6月5日は、灼滅者として譲れない『別の戦い』がある――。
そう、武蔵坂学園の運動会だ。
「純粋かつ純然たる、仁義なき戦いッス!」
「えぇ、今から楽しみね」
気合十分に拳を突き上げる日下部・ノビル(三下エクスブレイン・dn0220)に対し、柔らかい微笑を注ぐ槇南・マキノ(ご当地の中のカワズ・dn0245)は泰然自若――とは名ばかりのマイペース。
「灼滅者の兄貴と姉御らの戦いぶりが間近で見られるなんて!」
「ダークネスとの闘いとは違った雄姿も見どころだわ」
競技が得意な者でも苦手な者でも、楽しみ方は色々だと言う彼女は、黒板に挙げられていく様々な競技のひとつに目を留めると、颯と起立して手を挙げた。
ペアでボール挟みレース。
それは二人一組となった競技者が、互いの身体にボールを挟んだまま走り、ゴールを目指す戦いだ。
「ボールを間に二人がくっついて……浪漫ッスね」
「ロマン?」
健全男子ならば、夢が広がるのも無理はない。
間に挟むボールが何とももどかしいが、ボールを媒介に相手と距離を縮められるオイシイ競技でもある。
ペアを組む際、身長差や体格差は気にしなくて良い。
基本は胸や腹で挟む競技であるが、接触する部位に指定はなく、二人がボールを運ぶに最適だと思う所を選んで欲しい。
恋人同士でドキドキしながら、友達同士で和気藹々と……或いはライバル同士で文句を言いながら協力し合うというのも面白いだろう。
比較的自由な競技だが、厳然たるルールも存在する。
「途中でボールを落としてはいけないのね」
「落下した場合は失格……ポロリは無しッス」
くれぐれも慎重に、かつ素早く――。
様々な緊張が走るレースになりそうだが、スタートラインからゴールまで、そのドキドキを存分に楽しんで欲しい。
「怪我のないように、応援してるッス!」
ノビルの声に押され、灼滅者達は早速最初のドキドキ、お目当ての相手に『ペア参加の約束』を取り付けに走るのだった――。
●スタートライン――碧落の下に描かれし 真白き線に 戦士は並び
蒼き天蓋に浮かぶ白雲とて風に走る、心地よい日本晴れ。
場内アナウンスを耳に指定の場所へと足を運んだ選抜選手達は、用意されたボールを抱えて白線の手前に並び始めた。
束ねた黒髪を微風に流しつつ、槇南・マキノ(ご当地の中のカワズ・dn0245)は一同の凛然を見て微笑すると、
「天候は晴れ、追い風1メートル、これは記録が期待できそうね」
「参加するからには1位を目指します。勿論、記録だって!」
志穂崎・藍(蒼天の瞳・d22880)が、きゅっと拳を握って答えた。その瞳は、今の穹天を映した様に蒼く澄んでいる。
「藍と一緒に走るからには、勝ちにいかないと」
勝利はかけがえのない人と分かち合うもの――ボールを手に頷きを合わせる葦原・統弥(黒曜の刃・d21438)も気合十分、但し30cmという意外にも近い距離に不意を打たれたか、眼前に飛び込む可憐に視線は釘付けとなり、
「何か顔についてますか?」
「、……横歩きになるから、右・左と声を掛けながら進もう」
慌てて策戦を提案するも、「変なの」と言いつつ頷く姿さえ愛しければ、早鐘は止まず。
「お互いに正々堂々、全力疾走でいこうね! 負けないよ!」
そこに激励の声を掛けたのは、同じ【探求部~S.T.R.U.C.T~】メンバーの守安・結衣奈(叡智を求導せし紅巫・d01289)。共に1本のゴールテープを狙う彼女は、今日は良き好敵手だ。
「1位目指して頑張るよ!」
凛々しい闘志を隣に秦・明彦(白き雷・d33618)も健闘を誓うが、
(「シンプルな競技とはいえ、恋人と一緒だと……色々と意識してしまうなあ」)
色々とは――色々であって。
間近に見る花顔は勿論、長身より見下ろした胸元の弾力は何とも魅力的。
二人三脚の様に寄せ合った身体も、元より優しすぎる彼の闘争心を鈍らせていた。
健全男子ならば、悪戯な天使――ボールが作る至近距離に胸が高鳴るのも無理はない。
「身長差を考えると、お腹と胸で挟んで……向かい合った方が安定しますね」
効率的に走る為にベストポジションを探る森沢・心太(二代目天魁星・d10363)も、改めて見る恋人の華奢に心は揺れ、
「誠に残念ながら、有利になれるほどお肉がありません! ので」
「、」
ご理解の程を、と恥らう端整は殊更格別。
自ずと力が湧くのは、斯くも可愛らしい彼女を1番にさせたいと思う男の意思でもあろう。瞳を合わせた二人は、静かに頷いて白線に立った。
「自分はてるてる坊主を作って、この日を待ってたッス! ファイトっす!」
「気合十分! 煩悩充填! 不純な動機を胸に秘めていざゆかん!」
日下部・ノビル(三下エクスブレイン・dn0220)よりハイタッチを受け取り、右にはマイ天使ことアリス・ドール(断罪の人形姫・d32721)をエスコートして現れた或里・バンリ(エア尾付き・d32585)は何とも晴れやか。
「……バンリと向き合って……ボールを挟んで進むの……」
こう? と確認を求める純粋無垢な上目遣い、その凄まじい破壊力に酔い痴れつつ、邪心を踏力に変える準備は万端。
無論、アリスとて一生懸命――つまり全力を出すのだから、小柄な二人とはいえ、中々手強いチームになりそうだ。
「雪ちゃんとボールを介した間接タッチ。ぐへへ、楽しみですなぁ♪」
花も綻ぶ佳顔ながら、オッサンのような笑みを零す一橋・聖(空っぽの仮面・d02156)も、エロスの力を燃え上がらせる一人。
彼女のお願いなら、とやや強引な押しに参加を決めた二神・雪紗(ノークエスチョンズビフォー・d01780)は、ボールを挟んだ胸越しに対照的な淡然を見せた儘、
「というか、あたしの胸で雪ちゃんのボディに押さえつけてる感じ?」
「……まぁいい。この方が安定はする」
甚だ、遺憾ではあるがね。
そう零す唇さえ、聖にとっては極上の馳走だ。
身体的有利を以て勝負に挑むは、色射・緋頼(生者を護る者・d01617)と黒岩・りんご(凛と咲く姫神・d13538)がある意味『最強』だろう。
「お姉様、こういうの好きですよね」
「だって楽しいじゃないですか。見た目も♪」
馨香が漂うほどの婉然を零した二人が互いの胸でボールを挟めば、大きな凹凸に嵌めこまれたそれは揺ぎない安定を得る。
禁断の果実に包まれたボールは見るだに悩ましげで、「ボールになりたい」と羨望の眼差しを注ぐのは、ノビルだけではなかろう。
斯くしてスタートラインに揃った猛者達は、鋭い耳を研ぎ澄ませて静止すると、静寂を破る号砲に爪先を弾き、一斉に駆け出した。
●スタート! ――銃爪と乾いた音に弾かれし 戦友(とも)を連れて戦士は翔ける
畢竟、ボール挟みレースとは、他者と争う競技に非ず。
己が煩悩を抱えて走る修行である――かどうかは知らないが、各チームは声を合わせ、或いは呼吸を合わせ、弾む息と胸に昂揚を感じつつレーンを駆けていた。
「私と統弥さんのコンビなら、他チームには絶対負けませんよ」
最有力候補は藍と統弥のペアか。
昨年の二人三脚で1位を獲った両者の腕は伊達でなく、互いの表情やボール位置に細心の注意を払って走る二人は、集団より逸早く抜け出てトップに躍り出る。
但し二人三脚と違って、この競技における最大の罠は、愛しい人の気になる場所が否応にも視界に入る所であり、
「声を掛け合って素早く、冷静に」
(「時に藍の胸元が気になりますが、自制自制……」)
不意に脳裏を過る掛け声が「自制、自制」となってしまうのは秘密。
その二人を追い掛けるバンリとアリスは、スタート直後にリズムを合わせて連携は抜群。
身長差に懸念されたバランスも、両者が集中して呼吸を合わせれば、脚は見事にテンポを掴み走っている。
「己の胸元にアリスのお顔……ベスポジにボールを収めたならば、頂を目指すのみ!」
球一つ隔てて伝わる息遣い、艶髪のかほり、上気した頬、躍動する肢体……。
アリスの魅力を全て捉えようとした鼻腔はクンカと蠢き、
「……バンリ……平気? ……ふらふらして……る……」
恍惚に目を細めた刹那――、
「、のわわ!」
「……ぁ……あぶない!」
突如傾く身も、アリスが軽やかな身のこなしに修正すれば、ボールは生きたまま。
「……大丈夫だった?」
「アリス……! すまんでありますよ……ありがとう!」
何とか持ち直した二人は、笑顔を交わして再び進む――。
彼女達が危うきを得たカーブで巻き返しを図ったのは緋頼とりんご。
「緋頼さん、後ろ向きで大丈夫です?」
「お姉様のナビに身を委ねます」
自ずと左右に差が出るカーブを、前後のフォーメーションで攻略した二人は速い、速い。
日頃の信頼の証左であろう、掛け声もナビゲートも阿吽の呼吸で速度を得、
「カーブでボール落とさないように、もっと密着しましょうねー?」
「あっ、お姉様……っ」
ぎゅぎゅっと近くなる距離も息を弾ませる。
互いの胸が至近距離で跳ねれば、小悪魔の微笑は言を囁き、
「緋頼さん、顔赤くなってます?」
「運動しているからですからね!」
見透かされるとは分かっていつつも、そう答える緋頼がまた美味。
その隣――静菜と心太も、カーブでの減速を極力抑えて順調に追い上げる一組。
「しんちゃん」
「僕が外側を走ります」
呼び声ひとつで反応した脚は、外周の差に合わせて速度を整え、直ぐに差し出る彼の気遣いに静菜も胸がトクンと鳴る。
(「う~ん、会った頃は細くて可愛い子だなと思ってたのに、頼りになりますね」)
間近で並べば、改めて彼の長躯――その精悍に男らしさを感じずにはいられない。
こんなに近くで向かい合い続けるのも初めてか、
(「格好良い人とお付き合いしているのですね……」)
恋人の魅力を再確認した静菜の頬は漸う熱帯びた。
然しそれは心太も一緒で、
(「やっぱり静菜さんは細いな。それに、頭の上が見えちゃうぐらいちっちゃいし」)
彼女の強さは知りつつ、その壊れそうな繊麗を眼前に、男心も十分擽ったい。
瞳に飛び込む恋人の可憐に男心を揺さぶられるのは明彦も同じで、1位を目指す結衣奈に応えようと脚は動くも、愛おしさは距離を詰めて迫るばかりで、
「……柔らかそう、いや柔らかいけど」
ボールを受け止め、時にたゆんと弾む魅惑の膨らみは、彼の両唇から謎の言葉をポロリと滑らせた。
無論、約30cmの間柄では本人に聞こえよう。
「ちょ、ちょっと明彦! いきなり何言ってるの! 競技に集中だよ!!」
ボンッと玉貌を真っ赤に染めた結衣奈の動揺は一入。
戸惑いにそうは言うもの、頭の中では彼の科白が何度も反響して胸を跳ね上げる。
辛うじてボールは確保したようだが――恋人を惑わせるポロリは頗る危険だ。
「それで、どう? 智クンと最近」
「智巳とかい?」
ボール越しに会話もテンポ良く繋ぐ雪紗と聖、気になるのはその内容だろう。
「智クンばっかじゃなくて、あたしとも遊んでくれるとうれしいな~?」
互いに相棒と認め合う弟との関係を上目遣いで聞くのは、どちらも愛しいから。
聖は論理じみた口調にも微笑が混じる瞬間を好んでおり、
「そうだね。楽しんでいるよ。本当に感謝しているんだ、彼には」
その答えに「おぉ」と胸を弾ませた矢先、
「勿論、あなたにもね。本当に退屈しないで済むよ」
ボクの演算回路も本当に予測の付かない日々さ、と――決してリップサービスではない科白が聖の笑みを深くさせる。
「そうだ、一曲行ってみる?」
この良き波長を更に加速すべく。
聖の銀の瞳が煌くと、雪紗はコクンと頷いた。
「喜んで」
●ゴールライン――真一文字に引かれし白は 戦士を歓喜に受け止める
「1、2、1、2……」
「右、左、右、左……」
水平に伸びた真白き一条を前に、最後の直線を走る一同は真剣そのもの。
日々に縒り合わせた絆を力にすれば、途中で落ちるボールはなく、
「我等、一心同体! 己は今、貴女様の一部となりてポロリ無き道を征くー!」
「……1番になるまで……油断せずに……いくの♪」
ピンチを乗り越えたバンリとアリスは更に絆を深め、零れるのは愛らしい笑顔のみ。
純然たる勝利を求めるアリスと、理性を奮い立たせたバンリは一心にゴールを見詰め、
「トップの横並び状態に焦りは禁物。――冷静に進もう」
「ペースを乱されないように……右、左、右、左……!」
息を合わせた歩みは、藍と統弥が流石といった処。
常に上位をキープし続けた二人はペースメーカーにもなったろうか、全体的に速いレースは自ずと記録にも期待がかかる。
周囲の記憶に深く刻まれそうな走りは、緋頼とりんごのセクシーなボール挟みであろう。
「直線ではスパートですよ」
「落ち着いて、落ち着いて……」
大きさを生かした安定はその儘、真剣に運ぶ二人は直線に入って愈々振動も激しく、観る者を次々に悩殺した。
「くっつくか、くっつかないかのギリギリ具合に、自分が限界ッス!」
「大変、ノビちゃんが憤死しそう」
ドキドキの攻防は、遂にクライマックスへ――。
「真面目な顔も可愛い……」
ゴールに近くなるにつれ凛然を増す結衣奈に対し、明彦は愛しさを募らせて言を漏らし、
「もう、明彦! 集中、集中!」
またも彼女より注意を受ければ、その詰る様な視線さえ可愛いと思ってしまうのが惚れた男の弱みであろう。いちゃいちゃとドキドキが交錯する、ドタバタレースも楽しいものだ。
恋人の瞳の色に惹き付けられる心太は、最後まで己が昂揚と戦っているらしい。
(「見蕩れている場合じゃないです。競技に集中しないと……心臓の鼓動も落ち着いて」)
図らずとも滲み出る色香は甘く切なく、動もすれば繋がれてしまう視線は、恋に堕ちた証。
彼の眼差しに気付いた静菜も十分に熱を上げているのだが、
「えっと、とにかく落ち着いて、転ばないように行きますよ!」
この気丈な振る舞いが更に彼を惹き付けるのだとは思ってもなかろう。
守りたい――胸の疼きは確かな意思となって、一直線に駆け抜けた。
「兄貴~! 姉御~! ファイトっす~!」
「みんな、頑張って! もう少しよ!」
歓声が愈々大きくなる。
思わず拳が突き上がる。
「ラストスパートはサビを2回!」
軽快なアッパーチューンに身を任せた雪紗と聖は、宛ら木立を縫う爽風であった。
聖は自らのアイドル楽曲を口ずさんでリズムを得、ステップを合わせる雪紗も以心伝心。
「そろそろフィニッシュだ」
宛ら社交ダンスを踊る如く、付かず離れずの位置をキープしながら走る二人は観客を惹きつけ、湧き上がる声援を纏い――旋律を翔けた脚は頓てゴールテープを空に躍らせた。
●ゴール! ――共に跳ねし胸の鼓動は 今度は触れて確かめて
惜しくも2番手に白線を駆け抜けた藍と統弥は、その懸命と真剣に見合う悔しさを滲ませたものの、直ぐに笑顔を零したのは、ボールを最後まで運びきった達成感と安堵からだろう。
「走りきりましたね、統弥さん!」
「頑張ったね、藍」
悔しい――、けど弾む胸が清々しく快いのは、全力を出し切った証。
役目を終えたボールは漸く地に転がり、距離を隔てていた二人が抱き締め合う。
「お疲れ様♪」
30cmという僅かな障害と、触れてはならぬというルールがもどかしさを募らせ、その後の抱擁を強くさせるのが競技の醍醐味。
ゴールへと辿り着く選手達が次々にハグを交わすのは、互いの健闘を称え合うと同時、愛しい人に触れる喜びを味わう為だろう。
「楽しかったですよ、お姉様」
陽に輝く汗に肌を濡らしつつ、緋頼はぎゅっとりんごに抱きつき、
「わたくしも楽しかったですわ♪」
優しく髪を撫でられれば、その胸に温かなドキドキが広がる。
漸く触れ合えた二人は手を繋いだまま、
「じゃあ、少し休みましょうか」
と、細指に涼やかな木蔭を示し、火照る身体を冷ましに行った。
「ふぅ……。ギリギリ、落ちませんでしたね」
安堵の吐息を重ねた静菜と心太は、胸と腹で押さえていたボールを置くと、心地よい疲労感に苦笑を零した。
ふと静菜は色白の手を頬に宛がい、未だほんのりと熱を差すそこを宥めるように撫でる。
「まだ顔が熱いような。しんちゃんに見られ……てますよねこの距離じゃ!」
「大丈夫。僕しか見ていませんから」
「、っ……」
ボールを置いて訪れるは、愛おしい人だけに許される、甘い――零の距離。
心太は桃色に染まる佳顔を独占すべく、その胸元に恋人を隠して優しく労った。
「んんー! 勝利を届けられなかったであります!」
むぐぐ、と拳を握って花顔を顰めたバンリは、己が無念に土へと埋まりそうな勢いであったが、脇よりスッと伸びる細腕が心を支えてくれる。
「……バンリと……息がそろって……楽しかった……」
「アリス……!!!」
呼吸が合い、同体となった瞬間に訪れた歓喜を忘れない。
美しい相貌に差す微笑が、何よりバンリの馳走――もとい褒美になったのは言うまでもない。
ゴールして直ぐに恥らいの素顔を暴いたのは結衣奈。
「ああ~、本当に動揺したよ、もう!」
ボールを置いて無防備になったパートナーの胸元に、含羞を訴えるようにポカポカと(※全く痛くありません)叩く手は、レース中にポロリと零れたあの科白を言うのだろうが、
「ごめん。でも、楽しかったなあ」
柔らかく返る無垢な笑顔――その愛しさには敵わない。
凪に撫でられた様に頬笑を合わせた結衣奈は、
「わたしも楽しかったよ。二人の思い出にまた1ページ追加だね!」
満面に花を咲かせ、またも明彦の胸を鷲掴みにしたのであった。
1位の旗を右手に、左手は雪紗と繋ぎながら勝利を噛み締めていた聖は、歓声の間を縫って届くクールな声に振り向く。
「また今度一緒に、ショッピングに行きましょう」
ボクに合う服を教えて下さい。
そう付け足される言は、競技中に交わしたガールズトークの続きで、遊んで欲しいと言った言葉の返事――そして約束だ。
「……うん! うん!」
大きく2回も頷いた聖は、煌々と輝く瞳を快晴の空に注ぎ、欣喜の拳を突き上げたのだった。
作者:夕狩こあら |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2016年6月5日
難度:簡単
参加:12人
結果:成功!
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得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 4
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