焼けるような日差しが照らす浜辺。沖縄の一足早い夏を楽しもうとレジャーに来ている多くの人々で賑わっていた。
「んーーよく寝た~」
そんな場所に何も身に纏っていない一人の女性が突如として現われる。大きな胸にくびれた腰。女性らしい丸みを帯びた体は見たものを魅了する。
「? ここ、何処かしら? 知った顔もないし……どれくらい眠ってたのかしらね」
周囲を見渡し、不可思議そうに首を傾げる。
「ま、いっか。まずは情報収集といきましょ♪」
自らの柔らかな体を撫でると、突如として水着のように薄く露出の多い服が現われる。
「ふふ、ちょうど好みの男の子もいるし、私が可愛がってあげましょ」
歩くだけでその大きな胸が揺れる。ごくりと近くで唾を飲み込む音が聞こえた。振り向けば女性に見蕩れる男子の姿があった。
「ふふふふふ、どうしたの? 私の体が見たい? 触りたい? いいわよ、私のものになるなら、た~っぷりサービスして、あ・げ・る♪」
近くにいた水着の高校生らしき男子に近づき耳元で囁くと、首筋を撫でて微笑んだ。真っ赤になった男子はコクコクと頷き、女性の柔らかな体に向け手を伸ばした。
「サイキック・リベレイターを使用した結果、大淫魔サイレーンの配下の動きが活発化しているみたいだね」
能登・誠一郎(大学生エクスブレイン・dn0103)が集まった灼滅者に説明を始める。
「みんなには大淫魔サイレーン配下の淫魔を倒してもらいたいんだ」
復活した淫魔は状況を把握していない。命令も出ていないため好き勝手に行動を始めるようだ。
「今は人々を誘惑して情報収集や、住みよい環境を作ろうとしているだけみたいだけど、いずれ上位の淫魔が復活すれば組織だって行動する可能性もあるんだ。だから個人で動いている今が灼滅の好機だよ」
今ならば他との繋がりを持たない淫魔を各個撃破できる。
「今回倒してもらう淫魔は、沖縄の海に現われるよ。そこで遊んでいる若い男子を見つけては、誘惑して自らのハーレムに加えていくようなんだ」
そうやって趣味と実益を兼ねて、情報収集や生活する為の環境を手に入れるようだ。
「淫魔は十代の男子が好みみたいだね。気に入った男子を見つけては手当たり次第に魅了してしまうんだよ」
放っておけばあっという間に一般人は操られて、最終的には強化一般人とされてしまうだろう。
「今ならまだ普通に男子を誘惑して遊んでいるだけなんだ。だから被害が出る前に止める事ができるよ」
淫魔は海辺で男子を侍らせているので、その場に行けばすぐに見つける事ができる。
「海は誘惑の多い場所だけど、淫魔の誘惑は普通の人には抗えないからね。大淫魔サイレーンの勢力を減らすためにも、みんなの力で淫魔を倒し、誘惑された人の目を覚まさせてあげてほしい」
説明を終えると誠一郎が窓の外を見る。暖かな日差しに夏の海を思い、焼きそばやカキ氷といった海の家の食事に思いを馳せた。
参加者 | |
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新堂・辰人(影刃の魔法つかい・d07100) |
フィアッセ・ピサロロペス(ホロウソング・d21113) |
赤暮・心愛(赤の剣士・d25898) |
ウィルヘルミーナ・アイヴァンホー(白と黒のはざまに揺蕩うもの・d33129) |
●海辺の花
海に夏のような日差しが降り注ぐ。浜辺には多くの海水浴客が遊んでいた。
「淫魔には特に因縁とか無いからなぁ……一般人に被害が出るっていうから、灼滅するけど、せめて手練れならいいなぁ」
そんな期待をしながら赤暮・心愛(赤の剣士・d25898)が敵の姿を探す。
「男性を侍らせてるみたいだから見つけるのは簡単そうだけど……」
隣で新堂・辰人(影刃の魔法つかい・d07100)も周囲を見渡してゆく。すると一角に異様な風景が見つかった。
大勢の若い男性が一箇所に集まっているのだ。そしてその中央に一人の女性がビーチチェアに寝そべって、男性が持ってきたトロピカルジュースに口をつける。
「ん~、今のジュースって美味しいわね。何か美味しいものも食べたいな~」
「はい、ヨーコ様!」
女性がウインクすると、すぐさま違う男性が駆け出し、色とりどりのフルーツが盛り付けられた皿を持ってくる。
「良い子ね。その調子で私の願いを沢山聞いてくれたら、とっても気持ちいいことして、あ・げ・る♪」
女性の甘い言葉に男は真っ赤になって頷く。それを他の男達が羨ましそうに見ていた。
「いいわね~、久しぶりの海は気持ちいいわ~。みんなも私のお願いを聞いてくれたら、後でいいことをしてあげるからね♪」
色香の宿った女性の甘い声に、男性達は興奮したように頷く。女性の言葉に男達は言いなりとなり、淫魔の力で完全に魅了されていた。
「淫魔はダークネスの中でも話のわかりそうな種族なので殺し合い以外の関係を模索したいのですが……。なかなか上手くいかないものです」
悪さをする淫魔を目視して、フィアッセ・ピサロロペス(ホロウソング・d21113)は複雑な表情で眉を寄せる。
「今の状況を放っておけば、淫魔による被害が広がります。目を覚ましていただかないと」
被害が出るのならば放っては置けないと、ウィルヘルミーナ・アイヴァンホー(白と黒のはざまに揺蕩うもの・d33129)は淫魔に群がる男性達に視線を向けた。
敵と周囲の状況を確認すると、灼滅者達は頷き合い作戦を開始する。
「もっと君にふさわしい素敵な場所があるから、行かないか」
柔らかな笑みを浮かべた辰人が淫魔に声をかける。
「あら、私を誘っているの? 嬉しいわ」
チラリと淫魔が視線を向け辰人の容姿を確認すると、ゆっくりと立ち上がる。たゆんと揺れる胸。くびれた腰、そして丸みのあるお尻。近くで見ればそのスタイルの良さがよく分かる。まさに男を悩殺するための肉体だった。
「どこに連れて行ってくれるのかしら?」
「君と二人きりになれる場所だよ」
魅惑的に微笑む淫魔に、辰人も誘惑するように甘い言葉を囁く。
「素敵ね! 他の子は私の言う事を聞く良い子たちだけど、そういう誘いはしてくれないもの。ふふ、いいわ。二人っきりでいいことしましょ♪」
「では、こちらへ」
辰人が淫魔をエスコートして人気の無い場所へと歩き出す。
「ヨーコ様!」
「貴方たちは少し待ってなさい、良い子でお留守番できたらご褒美をあげるわ♪」
付いて行こうとする男達に淫魔がウインクして留まらせる。そして辰人と腕を組んで見せつけるように去っていく。
「くっ」
付いていきたいのを我慢し歯軋りしてその後姿を見る男達。そこへ声がかかる。
「お姉様は忙しいみたいですわ。かわりにフィアッセたちと遊びましょう」
振り向けばフィアッセがフェロモンを発しながら立っていた。愛想よく笑い男の腕に振れる。男は困ったようにおどおどしながらも口元がにやける。
「そうだよ、こっちはこっちで遊ぼう!」
同じくフェロモンを飛ばした心愛も元気に呼びかける。健康的な雰囲気がフェロモンによって増幅し、男達には眩いものに見える。
「ヨーコ様の……」
先ほどまで淫魔しか目に入っていなかった男達が、同じように熱い視線をフィアッセと心愛に向ける。
「すみません、カッコいいお兄様方♪ もし良かったら日焼け止め塗って頂けないでしょうか?」
そう言ってウィルヘルミーナもまた魅惑的な白いビキニの水着姿で胸元を突き出し、両手を胸元で組んでお願いポーズをする。その色気と清純さの混じった態度に男達は視線を奪われる。
「わ、わかりました。一緒に遊びましょう」
「日焼け止めは俺に任せてくれ!」
「いや俺が!」
ごくりと唾を飲み込み、俺が俺がと魅了された男達はふらふらと3人についていく。淫魔が向かった方向とは逆に連れ立っていった。
誰も居なくなった場所にはビーチチェアだけがぽつんと残された。
●淫魔の誘惑
「ここでいいかな」
「あら、こんな人気のない場所で、どんな事をされちゃうのかしら♪ もしかしていけないことされちゃうのかしら」
ごつごつした岩肌のある場所で辰人が立ち止まると、その絡んだ腕にぎゅっとヨーコが力を込めて胸を当てる。だが辰人は顔を赤らめるどころか表情一つ変えなかった。
「ここで君を灼滅するんだよ」
「え!?」
辰人の体から殺気が放たれる。慌ててヨーコは手を離すが、間合いの外に出る前に逆手に引き抜いたナイフを振り抜く。切っ先がヨーコの美しい肌を斬り裂いた。
「何をするの! 良い子だからそのナイフを捨てなさい! そうしたらもっと良いことしてあげるから、ね?」
ヨーコが誘惑するように優しい声で囁く。だが辰人は惑わされる事なく更に踏み込んでナイフを薙ぐ。
「私の誘惑にかからないなんて……貴方、私と同じダークネスね!」
それを躱しながらヨーコはようやく尋常な相手ではないと、バックステップで間合いを離して戦闘態勢に入る。
「いいや、僕はダークネスじゃないよ」
「嘘を言っても無駄よ。ダークネスを傷つけられるものはダークネスだけでしょ。それなら力尽くで私のものにしようかしら。ふふ、元気な子を私好みに変えるのも好きよ」
ヨーコの指に嵌められた指輪が輝く。放たれる魔力が辰人目掛けて飛ぶ。
「お待たせしました。ここからは私達も参加させてもらいます」
その一撃をウィルヘルミーナが剣で受け止めた。そして剣を振り抜き魔力を消失させる。辰人がチラリと振り向けば、一般人を避難させた仲間が駆けつけていた。
「貴女達もダークネスね? その子のお仲間かしら?」
油断無くヨーコが新たに現われた3人に目を配りながら、その手に魔力を集め放った。
「私たちは灼滅者。フィアッセは淫魔のなりそこない。そして貴方を倒すものです」
フィアッセが跳躍して魔力に突っ込み、蹴りを放って貫くとそのまま腕で自らを守ろうとするヨーコを蹴り飛ばした。
「きゃっ!」
ヨーコは地面を転がり砂だらけになりながら起き上がる。
「灼滅者? 私が眠っている間にそんな種族が生まれたということかしら? 敵対するというのなら後悔させてあげるわよ」
蹴られながらも放たれた魔力がフィアッセの足を石化させていた。
「強気だね、その台詞くらいに実力があるのを期待してるよ!」
心愛がすぐさま薔薇の意匠が施された剣を掲げる。すると風が吹き抜け足の状態異常を消し去った。
「ふふふ、しばらく眠っていたからって、新参者にやられるほどヤワじゃないわよ?」
「なら試してみよう」
間合いの外から辰人がナイフを振るうと光の刃が放たれる。胴を薙ぐ刃をヨーコは魔力をぶつけて相殺した。
「灼滅者の力をお見せいたします」
その隙にフィアッセが剣を振るうと、刀身が鞭のようにしなりヨーコの体に巻きつく。
「きゃぁっ!」
「あなたよりも魅力的な舞を披露しましょうか……ふふふっ♪」
笑みを浮かべたウィルヘルミーナが剣を手に舞うように攻撃する。軽やかに刃が踊り、動きを封じられたヨーコの体を斬り裂く。
「調子に乗りすぎね、私の方がもっと魅力的よ、小娘に大人の女の魅力を教えて、あ・げ・る♪」
ヨーコがウインクするとハートが飛ぶ。それはウィルヘルミーナを直撃し、脳を揺さぶるように意識を惑わす。ウィルヘルミーナの剣がフィアッセへと向けられる。
「そっちは味方だよ!」
心愛が剣を向け一陣の風が通り抜ける。すると正気に戻ったウィルヘルミーナが振り下ろそうとしていた剣を止める。
「失礼しましたわ」
ウィルヘルミーナが剣を引く。
「もうちょっとだったのに、惜しいわね。じゃあ次いくわよ~♪」
「させないよ」
ヨーコがハートを飛ばす前に、背後に回った辰人がナイフで斬りつける。傷口から真っ赤なちが溢れ出た。
「きゃー! 私の美しい肌に傷がついちゃう!」
踊るようにヨーコが蹴りを放つと、辰人は咄嗟にナイフでガードする。だが勢いに押されそのまま後ろに飛ばされた。
「次はフィアッセがお相手します」
入れ替わるようにローラーダッシュで近づいたフィアッセが、炎を纏った足で蹴り上げる。ヨーコは腕でガードしようとするが、それを蹴りで弾いてくるりと回転し、後ろ回し蹴りを無防備となったヨーコの脇腹に叩き込んだ
「寝すぎて鈍ってるのかな? もっと本当の力を見せてみなよ」
挑発的に心愛が炎を纏った剣で袈裟斬りに振り抜き、ヨーコの胸に傷を作った。
●海の藻屑
「それなら軽く目覚めの体操に付き合ってもらおうかしらね」
激しく踊るようにヨーコが腕を振り足を上げる。華麗な踊りは急所を狙う打撃技。流れるような動きで襲ってくる。
「私が付き合いましょう。古臭いダンスではなく、今の優美な剣舞をお教えしますわ」
対してウィルヘルミーナも剣舞で攻撃を遮る。拳と剣がぶつかり弾かれる。攻防はヨーコの一撃の方が重く、ウィルヘルミーナが押され始める。
「僕も混ぜてもらおうかな、エスコートするよ」
そこへ辰人がナイフを振るって加わる。ヨーコは攻勢から一転、守勢に追い込まれる。
「2人の相手は流石に大変ね」
辰人のナイフの一撃を腕で受け止めたヨーコの体勢が崩れる。そこへウィルヘルミーナが剣を突き入れた。だが刃が届く前に指輪が輝きウィルヘルミーナの肩を貫く。
「だから要らない子には消えてもらうわ」
「そうはさせません、あなたの相手はこちらにもいます」
ヨーコが指輪をウィルヘルミーナの胸に向けたところで、横からフィアッセが蹴り飛ばした。ヨーコは岩肌にぶつかって膝をつく。
「思ったよりやるようで嬉しいよ」
その間に心愛が帯を伸ばしてウィルヘルミーナの肩の傷口に巻きつけ止血した。
「もっと熱いダンスを楽しみましょうっ♪」
すぐさま体勢を立て直したウィルヘルミーナが、立ち上がるヨーコに剣で襲い掛かる。
「そっちの男の子ならともかく、同性とダンスする気はないのよ!」
その剣が届く前にヨーコは魔力を放つ。ウィルヘルミーナは攻撃を受けながらも前に踏み込みヨーコの肩口に斬りつけた。
「このぉっ!」
ヨーコは傷口を押さえながらウィルヘルミーナを魔力で吹き飛ばす。
「女の子なら素直に男性とダンスでもしてなさい!」
傷を塞ごうとヨーコは傷口に魔力を集める。
「お前を、切り裂いてやる」
そこへ静かに背後から接近した辰人がナイフを縦横に振るう。薄い布地が破れ背中が丸見えになり、赤い線が走る。
「きゅあああっ!? エッチ!」
振り向きながらヨーコが胸を押さえる。か弱そうな表情と仕草に思わず辰人の意識が奪われた。ふらりと振り向くと、その刃が仲間へと向けられそうになる。
「それは淫魔の手口だよ、そんなにか弱いわけがないんだから」
心愛が剣から目の覚めるような清涼な風を送って辰人の意識を戻した。
「ありがとう、助かったよ」
辰人は頭を振ってぼやけた思考をはっきりさせる。
「もうちょっとだったのに! 昔から可愛くない女は可愛い私みたいな美人に嫉妬して邪魔するのよね、見苦しいわ!」
ヨーコはか弱い表情を一変させて憎々しげに女性陣を見渡した。
「見苦しいのは力で人を操るそちらの方です」
踏み込んだフィアッセが剣に真紅のオーラを纏わせて上段から振り下ろした。刃が避けようとしたヨーコの胸を深く抉る。
「ぎぃあ、ああ?! 私の自慢の胸が! なんてことするのよ! この餓鬼がぁ!」
美しい顔を崩し、鬼気迫る表情でヨーコは魔力を放射状に放ってフィアッセを吹っ飛ばした。
「構えろ、次はもっと深く斬り裂く」
大太刀の刀身に炎を宿し、心愛は横一閃に振り抜いた。刃がヨーコの胴を薙ぐ。更に刀を返し、首を狙って刃が跳ね上がる。
「ひぃっ」
悲鳴を上げてヨーコは仰け反って致命の一撃を避ける。
「いたいっ、何で私がこんな目に遭わなくっちゃいけないのよ! あなたたちと私は何の関係もないでしょ! 誰か! 誰か助けて!」
先ほどいた場所に向かって声をかける。誘惑した男達を呼んで盾にしようとしているのだ。だが何の反応もないことにヨーコは顔を雲らせる。
「取り巻きなら全員違う場所に行かせたよ」
心愛がその背中に語りかけながら斬り裂く。
「私達の役目は人を守る事。人を誑かす淫魔は邪魔ですの」
魅惑的な淫魔のような笑みを浮かべ、ウィルヘルミーナは舞いながら剣で幾重にも斬り刻んだ。
「人間なんていくらだって居るじゃない! それに私に可愛がられた子はみんな自ら望んでいるのよ! 私は男の子の望みを叶えてあげてるだけっ、全然悪いことじゃないわ!」
血を流したヨーコは傷だらけになりながら魔力を放ち、必死に灼滅者から逃れようと海に入る。
「一般の人を玩具のように扱う。だからダークネスと僕達は相容れない」
すっと間合いを詰めた辰人のナイフが喉を掻き切った。
「あ、あ……」
口をパクパクと動かし水辺で膝をついたヨーコが血に溺れる。
「お休み頂いていた間、時代は変わったのです」
フィアッセの剣が頭上から振り下ろされた。
●海水浴
淫魔の体が薄れゆき、岸辺の波に流されるように、やがては何も残さずに消え去った。辺りには岩と砂、そして波の音だけが響く。
「リベレイターの効果で淫魔が現われるのはいいけど、一般人に影響が及ぶのが厄介だよね」
今回は犠牲者が出る前に阻止できて良かったと、辰人はナイフの汚れを拭って収めた。
「話し合いで解決とはいかないものですね。灼滅者の事を知らないとなるとなおさらです」
どれほどの間眠っていたのだろうかと、フィアッセは目覚めて何の情報も無いまますぐに消えてしまった淫魔に少し同情する。
「目覚める時代を間違ったようですね、いつまでも好き勝手できると思われては困りますわ」
ウィルヘルミーナが乱れた髪を直し、太陽の光を反射する海を眺める。
「淫魔にしてはまあまあ楽しめたかなぁ」
まだ体を動かしたりないと心愛は有り余る元気を発散するように、波打ち際で水を蹴った。
海にはサーファーや水遊びする客が戻りつつある。何事もなかったように遠くから海水浴を楽しむ人々の歓声と水の音が聞こえる。
灼滅者たちも戦いで熱せられた体を冷ますように、海に足を踏み入れた。
作者:天木一 |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2016年5月29日
難度:普通
参加:4人
結果:成功!
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得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 1
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