君はもう孤独ではない

    作者:波多野志郎

     ――人は孤独だ。
     人は人の心が読めない。人は本心を明かさない。人は人に心を砕かない。人は愛想笑いを浮かべる。人は心で泣く。人は心で怒る。人は、人は、人は――。
    「あぁ、人は孤独――そういう話だ。でも、そいつがいれば孤独じゃなくなるらしい」
     そいつは旧校舎に住んでいる。夜、そこへ行けばそいつは孤独から解放してくれるのだ。
    「……いい奴なのか?」
    「いや。でも、孤独からは解放されるらしいぞ?」
     そう、孤独からは解放される――その被害者は心の中に注ぎ込まれるのだ、無数の誰とも知らない回収された心を。
     そして、被害者はそいつに心と命を奪われ『一つ』になる。そうすればもう『一人』ではない――孤独ではなくなるのだ。
    「そして、飲み込まれるんだと――『蠱毒』に」

    「蠱毒ってのは呪術の一種だな。虫を一つの場所に閉じ込めて食い合わせ、生き残った一匹を呪殺に使う……ろくでもない話だよな」
     神崎・ヤマト(中学生エクスブレイン・dn0002)は渋い表情でそう言い捨てた。その光景を想像してしまったのだろう。
     今回、ヤマトが察知したのはある都市伝説の存在だ。
     ある高校の旧校舎、孤独に耐えられなくなった者がそこを訪れると蠱毒と呼ばれる人の形をした影が現れ、心と命を奪って行く――そういう怪談の一種だ。
    「放置して、興味本位でやってみたり……自暴自棄になる奴が出てからじゃ遅い。察知したからには、早急に対処してくれ」
     旧校舎に侵入する事自体は簡単だ。ただし、接触する方法が厄介だ。
    「一つの教室に一人でいる事――これだ。少なくとも都市伝説と一対一で戦い、みんなと合流するのを待つ必要がある」
     誰が囮になるのか? そこが重要だろう。また、他の者もその教室の外で待機し、すぐに駆け込みたいところだがそうもいかない。
    「それを邪魔する配下が出て来るぜ? 数は四体、似たような小柄な人の形をした影だ。強くはないが、その間に蠱毒からの攻撃に一人が耐え続けないといけないんだ、手早く倒す工夫が必要になるだろう」
     幸いなのは蠱毒自身の戦闘能力がそこまで高くない事だ。それでも時間をかければ一対一ではジリ貧だ、それを忘れてはいけない。
    「あ、時間は夜だから光源は必須な? ぶっちゃけ、この旧校舎電気通ってないから」
     ヤマトはそう付け加えると、表情を改めて言う。
    「蠱毒だか孤独だか知らないが教えてやれ――こっちは、最初から一人じゃないってな」
     頼むぜ? 灼滅者、とヤマトは笑みをこぼし、灼滅者達を見送った。


    参加者
    八千穂・魅凛(シャドータレント・d00260)
    百瀬・莉奈(ローズドロップ・d00286)
    鏡・瑠璃(桜花巫覡・d02951)
    骸衞・摩那斗(Ⅵに仇なす復讐者・d04127)
    姫里・供花(四つ腕・d04701)
    物部・虎丸(夜行性・d05807)
    穂村・元児丸(鬼焔・d07338)
    エミーリエ・ヴァレンシュタイン(破壊的シスター・d09136)

    ■リプレイ


     ――その旧校舎は静まり返っていた。
     木製の床は歪み、壁の塗装も剥がれ変色が始まっている。ただ朽ちて果てていくだけ――その光景に廃墟マニアのエミーリエ・ヴァレンシュタイン(破壊的シスター・d09136)は声を弾ませた。
    「こんな素敵な場所、滅多に入れる機会がないじゃない? 楽しまないと損よ!」
     廃墟を楽しみ、というのはそこに残る痕跡に思いを馳せる事だ。今は見る影もなくなった廃墟から、かつてを空想するのだ――エミーリエはランタンを掲げ周囲をしげしげと観察する。写真が取れない分、その光景を心に刻みたいからだ。
    「じゅあ、わしは行くとするかね」
    「すぐに合流するように頑張るね! 囮、お願いしますっ」
     穂村・元児丸(鬼焔・d07338)は百瀬・莉奈(ローズドロップ・d00286)に人懐っこい野太い笑みを浮かべるとしっかりとうなずいた。教室へと消えていく大きな後ろ姿を見送り、物部・虎丸(夜行性・d05807)はこぼす。
    「しかし、孤独から解放される、ね」
    「孤独……蠱毒……。空白はないけど、結局残るのは独りだけ……」
     鏡・瑠璃(桜花巫覡・d02951)も小さくこぼす。孤独も蠱毒も確かにあるのだろう――だが、ここにいる誰一人として、ここに現れる都市伝説が救いになるとは思っていなかった。
    「まぁ、何にせよ、だ。現在物理的に孤独の穂村は心配だがな」
     八千穂・魅凛(シャドータレント・d00260)の言葉に、仲間達の視線は教室の扉へと向けられた。

    「ふむ」
     薄汚れた教壇の上にランプを置いて元児丸は腕を組んだ。
     そのランプの明かりを見て、孤独についてつらつら考える。と言っても、ピンとは来ないのだが。
    『――それは、孤独から目を逸らしているだけだ』
    「……お?」
     男の声であり、女の声であり、若くとも老いているとも聞こえる声に元児丸はそちらに視線を向けた。
     乱雑とした教室の真ん中に、その黒い人の形をした影がいた。その影は、確かに気配で笑って見せて続ける。
    『――人は孤独だ。人は人の心が読めない。人は本心を明かさない。人は人に心を砕かない。人は愛想笑いを浮かべる。人は心で泣く。人は心で怒る。人は、人は、人は――人の世界は、無数の独り達で出来ている』
    「一部共感できなくもないが、自棄になっちゃあ品がないぜ?」
    『自棄? 事実を言い連ねる事が、かな?』
     蠱毒が右手を掲げる――それを見て、元児丸は叫んだ。
    「燃え上がろうぜ!」
     ドンッ! と蠱毒の右手が元児丸の胸をえぐる様に放たれた。寸前に解除コードによって龍砕斧を呼び出した元児丸は踏み止まる。
    「……お?」
     そして、見た。自身と同じ姿をしたトラウマを。
    『人は自身さえ理解出来ない――だから、孤独だ』
     蠱毒の言葉を笑い飛ばそうとして元児丸は息を詰まらせる。まるでその言葉こそ呪いのように、元児丸の声が奪われる――だが、それも遠くで轟いたエンジン音に消し飛んだ。
    「ま、どっしり構えて行こうぜ。 こっちは一人じゃないんだからよ」
     元児丸が斧を肩に担ぎ、豪快に笑った。そして、真っ直ぐに言ってのける。
    「しょうがねえな。来いよ、ちょっくらわしと遊ぼう」
    『人は欺き裏切る――だから、孤独だ』
     元児丸が符を自身の眼前に浮かべ、防護とする。それに、蠱毒は否定するようにその右腕を振るった。

     ――旧校舎の闇にライドキャリバーのエンジン音が響き渡る。
    「準備は良いかい? 相棒……じきに始まるよ」
     自身のサーヴァント、ライドキャリバーのノイジーキッドに跨り、骸衞・摩那斗(Ⅵに仇なす復讐者・d04127)がシガレットチョコを咥えた口元に笑みを浮かべた。コツン、と踵でノイジーキッドのボディを蹴って、ハンドルを切る。
     ライトに照らし出され、教室の入り口への道を塞ぐように四体の小柄な人の形をした影がそこにいた。
    『人は――』
    「まったく、味方だと思える奴も、敵だと思うような奴も居ないんだろうな、こいつ等には」
     姫里・供花(四つ腕・d04701)が音もなく刀を引き抜く。サーヴァントであるビハインドの西東が供花の盾となるようにその姿を現した。
    「La Vie en rose」
     解除コードと共に莉奈がスイーツや星等の可愛い装飾の施されたマテリアルロッドをその手に掴み、その左手に綺麗に装着された和風な手裏剣甲に皆の無事を願いそっと唇を寄せる。
    「急ぎましょう!」
     仲間が向こうで一人で戦っているのだ――瑠璃はギターを構えるようにガトリングの銃口を四体の蠱毒の囚人へと向ける。
     そして、ノイジーキッドのアクセルを吹かしながら子供らしい笑みと共に言い放った。
    「Game Start..」


    「何て面してやがる、みっともねぇ」
     虎丸が目の前の小柄な人影を見下ろして眉根を寄せた。
     自身のトラウマが形としてその姿を現したのだ。それは家族を奪われ、闇堕ちした過去の自分自身だった。
    (「……あぁ、こんなだったのかもしれないな」)
     泣き崩れ、わめきちらし、奪われた事を嘆く事しか出来ず――あげくに、闇に堕ちた。
     虎丸は天涯孤独の身だ。孤独であることを享受して生きる――だが、最初から孤独であった訳ではない。
    (「……なんて。結局、解放だ何だとか、そういうの、胸糞悪ぃだけだけどな」)
     自分へ振り下ろされる幼い子供の解体ナイフを受けながら、虎丸は胸中で吐き捨てた。
     不意に、ギターの旋律が虎丸の耳へと届く――そして、瑠璃の清めの風が呼んだ優しい風にトラウマである幼い虎丸が掻き消されていった。
    「傷も、声も、過去も未来もいらねえ。俺のやり方に、口を挟むな」
     眼光一閃、その過去を断ち切るように虎丸は言い捨てた。
    「やれやれ」
     同じようにトラウマと対峙していた供花が溜め息をこぼす。
     供花のトラウマはかつて一族を襲った闇落ちした一族の仲間だった。供花の周囲にはいつも味方だと思える者も敵だと思える者もいた。だから孤独だと思わなかった。
     しかし、蠱毒に囚われた影はこう言った。
    『人は裏切る、だから孤独だ』
     だが、一つになってしまえば裏切られない。敵もない、味方もない――そこに自分と他人の境界線もない。
     供花は自身へと刃を振るうかつての仲間の姿を見て――肩をすくめた。
    「……ま、仕方ないか」
     彼女にとって裏切られるなどその程度の事なのだ。相応の金を貰えば誰でも殺す殺し屋一族の親玉候補であり、仕方ないと理解すればそれだけで割り切れるのだ。
     供花が裂帛の気合を放つ――そのシャウトにトラウマの幻影は消し飛ばされた。供花は見る、ビハインドの背中を、共に戦う仲間達を――そして、屠るべき敵を。
    「行こうか」
     供花は孤独ではない戦場へと駆け込んだ。
     ――蠱毒の囚人との戦いは、一方的なものとなっていた。
     数でも実力でも勝っているのだ、散発的な反撃はあっても灼滅者達は力づくでそれを押し潰した。
    『人は、欺く――!』
     最後の蠱毒の囚人が魅凛へとその両腕を伸ばす。そして、魅凛は見る――そこに現れた自分のトラウマを。
    (「私は嘘つきだ」)
     毅然とした態度で、優雅で、社交的で――そんな者は全て幻想だ。
    『――どこにも行かないで、傍にいて……!』
     弱く、無力で、一人では何も出来ない……目の前に現れた弱々しい少女こそ本当の自分だ。
     心を鎧で固めるように嘘で塗り固めた自分を作った。だからこそ、恐れるのだ。本当の自分を見たら、みんな離れていってしまうのではないか、と。
    (「――そう思わせる、それがこの蟲毒の怖いところだ」)
     魅凛は鼻で笑う、無力な自分を。
    (「くだらない、最初から私は一人では無いよ」)
     魅凛の足元から影が走る――まるで津波のように走ったその影業は蠱毒の囚人へと突き刺さる。そして、トラウマをまっすぐに見つめて言った。
    「私は孤独か? 人に嘘をつき続ける私は孤独か? ――そんなことは無い、私を知るものが居る以上、私は孤独ではない。 例え今の私が嘘の私だったとしても……今ここに居る私は私だ」
     己の胸を指し示し、魅凛は胸を張って告げる。
    「一緒に居る仲間達が居る」
     ガガガガガガガガガガッ! とノイジーキッドの援護射撃と共に摩那斗は高速で鋼糸を繰り蠱毒の囚人を切り裂く。そして、莉奈のマジックミサイルが降り注いだ。
    「穂村さんと早く合流しないと! 信じて、待っていてくれるんですから!」
     莉奈の言葉に虎丸が笑い、その解体ナイフで蠱毒の囚人の足を横一文字に切り裂いた。そのティアーズリッパーの切り口へ、供花とビハインドは同時に刃を振るった。
    「皆が一つになれば孤独ではなくなる? そんなふざけたもの、この私が浄化して差し上げるわ」
     エミーリエはその右手を蠱毒の囚人へとかざす。悪しきものを滅ぼす鋭い裁きの光条――エミーリエのジャッジメントレイを蠱毒の囚人はかわそうとするが、足に負った傷でその動きが鈍り、間に合わない。
    「……大丈夫ですか?」
     ギターの音色と共に瑠璃は清めの風によって魅凛のトラウマを掻き消す。それに、魅凛は普段通りに答えた。
    「ああ、大丈夫だ。早く、穂村を助けに向かおう。あんなものと一緒に居るのはさぞ嫌だろう」
     魅凛の言葉に仲間達がうなずく――そして、仲間が一人戦う戦場へと駆け込んだ。


    「お待たせしましたっ!!」
     ギターをかき鳴らし飛び込んだ瑠璃は見た。
     蠱毒と向かい合い、元児丸はそこに立っている――その傷口からクリエイトファイアによって金色の炎をこぼしながら、なお野太く笑みを浮かべ。
    「おお、早かったな」
     その余裕さえにじませた笑みに、しかし、その傷の深さは一目で見て取れた。だからこそ、魅凛は言葉にする。
    「寂しくなかったかい? 大丈夫かい? 安心したまえ――もう一人じゃない」
    『人は、欺き――信じない!!』
    「違います!」
     蠱毒の言葉を莉奈が強く否定する。そして、蠱毒を恐れず真っ直ぐに見詰め、言った。
    「人に壁を作らなければ自分から歩み寄れるし、周りも近付いて来てくれると思うから……人は、誰かを信じられるのならば孤独ではありません」
    『人は信じるから、裏切られる――!』
     蠱毒は己の内から無数の影を生み出し、ばらまく。全員が揃った灼滅者達は、それを真っ向から迎え撃った。
     蠱毒は強かった。そのトラウマを呼び起こす能力は恐ろしく、灼滅者一人一人より強力な力を宿している。
    (「あぁ、面白いね」)
     自身が傷を負いながらもノイジーキッドを手足のように操り、摩那斗は思わず笑みをこぼした。強敵を前にしたスリルは病のように摩那斗の心を蝕み、快感を覚えさせる。
     一人であれば楽しめなかっただろう。仲間達がいるから――孤独でないからこそ、この戦場で戦えるのだ。
    「行こうか、相棒。もう一歩、死地へ」
     摩那斗がノイジーキッドを加速させる。その突撃と同時に、封縛糸を繰り出す――蠱毒はその突撃を右手の一撃で受け止めるも、鋼糸が左腕に絡みついた。
     摩那斗がアクセルを吹かす――引っ張られ、体勢を崩した蠱毒へと虎丸が踏み込んだ。
    「お前はぶっ潰すよ、俺の孤独にかけて」
     雷をまとう右拳が下から突き上げられる。虎丸の抗雷撃に顎を打ち抜かれ、蠱毒が膝を揺らした。
    「私はもう孤独じゃないわ……でも」
     エミーリエの表情が揺れる――しかし、それを振り切るようにエミーリエはジャッジメントレイの光条を放った。
    『人は、自分さえも偽る――!』
     蠱毒の右手が供花へ迫る。蠱毒は動かない――ただ、言い捨てた。
    「ま、仕方ない。でも――」
     ビハインドが供花を守るためにその軌道上に割り込んだのだ。ビハインドはその一撃で掻き消える――しかし、供花はその仲間の姿を置き去りに敵へと駆け込んだ。
     大上段からの斬撃、雲耀剣が深々と蠱毒を切り裂く。
    「――私には、仲間がいるんだよ。貴様と言う敵がいるように」
     供花の囁きに重なり、莉奈のオーラキャノンが蠱毒の胸を撃ち抜く。一歩、二歩、と揺らいだ蠱毒に瑠璃が舞うように一歩踏み出した。
    「ぼくは認めない。君の在り方を。認めない。音楽を愛する者として……音楽は聞く人が居て、初めて音楽たりえるのだから! 」
     瑠璃が右手を振り抜く。その袖口から伸びた異形の拳――鬼神変で蠱毒を殴打する!
    「歪みし理は、崩れるが道理……!」
     ミシリ、と体を軋ませながら蠱毒は踏み止まる。そして、魅凛の影業が唸りその影の刃を突き刺した。
    『ひ、と、は――!』
    「本当にキミは孤独ではないのか? その心、喰らえば孤独を解放できると思っているのか? その理屈なら我々は多くの命の上で成り立っている事になる。まあ実際そうだがな」
     魅凛はまくしたて、心をえぐるように言い捨てた。
    「故にキミの救いは、無意味だ」
    『人は孤独だ――!』
     蠱毒は見た。無造作に自分へと歩み寄る大柄な男を――。
    「楽しかったぜ。お前さんももう寂しくねえだろ?」
     緋色のオーラをまとった斧を元児丸は豪快に振り払う。その一撃は蠱毒の腹部を深々と切り裂き、蠱毒はゆっくりと崩れ落ちた。
    「良かったな、もう孤独なんて考えずにすむぜ。ま……都市伝説に、感情なんてないか?」
     供花の言葉に、蠱毒は震える手を伸ばす。そして、最期に吐き捨てた。
    『人は……よわ、くなる……ぜ、った、い……に』
     掻き消えていく蠱毒を、灼滅者達は静かに見送った。


    「おう、お疲れさん」
     元児丸が笑みをこぼしてそう労うと、ようやく灼滅者達は安堵の息をこぼす。戦い以上に精神がすり減らされる相手だった、そう誰もが思った。
    「……人から奪って、取り込んだところで、増えるわけじゃない。独りなのは、変わんねーのにな」
     供花がそう吐き捨てた。いくら心を集めても、それが一つになってしまえば一人と同じだ――あれは、孤独を生み出す蠱毒と言うべきおぞましい存在に過ぎないのだ。
    「えぇ、そうね」
     エミーリエは同意する。だからこそ許せなかったのだ、あの蠱毒という存在が。
    「俺は……孤独と共に生きる。それが俺の戦いだ……なんてな」
     虎丸が冗談めかして笑う。しかし、それこそ真理の一つだろう。孤独から目を逸らさず、向かい合う――孤独とは絶対的なものではなく、感情の一つであり心の一つの形に過ぎないのだから。
     孤独への立ち向かい方は、人の数だけ存在するのだ。
    「今のお前には配下すらいない。本当の孤独を味わうといいよ……」
     瑠璃がかき鳴らすレクイエムを聞きながら、摩那斗はポケットに手を伸ばし――シガレットチョコの箱が空なのに苦笑した。
     レクイエムが旧校舎に鳴り響く。それは埋められなかった孤独を慰めるように、優しく響き渡った……。

    作者:波多野志郎 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2012年10月13日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 8/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 5
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