焔ノ慟哭

    作者:四季乃

    ●Accident
     星空を押し上げるような杉の巨木の隙間を縫うように、一筋の焔が駆け抜ける。それは一匹の獣であった。あたかも焔そのものが獣であるかの如く、総身は夜空を掻き消すように燃え上がり、ひとたび大地を踏めば青く茂る草花がじゅわりと音を立てて燃え尽きてゆく。
    「時ハ満チタ」
     腹の底から込み上げてくる歓喜に四肢の震えが治まらない。焔の獣は火の粉を散らし闇を切り裂くように杉林を抜けると、切り立った崖の上に躍り出て一層炎を強く燃え広がらせた。
    「吾ニ集マリシ大地ノ力、今コソ御許ニ届ケヨウ!」
     虚空に向かって獣が吼える。それは肌を焦がすような、鼓膜の奥から脳髄に突き抜けるような咆哮であった。夜のしじまを喰らい尽くすその獣の歓びは、大地の源を吸い上げるように止む事はなかった。

    ●Caution
    「休火山に眠る大地の力を活性化させ、その力をガイオウガ復活に使用するために山頂地域で炎の力を使用しているようなのです」
     サイキック・リベレイターを使用した事でイフリート達の動きまでもが活発化しているのだと、五十嵐・姫子(大学生エクスブレイン・dn0001)は胸の前で重ねあわせていた両手をきつく握りしめた。
    「このまま放置していればガイオウガの復活が早まるどころかその大地の力により全国の火山が一斉噴火するような事態に陥ってしまうかもしれません」
     そうなる前に、何としても休火山に現れたイフリートを灼滅してもらいたいのです。姫子は真っ直ぐな瞳で、そう唇を引き結んだ。

     そのイフリートは狼のような姿をしているらしいのだが、その身体は巨躯で獅子ほどもあるという。その癖、身のこなしは子猫のようなしなやかさと柔軟さを兼ね備えている。
    「イフリートはガイオウガの為に大地の力を集めることを目的としています。その為ならば邪魔するものを決して許しはしないでしょう」
     退く事も無い。恐らく最後の一瞬まで戦い抜くつもりで向かってくるはずだ。皆にもそのつもりで、一層気を引き締めて臨んでもらいたい。
    「場所は九州の休火山です。深い杉林を抜けた頂上の断崖にそのイフリートは居るようです」
     これを放置すれば、のちにどんな結果をもたらすかは火を見るよりも明らかだ。単体とは言え強敵。
    「どうか皆さん、気をつけてください。ご武運を」


    参加者
    月翅・朔耶(天狼の黒魔女・d00470)
    寺見・嘉月(星渡る清風・d01013)
    ギィ・ラフィット(カラブラン・d01039)
    水瀬・ゆま(箱庭の空の果て・d09774)
    大和・蒼侍(炎を司る蒼き侍・d18704)
    穂村・白雪(無人屋敷に眠る紅犬・d36442)

    ■リプレイ

    ●疾走
     夜空を引っ掻いたような細い月が、杉林の隙間からこちらを覗いている。
     ちらちらと瞬く星の煌めきも、今日ばかりはいつも以上に遠く感じられるのは、視界を埋め尽くす青白い炎にまかれて燃える草花の明るさが眦に沁みるからだろうか。
    「あっちだ」
     ゆるやかな曲線を描いて杉の間を縫うように続く炎の道を目線で辿っていった大和・蒼侍(炎を司る蒼き侍・d18704)は、殺界形成を展開し始めると人差し指で方向を指し示し仲間たちを導いた。
     己の持ちうる全速力で、隠された森の小路を往く月翅・朔耶(天狼の黒魔女・d00470)の横顔は真っ直ぐに前を見据えている。
     傍らを共に駆ける霊犬リキを横目に見やり、スイとこちらに寄越される瞳に小さく頷いてみせた。その姿を傍で見ていた水瀬・ゆま(箱庭の空の果て・d09774)は、そう遠くはない場所で獣が咆哮を上げるのを聞き、大地を踏みしめる両脚に更なる加速を加え、滑るように枝葉を掻い潜りながら先を急いだ。
    (「火山国であるこの国の火山が活性化したら、どんな災害が人々を襲う事になるか」)
     一つ噴火しただけでも辺りの被害は甚大なものとなろう。それが日本各地となればその威力は火を見るより明らかだ。
    (「そうならないために、全力を尽くします」)
     握る指先に力を込めた、その時だ。
    「頂上が近いっすね。その先の藪を突っ切るとすぐっすよ」
     それまで開いていた地図を小さく折り畳みポケットに押し込んだギィ・ラフィット(カラブラン・d01039)の横を、穂村・白雪(無人屋敷に眠る紅犬・d36442)と寺見・嘉月(星渡る清風・d01013)の二人が並走する。
    「こういうケースはきっちり対処しなくてはですね」
     ぽぉんと地を蹴って炎を飛び越えた嘉月は、徐々に炎が小さくなってゆく後方を顧みて呟いた。
    (「もうちょっと穏便な方法を取ってくれれば、まだ良かったのですけれどそれを言っても詮無いことです」)
     起きてしまったことは、もう変えられない。けれど止める力を自分たちは持っている。
    「見えた!」
     杉林の隙間からちらりと獣の姿が過ったのを見て、蒼侍が後方の仲間たちを顧みる。五人はその場に立ち止ると、弾む呼吸を整え断崖で歩みを止めた獣の背中を盗み見て密やかな吐息を繰り返す。各位ゆっくりと目配せをすると頷き、対する意志をみせた。

    ●決意
    「お前も火山も暴れられると困るので静かにしてもらおうか」
     背に寄越された言葉を受けて、四足の獣が咆哮を止める。
    「……神聖ナル御山ニ立チ入ル不届キモノハ誰ゾ」
     やおらゆっくりとこちらを振り返ったその金色の瞳が、すらりと引き抜いた日本刀を振りおろす蒼侍を、まず捉えた。
     だがすかさず、誰かが行動を起こす前に後方から朔耶が静止を呼びかける。
    「ガイオウガやイフリートの全てを否定する気はない」
     彼女はスレイヤーカードを解放して戦闘態勢に入る仲間たちの間に割って入るように一匹の狼ー―イフリートへと歩み寄ると、説得の言葉を投げ掛けたのだ。
    「フン。突然ナニヲ言ウノカト思エバ……」
    「どうか我々の言葉を聞いて欲しい」
     切々と語りかける朔耶の言を聞きながら、一人イフリートの厳かな佇まいを眺めていた白雪は、夜気に触れる赤茶の髪が頬に掛かるのも厭わず、じっとその獣から視線を逸らさない。
    (「イフリートとの戦いは好きだ。正義も悪もない、暴力の世界。死が近いところにあるほど、俺は兄さんに近づける。この戦いで死ぬことができれば、兄さんと同じところに行けるんだ」)
     クルセイドソード『猟犬ロイガー』の柄を握る五指に、知らず力がこもる。それは果たして己の命運を賭す戦いになるのか、それとも夜空をも燃やし尽くさんとする炎が怒り狂ったような奔流を見たからなのか。
     どちらにせよ朔耶の説得が決裂したのは言わずもがな、と言ったところだろう。聞く耳を持たぬ獣は、もう力ずくで止めるしかないようだ。
    「迷うことのない殺し合い、望むところっすよ。殲具解放!」
     体内から噴出させ巻き上げる黒い炎を無敵斬艦刀『剥守割砕』へと宿したギィは、ゆまが嘉月に向けて防護符を放ったのを横目に真正面からイフリートへと飛び掛かった。振り上げる刃は鉄塊の如き。その重く強烈な打撃を瞬時に察したのか、身を翻して獣が舞う。
     しかし――。
    「残念。そうはいかない」
     視界から外れた場所で、それも至近から聞こえた声に獣の双眸がハッと瞠目する。イフリートはぶわりと毛を逆立たせて、己の死角に入りこんだ蒼侍を咄嗟に蹴り飛ばそうとしたが、それよりも素早く彼の斬撃が腹を叩き斬ったために、それは叶わない。
     ともすれば振りかざされたギィのレーヴァテインがイフリートの躯体を吹っ飛ばす。地面に叩きつけられたように、大地に滑り込んだ獣は、巨躯の割には俊敏な動きですぐに体勢を整える。
     牙を剥くその表情は憤怒そのものであった。
    「光輪四連、放ちます!」
     声を上げた嘉月が周囲を滞空する光輪のそれを獣目掛けて射出するのと同じくして、それまでライドキャリバーのクトゥグァへと己の鮮血を与えていた白雪が身を翻し、破邪の込められた白光のそれを叩き込む。
    「悪いが、おまえの思うとおりにさせてやるわけにはいかねぇ。どうしてもというなら、俺に死に場所をくれ」
     視界を埋め尽くす光の眩さに、たまらず顔を逸らしたイフリートは足元に落ちる濃密な影を獣の口に変化させると、それを迎撃。
    「黙ッテ喰ラウト思ウテカ!」
     だが、白雪の血を得て猛るクトゥグァが巨躯に突撃、妨害すると二人の攻撃が獣の顔面に叩き込まれ沈痛な鳴き声が夜空に跳ね上がった。
     ふるふる、とかぶりを振って、べったりと顔の右半分を覆う真っ赤な血を振り払ったイフリートは、己の爪に炎を蓄えると背にした杉ごと叩き折る勢いで襲い掛かった。
     その時、すぐ脇からリキが吠えた。
    「通しませんよ!」
     リキの吼える声に反応して、狙われたギィの眼前に立ちはだかった嘉月が攻撃を庇い受けると同時に、背面からリキが飛び掛かる。斬魔刀で斬り伏せれば、己よりもずっと小さなリキに斬られたことに屈辱を感じたのか、見返る瞳の強さに思わず肌が粟立ってしまいそうだ。
    「考え直してはくれないか」
     影喰らいを放ち、その身体を絡め取る。朔耶の呼びかけにただ一言、獣が吠える。強い意志の閉じ込められた咆哮は、肌をビリビリと刺すような、腹の底にまで響くほどの迫力であった。
    (「聞き入れるつもりは毛頭ない、か」)
     凪いだ心で眼前のイフリートを見、朔耶は小さな溜息を零すと焔を舞い上がらせる獣に向かって飛び掛かった。

    ●演舞
     鋭い連撃を喰らって片目を潰されたイフリートは、まるで気に留めた様子も無い。
    「イフリートは、本当にはしゃいでるっすねぇ。だからって、火山大爆発とかされると困るんすよ。お痛はここまで。退く気が無いなら灼滅っす」
    「それにしてもこうしていると、かつてガイオウガ復活のために各地で動いていたイフリートに対処した時を思い出しますね」
     あきれた様子で吐息交じりに呟いたギィの言葉に嘉月が頷く。
    「星雲漆黒、刮目せよ!」
     片腕を異形巨大化させた拳を振りかざす嘉月の一撃によって、獣の躯体が大地にめり込んだ。ぼこりと大きく凹んだ腹の痛みに、牙が覗く口端から血が溢れる。
    「ガイオウガの復活が早まることについては、別段言うことはありません。ですが貴方の場合はその手法が問題ですので、全力で止めますよ」
     見た目の割に強烈な一撃を放つ彼の姿に、フンと鼻を鳴らしたイフリートは、まだ十分な余力を見せつけるように俊敏な動きで立ち上がる。
     くるりと一回転して再び戦場を踏みしめるイフリートが、影の牙で攻撃を仕掛けてこようとするのを見据え、蒼侍は誰に知られることも無く内心で小さな溜息を零していた。
     決して表情には出さずに居たが、狼を見るまでは期待していたのだ。此度の敵が、己の仇なのではないかと。
    (「未だ見つからず……か)」)
     仇ではなかったが、自分と同じ悲劇を繰り返さないためにも決して退くことなく臨むつもりであった。彼は決してその手を緩めることもない。
     細く薄く息を吐きながら中段の構えを取り、その夜色の瞳で敵の動きを見定める。
    「さあ、俺を殺して見せてくれ」
     燃料として血をクトゥグァに与えているためか顔面蒼白の白雪は、しかし好戦的にその唇に笑みを乗せては、敵の躯体を容赦なく何度も何度も斬り付ける。
    「ナラバ望ミ通リニシテヤロウ」
     白雪の言葉に嬉々として飛び掛かった巨体が彼女の細い四肢に喰らいつく。蔓延する焔がその肌を包み込み、内部へと侵食するのを覚えた。だが、白雪の顔から笑みが引くことはない。
    「どうした? 私はまだまだ動けるぜ? 狂犬の戦いはこれからだ。どちらかが死ぬまで楽しもうぜ」
    「……酔狂ヨナ」
     慌てて白雪へとジャッジメントレイの光条を放ったゆま。彼女は機銃掃射で敵へと突っ込むクトゥグァが作った隙を見て放った蒼侍の雲耀剣を受けて、耐えきれず膝を折ったイフリートを振り返り、たまらず声をかけた。
    「貴方は悪くない。解っているの。貴方は、貴方として、当然の事をしているだけ」
     戦意に満ちる瞳がゆまを見る。自分と同じ、金の色。
    「だけど……それはわたしたちと相容れないことだった」
    「互イニ譲レヌ物ガ在ル、トイウ事カ」
    「わたしも貴方も、ともに信じるものを抱えて戦う。想いは似ているのに、道は違う。悲しいと……思うけれど」
     十指に決意が宿る。
    「だからこそ、力を尽くします」
    「……善イ。戦イ甲斐ガ有ルト言ウモノヨ!」
     ぐわ、とその口が開かれる。
    「さあ、お互いの生命を賭け金に勝負っすよ、一匹狼! おっと、こんな難しい言い方じゃ、イフリートには通じないっすね?」
     再び訪れる炎の奔流の気配を感じたギィは、剥守割砕の腹を盾にしながら挑発的な台詞を投げて寄越した。
    「じゃ、言い換えやしょう。――殺し合おうぜ、狼野郎」
     見る見るうちに燃え上がる炎という概念を掻き集めた濁流が狼の周囲を渦巻く。イフリートは双眸を細めると、口端を釣り上げて嗤った。
     熱気を孕むその激しさが灼滅者たちを喰らい尽くさんと襲い掛かる。もう灼滅への道しか残されていない事を悟った朔耶が制約の弾丸を叩き込むと、リキが追従するように六文銭射撃を撃ちこんだ。左右から挟み込むような二連撃を喰らい、一瞬、その身が硬直するのを見た。
    「鬱陶しいっすよ!」
     その隙にシャウトで回復を試みたギィは、すぐさま体勢を整えて朔耶へ狙いを付けたイフリートの爪牙を捻じ込むように割って入った白雪が庇ったのを見て、瞠目する。
     だが彼女は、至近に来たのをこれ幸いとチェーンソー剣『狂犬ツァール』をその口唇に当てつけ、一気に振り払う。
    「ギャッ!」
     飛び散る血の花を頬に咲かせ、流れる血が燃えては炎に照らされた顔に狂気の笑みを浮かべる白雪の姿は、どこか危うげであった。
     見る間に体躯を血で染め上げてゆくイフリートは、痛みのためか眉間に深い皺が寄る。
    「静けき風よ……!」
     防護符で回復に走るゆまは、そう口走り清めの風で対処にあたる嘉月の向こう側で、大地を踏みしめる獣の四足がどこかか細く見えたような気がした。
     そんな際に、何故か「彼」の事が脳裏をよぎる。
    (「……過去に、一度だけ、一緒に戦った、イフリートを思い出す。おおきなわんこのようだった、彼」)
     影で絡め取ってくる攻撃を森羅万象断による一刀で切り裂いたギィの傍らを駆け抜けていったリキが叩き伏せたところへ蒼侍がティアーズリッパーで更なるダメージを振り下ろす。
     咆哮を上げて襲い掛かる朔耶の制約の弾丸を喰らうように相殺した獣に、クトゥガァが背面から突っ込んだ。
     あちらこちらから入り乱れるように乱舞するその光景は、もはや筆舌に尽くしがたく、ゆまは小さく唇を引き結んだ。
    (「彼は今……どうしているのだろう。彼も……やはり自分の望みを叶える為に、いってしまったのだろうか」)
     きゅう、と摘ままれたような痛みが胸を支配する。けれど、焔に呑み込まれて尚も立ち向かう白雪や蒼侍たちの背中を見ていては、立ち止っている暇はない。
     ここまでくれば、あとは押し切るのみ。
    「恨むなら好きなだけ恨んでいいっすよ。それだけの事はしてるっす」
     聞こえた言葉に視線が持ち上がる。
     見やればギィの剥守割砕が狼の頸を狙っている。咄嗟に後方へ飛び退こうとしたイフリートは、その視界が大きく傾くのを見てヒュッと喉を鳴らして驚愕した。
     振り返れば流星の煌めきを帯びて傍らを抜けて行った嘉月のにやりとした笑みが見え、己の後ろ足が蹴り飛ばされてがっくりと膝を突いたことに遅れて気が付いたのだ。
     慌てて地を蹴りあげるように立ち上がろうとしたイフリートだったが、そこへ白雪のレイザースラストが命中。アッと短く息を呑んだ刹那、残る片方の後ろ足も朔耶によって放たれた斬影刃で斬り伏せられ、ストン、と腰が落ちてしまう。
    「イフリートは……全て斬る!!」
     聞こえた言葉に蒼白な顔を持ち上げる。振り仰いだ先に見えたのは、細い月明かりに照らされた蒼侍の顔。
     彼は一気に間合いを詰めると納刀状態から一瞬にして抜刀。ギィの振り下ろされた鉄塊と連なるように繰り出された一撃は、遂には焔の獣を沈黙させたのだった。

    ●終夜
    「ま、十字を切るくらいはしてやりやしょう」
     イフリートの躯体が消える前に埋葬を試みる朔耶の背中を見ていたギィは、頬に着いた血を親指の腹で拭いながら、ほとりと零した。
    「阻止したり、言伝したり、交流したり……ガイオウガが目覚めた折には、どうなるかな」
     その隣で独語のように呟かれた言葉に、返る言葉は無い。ただそよぐ風が灼滅者たちを激励するように静かに頬を撫でていくばかり。まだ興奮が収まらないボロボロな白雪に、そっとクトゥグァが近付いていく。彼女はそれに気が付き、その背を優しく撫でると小さく問うた。
    「また生き残っちまったな。まだ走れるか、相棒?」
     クトゥグァは呼応するように、力強い音を鳴らした。
     仲間たちから少し距離を置いた崖淵に立っていた蒼侍は、眼下に望む雄大な大地を眺めながら、ギリギリと締め付ける胸の痛みに眉根を寄せていた。
    (「いつの日か本当に仇を見つけることができるのか? 今の俺で仇討ちができるのか?」)
     知らず吐き出された溜め息は、彼以外に届くことはなかった。
    (「――「オソロイ」と言ってくれたあの赤い毛並みにもう一度だけ、触れたかった。願わくば……彼の選んだ道が、彼の喜びであるように。わたしは、あの時の彼も、そして今日戦った貴方も決して忘れないから」)
     秘めた想いをゆまは胸に抱く。
     それぞれの思いを抱え灼滅者はひっそりと杉林に姿を消していく。全員揃って、そして無事に食い止めることが出来た実感を手にして。

    作者:四季乃 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2016年7月31日
    難度:普通
    参加:6人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 3/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 3
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