「あ、あれは……!?」
それは地上に突き立てられた炎の柱。
白炎の柱から、あたかも降って湧いたように出現したのは禍々しき異形の軍勢。
先陣を切るのは、黒翼卿の眷属であるタトゥーバット。絞首卿の配下であった奴隷級ヴァンパイア団、バーバ・ヤーガの眷属である鶏の足の小屋と、ヴァンパイア魔女団、殺竜卿の配下である鉄竜騎兵団の混成軍。
更には、竜種イフリート、ソロモンの大悪魔・ヴァレフォールの眷属、スサノオ、動物型の眷属などが大挙として出現したのだ。
灼滅者達の主力はハンドレッド・コルドロンの戦いに赴いており、学園に残る戦力のみでは、到底守り切れる物では無い。
「灼滅者の戦力は出払ってるし、今回の作戦には、黒の王の完全バックアップが付いているんだ。だから勝利は確実だよ、瑠架ちゃん」
「……えぇ、そうですね、メイヨール子爵」
軍勢を率いるのは、車椅子に乗る黒翼卿メイヨール。相槌を打ったのは、それを後ろから押す朱雀門・瑠架。
上機嫌のメイヨールに対し、瑠架は思案げな表情で視線を巡らせる。
「注進! 武蔵坂学園の灼滅者が、こちらに向かっています」
「な、何だと? 馬鹿な」
そんな折、もたらされたのは灼滅者来着の報。一方的な奇襲になると聞いて居た配下達には、明らかな動揺が走る。
圧倒的兵力を誇る吸血鬼軍。大返しで学園を守らんとする灼滅者。
両者の戦いの火ぶたは、切って落とされようとしていた。
「良く戻って下さいましたわっ。貴方達の不在に、学園を占領されると言う事態は回避出来ましたわね……」
有朱・絵梨佳(中学生エクスブレイン・dn0043)は一つ息をついてから、しかし表情を引き締めて状況の説明を続ける。
「けれど、まだ危機的状況ですわ。強大な吸血鬼軍は、間もなく学園に到来するでしょう」
灼滅者達の帰還により、吸血鬼軍の一部は戦意を喪失する等、士気には悪影響が出ている様子。
だが、主将である黒翼卿メイヨールは攻撃を強行する腹づもりのようだ。
「このメイヨールを灼滅、或いは撤退させる事が出来れば、吸血鬼軍は一斉に撤退してゆくでしょう。何とか学園を守って下さいまし!」
「我々には追い風と言って良いでしょう。奇襲の失敗によって吸血鬼軍には混乱が広がって居ますわ。上手くすれば、黒翼卿メイヨールを撃退するのみならず、有力なダークネスを討ち取る事も出来るかも」
敵の布陣は、前線中央に黒翼卿メイヨール。その後ろに朱雀門・瑠架、前線左翼に竜種ファフニール。前線右翼に義の犬士・ラゴウ。そして後方に、スサノオの姫・ナミダ。
ソロモンの大悪魔・ヴァレフォールは、前線と後方の間で、態度を決めかねている様だ。
「そうそう、この戦いの直前、校長も学園に戻って参りましたわ。戦いの後、重大な話があるとか……いえ、これはとにかく勝利した後の事ですわね。気を付けて、必ず無事に戻って下さいまし」
絵梨佳は灼滅者達に激励の言葉を掛け、迎撃戦へと送り出すのだった。
「僕と瑠架ちゃんの共同作業を邪魔するなんて、許せないね。灼滅者なんて、踏み潰してグチャグチャにしてしまえっ! 突撃ー!」
奇襲が失敗したとは言え、メイヨール子爵の戦意は全く衰えず、気炎を吐く。
(「灼滅者の大返し……。会長が失敗したのか、それとも、これも彼の予定通りなのか。とにかく、最大の懸案は消えたわ。あとは、メイヨール子爵を無事に撤退させれば。メイヨール子爵は、ボスコウなどとは違う、本物の爵位級ヴァンパイア。彼が灼滅されれば、爵位級ヴァンパイアと武蔵坂学園の敵対を止める事はできない」)
一方、朱雀門・瑠架は押し黙ったまま状況を見つめる。
「爵位級ヴァンパイアに協力して、楽して力を取り戻す予定だったのに、どうも話が違うねぇ。これは、適当に戦って、折を見て撤退するしかないね」
明確に戦意を削がれた様子でぼやくのは、ソロモンの大悪魔ヴァレフォール。
「卑劣な罠を破って現れる正義の味方。それでこそ、灼滅者だ。だが、これは瑠架の望み。簡単に黒翼卿を討たせるわけにはいかないな」
義の犬士・ラゴウは、灼滅者達の来着に頷きつつ、しかし瑠架の思惑通り、メイヨールを無事撤退させる事を目論む。
「殺された多くの我が同胞の恨み、今こそ晴らそう。ゆくぞ、竜種の誇りにかけて!」
一方、同じく朱雀門高校勢力にいる竜種ファフニールは、弔い合戦とばかりに戦意を昂ぶらせていた。
「黒の王には義理があった。故に軍団の隠蔽は引き受けたが、さしたる意味は無かったようじゃのう。さて、儂らは退く者どもを助けるとしよう。黒翼卿は戦う気のようじゃが……まぁ、死なぬことはともかく、勝つことはあたわぬじゃろうて」
スサノオの姫ナミダは、後方から軍勢を見渡してそう呟き、自軍の撤退準備と、退く者達の援護を始めるのだった。
参加者 | |
---|---|
ミルドレッド・ウェルズ(吸血殲姫・d01019) |
梓奥武・風花(雪舞う日の惨劇・d02697) |
刻野・晶(大学生サウンドソルジャー・d02884) |
日野森・翠(緩瀬の守り巫女・d03366) |
笙野・響(青闇薄刃・d05985) |
高宮・綾乃(運命に翻弄されし者・d09030) |
現世・戒那(紅天狼主三峰・d09099) |
深夜白・樹(心は未だ薄氷の上・d32058) |
●瑠架の伝令
「ヴァンパイア魔女団の一陣と二陣、鉄竜騎兵団の三陣と四陣を本隊の救援に」
「しかし、それでは手薄になり過ぎます。前線を突破された場合、ここを維持出来なくなります」
最前線では熾烈な戦いが展開されていたが、その後方においても、刻々と変化する戦況に合わせて朱雀門・瑠架が厳しい判断を迫られていた。
救援の到着までは、いかに武蔵坂を生かすかを思案していた彼女だが、今は一転してメイヨールを生かす為に手を尽くさねばならない状況なのだ。
「それよりもむしろ、速やかな撤退を上申します。今ならまだ安全です」
「黒翼卿が討たれれば、これまでの全ては水泡に帰します。それに、自ら降りるなど、私には許されません。……急ぎ黒翼卿を撤退させなさい。我々の撤退はその後です」
単独での撤退を進言する部下に、瑠架は重ねて命じる。
「ですが……」
奇襲失敗で吸血鬼軍の足並みが大きく乱れた中、突出しているメイヨールを撤退させる事は容易ではないだろう。部下は尚も食い下がる。
「黒翼卿に合流したならば、瑠架が心細く思っており、子爵に傍にいて欲しいと言っていたと伝えなさい。……このハンカチを渡せば、私の言葉だと信じてくれるでしょう」
「……承知致しました」
揺るがぬ決意を示す瑠架に、魔女団の部隊長もついに頷き、差し出された白いハンカチを受け取る。
「続け!」
「我等も急ぐぞ!」
手勢を率いた隊長達は、今なお最前線で戦いに身を投じているであろうメイヨールの元へ急ぐのだった。
●合流阻止
「兵は神速を尊ぶとは言いますが。神速大返しした身としては、よくわかりますね」
戦場を突き進む一隊の中に在って、梓奥武・風花(雪舞う日の惨劇・d02697)は足を緩める事無く呟く。
多くの軍勢をこの奇襲作戦に投入した黒翼卿だったが、灼滅者達の大返しにより奇襲は失敗。
それでも全兵力を持ってすれば、武蔵坂を危機に追いやることは十分可能だったであろう。
だが、楽に勝利する事が出来ないと知り、日和見を決め込む者。撤退しようとする者。彼らの連携も陣形も大いに乱れた。
灼滅者達は相手の混乱に乗じ、逆に有力なダークネスを討ち取る好機さえも得ていたのである。
「朱雀門のヴァンパイアは……いつかはけりはつけなきゃいけないんだろうけど」
ミルドレッド・ウェルズ(吸血殲姫・d01019)は、大鎌を握る手に籠もる力を緩めつつ、一つ深呼吸。
ヴァンパイアに対しては、因縁浅からぬ過去を持つ彼女。今回の戦いに際しては、その殺気を抑える事も容易ではなかった。
「ミリーさんっ、いっしょに、がんばりましょうなのですよ」
と、そんなミルドレッドに微笑み掛けるのは、日野森・翠(緩瀬の守り巫女・d03366)。
「ごめん、……ありがとうね。翠が一緒でよかった」
強い絆で結ばれた彼女の、穏やかな笑顔にほだされてミルドレッドも表情を緩める。
彼女ら8人が自らに課した役目は、突出している黒翼卿の隊とこれを支える朱雀門・瑠架の隊を分断し、瑠架を撤退させる事。
瑠架もまた、この局面での殲滅戦を望んでは居まい。撤退させる事は不可能ではない筈だ。
「これなら、瑠架に向かうのはそこまで難しくはなさそうだな」
刻野・晶(大学生サウンドソルジャー・d02884)の見立て通り、前線の吸血鬼軍は、殺到する灼滅者との戦闘に追われ、戦場を粛々と進む一団に兵を割く余裕は無い様子。
無人の野を行くが如く……とまではいかないが、組織的に行く手を阻む敵は皆無であった。
「皆さん、あれを」
笙野・響(青闇薄刃・d05985)が指差す先、混戦のただ中にあって、整然と統制を保つ軍勢の姿が在った。
敵本陣との位置的にも、朱雀門・瑠架の軍に違いない。
「急げ! 足の遅い者は脱落しても構わん!」
と、その瑠架の陣から発ったと思しき兵士達。メイヨールの本隊を救援に向かう部隊だろう。
戦力的にその数で劣勢を覆せるかどうかは疑わしいが、彼らを行かせれば正面の友軍が苦戦を強いられる事は間違いない。
8人は、これを阻止すべく、二つの部隊のうち片方の進路へ割って入る。
「この学園は、守り抜いてみせます!」
戦いの始まりを察した高宮・綾乃(運命に翻弄されし者・d09030)は、シールドを展開し仲間を覆う。
「学園にいる……そして何より、今ここにいるみんなのために、全力で……!」
深夜白・樹(心は未だ薄氷の上・d32058)もまた、ダイダロスベルトによる鎧を形成し前衛の守備力を高める。
「構うな!」
が、敵の一団は臨戦態勢を取って構える灼滅者達を一瞥するや、それを無視して通過せんとする。
――ゴォッ!!
「くっ?!」
そんな彼らの行く手を遮るように吹き荒れる暴風。
「ここから先へは行かせないよ」
風を巻いて地面に降り立つ現世・戒那(紅天狼主三峰・d09099)。
彼に続き、灼滅者達はすぐさま相手の行く手を塞ぐように陣取る。
「邪魔をするな! 突破しろ!」
一団の長と思しき黒いドレスの女が叫ぶや、配下達も一斉に灼滅者達を無視して本隊へ向かおうとする。
「退けと言っているのよ!」
魔女装束を纏った女達が、魔導書に集中させた力を数条の光線に変えて放つ。
しかしそれは、あくまでけん制の攻撃。散発的に放たれるそれは狙いも精度を欠く物。
「そうも……いかないんだよね」
大鎌を一閃、それらの光線をはじき飛ばすミルドレッド。翠もまた、腕に嵌めた勾玉腕輪守からバリアを展開して降り注ぐ光の雨を防ぐ。
「翠、合わせて行くよ!」
「はいっ、ミリーさんには触れさせないのです!」
敵の先手を防げば、2人はすぐさま反撃に転じる。
「ひっ、ぎゃあぁっ!」
敵の攻撃を防いだシールドを、そのまま叩きつける翠。
衝撃でグラリと体勢を崩した魔女を、地面を削るように低い軌道で振るわれたミルドレッドの大鎌が両断する。
「これも学園を守り、他班の接触を助ける為」
表情は変わらずだが、風花は自らの躊躇いを振り払う様に呟き、ダイダロスベルトを放つ。
戦意を持たない相手に攻撃を仕掛けるのは、やはり心苦しさを伴う。が、ここで攻撃を躊躇する訳にはいかないのだ。
「時間は掛けられない」
瑠架に直談判する事が出来れば、メイヨール共々撤退させる事も可能かも知れない。また、彼女が利用されている可能性を感じて居た晶も、目の前の障害を排除すべく旋律を紡ぐ。
「くうっ……ビーチェ隊長、申し訳……」
1人、また1人と倒れ伏す魔女団の兵士達。
彼女達の士気は高く、統制も取れては居る様だったが、灼滅者との実力差はやはり歴然として存在した。
そして何より、メイヨールの本陣へ向かう事を重視する余り、攻撃を掛ける灼滅者に対し余りに無防備だった。
「私達が時間を稼ぎます。ビーチェ隊長はその間に!」
部隊としての突破が難しいと悟った彼女らは、身を挺して隊長を突破させる方針へシフトする様子。
そうこうする間にも、後方の学園からは別の灼滅者部隊が押し上げてくる。
この戦の大勢は、次第に決しつつあった。
●それぞれの役目
「綾乃さんっ」
「はい、援護します」
折れた刀を打ち直して作ったと言う得物、煤竹の小刀を振るって敵の背後を突く響。
本来、争いは好まない物静かな綾乃も、最も信頼出来るパートナーの動きに呼応して歌声を紡ぐ。
学園を守り、友人を、恋人を守りたいと言う想いが、灼滅者達の力を普段以上に引き出していたのかも知れない。
「く……行かねばならないのだ。ここで……倒れる訳には!」
幾度と無く試みられた魔女団の包囲突破はことごとく阻止され、従う配下の数もごく僅かになっていた。
兵卒達の何割かは本隊に辿り着くことが可能かも知れないが、救援の役目は果たせないだろう。
事実、ビーチェと呼ばれていた部隊長は、切羽詰まった表情で突破の道を探り続けている。
「瑠架とは話したい事が有る。メイヨールとの合流は諦めろ」
或いは、既に後続の隊が既に瑠架と接触しているかも知れないが。戒那は翼を広げる様にベルトを拡散させ、魔女達の身体を縛める。
「黙れっ! 我々は何としても……!」
「仲間を守らなければ、いけないんです!」
ロッドに魔力を集中させ、殴りかかる魔女。樹はこれを阻止すべく、影業を疾走させる。
あちらに事情があれば、こちらにも果たさねばならぬ役目が有るのだ。
「う、ぐあぁっ!」
振り上げられたロッドは、術者の意識と共に空中で魔力を霧散させ、カランと地面へ転がり落ちる。
「悪いけど」
敵に対しては言葉少なに言いつつ、間合いを詰める戒那。
疾走によって白熱を帯びたエアシューズが、弧を描いて手負いの魔女を蹴りつける。
「ぎゃうっ!」
もんどり打って吹き飛んだ彼女は、炎に包まれてそのまま灰となって消える。
「た、隊長っ……!」
「響さん、今がチャンスです! 私が動きを止めてる間に!」
樹の放つ影が、ビーチェを守っていた最後の魔女の身体に絡みついて、その動きを封じる。
「OK、樹さん。チームワークだよ」
応える前に動き出していた響。波を操ると言うロッドに膨大な魔力を籠め、動きを封じられた相手へ叩きつける。
「ぎゃあぁーっ!」
為す術も無く、断末魔の悲鳴を残して掻き消える魔女。
残るは隊長独りのみ。
「くっ……こんな……事にっ」
ビーチェは、悔しげに噛み締めた唇に血を滲ませる。
乱戦の中、彼女も少なからず手傷を負った様で、フリルの施された漆黒のドレスも至る所に傷が刻まれていた。
「諦めはしない、何としても……何としてもっ!」
細剣に宿る真紅の闘気。凄絶なまでの覚悟と共に、彼女は灼滅者へと迫る。
――ギィンッ!
「っ、簡単に……攻撃はさせませんのです」
身を挺し、仲間達への攻撃を防ぐ翠。御幣で防ぎきれない剣撃が、彼女の肩口や腕に幾筋かの傷を刻む。
「翠さんを、傷つけさせませんっ!」
が、樹の放つダイダロスベルトがすぐさま、この傷を癒す。
「刻むよ」
「このまま……!」
小刀を逆手に、息もつかせぬインファイトを仕掛ける響。綾乃がこれに合せて、魔力の矢を放つ。
「ぐふっ……こ、こんな所で……っ、倒れる訳には」
間断無い集中攻撃の前に、鮮血を吐きつつそれでも彼女は体勢を保つ。
「これで終わりだよ」
急速に間合いを詰め、エアシューズを叩き込む戒那。
「貴女達を、他人とは思いませんが……」
「せめて安らかに」
ガンナイフを自在に回転させ、鋭い刺突を繰り出す風花。晶はその攻撃に合せ、葬送曲とも取れる旋律を紡ぐ。
「う……あっ、瑠架……様……申し訳……」
ついに限界を迎え、膝から崩れ落ちるビーチェ。
倒れ伏した彼女の身体が跡形も無く消滅すれば、残るのはその手に握りしめられていた白い布。
「これは……ハンカチか」
拾い上げた晶がそれを調べて見るけれど、それが何であり、何を意味するか知る事は出来なかった。
●そして戦いは
8人がビーチェとその隊の主力を撃滅し終える頃には、周囲に敵の姿は殆ど見られなくなっていた。
「ボク達の任務はこれで完了……さて。どうなるかな」
ふっと息をつきつつ、周囲を見回す戒那。他の戦場でも、灼滅者達は上手くやっただろうか。
「皆、ひとまずお疲れ様。……翠、お疲れ様。ありがとう」
ミルドレッドは仲間達に、そして翠を軽く抱擁しながらねぎらいの言葉と礼を述べる。
「えへへ、次はでーとしましょうですね」
これにニッコリと微笑んで応える翠。
「2人なら無敵だねっ」
「えぇ、どうにか切り抜けられましたね」
一方こちらも、髪を掻き上げつつ笑顔で言う響に、にこりと微笑んで応える綾乃。
日常を勝ち取って取り戻した彼女達には、デートを楽しむ権利は十分にあるはずだ。
「お話、うまくいってるといいんですけど……」
「えぇ。これ以上、対立を激化させる様な結果は避けたいですからね」
作戦は成功し、学園が守られた事は確定的だ。
ただ、それに伴う戦いの影響が、今後どの様に出てくるかは解らない。風花は視線を遠くへ向けつつ呟く。
「瑠架とは接触した班が、話を纏めてくれたと思いたいな。メイヨールは……」
晶はそんな風花の言葉に軽く頷きながら言う。
武蔵坂も全てが統一された意思で動いている訳では無い為、どう妥結するかはそれぞれに接触した者達次第だ。
「えっと、では……一旦学園に戻りましょうか」
「そうだね、これ以上連戦なんて事になっても困るし」
「全体の戦況も知りたいですからね」
樹の言葉に頷く一同。
8人は一先ずこの場を離脱し、学園へと引き揚げる。
彼女らがメイヨールの撃破、そして朱雀門・瑠架を確保したと言う戦勝の報せを耳にするのは、今少し後の事である。
作者:小茄 |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2016年4月29日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 2
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