競技名:
『学内1周RBクロスカントリー』
内容:
学園の敷地内を走り回るクロスカントリー。
RB:
リアルバウトの略。
クロスカントリー中に相手走者を妨害する事を可とする。
禁止事項:
サイキックの使用は禁止。
ライドキャリバーに乗ったり引っ張って貰ったりは禁止。
学校の備品や校舎を破壊するような事は禁止。
――――――――――――――――――――――――――――――
6月5日(日)は武蔵坂学園の運動会。学生たちは優勝を目指し盛り上がる。
だがここに、別の意味で盛り上がる者たちがいた。
彼らに統率者は無く、全てが同志だった。
彼らは自然発生し、気がつくと自然へと帰って行く。
メンバーに誰がいるかは不明、どう連絡を取り合っているかも不明。
しかし、彼らはリア充が発生するタイミングで確実に自然発生する。
ある者は覆面を、ある者は三角頭巾を、ある者は素顔で……。
彼らの名は――RB団。
運動会まで数日と迫った武蔵坂学園の屋上に、怪しい学生たちが集まっていた。
「運動会とは、学園祭、修学旅行に並ぶ3大リア充増加学校行事のひとつ」
「クリスマスとかバレンタインは違うのか?」
「あれは学校行事じゃないだろう」
「ああ、そうか、なるほどな」
覆面や頭巾や見バレ覚悟の素顔の団員は、雑談を続ける。
しかし、その内心では何かを一心に祈り続けていた。
そして、屋上へ続く扉がバンッと開かれ、1人の同志が現れる。
皆の視線が一斉に集まる。結果は……どうだ!?
「みんな! 今年もやったぞ! 紛れ込ませておいた俺達の競技が通った!」
『だっしゃーっ!!!』
『学内1周RBクロスカントリー』。
RBの上にはリアルバウトとルビが振ってあるその競技は、学校中を舞台としたリアルバウト有りの何でもあり競争の事だ。――表向きは。
「ふふふ、良しッ! この隠語で今年も同志が集結するだろう」
「ああ! 遠慮なく流れ弾でリア充を爆発させられる!」
『お、おお~!』
そうして盛り上がる同志達だが、競技の連絡を持ってきた男が言い辛そうにつぶやく。
「みんな、一つ問題があるんだ……」
「なんだ、同志よ?」
「これを見てくれ。今年のRBクロスカントリーのルートなんだが……今までと違う部分があるんだ」
「おいおい、そんなの毎年の事じゃないか。どうせ走る場所が1、2カ所マイナーチェンジしてるだけだろ?」
笑いながら資料に目を通す男達。
「「「な、なんだってー!?」」」
そこにはこう書いてあった。
『今年は折り返します』
「ど、どういう事だ!」
つまり、今年は指定されたルートを通り、折り返し地点でしるしのリストバンドを貰い、今度はさっき通ったルートを逆順にスタート地点に戻ってくるらしい。
もちろん、驚愕するほどの事じゃない。
逆だ。
「これはつまり……行きでいろいろ仕掛けられるってわけか!」
「くっくっくっ、なんて俺達向きのルールだ!」
大盛り上がりの同志達に、RBと描かれた巨大な旗を持つ同志が口を挟む。
「冷静になれ同志達よ! 我らの策略は妨害者たる義勇軍も思い至るはずです」
「た、確かに!」
「危ねぇ、裏の裏をかかれるところだったぜ」
「ってか、手前ぇだけ口調が偉そうでムカつくぞ!」
兎に角。
今年のRBクロスカントリーは一波乱ありそうだった。
「まあいい、俺達はただリア充どもを襲撃できれば良いんだ。ってか俺は難しい事を考えるのは苦手だ!」
そうだ、そうだ、と大概の同志が同調し、その声はじょじょに大きくなっていく。
そして異様なオーラが頂点に達した時、吠えるように団員達が叫びをあげる。
「久々にいつもの行くぞ!」
『おー!』
「目的は!」
「リア充撲滅!」
「合い言葉は!」
「リア充爆発しろ!」
「我ら!」
『RB団!!!』
●
「この日の為に1年間路上生活で嫉妬パワーを蓄積してきた! あはははははっ! パーティの幕開けだぁ!」
依頼行けよと思わなくもないが、兎に角スタートと同時に後方へ何かを投げる六玖。そして起こるダイナマイト級の爆発!
恒例のような爆煙の中から次々に競技者が飛び出し校舎へ向かう。
熱血行進曲なBGMを放送室が流し競技を盛り上げ――と、そこに急に曲が途切れ失恋ソングが流れだす。
それは放送室に乗り込んだRB団は良太の仕業だ。
「同士がリア充に堕ちたとしても、僕が救ってみせましょう」
やる気が削がれるリア充競技者達。だが、曲は再び元に戻る。
放送室では良太の後ろに立った流希が『彼らの歌う萌えソング(ヴァリトンボイスVar)』を耳元で聞かせ。
「ふふ、今年はちょっとキツめの折檻をしようかと思っていまして」
ギャー、という悲鳴が僅かに放送に流れた……。
一方グラウンドの方ではフィンが無差別に地雷を設置し――ている所を、18歳の見た事の無い女性に呼び止められていた。誰だろうと疑問符を浮かべるも横合いから小次郎が叫ぶ。
「離れろ! そいつは――」
「毎年凝りもせず……」
ヒュ、とブラックジャックが唸りフィンが倒れる。
「く、遅かったか……」
目の前の女性はキラリと光りエイティーンを解き、元の清美へと戻る。
「よく私だと気づきましたね」
「ふっ」
「まぁ、そりゃあ……ねぇ(視線が胸へ)」
睨み合う両者の側で、登が言葉を濁し……ブラックジャックでボコボコにされた。
「オレを秋山ふぁんの部下だと思っふぇふぁい? オレは……逆らえふぁいだけふぁー!」
逃げていく登、追っていく清美、どさくさで逃亡する小次郎。
その小次郎が逃げ込んだのは運動会前から作っていたRB団運動会拠点。
この日の為にコンクリと鉄骨で本格的に作ったヤツだ。
内部から各RB団の様子をモニターしつつ的確な指示を出す小次郎。
だが――。
「ネーベル・コマンドよりCRBU各ユニットへ、全兵装使用自由、ただし校舎及びその設備の破壊はこれを固く禁ずる」
狭霧の元にはCRBUの半数の面子が集まっていた。
「正面未確認建造物は校舎の類ではない。慈悲等いらん、徹底的に殲滅せよ!」
合図と共にフォルケが麻酔弾を遠慮なく小次郎の拠点に撃ち込み、瑠璃が辛味入りスモークカラーボールを投げ込む。
その煙幕に紛れて最初に突入するは宗嗣とヴァイス。
2人の連携を手で口を押えながら小次郎がギリギリ回避。
「楽しそうね、私も混ぜてくれないかしら?」
声と共に夢乃がドリアン青汁を水鉄砲で発射、顔面に命中しふらつく小次郎。
次いで突入した狭霧達だが、小次郎はソレを見てニヤリと笑みを浮かべる。
ガッシャーンッ!
背後の扉が落ち閉じ込められる戦戦研メンバーの半数。
「残念だったな、俺の目的は……時間稼ぎだ」
これぞ策を弄するRB団軍師の真骨頂。
皆が次のコースへ行った後、グラウンドに1人残った法子は「よし」と頷くと折り返してくるリア充を撃退するための準備を始める……ってか、普通にレースする気無いよね?
●
校舎の階段をフックや踏み板を配置しつつ一気に駆け上りつつ良いポジション取りをしているのは2014年の覇者、文である。その後に続くは刑、こちらは小さな可愛い兎のぬいぐるみを大量にばら撒きながら階段を駆け上がる。2人ともトップを狙う猛者だ、きっとこれらの行動にも意味があるのだろう。
次々と屋上へと抜けていく競技者をスルーし、リア充狙いで階段上から球体を落としまくるは茉莉だ。
「頑張ってリア充さん達を爆破しないと!(ぐっ」
茉莉が気合いを入れ、横でケーキが「にゃー(やれやれ)」と呆れた瞬間、1人と1匹は階下からのオーラにビクリと身をすくめる。
「何をやってるのでしょうか?」
登と共に(従え?)やってくるは清美。
「え、えっと……」
キラーンと清美のメガネが怪しく光り、大量の球体を階段にばら撒きながら茉莉はお縄についたのだった。
●
屋上では大量のRB団に取り囲まれている4人がいた。
七葉は隠れてバスターライフルで狙撃をしたかったが(※死にます)、RB団に見つかり紅詩と共に屋上中央に追い詰められたのだ。
「七葉さんと付き合い出して初めてのRB戦、狙う立場から狙われる立場に代わったとしても……手加減無しで返り討ちです」
ジリジリと距離を取りつつ移動する紅詩。瞬後、RB団の一部が投網に捕われダンゴとなる。七葉と紅詩が罠の位置へと誘導していたのだ。
陣形が崩れたRB団達、そこに背中に背負ったトマトを投げ始めるは彗樹と伊織、酸味がとても目に染みる。
「それにしてもトマトは美味しいねぇ~」
「って、伊織、トマト食ってる場合じゃないだろうが!」
目がー目がー、と苦しむRB団達を七葉が投げ縄で次々捕縛していく。
大量のモブRB団を投入した屋上だったが、まさかたった4人の義勇軍に破られようとは。
それを貯水タンクの上で見ていた3人のRB団が屋上のフェンス上を駆け逃げていく。
「やはりモブでは限界がありますね」
「だねー、次行こうか」
「今年こそは」
刑一と若がシュタタと屋上から飛び降り、最後の柚季がコケッと転んで、無言で立ち上がると屋上からジャンプしていなくなる。
「今のは……」
「ネーベル・コマンド応答願います。ただいまRB団の――」
●行きのプール
屋上を抜けた3人のRB団はプールを我が物顔でトラップゾーンへ作り変える。
「義勇軍がいないとは好都合だね」
若が巨大すぎる浮輪を幾つも水面に浮かべ。
「顔出したら、打つの」
息継ぎするため顔を出すリア充に向けて柚季が水鉄砲を撃ち。
「ふはははは! 大量大量!」
水中には刑一の張った透明な糸で編んだ網が張り巡らされ、次々にリア充が捕えられデスソースを掛けられる。
ああ、なんというこの世の地獄。
「さて、ここは私達が占拠した。他の仲間も呼ぶとしようか」
若が連絡用の狼煙をあげる。
●
折り返し地点の体育倉庫前でリストバンドを受け取るは、1人で参加の競技者だからかプールではスルーされた弥勒と響だ。2人とも早いと言うわけでは無いが、下位集団という訳でもない。なぜなら――。
「さて、無理ない感じはここまで! 後半は頑張るよー!」
弥勒がリストバンドを巻き気合いを入れ、それまでとは違い一気に加速して折り返していく。
「勝負は後半の屋上」
そう淡々と告げた響は、まだ体力を温存したまま折り返す。
果たして2人の作戦はどこまで通じるのか……。
●
RB団が占拠したプールは折り返しても地獄は続く。
プールの中では網や浮輪や水鉄砲で攻撃され、上がってからは細かい氷がぶつけられる。
氷をばら撒くは今年RB団デビューした柚理だ。
プールを出てもリア充に安息は無い、慌てて校舎を登ろうとすれば上から降って来るはゴムボールの雨霰。
「やりましたね、日向さん!」
失恋闇堕ちから救出されRB団となった千李と、クラスメイトの光介。
ハイタッチから肩を組み喜ぶ2人。
もっとも千李のいろいろが当たったりで光介は思わずドキド――。
シュパッ、投網が投げられ2人絡まり落下していく。
「え、ちょ、あたし達RB団だよ~!?」
「そんなラブラブなRB団がいるかー!」
プールに陣取るRB団に粛正される2人。
●
とある屋上に3人の戦戦研がいた。
「無駄に時間を使わされてしまったわね……各自状況の報告を」
狭霧が報告を受けプール方面を確認するよう残り2人へ。
「今ならプールにRB団しかいません」
瑠璃がフォルケの狙撃準備を手伝いつつ双眼鏡で確認し。
「ネーベル・コマンドより各ユニットへ。さぁ、狩りの時間よ!」
「Fertig……Los.!」
固定砲台と化したフォルケが合図と共に自動擲弾銃でプールのRB団達に掃射を開始。
●
プールの方はどこからかの狙撃にパニックが発生。
そこに突入するはCRBUの宗嗣と夢乃。
「ここは俺が! 3人は逃げなさい!」
サバト服が戦戦研に向かってフォークを投げ牽制、その間に3人のRB団が校舎をよじ登って行く。
しかし、屋上へ顔を出した瞬間、若の目の前には金属製のオール。
「抵抗せず飛び降りた方が楽ですよ?」
微笑む翡翠のオールにより撃破される若。
「ああ、RB団の先輩が!」
新人の柚理が言うがもう若は星だ。
「今年こそは、負けないんだから……」
隣のRB団柚季が精いっぱいの抵抗と空き缶をポイポイ投げるも。
「RB団ってんなら手加減無用だよな? 獅音」
屋上に上ろうとする柚理と柚季の前に紗矢が仁王立ちになり、ウィングキャットに指示を出す。
ペチペチ、カンッ!
柚理が肉球パンチによって、柚季が上空から戻って来た空き缶に当たって落下していく。
「なるほど、これがRB団になるってことなんだね。でも、後悔はしてないよ!」
「まだ、負けてないんだからー」
ドドーンと水柱を立てプールに落下。
ちなみにサバト服は夢乃の手作り弁当に惹かれるフリをして近づいたら、普通に宗嗣に死角から殴られプカリとプールに浮かんだのだった……。
●
「燃えてきたぜッ!」
流れ玉に当たりつつも屋上にたどり着いた要が叫ぶ。
この苦難は先輩たちからの試練! この程度耐えてゴールしろって事ッスね!
「うぉぉぉ負けてたまるかぁーッ!」
網やらなんやらを引きづったまま激走する要。
そんな競技者が抜けるのを確認すると、屋上の階段前に大量のバナナの皮とマキビシと勘尺玉をばら撒くはRB団の一正。さらに本人は給水塔の影に隠れて高みの見物。
「(罠を仕掛けて待つが一流よ……)」
そこに手を繋いで仲良くやって来るは女子高生の悠花と小5の少年サーシャ。
「はっ、罠が! サーシャ君あぶないっ」
「お姉ちゃん……あの、その、胸が……」
「って、ちょっと! 堪能するのは後にしましょ!? ここは人の目があるから」
「べ、別に堪能してるわけじゃっ!?」
姉弟と思いきやラブラブ年の差カップルだった。
ゆらりと現れるRB団一正。
構えを取る悠花とサーシャ。
だが――。
「ぐふっ!」
錐揉み回転しながら一正が吹っ飛び屋上から落下していく。
どんな攻撃よりイチャコラを見せつけられたのが大ダメージだった模様。
●
「ここが勝負所だ、仕掛ける」
大量の兎のぬいるぐみや球体が散乱した校舎の階段を一足飛びで降りていくは久遠。事前にコースを下見し当日に挑んだだけあり、かなり体力を温存できた。このままいけば……。
前回優勝者とマークされないよう地味な女性に変装し参加しているのは2015年の覇者アリス。
階段を三角飛びの要領で跳び跳ね進むも、着地した所にうさぎの縫いぐるみがあり、ちょっと罪悪感。
「……ごめん……ね……」
一応謝ってから先へ。
その様子を見ながらニヤリと笑うは刑、しかしよそ見をした瞬間、自分もうさぎを踏んでしまい苦い表情に。
そんな上位3人をごぼう抜きしたのは文だ。事前に用意したフックや踏み板を使い一気に階段を駆け降りていく。
「逃げる奴はリア充だ! 逃げない奴は訓練されたリア充だ!」
「くらえ日々の恨み!」
赤ずきん姿の木乃葉と、長髪カツラを付けたアトシュ、RB団の2人。
リア充達へ花火と激辛水鉄砲で襲撃を行ないながら階段を下っていく。
だが、その前の踊り場に赤い人影が2人!
「自業自得因果応報!」
「烈堂ファイト!」
問答無用に襲い掛かる義勇軍の周と満。
最初に動いたのは満、殺す気まんまんで階段を逆走し木乃葉たちへ迫る。
「させるかよ! 世界一辛い色々をブレンドした水鉄砲を食らえ!」
ゴッ!
水鉄砲で迎撃しようとしたアトシュに周が投げたボーリング玉が命中。クラリ倒れながら水鉄砲を放つ。
「先輩ストップ! それ僕の方向いて――ぎいやあああぁぁぁぁぁ!」
さらに隠し持っていた大量の花火が爆発。踊り場の窓から煙が昇る。
「おのれ赤いヒーローズ?……だが、俺達を倒しても第二第三の同志が……」
しかし、もうほとんどRB団残ってないんじゃね?
●
「俺が来た!」
RB団参加のくせに全力でゴールを目指す和弥が地雷を踏み抜きつつトラックへと戻って来る。
その背後、爆炎の中から飛び出してくるはミックに追われて走るアッシュ。
「アッシュ君が犬に追いかけられるなら、僕はお魚を咥えた猫を裸足で追いかけましょう。伝統的ステイルとして」
ジェフが意味の解らない事を言いつつ、アッシュを追う。
そして……競技のトラックを無視して彼方へ――ゆかいだな。
そんなアッシュやジェフにいつもならツッコミを入れる珠希だが、今日はツッコミをせず黙々と走る。
その護衛とばかりに清美が並走するが……。
「(なんで「ちゃんと勉強しなさいよね!」しか言わないのだ?)」
「(秋山さんにしては体格に違和感を覚えるのです……)」
お互い見つめてホホホと誤魔化す。
そう、それは珠希に変装した園観遥香こと園観ちゃんと、姉である清美に変装した妹の梨乃だったのだ。
だが、その前に立ち塞がるは法子。
「さぁ来なよ義勇軍のおさげの子! 今回はクリームの海に沈むといいよ!」
大量に準備したパイを投げてくる法子に、周囲の義勇軍やリア充がクリームまみれになる。
バフッ。
清美(梨乃)の背負っていた袋が破け、小麦粉が風に舞いトラック一面を白い靄が包む。
その時だ――
『オオ……オォォオオン……』
不気味な唸り声と共に白い靄の中、ゆらゆらと人影が現れる。
それは六玖であり良太であり小次郎であり、スタート直後にやれたRB団達だ。
「よくあること……だよね」
倒されクリームの海に沈みつつ法子が言う。
そう、嫉妬の炎が同志達を再び蘇らせたのだ!
そんなゾンビRB団の中でフィンが呟く。
「黄泉の道へ……付き合え同志諸君」
カチリ。
フィンが無差別爆破スイッチを押すと共に、ゆらり立つRB団達の背中(途中でフィンに渡された背負袋)が光り。
チュドドドドドーンッ!
さらに風に舞った小麦粉まで粉塵爆発し、大爆発が起こる。
RB団参加の和弥ももれなく吹っ飛び、和弥がいた先頭集団でも被害が出る。
しかし、その爆破すら耐え、回避し、先頭へと躍り出る者も数名いた。
まず飛び出たのは文、ついで弥勒と響だった。しかし、その影から飛び出るようアリスが追い抜き、そこに並走するは久遠。
「今は唯、駆け抜けるのみ」
だが、彼ら彼女らより体力を温存し身体一つ前に出るは明日等と愛奈だった。
ゴールテープは目前、そして――。
パーンッ!
終了の銃声が響く。
勝ったのは……神夜・明日等。
優勝の決め手は対策や体力温存だけでなく、スタート時から目ぼしいRB団や義勇軍に目をつけ、巻き込まれないようにした戦術にあった。
「ふぅ……激しい中でこそ、勝つ意味もあるわよね!」
そうしてRBクロスカントリー2016は幕を閉じたのだった。
作者:相原あきと |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2016年6月5日
難度:簡単
参加:48人
結果:成功!
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得票:格好よかった 1/感動した 0/素敵だった 1/キャラが大事にされていた 9
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