完璧なる殺人計画を求め

    作者:飛翔優

    ●殺人計画書作成中
     深夜を迎え、落とした電灯。
     机にだけは灯火を与え、桜田東次はペンを走らせ続けていた。
     人を殺す計画を記すため、内なる衝動おもむくままに。
    「……ふぅ」
     時計の針が二時を示した時、東次はペンを横に置く。無地のノートを日記を締まっている隠し棚にしまい込み、頬杖をついて目を閉じる。
    「無理だな、やはり。一人ではとてもじゃないが逃げ切れない。だから――」
     ――実行には移さない。
     口に出そうとした刹那、はっと目を見開いた。
    「何を言っている。そもそも殺す理由なんてないじゃないか。僕はただ……」
     抗えば抗うほど強く頭を支配する、殺せとの言葉。
     流されれば楽になることは分かっている。流される事が本来の自分なのではないかとも思っている。
    「……有り得ない……もう少し頑張るか」
     東次は小さく首を振り、再び無地のノートを取り出した。思い浮かぶがままに殺人計画を記載した。
     いつまでも、いつまでも。この衝動が収まるまで。あるいは登校の時間を迎えるまで。
     ああ……今日もまた、寝ずに学校へ行く事になりそうだ……。

    ●ひと気のない教室で
     一般人が闇堕ちしてダークネスになる事件が発生しようとしている。放課後の教室で、倉科・葉月(高校生エクスブレイン・dn0020)はそう語りはじめた。
    「通常ならば、闇堕ちしたならすぐにダークネスとしての意識を持ち、人間としての意識は掻き消えてしまいます。しかし彼……桜田東次さんと言う名の男子高校生は人間としての意識を残し、ダークネスの力を持ちながらもなりきっていない状態なんです」
     もし、東次が灼滅者の素質を持つのであれば、闇堕ちから救い出して欲しい。
     しかし、完全なダークネスとなってしまうのならばその前に灼滅を。
     葉月は小さく頭を下げて、具体的な説明へと移っていく。
    「今回、東次さんがなろうとしているダークネスは六六六衆。序列は六五五になります」
     現在、東次は高校一年生としての普通の学園生活を送りながら、家に帰るなり殺人計画を練る。練るだけ練った後にこれでは無理とノートを保管するに留める事で、自らの殺人衝動を抑えている……そんな生活を送っている。
    「元来の性格は自信家と言いますか、自分自身にのみ完璧主義者と言いますか……。頭の良さとそこそこの運動神経に裏打ちされた自信と、自分への厳しさ。それとは逆に他人には優しい人当たりは良い性格だったようです。……何か良いことを思いつくと突如笑い出すような癖も、親しみやすさを後押ししていたかもしれません」
     だからこそ完全に闇堕ちしなかった……のかは分からないが、元々は進んで殺人を犯そうとするような男ではない。だからこそ、完璧でない殺人計画書を作成することで殺人衝動を抑えているのだ。
    「皆さんにはまず、この東次さんと接触していただくことになります。彼の下校途中、家の最寄り駅に降りた際は一人になるので、その時に呼び止めると良いかと。また、近くには若干の広さを持つ公園がありますので、そちらへ誘導するのが良いかと思われます」
     無事に誘導した後、完全に闇堕ちしないように説得を行うこととなる。その際は、先に記した東次の性格を考えて行うと、説得も成功しやすくなるだろう。
    「そして説得が成功するにせよしないにせよ、内なる衝動に押し流されて六六六人衆として覚醒してしまうでしょう。その際は、全力で戦い、倒して下さい」
     東次の実力は高い。一人で八人の灼滅者を十分に相手取れるほどである。
     得物は大鎌。相手の腕や足などの関節部を狙うような斬撃は、足止めや武器封じの力を秘める。首を狙っての一閃は、アンチヒールとパラライズの呪詛をもたらすだろう。更に禍々しき風を刃に纏わせてからの横薙ぎは、一列に服破りと毒を与えていく。
    「以上が今回の依頼に関する説明になります」
     説明が終わると共に、葉月はメモを畳んでいく。静かな息を吐いた後、締めくくりの言葉を紡いでいく。
    「完全には闇堕ちしていない方が相手とはいえ、強敵であることに違いはありません。将来、最初の被害者がでないよう、何よりも東次さんの未来が明るいよう……全力で立ち向かい、灼滅してきて下さい。何よりも無事に帰ってきて下さいね、約束ですよ?」


    参加者
    御貫・遥斗(討魔灯・d00302)
    仰木・瞭(夕凪の陰影・d00999)
    アイレイン・リムフロー(その剣と共に・d02212)
    千条・サイ(戦花火と京の空・d02467)
    四月一日・いろは(剣豪将軍・d03805)
    加賀峰・悠樹(惨劇の視聴者・d05633)
    華槻・灯倭(セロシア・d06983)
    アーナイン・ミレットフィールド(目に見えているものしかない・d09123)

    ■リプレイ

    ●何気ない日常を平和に続けていくために
    「これから演劇の練習をするんですけど、少しだけ、場所を貸して頂いてもいいですか?」
     空が若干陰り始めてきた時分、華槻・灯倭(セロシア・d06983)は公園で遊んでいた子供たちに演劇の練習をしたいと申し出た。
     子供たちは素直に受け入れて、急いで道具を仕舞っていく。
    「おねえちゃん、ばいばーい!」
    「ばいばーい」
     元気よく走り去っていく背中に手を振って、灯倭は安堵の息を吐き出した。
    「人払いは完了、そっちはどう?」
     改めて公園中心部に位置する広場へと向き直れば、殺気を放ち始めた千条・サイ(戦花火と京の空・d02467)の姿がある。
    「問題ない、俺らも準備完了や」
    「後は東次待ちだね」
     小さく頷いた四月一日・いろは(剣豪将軍・d03805)は植え込みへと向き直り、静かな瞳で見つめていく。
     一足先に、アーナイン・ミレットフィールド(目に見えているものしかない・d09123)が身を隠している。そのはずなのに、目を凝らしても見つけることはできなかった。
     今は風は冷たくとも弱々しく、陽は明るさを減じてきた昼と夕の境界線。余程のヘマを踏まない限り、植え込みに隠れてさえいれば早々見つかることもないのだろう。
    「まだ、しばらく暇みたいね。遥斗についていった方が面白かったかしら? ……ま、それはそれとして、隠れましょう。それと、準備お疲れ様」
     アイレイン・リムフロー(その剣と共に・d02212)が優しい微笑みで労いつつ、木々の影へと隠れていく。
     一般人のいない公園は、妙なる静寂に包まれた……。

     主婦や学生たちの姿がちらほら見える、夕方の近づくひなびた駅。電車から降りてくる一群に混じり、改札へとやって来たふらつく影。
     脳裏に刻んでいた資料と照合し、御貫・遥斗(討魔灯・d00302)は彼が桜田東次だと確信する。
     改札を通り抜け外へと出るタイミングを見計らい、軽く片手を上げて声をかけた。
    「よお、御同輩」
    「っ!?」
     東次は肩をびくつかせ、素早くカバンを盾に身構えた。
     快活に笑いながら謝罪しつつ、遥斗は言葉を重ねていく。
    「悪い悪い……だが、驚いたか? まさか自分だけ特別と思ってた訳じゃねえだろうよ……なぁ?」
     瞳から笑みを消せば、東次も冷静さを取り戻したのかカバンをおろし構えを解いた。
     制服のホコリを払い、小さな息を吐いていく。
    「……どうも、思春期特有の手合いとは違うみたいだね。何が目的だい?」
    「アンタの悩み、それが何なのか教えてやる、ついて来な」
     解決への道標を示すとともに、遥斗は力強い笑みを浮かべていく。
     一呼吸分の間を置いた後、東次はため息を吐き出した。
    「分かった、付いて行こう。いずれにせよ……先に進めそうだ」
    「……じゃ、こっちだ」
     遥斗はさっそうと踵を返し、公園の方角へと歩き出す。さなかには携帯電話を操作して、作戦成功と送信した。

    ●六六六人衆、桜田東次
     夕刻を迎える前にしてはひと気のない公園に違和感を覚えなかったわけではないだろう。しかし、あくまで足取りを淀ませずに導かれてきた東次を、彼らは隠れたまま迎え入れる。
     遥斗の軽い合図と共に姿を表し、加賀峰・悠樹(惨劇の視聴者・d05633)などは退路を塞ぐように移動した。
    「これは……」
    「遥斗の仲間だよ。君を救いに来た、ね」
     何気ない調子で呟きながら、いろはは東次へと向き直る。軽く片足を下げながら、抑えた声音で続けていく。
    「色々と聞いてきた感想だけど……うん、自分で何とかしようとしてきたのは良い事だと思う。けど、大切な事を相談したり頼れる人も必要じゃないかな」
    「……殺人計画でも、かい?」
    「少なくとも、いろはを含めて、ここにいる人達ならそう言う存在になれるよ」
     僅かに瞳を細めた後、いろはは身構えたまま下がっていく。
     代わりに仰木・瞭(夕凪の陰影・d00999)が前に出て、抑えた声音で問いかけた。
    「人を殺してしまうこと、どう思われますか?」
    「悪いことだと思うよ。少なくとも意図的に、計画的に行うなんて、ね」
     語られし回答を耳にして、瞭は一呼吸分の間を置いた。
    「……ですが、きっと人を殺したいと、そう憎むことは誰にでもあることなんだと思います」
    「何が言いたい?」
    「自分を否定する必要はない、ということです」
     理性的に振舞っていても、常に六六六人衆としての声に苛まれている東次。抗い続けていることは、隠し切れない目元の疲れを見れば分かる。
    「大事なのは、その憎しみや怒りを戦うことなんだと思いますよ」
    「……もし良ければ、戦うことと否定すること、抗うことの違いを教えてくれないかい?」
     東次にとっては既知の事。頑張っているのに頑張ってね、と言われた、そんな感覚なのだろう。失望を含んだ溜息が、唇からは漏れだした。
     けれどあくまで冷静に、灯倭が一歩前に出た。
    「殺人なんて実行するの、怖いんだよね?」
    「ああ、その通りだ。怖いよ、実行するのも、計画を立ててる自分も」
    「だからいつも不完全な計画を?」
    「っ!」
     やや伏し目がちだった東次の瞳が見開かれ、灯倭だけを写していく。
     灯倭は力強く頷いて、更なる言葉を紡いでいく。
    「誰かの命は、とても、重いんだ。私も……今も、重いの。居なくなった命は戻らないから、それを背負わなくちゃいけないの。いつか、それで心が壊れる前に、今吐き出しちゃお? ちゃんと、受け止めるよ」
    「……だが」
    「元より、完璧な殺人計画があったとして、実行する気も、実行する必要も、実行する意味もない、違いますか?」
    「……」
     反論を封じるため、悠樹が質問を投げかけた。
     言葉は返らず、表情が変化する様子もなく、何かを考えているかのよう。
     冷たい風だけが音を立てる存在として公園を駆け抜けた時、いろはが再び口を開く。
    「完璧なものなんて誰にも作れないよ。それが一人なら尚更、じゃないかな」
     今、完璧にすべき事。
     彼の内に眠る存在を完璧に葬り去ることか。
    「……ふふっ、ははっ、はははははは!」
     歯車が噛み合ったような音が聞こえて気がした。
     灯倭は指先を震わせながらも鋼糸を引き抜いて、小さく身構えていく。
    「そうだね、どうやらできそうな気がしてきたよ。だから……頼む。僕を、殺してくれ!」
     高らかなる懇願が木々の合間を抜けて消える頃、東次の手の中には大鎌が。表情も狂気と歓喜に満ちたものへと塗り替えられた。
    「ははっ、ははは……さあ、殺戮の宴の開幕と行こう! 六六六人衆、東次の名の下に!」
    「……君には番号があったか忘れたけど、名乗りは必要かな? 時遡十二氏征夷東春家序列肆位四月一日・伊呂波。其の計画お蔵入りにさせて貰うね」
     人格も、声質も別人へと変わったように思える東次に対し、いろはは刀に手をかけ身構える。
     遥斗は口の端を持ち上げて、槍を構えて腰を落とした。
    「良く言った……お前じゃなく、東次がな。東次! 持ち堪えろよ!」
     叫ぶと共に吶喊し、東次の懐へと入り込む。
     鎌と穂先の打ち合う音が、戦いの開幕を告げる鐘となる!

     大鎌より放たれた黒き烈風を、アーナインは指輪をかざして打ち消した。
     余波が腕を頬を裂いていく中でも変わることなく東次を示し、唇の端を持ち上げる。
    「楽しゅう御座いますか。アーナインめは、楽しゅう御座いますよ。命のやりとりは、楽しゅう御座いますね」
    「っ!」
     魔法の弾丸を撃ち出せば、東次は横に飛んで避けていく。
     待ち構えていたかのように、アイレインが紫色の髪をなびかせながら飛び込んだ。
    「お兄さんらしくない。望まない闇堕ちの、どこが完璧だと言うの」
    「そうだな、まだ完璧じゃない。まだ、だがな!」
     背後より切りつけようとライフルを高く構えるも、大鎌の石づきに脇腹を押さえられ動きを制された。
     ならばと一歩後ろに下がって動きの自由を取り戻し、銃口を下へと下げていく。
    「お兄さんはどうして誰かを殺そうと思うの? 理由はあるの?」
    「殺すのに理由が必要か? いや、違う。殺すことそのものが理由だ……っ!」
     アイレインが一歩を踏み出す直前に、ビハインドのハールが横合いから突撃した。
     対応のために東次が向き直っていく隙を見逃さず、アイレインは右足を斬り上げた。
     強い衝撃を加えられ、崩れる姿勢。
     追撃もできぬ様子に目を細めつつ、アイレインは最前線から離脱する。銃口を東次へと向け直し、エネルギーの充填を開始する。
    「ふうん、そんな理由で殺すの? つまらない。あなた退屈だわ」
    「……それは残念。せめて楽しく」
    「ま、その力に警察は無力とて、当然俺らが止めるんやけども、な!」
     横合いからサイが殴りこみ、演技かかった言葉を止めていく。
     拳撃が脇腹に食い込むや二発、三発と撃ち込んで、新たな言葉を紡ぐことすらも許さない。
     代わりに放たれた牽制混じりの横薙ぎを、サイはしゃがみこんでくぐり抜ける。
     立ち上がる勢いのままにバク転し、返す刀も回避した。
    「この……」
    「この世に、完璧な殺人計画なんてあれへんよ?」
     瞳を細めながらも頬を緩め、どこか弾んだ様子も見せているサイの言葉。どこまで心に、あるいは閉じ込められている本来の東次に届いたか。いずれにせよ、六六六人衆たる意識は押し黙る。
     音もなく大鎌が引かれていく様が重ねられ、サイは声を張り上げた。
    「首や、首に注意してな!」
    「遅っ」
     サイの警告と、大鎌が風切る音色の、どちらが先に届いただろうか?
     いずれにせよ……最も早く到達したのは、瞭の司りし長剣二刀流の形をした影。手足に絡み、動きを封じていく技だ。
    「くっ……」
     本来いろはへと向けられていた大鎌が、虚しく空を切っていく。
     整った顔立ちが苛立ちに歪んでいく様子を眺めつつ、サイは腰を落としていく。
     手に注ぎ込むは己の気、六六六人衆たる東次を撃ち抜くため。
     綺麗で見惚れてしまう程の殺人計画ではないと、全力で突き付けるため……。

    ●完璧なる解決を
     全ては語り、伝え終えた。
     後は最悪へ導かれてしまう前に、全力で六六六人衆としての意識を潰すだけ。
     禍々しき風を纏いながら振り上げられた大鎌を、灯倭の放つ鋼糸が縛り上げる。想いの強さの分だけ力を乗せて、満足に動くことを禁じていく。
     弱々しくも放たれた烈風は遥斗が真正面から受け止めた。
    「温いぜ。これがてめえの限界か、桜田」
    「……」
     返事はない。
     構わぬと遥斗は吶喊する。握り締めた槍に体中から吹き上がる炎を宿して。
    「てめえの自信って奴はこんな所で折れて、潰えて良いもんなのか? ……違うだろ……そうじゃねえだろ! なあ!」
     左肩へと突き刺せば、東次の全身が燃え上がる。
     声すら上がらぬ様子に、遥斗は声を張り上げた。
    「抗え! 完璧に自分の闇を殺してみせろ!」
    「……」
     恐らくは全力で抗っているのかもしれない。それ程に、東次の動きは弱く、鈍い物へと成り果てた。
     だから、放つ。
     アーナインは無慈悲に、的確に。
     六六六人衆を滅びへと導く弾丸を。あるいは、動きに制約を与える石化の呪詛を。
     何かを語るでもなく、伝えるでもなく。ただ淡々と、笑みだけを唇の端に浮かべながら。
     為すべき事に違いはないと、悠樹もまた笑顔の下に影を放つ。
     縛り付けていくさまを見ても、追い詰めていく様を見ても表情を変えることはなく、ただただ東次を妨害し続けた。
     反撃として放たれた烈風は、ナイフを振るい散らそうか。
     再び彼が影を蠢かせ、アーナインもまた弾丸を放った頃合いに、いろはが懐へと飛び込んだ!
    「……」
     東次の眼前にて立ち止まり、鞘に収めた刀に手をかけながら腰を深く落としていく。
    「っ……」
     負けじと、東次が大鎌を振り上げる。
     弾丸が足を、影が両腕を縛り上げた。
     守りの開いた胴めがけ、いろはは呼吸に重ねる形で抜刀する!
    「……これにて終幕、だね」
    「……ああ、感謝する……よ……」
     いろはが刀を収めた頃、大鎌は大地に落ちて砕け散る。東次もまた昏倒し、公園には静寂が訪れた。
     木々の音色がその証。
     安らかな寝息も、その証。
     彼らが勝利した証として、新たな灼滅者が誕生したのである。

     空が夕焼け色に染まる頃、ベンチに寝かされていた東次が眼を覚ました。
     呆然とした表情ながらも身を起こした彼を支え、瞭は優しく笑いかける。
    「お疲れ様でした」
    「あ、ああ……そうだね。ありがとう。憑き物が落ちたみたいだよ」
     これで全てではないものの、灼滅者として覚醒し、当座の危機は過ぎ去った。
     だからアイレインは歩み出て、元気に問いかけるのだ。
    「それでは、灼滅者になって頑張る気はないかしら?」
    「君達のように、かい?」
    「せやな。少なくとも隠さんでええし、殺し合……寸前くらいまでは付き合うてくれるダチとかできるで?」
     けらけらと軽妙な笑い声を響かせて、サイは武蔵坂学園への案内を渡していく。
     東次は受け取り、思考を巡らせた後、力強く頷いた。
    「そうだね。この力が役に立つのなら……うん。行かせてもらうよ、武蔵坂学園に」
    「歓迎しますよ」
     笑顔のまま悠樹が一礼し、約束を確実なものとする。後は彼が帰宅できる状態へと回復するまで、話でもして過ごそうか。
     夕日に隠れ浮かんだ月が、優しく見守っていてくれるから。静かな風に抱かれて、今はただ、安らかなるひと時を……。

    作者:飛翔優 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2012年10月22日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
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