
    「まるで今回のテーマみたいに言わないでくれる?」
     彼から1mほど距離をあける薫凪・燐音(涼影・d00343)。
    「もうさ、女子用スクール水着をきた男の集団だよ。煙の様に消えて欲しいって思わないかな」
    「いや、そこは別に」
     急にクールダウンする千聖。
     ストレリチア・ミセリコルデ(銀華麗狼・d04238)がするりと間に入った。
    「まあまあ、今回はやるだけのことをやるだけですわ。ね、月瀬さん」
    「……ん、うん? そうね。なんであれ、一念をもって挑んでくる相手なら、真っ向勝負するのが礼儀でしょ」
     暫くぼーっとしていた月瀬・一沙(月瀬流二十一代目・d00669)だが、水の入ったグラスを手にちらりと外を見た。
     スク水には、ちょっと寒そうな天気である。

     一方別テーブル。
    「ボク、頑張るね!」
     スク水姿の星祭・祭莉(彷徨える眠り姫・d00322)がいた。
     別に視聴者に対するサービスではない。
     胸には白布で『3-ゆり まつり』と書かれていた。
     サービスかもしれない……。
    「近所のお兄ちゃんが、これがいいんだって言ってたんだ!」
     サービスだった!
     ぽへーっとオレンジジュースを乾かしていた舞・冥華(小学生魔法使い・d03743)が視線だけよこしてくる。
    「今回、へんなひといっぱい……でも、どうして冥華たちまですくーる水着?」
    「それは、今回の相手がスクール水着に弱いからじゃ……ないですか?」
     若干不安げに言う桐谷・要(観測者・d04199)である。
     まさか本当にみんな防具として装備してくるなんてさ、思わなかったからさ。
    「いや何、スク水から始める世界征服……バカ過ぎるが、俺は好きだぜ。できればお友達になりたいもんだな」
    「そ?」
    「旧スク水……最高だろ!」
     窓の外を輝く目で見つめる山南・元気(味噌煮込みうどんを愛する男・d08374)。
     女性陣はすすっと彼から物理的に距離を置いた。

    ●スク水に興奮するのはいい。だがリアルな小学生女子はだめだ。犯罪だ。
     と、いうわけで。
     灼滅者一行はスク水集団のアジトへと殴り込むべく地下ライブハウスの扉をどかーんと開け放ったのだった。
    「そこまでよ!」
    「むっ!?」
     想像してみて欲しい。
     一斉に振り向くスク水(と水中ゴーグル)の男達。
     スポットライトに照らされ仁王立ちしたスク水幼女。
    「わー……ないない」
     そっと目をそむける燐音。
     彼女が小声だったこともあり、男達はそっとスルーした。
     世の中、冷たい視線をスルーできるかどうかで変態の分かれ目ができると言われている。できなくていいとも言われている。
     目を細めるスク水幼女こと木更津海波。
    「誰だ、お前達は」
    「知りたいですか変態さんたち……」
     灼滅者たち(凛音と千聖を除く)が一斉に上着を脱ぎ捨て、自らのスク水を露わにした!
     どよめくスク水男たち!
     しなをつくるストレリチア。
    「スク水を着たすこぶるつきの女子ならばここにもいますわ!」
     若干ぼうっとポージングする月瀬・一沙(月瀬流二十一代目・d00669)。
    「スク水を悪の道具にするとは愚の骨頂っ」
     リコーダーを掲げてみる祭莉。
    「どっちが上か、勝負だよ!」
    「ちょっと台詞、噛み合ってないんじゃ?」
    「いいからいいから、決め台詞いっちゃいましょ」
     こしょこしょ話す冥華と要。
     そして、とりあえずと言う感じで全員バラバラなポーズをとり。
    「「スク水戦隊――」」
    「参ッ上ッ!」
     スライドインしてきた元気が足を蟹股に開き両拳を天に突き上げるポーズをとった。
     ちなみに女性用スク水、着用済みである。
    「…………うわあ」
    「…………うわあ」
     千聖と燐音がそっと距離をおいたのは、言うまでも無かった。

     ダークネスと灼滅者が出会うこと。それは戦いを意味している。
     故に如何なる状況如何なる立場であったとしても熾烈で過酷な戦いが起こることは必至と言えよう。
     スク水男たちも例にもれずここからはシリアスバトルタイムだぜとばかりに武器を手にとり――。
    「覚悟せよ灼滅者たちよ! 今こそ我等スク水への愛と力を示す時!」
    「ザ・エイティーン!」
     ストレリチアが18歳の制服姿にチェンジ。
    「…………」
     スク水男たちは一瞬で無表情になり、やけに落ち着いた姿勢で武器を構えた。
    「あ、あー、灼滅者なので倒すんで……」
    「ちなみにこの下にはさっきのスク水が」
    「「パーリターーーイムッッ!!」」
     蟹股でとびかかってくるスク水男の群。
     あまりの純粋さにストレリチアはちょっと同情した。
     飛び掛って来た敵を紅蓮撃と抗雷撃でそれぞれ殴り、怯んだ所にジャンプ。空中で前転して相手の頭を太腿に挟むと……。
    「もう、ちょこまかと動き回らないで下さいな!」
    「あ、あれは!」
    「フランケンシュタイナー(幸せ投げ)!」
     男が鼻血を吹きながら昏倒。
     そこへ千聖と一沙が突撃していく。
     対抗してナイフを構えるスク水男達。
    「スク水を着ていると言うだけで我等に勝てると思ってか! スク水以外を攻撃するまでよ!」
    「あれ、かなり効果出てるんじゃ」
    「くらええええいっ!」
     繰り出されるスク水マーシャルアーツ(良く分からないけど強い何か)。
     一沙は自らの腕に向けられたナイフを捻り込むような刀捌きで弾くと、相手の胸で交差させるようにティアーズリッパーを連続で叩き込んだ。
     それに乗じて背後からも斬影刃を繰り出す千聖。
    「意を一にし心を専らにす……失せなさい!」
    「ぐあああああ、す、スク水がああああああ!!」
     身体からスク水がはらりと落ち、血を(何故か口から)噴いて倒れるスク水男。
    「色々、視たくないし」
    「本当だよ! 全然楽しくないよ! なんで男がスク水つけてるんだよ、女の子のおへそ見せてよ!」
    「二人の総意みたいに言わないでくれる?」
     千聖は全裸の男を踏みつけ。ぐっと涙をぬぐった。
    「でも俺達はめげない。世のため人のため……多分後半に待ってるスーパーおへそタイムのため!」
    「だから総意みたいに言わないでくれる?」

     一方そのころ。
    「我、魔導を受け継ぎし者、契約の名のもとわが手に魔導の真髄を。りりーすっ」
     カードを掲げてきらきらしゃらんらする冥華。
    「……すごい恥ずかしい」
    「恥ずかしいのにやったの?」
    「あとはばすたーらいふるで狙いうちゅー」
     要にくるりと背を向け、スク水男達にガンシューさながらの連射を叩き込みまくる冥華。
     冥華ちゃんとマトモに会話するには修行が居るのだ。
     要はちょっと息を吐いてから、自分の相手へと向き直った。
    「足止めのつもり……か」
     手刀を構える木更津海波。スク水幼女である。
    「少しでも早く終わらせたいの。寒いしね」
     指輪を構える要。スク水にレインコート。
    「いやそれ、どう見てもニッチな需要に応えようとしてるだろ! スク水に白衣の時代から早十年、新しい段階にでも達したか!」
    「そんなこと言われても……」
     影の弾丸と制約の弾丸を撃ち合いつつ横向きに走る要と海波。
    「そもそも衣服というものは適切な場所で着るから映えるもので、水着なら水辺できるべきでしょう」
    「その『べき』を破ってこそインパクト。ハートにずきゅんと来るのだ。今のお前のようにな!」
    「くっ!」
     影の弾丸が要の肩に命中。
     よろめいた所に、スク水男子がイタダキマースとか言いながら飛び掛って来た。
    「そうはさせん、味噌煮込みキィック!」
     要の横から割り込み、飛び蹴りを繰り出す元気。
    「からの、味噌煮込みビーム!」
     謎のポーズから放つ謎のビームがスク水男たちを薙ぎ払って行く。
     かくいう元気もスク水男なのでもうどっちがどっちだか分からん状態なのだが。
    「こいつらはオレに任せろ! 要は足止めに専念するんだ!」
    「あっと、回復はするからね」
     後ろの方からちらっと顔を出す燐音。
     ジャッジメントレイを要にかけ、肩の傷を癒していく。
    「とにかく消えて欲しいなあ、こういうの」
    「……乗ってる私が、ちょっと恥ずかしくなるんですけど」
    「気にしないで、素だから」
     八人集まると一人は必ずいるというドライ担当。それは燐音である。
    「私はそろそろいいですから、元気先輩の方を回復して貰っても?」
    「ああ、うんわかった」
     燐音はくるりと振り返り、元気の方へと手を翳す。
     ジャッジメントレイ発射。
     尻に突き刺さる殺傷ビーム。
    「ぎゃみぃん!?」
    「あ、間違えた。ごめんね、同じような格好してるから……その、何て言うんだろう、消えて?」
    「ちょっと待て、オレは味方! 味方だぞ! ちょっと旧スク水が好きなだけの健全な男子高校生だ!」
    「つまり我々の仲間では?」
    「違、痛っ! 尻に、尻にジャッジメントが、うおおおおおおお!」

     もはやカオスのライブハウス。
     その一角で、祭莉はくねっと女の子ポーズをとった。
    「ボクに勝ったら、撮影会だよっ」
    「その手には乗るかァ!」
    「そうだ俺達を甘く見るなァ!」
    「参加費はおいくらですかァ!」
    「デジカメOKですかァ!」
     祭莉を囲んでぐーるぐーる高速旋回するスク水男達。
    「なんちゃって、にこぺろ!」
     祭莉は女の子ポーズのままセイクリッドクロスを発射。
     周囲の男達を順繰りにびかーっと焼き払った。
    「くっ、スク水マニア心を逆手にとるとは、卑怯な……あと撮影会いつですか」
    「勿論やらないよ、べ~だっ!」
     頬に指をあて舌を出す祭莉。
     残ったスク水男にトラウナックルをばしっと叩き込んでやった。
    「ばか、な……ガクッ」
     白くなって魂が抜けていく男達。
     屍(一応みんな生きてる)に囲まれ、祭莉はちょっと切なげな顔をした。
    「あとは海波ちゃん、キミだけだよ」

    ●『スク水幼女』木更津・海波
    「くかかかかかっ! 部下を倒した程度でこの私に勝ったつもりか、片腹痛いわぁ!」
     大量に出現させた影の触手が伸び、相手の腕や足を絡め取る。
     宙に吊上げられもがく相手の足を無理やり広げ、スク水の裾から触手を捻じ込んで行く。
     びくんと顎を上げる相手に、海波はニヤリと邪悪な笑みを浮かべた。
    「どうだ、弱点をつくつもりで着てきたスク水をエロ描写に使われる気持ちは!」
    「くう、負けるか! スク水好きの女子に悪い奴はいない! 少し道を外しただけだ! 山南元気、耐えて見せる!」
    「おいやめろ誰だ喜ぶんだこのシーン!」
     血の涙を流して叫ぶ千聖。
     スク水を着た筋肉男子が触手に絡まれるの図。
     そりゃ血の涙も流すわよってえ話である。
    「だが惜しむらくは旧スク水を着ていなかったこと。是非着て欲しい。騙されたと思って。そして俺を付き合ってくれ! お前が負けたら彼女になれ!」
    「全力でお断りだ!」
    「ぐあああああああっ!」
     斬影刃でスク水をびりびり破られる元気。
     肩、腰、腹、尻、あらゆる部位の布が切り裂かれ、そしてひらひらと地面におちた。
     ……ので、暫くはストレリチア18歳バージョンがぴちぴちのスク水から色々毀れさせているシーンをご覧いただきたい。
     今の内に綺麗なもの見といてね状態である。
    「衣装には色々な種類があるから楽しいもの。スク水の他にも着たい服、見たい服があるでしょう。何よりスク水が日常となっては慣れて何も感じなくなってしまいますの!」
    「ストレリチアさん何言ってるの!?」
    「自分でも分かりませんわ!」
     サービスタイム終了とばかりにしゅいんと元に戻るストレリチア。
     一方で海波は。
    「フ、笑止! 私が求めているのは『スク水の上に何を着るか』に過ぎん。完成したイラストが普通に制服画像でも、その下にはスク水という妄想を確保するのが私の役目だ」
    「すみません言ってる意味がわかりません」
    「皆頑張れー、超がんばれー、私全力で応援してるー」
     そして後ろの方で旗だけ振ってる燐音。
     彼女はもう殆ど仕事したくない様子だった。味方の回復だけしてればいいかなってカンジである。でも元気は回復しない。刺す。
     ささっと海波の前に出る一沙と千聖。
    「その心意気やよし。けど、私の刃を折るには信念が足りない!」
    「そうだ、あとチラリズムも足りない!」
    「そこまで言ってない!」
     二人の刃が閃き、海波の両脇をすり抜けるように通過。腰や背中、そしてお腹に亀裂がはしる。
    「よっしゃ幼女のへそォ!」
     そしてヘッドスライディングしてくる千里。
    「うわ、何だコイツ! ひときわキモいぞ!」
    「おっぱいもお尻もいい、けど至高はへそだと思う。人体の中央にして生命に繋がる聖域。それを隠すなんてもったいない」
    「前言撤回、変態だコイツ!」
     などと言ってる間に冥華と要から雨あられと射撃攻撃が飛んできた。
    「ほぞんしょく……なのなのはふわふわはーとおねがいね」
    「今、保存食って言わなかった?」
    「ぐぬっ」
     所々穴の開いたスク水(エロを避けるためギリギリ安全なエリアのみに留めております)を庇うように影業を展開してガードする海波。
    「じょしーの服やぶる、犯罪? おまわりさーん」
    「やめてっ! 今合法的に幼女のへそチラ作ってるんだからやめてっ!」
    「……その発言が犯罪的なのでは?」
    「ええいやかましいっ!」
     海波はうりゃーと言って身体を十字に構えると、スク水の神々しさを光に変えて発射した。
     咄嗟に防御する要たち。
     そこへ、祭莉が拳を固めて飛び掛った。
    「海波ちゃん、キミはボクには勝てないよ!」
    「何っ」
    「だってキミには友達がいない。だけどキミが望むなら――」
     よそ見をしたその隙に、冥華たちが銃撃で開けた穴がぐわりと広がった。
     そこを突き破ってくる祭莉。
    「な――!」
     彼女のパンチが炸裂し、海波はステージから転げ落ちる。
    「ボクが、友達になるよ」
     ぐったりした海波を抱え上げ、祭莉は彼女を抱きしめた。
     千聖はその光景を、いつくしむ目で見ていた。

    「まあ、スク水で登校するような猛者も……いないでもないしね、うち」
     一沙は遠い目をしてそんなことを言った。
     ダークネスとの戦いに決着がついてから数時間。
     スク水男達が正気を取戻し『ハッ、俺たちは一体何をやっていたんだ。思い出せん! 確かスク水を愛でていた気がする……』とか言いながらフラフラ出て行って多分集団補導頃である。
     もし素質があるならば……。
    「ん、んん……ここは」
     目を開ける海波。
     祭莉がこくこくと頷いた。
     その横で当たり前のように顔を並べる元気。
     ニカッと歯を光らせる。
    「俺の彼女に、なってくれるか!」
    「デラックスお断りだ」
     ていっと言ってジャッジメント。
    「改めて自己紹介をしておこう」
     咳払いひとつ。
     腕組みして不敵に笑うと、彼女はこう言った。
    「木更津海波。特技はスク水だ」

    作者:空白革命 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2012年10月3日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 0/感動した 3/素敵だった 3/キャラが大事にされていた 20
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