集まる炎は赤々と、燃えて燃える

    作者:陵かなめ

     鶴見岳の山頂に、赤々と燃ゆる少女が現れた。
     時には数多のイフリートを主導して戦った。時には暑さに倒れ温泉で療養もした。そして、時には竜種イフリート化を試みたこともある。その折々で、武蔵坂学園の灼滅者と浅からず関わりあってきた。
     少女の名はアカハガネ。
    「イマコソ、ガイオウガノミモトニ!」
     アカハガネは、獰猛な爪を己の身体に迷いなく振り下ろす。
     何をすべきか、何のために戦うのか、彼女がいつも目標にしていたこと。悲願。それは、ガイオウガの復活だ。
     もう難しく考えることなど何もない。考えるのはとても難しいのだから。ガイオウガは復活するのだから。
     激しい炎の飛沫を撒き散らしながら、アカハガネはその命を自ら絶った。
     
    ●依頼
     すでに知っている者も居るだろうけれど、サイキック・リベレイターによるガイオウガの復活を感じ取ったイフリート達が、鶴見岳に向かっている。
     千歳緑・太郎(高校生エクスブレイン・dn0146)がこの件に関して皆に話し始めた。
     イフリート達は鶴見岳に向かっており、鶴見岳山頂で自死し、ガイオウガの力と合体しようとしているようだ。彼らがガイオウガと合体を繰り返せば、ガイオウガの力は急速に回復し、完全な状態で復活してしまうかもしれないと言うのだ。
     それを阻止するためには、鶴見岳でイフリートを迎撃し、ガイオウガへの合体を防がなければならない。
     以上を説明し、太郎は緊張した面持ちで皆を見る。
    「そして、今回、あのアカハガネも鶴見岳山頂に現れるんだ」
     あのアカハガネ。
     灼滅者達はその名を聞いてはっと表情を変えた。
     
    ●情報
    「アカハガネの名前を知っている人は多いと思う。実際に彼女と直接対面した人も居るよね」
     アカハガネは、少女のような姿の武闘派イフリートだ。
     数々の戦いに見え隠れしていた彼女は、学園と縁のあるイフリートの1人と言える。彼女の竜種化を説得により止めた事、記憶にある者も居るはずだ。
    「アカハガネが鶴見岳に現れるのは真夜中だよ。山頂付近の林で迎撃できるんだ」
     このポイントで迎撃すれば、アカハガネは撤退せず最後まで戦うと言う。捜索なども必要ない。迎撃だけを考えれば良い。
    「彼女に思うことは、それぞれ色々あると思うんだ。だからこそ、よく考えて、どういった方針でアカハガネに接触するのか、しっかり話し合って決めてね」
     太郎はそう言って、説明を続けた。
     アカハガネを灼滅できれば、ガイオウガの力が増すことを阻止する事ができる。
     ただ、合体してガイオウガの一部となるイフリートは、その経験や知識をガイオウガに伝える役割もあるようなので、学園に友好的なイフリートであるのならば、ガイオウガへの伝言を伝えて、敢えて阻止せずにガイオウガとの合体を行わせるという選択肢もあるかもしれない。この場合は、迎撃ポイントで接触した後、イフリートとの友好を深めたり、伝えたい内容を確実に理解してもらうといった準備が必要となる。
     最後に、可能性は低いが、強い絆を持つものが説得する事で、ガイオウガの一部となる事を諦めさせる事もできるかもしれないと言うのだ。
     彼女を説得した事のある灼滅者の声なら、より強く彼女に届くかもしれない。この場合も、ガイオウガの影響が強い場合は不可能なので、手加減攻撃などでダメージを与え続け、イフリートとしての力を弱める事が必須になる。
    「多くのイフリートが語っていた、ガイオウガと一つになるという事は、このことだったんだね」
     ガイオウガの復活を悲願としていたアカハガネを、どうするのか。それを灼滅者に託し、太郎は説明を終えた。


    参加者
    狐雅原・あきら(アポリアの贖罪者・d00502)
    一橋・智巳(強き魂に誓いし者・d01340)
    神虎・闇沙耶(鬼と獣の狭間にいる虎・d01766)
    殺雨・音音(Love Beat!・d02611)
    住矢・慧樹(クロスファイア・d04132)
    嶌森・イコ(セイリオスの眸・d05432)
    リーファ・エア(夢追い人・d07755)
    白金・ジュン(魔法少女少年・d11361)

    ■リプレイ


     鶴見岳山頂付近の林では、すでに灼滅者達がアカハガネの到着を待ってスタンバイしていた。
     真夜中の林は、しんと静まり返っている。
     ただじっと、耳を澄まし、そのときを待つ。
     だからアカハガネの足音が聞こえてきた時も、灼滅者達は落ち着いて前に出た。
    「オマエ、タチ――」
    「久しぶりだなアカハガネ、今回も話をしに来た」
     神虎・闇沙耶(鬼と獣の狭間にいる虎・d01766)は真っ直ぐ相手を見て語りかけた。
    「よ、今年は夏バテしてないか? ひさしぶりっ!」
     住矢・慧樹(クロスファイア・d04132)も笑顔で声をかける。
     他にも幾人か見知った顔を認め、アカハガネは足を止めた。
    「ナツバテ、ナイ。ナンノヨウダ?」
    「初めまして、私はリーファ。リーファ・エアです。イフリートにとってガイオウガとの合体は、私たちの思う以上の意味があるのでしょう」
    「ソノトオリ。ヨウヤク、ワガヒガン、カナウトキナノダ」
     アカハガネの返答を聞いて、リーファ・エア(夢追い人・d07755)が慎重に言葉を選び、話を続ける。
    「これから話す事は私たちの我が儘です、少しだけ聞いてやって下さい」
    「?」
    「私たちは、貴女にガイオウガとの合体を少し待って欲しいんです」
    「!」
     それを聞いて、アカハガネは表情を強張らせた。
    「ガイオウガノ、フッカツコソ、ワガヒガン。ソレヲ、ジャマスルカ?!」
     灼滅者達は首を横に振る。
     合体そのものを否定するわけではない。ただ。
    「昔と今では状況が違うの。他の勢力に利用される事が心配なのよ」
     嶌森・イコ(セイリオスの眸・d05432)が言うように、今は復活するガイオウガの力を狙う勢力があるのだ。
    「このままではガイオウガの力はどこかの勢力に利用されるだけになってしまいます」
     白金・ジュン(魔法少女少年・d11361)もそう言った。
    「それをさせない為にも私達と一緒に力を狙ってくる奴らと戦ってほしいんです」
    「オマエタチ、マタムズカシイコト、イウ! ワレノ、ヒガンハ、ガイオウガノフッカツ、ダ!」
    「口先だけで分かってもらえるとは思っていません。私達の言葉にどれほどの真実(ちから)があるか、貴女が試してください!」
     じりじりと距離を取り、ジュンが武器を手にする。
    「アカハガネちゃんは自分のやるべきことを悩んでた。合体が悲願なのも分かるけど、いなくなって欲しくないんだよ☆」
    「考えもせずに決断するんじゃねぇ!」
     殺雨・音音(Love Beat!・d02611)と一橋・智巳(強き魂に誓いし者・d01340)の顔を順に見て、アカハガネが一歩後方に跳んだ。
    「ダガ、カンガエル、ムズカシイ! ジャマヲ、スルナラ、オマエタチデモ、ヨウシャシナイ!」
     赤々と、少女の纏う炎が燃え上がる。
    「落ち着いて、考えてみてヨ。キミまでいなくなったら、ガイオウガが独りぼっちになっちゃう」
     言いながら、狐雅原・あきら(アポリアの贖罪者・d00502)も武器を手にした。互いに距離を測りながら走り出す。
     灼滅者とアカハガネと、真夜中の戦いが始まった。


    「ガイオウガの事は他のダークネス達も狙ってる。その時、誰が傍に居てあげるの?」
     あきらは神秘的な歌声のディーヴァズメロディを放った。
    「アフリカンパンサーへの仕返しもまだだろ?」
     続けて闇沙耶の影がアカハガネを縛り上げる。
    「ソレハ、ワレラガ、ヒトツニナレバ、デキルコト!」
     纏わり付く不快感を振り払うように、イフリートの少女は腕を振り上げ、燃えたぎる炎の奔流を放ってきた。
    「それは、合体してからアフリカンパンサーを倒したら良いって事だよな?」
    「そのようね。けれど、ガイオウガさんの爪として、アカハガネちゃんが動ける事はとても力になるわ」
     慧樹とイコが顔を見合わせる。どうやら、アフリカンパンサーへの復讐は、合体してから倒せばそれで良いと言うことらしい。
     考えながら、イコは近くに居た仲間の傷をフェニックスドライブで癒した。
    「俺も根っ子はイフリート、どっちの炎が上か勝負だ。いくぜ俺の必殺技!」
    「ムウ!」
     受けた傷が癒されるのを待って、慧樹は自身の炎をアカハガネに叩き付けた。二人の大きな炎がぶつかり合い、さらに赤々と燃え上がった。
     仲間達は、炎が舞うのを見て、しかし諦めず声をかけ続ける。
    「近い未来の希望、って言ってたよね? 生きて、ガイオウガちゃんを守るのも希望に出来ないかな」
     ガイオウガのために、消えることだけがアカハガネの道だろうか?
     仲間に回復のサイキックを向けながら音音も叫んだ。
    「ネオンもアカハガネちゃんの力になりたい!」
    「ワレノ、チカラニ? ダガ、ガイオウガノ、フッカツコソ……」
    「この……ド頑固が! 頭を冷やせ!」
     ガイオウガの復活を悲願とし、そのことばかりを口にするアカハガネに、智巳は向かっていく。
     勢い良く拳を突き出し、向かい合う相手の身体をぶち抜いた。
    「ム、ウ」
     傷を庇いながら、アカハガネがじっと智巳を見る。
    「確かにさ、考えることは難しいよな。俺もそういうのは苦手さ」
    「ソウダ。カンガエルハ、ムズカシイ!」
    「でもこうして俺には一緒に考えてくれる『仲間』が居てくれる」
    「ナカマ、カ」
     智巳はクロキバの事を思い出していた。彼は手を差し伸べる時に、それが出来なかった。だから、自分は後悔したくない。これ以上『友』と呼びたい者を失いたくないから。
     アカハガネへの強い思いを胸に、言葉を伝えた。
    「現在我々は貴女と同様に複数のイフリートに対し合体の中止を申し出ています」
     仲間に合わせるように攻撃を繰り出しながら、リーファも声をかける。
    「もしかしたら中にはそれを了承する者が出るかもしれない。貴女には、彼らの纏め役になって欲しいんです」
    「貴女にはそのために学園に一緒へ来て、イフリート側の情報収集役と連絡役をすることを考えてみてほしいんです」
     ジュンも、続いてアカハガネを殴りつけた。
    「イキナリ、ムズカシイコト、イウノダナ」
     アカハガネが吹き飛び、ふらふらと立ち上がる。
     ジュンは、ソロモンの悪魔やナミダ姫、アフリカンパンサーに対して、共闘してくれないかと申し出ようとした。
     その言葉を、無言でリーファが制する。
     アカハガネと共に歩みたいと強く思う仲間の考えとは少し離れ、リーファはイフリートを上手く利用できればと考えている。その為にも、スサノオの姫が大地の楔の襲撃を企てている件について、相談と共闘の申し込みをしようと思っていた。
     だが、スサノオとの交渉がどうなるかわからない今は、口に出すべきではないだろうと判断する。
     だから同じ事を提案しようとしたジュンを止めたのだ。
     サポートしてくれている学園の仲間の助けも得て、灼滅者達はアカハガネを追い詰めていった。


    「ガイオウガの力は強大なんだろ。俺が戦ったイフリートが言ってた」
     メインで戦っている仲間を庇いながら、御伽もアカハガネに声をかけた。
    「俺はイフリートじゃないが、同じ炎を身に宿す同類みたいなもんだ。お前らの強さに惹かれる性格は、何となく分かるぜ」
     からからと笑って見せる。
    「ツヨイモノハ、ヨイ。タタカウハ、スキダ。ソシテ、オマエタチハ」
     アカハガネの体力は随分と減っていた。
     灼滅者達は手加減攻撃に切り替え、相手の様子を窺う。
    「アカハガネ、クロキバが願った灼滅者との関係は共闘するだけじゃないはずだ」
    「ム?」
    「貴女と会いたがっているのが、学園で待っているからな」
    「ムム?」
     再び闇沙耶がアカハガネに声をかけた。
    「おっきくなると小回りきかないぜ? きっと!」
    「ドウイウコト、カ?」
     難しい表情でアカハガネが慧樹の顔を見る。
    「あえて今はアカハガネとして残って」
     言いながら慧樹が指を折る。
     他の仲間の誘導、ガイオウガ派以外の奴らとの話し合い、狙ってくる他勢力をぶっ飛ばしたり、と。
    「合体を選ぶ前に君のままでできること、多いんじゃないかな」
    「ソ、ソンナニ、タクサン、アルノカ?」
     色々言われ、アカハガネが複雑な表情を浮かべた。
    「そして、強い灼滅者を有する学園での潜伏や私達の協力は大きな助力となるはずよ」
     イコもまた、言葉を尽くして、心を尽くして語りかける。
     クロキバは誇り高い方だったと思う。イフリートの行く末を見届けることは、もう、己の一族の使命だけではないのだと思った。
    「ガイオウガノ、タメニ、タタカウト、イウノカ? オマエタチ?」
     アカハガネが顔を上げる。ガイオウガのために戦ってくれるのならば、灼滅者と居るのもガイオウガのためと言う事になるのだと理解したようだ。
    「ダカラ、ワレノ、ゴウリュウヲ、ジャマスルノカ?」
     リーファが首を横に振る。
    「いいえ、少し待って欲しいんですよ」
    「マツ、ノカ?」
    「その後の事まではどうするか約束できませんが、その時はその時で考えればいいと思っています」
    「まあ先の事は先で考えれば良いんですよ」
     ジュンとリーファは口を揃えてそう言ってやった。
    「ナルホド、ナルホド?」
     どことなく首を傾げているような仕草を見せるアカハガネ。
    「だから一緒に考えて道を探していこうぜ」
    「カンガエル、ノカ」
     智巳は『理屈』と『感情』の両面で納得して決断させることが重要だと思っている。
     だからこそ、辛抱強く訴えるのだ。
     考え、考え、ぐるぐるとアカハガネは考えている。
     淳・周(赤き暴風・d05550)もアカハガネの姿を見ていた。アカハガネも本懐遂げる時が来たんだと感じていた。けれど、できるならまだこっちに、この世にいてほしいとは思うのだ。色々思うところはある。
     だが、ああ、そうだ。
    「……まどろっこしい!」
    「ア、クリームノ、ノッタ、アマイヤツ。ソレト、ニク」
     アカハガネも周を見返した。
    「あの、夏バテのとき位の縁ではあるが、ここは止めさせてもらう! とにかく、生きてて欲しいんだ!」
     結局のところ、それだ。周が大きく頷いた。
    「ウ、ウウ?」
     アカハガネが灼滅者達の言葉の勢いに押され始める。
     更に音音がずずいと身を乗り出した。
    「ネオンも頭良くないけど、一緒に考えてくれる友達がいたら悩みながら前に進めると思うんだ~☆」
    「トモダチ?」
    「うん☆ お友達になりたいな♪ 個人的にv」
    「オ、オウ? オマエノ、コエハ、イツモ、アカルイ」
     今、目の前にいる自分達の思いを、しっかりと伝えようと、音音はにっこり笑う。
    「何をすべきかを考えてくれって過去に言ってたね。ボク達と歩む道をいこうじゃないか!」
    「……」
     あきらも落ち着いてアカハガネに手を伸ばした。
    「?」
    「友達だもんネ!」
    「トモダチ? ワレト、オマエタチガ」
     暗い林に風が吹き抜ける。
     アカハガネが山頂へ視線を伸ばした。その先で、彼女は命を自ら絶つはずだった。
     だが、だけど、でも!
    「俺はアカハガネとずっと歩んで生きたい」
     智巳は叫んだ。
    「俺達と、一緒に行こうぜ」
     これ以上友を失いたくない。智巳は真っ直ぐアカハガネに向かい合った。手を伸ばし、伸ばされるのをじっと待つ。
    「……オマエハ、マタ、ワレノマエニ、キタノカ」
    「そうさ、やっとこっちを見たな!」
     戦いの傷を抱え、アカハガネはボロボロのまま、呆然と灼滅者へ向かい合った。
    「さあ、一緒に行こうじゃないか」
     あきらはアカハガネに近づき、その傷を癒してやる。
     傷が回復しても、少女が灼滅者に襲い掛かることはなかった。
     そして、アカハガネは言う。
    「ガイオウガノ、フッカツコソ、ワガヒガン」
    「うん」
     慧樹が頷いた。
     後悔なき選択をと、思う。
     でも、ずっと迷っていた。
    「目的の為にまっすぐな君が好きだったから、邪魔したくない、思いを叶えてあげたい」
     だから、ガイオウガとの合体を止めたくない。
    「でも、結局のところは俺は、アカハガネちゃんに、ガイオウガと合体してほしくないんだ」
    「ナゼ?」
    「友達だから……いや、友達になれると思ってるから。ガイオウガじゃなく君と」
    「ガイオウガ、デハナク、ワレト?」
     アカハガネが驚いたように自分を指差した。
     理屈も色々考えた。でも、アカハガネと同じで自分も考えるのは得意じゃないと樹は言う。
    「もーよくわからないんだ」
    「ワレモ、ヨク、ワカラナクナル」
    「だから、俺の気持ちだけははっきりと伝えとくよ」
     最後に、慧樹は手を伸ばした。この手を、友として、どうか取って欲しい。
     闇沙耶も前に出た。勢力や灼滅者などの関係など一切無しで伝えておきたい事があるから。
    「例えいつか別れが来ようとも、友でいたい。それが本音だ」
    「ホンネ? オモイ? リクツ、デハナクテ、ソレガ、キモチ?」
     ゆっくりと、いくつもの思いを受け止めるように、アカハガネが言葉を紡ぐ。
    「考えることをやめないで。どうか復活の先も、未来を考えて」
     イコの言葉は誠実だった。
     どうか信じて欲しいと、手を差し出す。
    「貴女も分かるでしょうが、ここで合体を止めれば貴女達の仲間に粛清される可能性があります」
    「ソウダナ」
    「もし貴女を中心として纏まることが出来れば、合体の中止を了承してくれたイフリート達には、早々手は出せないと思うんです」
     リーファも、できるだけ噛み砕いて現状を説明してやる。
     仲間達よりはドライな気持ちだが、だからこそ冷静に話が出来る。
    「ナルホド」
    「一緒に来てはもらえませんか?」
    「イッショニ」
    「学園に一緒へ来て、イフリート側の情報収集役と連絡役として」
     重ねて、ジュンが提案した。
    「ソレハ?」
    「イフリートと人間との架け橋ってことだよ☆」
     音音が言う。
    「学園にはきっと、アカハガネちゃんの力に、友達になってくれる人が沢山いるよ♪」
    「タクサン、カ?」
    「アカハガネちゃん自身が皆の希望になれるかも」
    「ガイオウガ、デハナク、ワレガ?」
     何度も頷き、音音もアカハガネに手を伸ばした。


     いくつもの手が伸ばされ、アカハガネの前にあった。
     ほら、友達になろうよ、と。
    「アカハガネ!」
    「アカハガネさん!」
    「アカハガネちゃん♪」
     呼ばれて、アカハガネはじっくりと灼滅者達を見回した。
     最後にもう一度だけ、鶴見岳の山頂に思いを馳せる。山頂には少しだけ遠く、落ち着いた炎は、もう飛散することもない。
     アカハガネはゆっくりと己の手を見た。
    「イマハマダ、コノミガ、ヒツヨウダトイウノナラ」
     この身が在ってこそ、ガイオウガのためになるというのなら。
    「ワレラガ、トモダ、ト、イウノナラ」
     何より、灼滅者達の強い思いが、伝わったのならば。
     アカハガネは大きな野獣の爪でそっと灼滅者の手を取った。
    「トモニ、イコウ」
     彼女の選択を、灼滅者達は笑顔で受け入れる。
     周囲の警戒を怠らず、サポートしてくれる仲間とも協力し、灼滅者達は山を降りる。
     アカハガネと言う、少女のイフリートと共に、皆は学園に帰還した。

    作者:陵かなめ 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2016年7月27日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 12/感動した 6/素敵だった 2/キャラが大事にされていた 1
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