スパイシーデザートバイキング

    作者:湊ゆうき

    「ねえねえ、今日デザートバイキングに行かない?」
    「うん、いいねいいね。いちごのスイーツとかきっといっぱいあるね」
     女子高生二人組が楽しそうにそんな話をしていた。春休みに入り、学生達も休日を楽しんでいる。
    「でもさー、甘いものの食べ放題はいっぱいあるのに、辛いものの食べ放題って聞かないよね」
    「だって辛いものって好き嫌いが結構あるしね……辛さにも度合いがあるし」
    「でも辛いもの好きな人は好きだよねー。そういう人のために、月に1回だけ甘いもの食べ放題が、辛いもの食べ放題になったりしないのかな?」
    「裏メニュー的な? あったら面白いかもだけど、まっさかー」
     きゃはは、と笑いながら過ぎ去っていく二人の言葉を耳にして立ち止まったのは月光降・リケ(月虹・d20001)。
    「まさかとは思いますが……一応、報告しておきましょう」
     美しい黒髪を翻し、颯爽と学園に向かうのだった。
     
    「みんな、集まってくれてありがとう」
     橘・創良(高校生エクスブレイン・dn0219)は、全員に優しく微笑みかけながら説明を始めた。
    「月光降リケさんからの報告で、都市伝説のせいで、デザートバイキングのお店のスイーツが辛いものに変わってしまうことがわかったよ」
    「まさかとは思いましたが……本当に起きてしまったのですね」
     リケも驚きの表情で頷く。
    「うん、そうなんだ。そして、どうやら本当は辛いものが好きなのに、デザートバイキングのお店のオーナーになった人の誕生日にだけこの変化が起こるみたいなんだ。ただ、そのことをお店の人は知らないから、甘いものを食べに来たお客さんはみんな驚いてしまうよね」
     創良の言葉に、リケは首を傾げながら呟く。
    「見た目はスイーツなのに、食べると辛い……ということでしょうか」
    「そうなんだ。だから、お客さんを混乱させてないためにも、お店の評判を悪くしないためにも、みんなにこの都市伝説を灼滅してきてほしいんだ」
     都市伝説は唐辛子のような姿をしている。攻撃することで倒すこともできるが、お店の辛くなったスイーツを全て食べることでも消滅させられる。甘いもの好きより辛いもの好きは少数派かもしれない。そんな普段は肩身の狭い思いをしているかもしれない辛党たち。辛いものを美味しく食べることで少しでもその気持ちを晴らしてあげることができるかもしれない。
    「では、美味しく食べてあげればいいんですね」
     前にもチョコレートを食べる依頼に行ったリケの理解は早い。
    「うん。ただ、やっぱり辛いから……無理しないで、でも美味しく食べてあげてほしいな。あ、お店は予約で貸し切りにしてあるから、普通にお客さんとして行って、食べて帰ればいいからね。辛いものが好きな人が手伝ってくれるといいかな」
     創良がそう言うと、
    「スイーツ食べ放題のお店ですか!?」
     榛名・真秀(中学生魔法使い・dn0222)が、途中から前のめりで会話に加わってきた。
    「あ、真秀さん。スイーツなのは見た目だけで、味は甘くないんだけどね」
    「え! うう、でもデザートバイキングのお店の危機とあっては見逃せません。一緒に行きます!」
     チョコレートの時みたいにがんばります、と気合い充分。
    「都市伝説は、こちらから攻撃をしない限りは攻撃をしてこないから。みんなは食べ放題に集中してもらっていいからね」
     ただし、美味しく食べてねと創良は付け加える。嫌々食べていたり、文句を言うと、都市伝説がどういう行動に出るかわからないからだ。
    「そんなに危険な依頼ではないけれど、お客さんとお店を守れるのはみんなだけだから。どうか気をつけて行ってきてね」
     創良は信頼を込めた眼差しで灼滅者達を見送った。


    参加者
    九条・茨(白銀の棘・d00435)
    媛神・まほろ(夢見鳥の唄・d01074)
    久篠・織兎(糸の輪世継ぎ・d02057)
    夜鷹・治胡(カオティックフレア・d02486)
    淡路・直幸(シザーホリック・d02619)
    黒木・摩那(昏黒の悪夢・d04566)
    汐崎・和泉(碧嵐・d09685)
    月光降・リケ(月虹・d20001)

    ■リプレイ

    ●辛党の楽園
     新学期も始まり、うららかな春の陽気が漂う4月。こんな日に、仲間達でわいわいとデザートバイキングに行くのは、なかなか学生らしく微笑ましいのだが……。
    「デザートバイキングか~。ん? じゃなくて、辛いもの……バイキング?」
     久篠・織兎(糸の輪世継ぎ・d02057)が明るい笑顔を浮かべたまま、あれ? と首をひねる。けれどすぐさま、まぁなんでも、やってみればなんとかなるよ~と持ち前のポジティブ思考で周りの空気も明るくする。
     この度彼らが向かう先には、見た目スイーツの辛いものバイキングが待ち受けているのだった。
    「なんでそんなややこしい設定の都市伝説があるんですかね……?」
     九条・茨(白銀の棘・d00435)は思わずそう呟く。けれど、彼らも灼滅者として長らく学園にいればわかっているはずだ。ちょっと変わった都市伝説はわりかしよくいるのだと。人々の噂が元だから、荒唐無稽でも仕方ないのである。
    「辛いもの食べ放題ですって!」
     眼鏡の奥の瞳を光らせ、黒木・摩那(昏黒の悪夢・d04566)は、喜びを抑えきれない。大の辛党である摩那にとって、これはご褒美とでもいうべき依頼。
    「Good job! 都市伝説!!」
     都市伝説に心の中で盛大な拍手を送りながら、悔いを残さないよう、きっちり食べることを誓うのだった。
    「辛いもんの食い放題と聞いてきた。……食うのは得意な方だ、美味い都市伝説は良いな、しっかり食いきろう」
     こちらも辛いもの好きの淡路・直幸(シザーホリック・d02619)。普段から寡黙で表情に乏しい直幸だが、摩那と同様、この依頼を楽しみにしていたのだった。
     そしてそんな話をしている内に、目的の店に着いた一行。
    「あ、なおちゃん!」
     直幸の従妹の大鞆・兎瑚が店の前で待っていた。
    「今日は誘ってくれてありがとう。ケーキバイキング楽しみやね!」
     あれ? この子、スイーツが辛いものに変わってること知らないんじゃ……と仲間達は思ったが、とりあえず黙っているのだった。
    「今日は貸し切りなんだって。楽しく食べようね!」
     いたずら好きの摩那が空気を読んでさらにそう言うものだから、兎瑚は何の疑いもなく、店に入っていったのだった。

    ●Trick&Treat
    「いらっしゃいませ! ご予約のお客様ですね。どうぞこちらへ」
     案内された席からも、たくさんのデザートが見える。どう見ても甘くて美味しそうなスイーツにしか見えない。
    「今日は貸し切りですので、存分にゆっくりお楽しみください。おとなしいワンちゃんとネコちゃんは、今日だけ特別にご一緒しても大丈夫と予約の時に承っていますが、マナーを守れないときはご退席いただきますのでご了承ください」
     サーヴァントも同席できることとなり、汐崎・和泉(碧嵐・d09685)は霊犬のハルをよしよしとなでる。チョコレート色のラブラドールレトリバーのハルは尻尾をぶんぶん振ってやる気十分。
    「うわ~どれも美味しそう……」
     依頼の趣旨を忘れかけ、榛名・真秀(中学生魔法使い・dn0222)は自分の好きなスイーツをうきうきとチョイスしていく。
     目の前にどどんと現れたいかにも甘そうでカラフルなデザートの数々に圧倒される夜鷹・治胡(カオティックフレア・d02486)。
    「場違い感凄くないか…… まァ気にせず食おう」
     逞しい体型にきりりとした精悍な顔立ちの治胡だけに、思わずそんなことを気にしてしまう。
    「お口直し用の飴玉を持参しました。皆様、よろしければどうぞ」
     媛神・まほろ(夢見鳥の唄・d01074)が、希望者にと飴を配っていく。
    「わたしも紅茶を用意してきました。紅茶だけは上手に入れられるんです。オリオリも良かったらどうぞ?」
    「リケちゃん、ありがと~」
     月光降・リケ(月虹・d20001)も持参の紅茶を用意。飲み物は店にも用意されているが、それぞれしっかりと辛さ対策をしてきたのだ。
     その様子を不思議そうに眺めながらも、兎瑚はなおちゃんってばひとりで来れんかったんやろか? とくすりと笑いをこらえていた。その横で直幸がマカロンに一味をかけだしたので、ぎょっとしつつも、気を取り直して自分のケーキを口に運ぶと、スパイシーな辛さが口いっぱいに広がる。
    「!?」
     その様子が面白かったのか、直幸が声を殺しながら笑っている。よくよく見れば、他のメンバーも、辛いと言いながら食べていることに気付く。
     ようやく直幸がこの依頼の趣旨を説明すると、兎瑚は従兄を睨みつける。
    「ちゃうもん、甘いって心構えが裏切られてビックリしただけやもん。辛いモン食べれるもん……」
     確かにケーキバイキングには違いないし……と、趣旨を理解した後は、前向きにそれでも美味しいと食べる兎瑚。そんな従妹を飲み物や飴でサポートする直幸。
    「見た目はスイーツなのに辛いって、すげぇよなぁ。イタズラにもってこい! ……持ち出せねーのが残念だけど」
     そんな様子をみて和泉もぽつり。ロシアンルーレットとしての需要はありそうだ。
    「あれ、治胡どうした? 動き止まってんぞー?」
     いろいろな辛味を味わいながら楽しんで食べていた治胡だが、その動きを妨げるのは辛いものではなかった。
     ESPおいしくなあれを使うためにもメイド服を着た和泉。恥ずかしがるどころか、ついでに給仕に回ろうかと、皆のドリンクを準備したりと甲斐甲斐しく動き回るメイドぶり。
     あまりにも自然なその様子に思わず動きを止める治胡。友人の女装姿は、なかなか衝撃的かつ強敵だった。

    ●Spicy&Hot
    「さあッ! 辛口スイーツフェス、味わわせて貰おうかッ!」
     茨が気合いを入れて、スイーツと向き合う。甘党で知られる茨だが、辛いものも普通に好きなのだ。見た目と味の差でショックを受けないように、タバスコをそっと持参。辛いことを印象づけてから、小皿にこんもりと盛ったケーキやプリンなどをいただく。
    「お、おぉ……」
     さすがに初めは少し戸惑うが、辛くても美味しいので慣れれば問題はなさそうだった。
     その隣で、まほろが好物のティラミスを一口。
    「ブラックペッパーの効いた、カルボナーラ……? 確かに辛いですけれど、適度な辛さです。とても美味しい」
     甘さは全くないが、これはこれで美味しいと上品に食べ進めていく。念のためにESPを使ってみたが、これならなくても大丈夫だったかしらと使っていない仲間達を観察。それに、少し前の依頼で、喉と胃が焼けるような激辛に挑戦したことを思えば、それこそ甘いぐらいだと思える。
    「リケ様、何だかんだで美味しいです、こんな依頼でしたら大歓迎ですね」
     リケもその言葉に笑顔で応える。辛いものでも、みんなで一緒に食べると、なおさら美味しいと思うのだ。
    「リケ先輩は辛いの得意なんですか?」
     表情を変えず、涼しげな様子で食べているリケを見て、辛さにひいひい言ってオレンジジュースをごくごく飲んでいた真秀はそう尋ねた。
    「辛い物は苦手ではありません。特に好んで食べるというわけでもありませんけど……味にこだわりがないというか。あ、別に味オンチというわけではないのですよ? たぶんお料理が苦手なだけです」
    「へえ~そうなんですね! わたしもお料理は苦手です……」
    「そこ、無言で頷かないで!」
     真秀がそう返した後ろで誰かが頷いていたらしい。リケの料理の腕は……ちょっと独創的なのだ。
     リケの隣で織兎も美味しそうに食べ進めている。チョコレートケーキとチーズケーキをお皿にのせ、ぴりっとした辛さにもうまい、うまいと声に出して食べていく。
    「こんな外見と違う味のものを食べるということはもうないかもしれないしな~」
     しかし辛い。ウイングキャットのまーまれーどはそんな織兎の隣にちょこんと座って応援してくれている。他のサーヴァントは一緒になって食べていたが、そんな危険な(?)真似はさせないと食べさせるつもりはない。
     時折、治胡がまーまれーどを見つめては、その可愛らしい仕草に目を奪われ、動きを止めていた。
     そしてこの日を楽しみにしていた摩那はフードファイターのごとく準備からしっかり抜かりはなかった。朝ご飯を抜き、食べる前にバイキングのラインナップをじっくりと見て、口の中に唾液をためて……あとは美味しくいただくのみ!
    「そう、女子高生たちはいいことを言いました。辛いものには好き嫌いが結構あるし、辛さ度合いもあるんです。だから、辛いもの食べ放題というのは、作る側にとっても食べる側にとってもハードルが高いんです」
     辛いものを堪能するため、ジュースではなく水を用意。
    「デザートバイキングがこっそりと辛いものになっているなんて。まるで夢のようね。ありがとう都市伝説!」
     実はひっそりと店の中にいた唐辛子風の姿をした都市伝説に感謝の言葉を述べ、摩那はいただきます! と、どんどん食べ進めていく。
     ハバネロがピリ辛に感じてしまうという絶望的な辛党の摩那には、この辛さは少し物足りないかもしれない。
    「ケーキやプリンもいいけれど、ここはチョコフォンデュならぬ唐辛子フォンデュに挑戦しましょうか」
     チョコレートの滝……チョコレートファウンテンに、バナナ(辛)やマシュマロ(辛)をつけていただく摩那。
    「これはなかなか味わえない幸せ……」
     うっとりと幸せそうにチョコフォンデュ(辛)を堪能するのだった。
     そしてこちらにも辛党が。
     直幸は一味や胡椒、タバスコなどのスパイスをいろいろと試していた。スイーツピザに胡椒をかけてみたり、バニラアイスにタバスコをかけてみたり……。
    「……なんだかイチゴソースに見えるな」
     だがその全てが辛い。冷たくて辛いのがなかなかに美味しい。密やかに感動しつつ美味しくいただく。その隣で、驚きのリアクションを見せつつも、ふわふわのパンケーキを食べている従妹の食べっぷりを見ては、頼もしく思うのだった。
    「予想と違ったけど美味しいね。でも今度は甘いもの奢ってもらわな!」
     それでもまだ食べる意欲を見せる兎瑚の様子に、思わず頭をなでるのだった。
    「んーまー!!! これ美味しいなー!」
     和泉が明るく声を上げ、みんな楽しく食事を進めている。食べるだけでなく、おしゃべりをしつつ、飲み物や飴やガムなどで一休みしつつ、楽しみながら時間は過ぎていく。
    「おーハルもいい喰いっぷり! 美味いなー!」
     尻尾を振りながら頑張る霊犬の頭をなでなで。もっと誉めてとハルは他のメンバーのところへとじゃれに行く。
    「辛いモンは得意な方だが、こんなに辛いモンばかりは経験したことがねーな」
     食べながらこの辛さは山葵か唐辛子か? と考えている治胡のもとへやってきたハル。その無邪気な瞳に見つめられ、動きを止める治胡。なんだか、照れる。
    「辛い物食べすぎてくしゃみ出ねーか? 無理すんなよ」
     思わずハルに声をかけてしまう治胡。さらにハルが嬉しそうに身体をすり寄せてきたので、ますます治胡は固まってしまう。
    (「集中できない……」)
     表情には出さないが、至福の瞬間だったりもする。
     貧乏学生だから、こういう機会にいっぱい食べておかないとと、茨はがつがつと食べ進めていく。
    「そんなにがっついたら……もう、口にジャムが……いえ、チリソース……?」
     幼馴染みのまほろが甲斐甲斐しくハンカチを差し出す。持ち込んだスパイスだか、スパイシースイーツだかもうよくわからない状況だった。
    「ワルギ、お前辛いのはいけるか? 駄目だぞ好き嫌いは。もっとたんと食べな」
     ビハインドのワルギリアスに、ドーナツを勧める茨。有無を言わさぬ状況に、黙々と食べるワルギリアス。
     ちょっと食べ飽きてきたところで、ESPおいしくなあれを使ってもらう。
    「あ……」
     やっぱりESPを使った方が美味しい気がしたが、そこは気にしない。辛いという事実はあまり変わらないのだ。
    「見た目がショートケーキで味がタイカレーですか。これはこれでアリですね」
     ココナッツミルク的な風味を残したスパイシーなショートケーキを分析するリケ。
    「マカロンはふわふわしてるんだよな~」
     でも辛い。織兎の声にだんだん力がなくなっていく。それでも明るく美味しそうに食べている様子の織兎をしばし観察した後。
    「オリオリ、あーん」
     リケは、おもむろに杏仁豆腐をスプーンで差しだした。
    「ん、うん、うまいな!」
     それをもぐもぐする織兎。親指をぐっとたてるもやっぱり辛い。
     お返しに、と織兎もチョコケーキを切り分けてリケに差し出す。
     あーんと口を開け、にっこりと美味しそうに食べるリケ。
    「好きな相手は何よりのスパイスですね」
     辛さにも勝る、とっておきの隠し味。織兎の明るい笑顔があれば、いつまでだって食べ続けられるかもしれないと思うのだった。

    ●ごちそうさまでした!
     全員の協力と作戦もあって、あらかた片付いたデザートバイキングのスイーツたち。辛党の摩那と直幸がスピードを緩めることなく食べ進め、よく食べる治胡も時折動きを止めながらもしっかり食べてくれたおかげで、楽しく、美しく食べ終えることができた。
     店の中に佇んでいた唐辛子風の都市伝説も、それを見届けてはすっと消えていったのだった。
    「体がめっちゃポカポカする!」
     身体の中がいろんなもので燃えているのかもしれない。和泉は頑張ったハルの頭ををよしよしと撫でてやる。
    「見た目、胸焼けしそうな甘味の数々だが、実際食うと辛いとなると結構食えるな。こういう店、あってもいいんじゃねえかと思いつつ……ご馳走様でした、だ」
     逆にスイーツなら食べきれなかったと直幸は呟く。辛党としては満足したので、なんだかもったいない気さえする。
    「ええ本当に、こんな店があれば……! 私としては、もう少し辛いぐらいでもいいんだけど」
     摩那の言葉におおっと声が上がる。
    「うーん、今度スイーツ食べるとき、辛い味がするような錯覚しそうですね……」
     真秀はやっぱり甘いのがいいです、と呟いた。
    「……はぁ、辛かったですけど……とても美味しかったです。ご馳走様。美味しい時間をありがとうございました」
    「ごちそーさま。ンまかった!」
     まほろが丁寧に手を合わせ、治胡も満足げに頷く。
     茨は水を飲みながら、ふうと息を吐く。
    「リケ、次はこう……普通の中華食べ放題! みたいな予想してきてね」
     リケはその問いかけに首を傾げつつ、
    「普通というと……四川料理あたりが辛そうですね?」
    「いや、いったん辛いのから離れよう、な?」
    「リケちゃん、俺も辛いのはしばらくいいかな~って」
     全力で止められ、リケは不思議そうに首を傾げる。けれど、辛くたって甘くたって、誰かと一緒にする食事は一人で食べるよりずっとずっと美味しいと、また今回証明されたのだと思うリケだった。

    作者:湊ゆうき 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2016年4月15日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
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