修学旅行2016~パイナップルの楽しみ方

    作者:佐和

     黒翼卿メイヨールの襲撃、サイキックリベレイター使用、大淫魔サイレーンとの決戦という大事件によって延期されていた、修学旅行の日程が決定しました。
     今年の修学旅行は、9月13日から9月16日までの4日間。
     この日程で、小学6年生・中学2年生・高校2年生の生徒達が、一斉に旅立つのです。
     また、大学1年生が、同じ学部の仲間などと親睦を深める為の親睦旅行も、同じ日程・スケジュールで行われます。

     修学旅行の行き先は沖縄です。
     沖縄料理を食べ歩いたり、美ら海水族館を観光したり、マリンスポーツや沖縄離島巡りなど、沖縄ならではの楽しみが満載です。
     さあ、あなたも、修学旅行で楽しい思い出を作りましょう!
     
     修学旅行の案内たるしおりを受け取った八鳩・秋羽(小学生エクスブレイン・dn0089)は、無言のままぱらぱらとそのページをめくっていた。
     世界遺産でもある首里城や、美ら海水族館の見学。
     やんばるの森や離島、そしてビーチでの自然体験。
     旅行日程に並ぶ様々な予定を見ていた秋羽の視線が、ぴたり、と止まる。
     それは2日目午後の自由行動で行ける名護の観光施設。
    「ナゴパイナップルパーク……」
     ……もう名前だけでパイナップルいっぱいなのが想像できますね。
     おすすめは、自動で動くパイナップル号に乗っての園内散策。
     パイナップル号は最大6人乗りのカートで、もちろん2人など6人未満での利用もOK。
     屋根つきだから日差しも遮られ、音声ガイドでちょっとパイナップルに詳しくなれたり。
     ヤシの木並木や亜熱帯の森、観賞用アナナスやパイナップル畑をゆったり巡っていく。
     また、パイナップル号に乗らずに徒歩で回るコースもあって。
     パイナップル畑を間近でじっくり見たり、空中遊歩道から見下ろしたり、自分のペースで散策できる。
     散策を終えて建物内に入れば、ショッピングコーナーがどどーんとあり。
     買い物だけでなく、沢山の試食・試飲を楽しめる。
     残念なことに、パイナップル生果の食べ放題は休止されているけれども。
     ケーキやクッキー、パイにカステラ、シャーベット、ジュースなど、多くのパイナップル製品がたっぷり試食できるようだ。
     そんな施設案内を眺める秋羽だが。
     視線は、パイナップル号や試食を通り過ぎていた。
     じっと見据えるのは、売店にあるパイナップルソフトと、パイナップルボールという名のシュークリーム。
     そして、園内レストラン『パームツリー』のおすすめメニュー。
    「ビックパイナップルパフェ……」
     生果にアイス、ジャムにクッキーにと、パイナップルずくしで高さは37cmとのこと。
     3人前はありそうなパフェですが、秋羽は食べる気満々なようで。
    「……修学旅行、楽しみ、だね」
     きらきら瞳を輝かせて、延々とパイナップルを眺め続けるのでした。


    ■リプレイ

    ●見て食べて
     名護市の高台に位置するナゴパイナップルパーク。
     パイナップルの大きなオブジェに迎えられ、足を踏み入れた先に広がるのは南国模様。
     そこを走り行く黄色いカート・パイナップル号を横目に見ながら、志賀野・友衛(d03990)はゆったりと遊歩道を歩いていた。
    「パイナップル畑は初めて見るが、これは面白いな」
     木に生ると思われがちだが、地面から生えた株の上にパイナップルの実はつく。
    「畑は傾斜になっているんだな。意外に知らないことばかりで興味深い」
     水はけを重視した立地や、解説の看板もじっくり見ながら頷いていく。
     この先には色とりどりのアナナスの花が咲いていると案内があり。
     わくわくしながら向かう途中で、ショッピングコーナーに真っ直ぐ向かう八鳩・秋羽(dn0089)の姿を見かけて微笑んだ。
    「ふふっ、八鳩は食べる方に夢中だな」
     私も後で何か食べようか、と考えながら、友衛は遊歩道を進んで行く。
     建物内に入った秋羽は、野良・わんこ(d09625)にがっしと襟を掴まれて。
    「なんでパイン食べ放題がないんですかぁぁ!」
     がっくんがっくん揺さぶるのを、李白・御理(d02346)が慌てて止めに入る。
    「わんこさん。パイナップルジュースありますよ」
     言葉に合わせてエリス・メルセデス(d22996)が試飲用の小さなカップを差し出した。
     一気に飲み干すわんこから、エリスは周りに視線を向けて。
    「わいんも、あるの……知らなかったです……」
    「大人になったら味わってみたいですね」
     今はジュースで、と御理に差し出されたカップを、エリスは微笑んで受け取った。
    「いつかまた、一緒に……♪」
    「おばちゃーん! パインジュースジョッキでー!」
     その小さな願いをかき消すように、わんこの大声が響く。
     大量の試飲は無理なので、その場でジュースを何本も買うと。
    「秋羽ちゃんのちょっといいとこ見てみたい! イッキ! イッキ!」
     煽り出したわんこに、再び御理が慌て出した。
     騒がしくも楽しい最中。
    「後で一緒に、家のみんなにお土産選びましょう」
     御理がこっそり囁いた提案にエリスは頷いて。
    「一緒に、お代……持ちます……
     ……わ、私の、家族にも……なりますし……!」
    「ええ、次に来る時はきっと家族なのです」
     決意はあっさり受け入れられて、エリスの顔が赤く染まる。
     嬉しそうに微笑む御理の後ろで、ジュースを飲み過ぎたわんこが倒れていた。
    「大変だ……軽い気持ちで飲んだけど、これ凄いよ、みんな」
     そんなジュースの美味しさに青和・イチ(d08927)も感激して。
    「アオ、こっちのシャーベットも、おいしいよ?」
    「クッキーは王道ね。あ、パイ結構美味しいかも」
     白星・夜奈(d25044)と鮫嶋・成海(d25970)と共に、色んな試食に手を伸ばす。
    「パイナップルって美味しかったのですね」
     何となく雰囲気フルーツな認識だった興守・理利(d23317)も感心するように頷いて。
    「パインケーキもしっとり美味しいよ」
     甘い物好きなイチの更なる勧めに舌鼓。
     これはお土産を選ぶのも大変です。
     もちろん並んでいるのは食べ物ばかりではなく。
    「ぱいんちゃんゲット」
    「何その恐い感じのパイナップル」
     嬉しそうにぬいぐるみを手にする夜奈に、イチは首を傾げる。
     かわいいと説明されても、イチには分からなくて。
     しかし夜奈が静かに指さした先では、ぬいぐるみと見つめ合っている理利の姿があった。
     何も言わず、遠目から微笑ましくその姿を見守る一同。
    「女子部員のみんなにもくばろう。ナルミも、おそろいどう?」
     夜奈の誘いに、ぬいぐるみなんて柄じゃないと思った成海だけれども。
     お揃いという響きに惹かれ、ピンクを手にした夜奈の隣で赤い花つきのを選ぶ。
     そうして何とか土産は決まって。
     イチはどっさり山積み土産の発送手配に動き出す。
     理利もパイナップルちんすこうを購入し。
     夜奈が選んだ生果に目を見開いた。
    「部長に、とってもトゲトゲしてるの、選んだの」
    「豪快で白星らしいですが……部長はパイナップル苦手では?」
    「きっと、顔面辺りにヒット、してくれる」
    「日頃お世話になってる部長へのお礼ですね」
     戸惑う理利に、夜奈は一瞬だけ悪い笑みを浮かべ、成海もあっさり賛同する。
     困って助けを求めるように周囲を見た理利ですが。
    「領収書、武蔵坂学園軽音部で」
     イチも何か頼んでいました。

    ●パフェに挑む
     レストラン『パームツリー』に休憩がてら立ち寄る者も多く。
     神坂・鈴音(d01042)は席に座って一息。
    「園内のどこからもパイナップルの匂い……なんていうか南国気分よね」
    「確かにいかにも沖縄って感じ」
     頷く村山・一途(d04649)も同じテーブルを囲む。
    「パイナップル畑なんて他じゃあ見ないし」
    「亜熱帯感すごかったですよねー」
     瞳を輝かせる鳥辺野・祝(d23681)に、鴛水・紫鳥(d14920)も面白かったと頷いて。
     写メ送っとこう、と一途が開いた畑の画像を周囲の者が覗き込んだ。
    「普段見る事がないものを見れるのは修学旅行のいいところですね」
     綾西・光雪(d23943)も散策を思い出して微笑む。
     でもその横で、亜麻宮・花火(d12462)はテーブルに突っ伏しながら。
    「パイナップル畑で本場のパインアメが食べられると思ったんだけどなぁ」
    「畑に飴が生るたぁ……シュールな絵面でさァ」
     不満そうな呟きに、撫桐・娑婆蔵(d10859)は困惑顔で頬をかいた。
    「売店にはあるかしら? 探してみる?」
    「鈴音まで……本物を前にしてパインアメ大人気でござんすね」
     と、娑婆蔵は先ほど乗った自動カートを思い出して。
    「本物を前に、と言やあパイナップル号。あれで公道走ってみたくありやせん?」
     聞いてみるものの、頷く者は誰もおらず。
    「いや私も割とあのセンス好きだよ」
     しゅんとする娑婆蔵の肩を、祝が慰めるように叩きました。
    「ふふー。お散歩したらお腹すいちゃいましたよねっ」
     歓談の最中、紫鳥が手にしたのはメニュー表。
     皆待ってましたと次々に開いていきます。
    「とりあえずわたしは、ソーキそばと、サーターアンダギー!
     あっ、ラフテー増し増しの焼き飯も美味しそうだね」
    「沖縄のパイナップル、甘そうだね。でも芋も美味しそうっ……かなり悩むねっ!」
     花火は沖縄グルメに、大鷹・メロ(d21564)の視線はデザート系をあっちへこっちへ。
    「皆、飛ばすなぁ……」
     その勢いに、アルコ・ジェラルド(d01669)は苦笑しつつも。
    「でも確かにこんなに食べるものあったら端から食べたくなるよな」
     納得しながらメニューをぱらぱら。
     水貝・雁之助(d24507)も興味深げに眺めて悩んで。
    「ドラゴンフルーツの食べ比べ、かな。島バナナも美味しそうだ」
     赤と白とあるらしい、と果物系で南国を味わうことに。
    「私はシャーベットにしよう」
     一途も決めたものの、フルーツそのままも美味しそうと尚も目移り。
    「皆は何にするの?」
    「泡盛持ってこーい!」
    「ね、年齢ーっ!」
     尋ねた途端上がった花火の声に、紫鳥が慌ててストップをかけました。
    「え、ダメ?」
    「さんぴん茶にしといた方がいいと思うよ」
     きょとんと首を傾げる花火へ、雁之助が苦笑しながらグラスを差し出す。
     それは沖縄のジャスミンティー。
     他の皆へもふるまえば、興味津々手が伸びてきて。
    「水貝さん、ありがとうございます。美味しいです」
     光雪は穏やかに味わい微笑み。
    「うっ!? なんだこの入浴剤みたいなお茶!? 強烈っ」
     アルコはその独特な風味に顔を顰めた。
     ちょっと好みが分かれるお茶のようですね。
    「ここはやっぱりビックパイナップルパフェですよっ!」
     そんな中で、紫鳥が選び示したのは高さ37センチもあるパフェ。
    「えっ!? 鴛水いくの? いくのか……」
     紫鳥とメニューの写真とを交互に見た祝は、自分も挑めるかと考え込んで。
    「わたしもチャレンジするよ!」
    「一緒に挑戦するぜ!」
     一方で、花火やアルコは迷うことなく参戦宣言。
    「しどりさんって結構、思い切りがいいよね」
    「実はかなりの大食いなのかな?」
     一途は感心して、雁之助はのんびりと、傍観体勢を作っていたり。
     様々な反応を見た紫鳥は、あわあわと手を振って。
    「この人数が居れば食べきれると思うんですっ!」
    「そ、そうだよねっ。皆でならあっという間に食べ終えちゃうよねっ」
     気になっていたけど到底食べきれないと思っていたメロは、嬉しい提案に顔を輝かせた。
    「なるほど。皆でつつけば怖くない」
     祝もそれならばと頷けば。
    「よござんす。助太刀致しやす」
    「じゃあ、私もお供しますねっ」
     次々と賛同の声が上がっていった。
     そして、皆の前に現れるビックパイナップルパフェ。
    「まさしく聳え立つようですね」
     まずはその大きさに、光雪のように驚いて。
    「す、凄いパイナップル! 写真、写真を撮っておかなきゃっ」
     メロに続くように撮影大会が開かれてから、いざ!
    「んーでりしゃす」
     舌鼓を打つ花火に、鈴音も笑顔で頷いて。
    「ちょっと貰おうかな」
    「私にも一口ください!」
     一途と祝もスプーンを伸ばす。
    「合間にお茶で一休みするといいよ」
    「いや、さんぴん茶はもういい」
     勧める雁之助にアルコが首を横に振る。
     そんな楽しそうな皆を見て。
    「ふふー。美味しいですねっ」
     紫鳥は嬉しそうに微笑んだ。
     垰田・毬衣(d02897)のテーブルでもパフェを注文。
    「うおおお、なにこれでけぇ!」
    「ほんとにでっかいわね。頭くらいあんじゃないかしら」
     本物を見て驚く瓜生田・ひいか(d01672)に、花守・黒絵(d28568)も目を瞬かせ。
    「おっおおおっ? ちょ、ちょーっと想定よりはデカイんだおっ!?」
     マリナ・ガーラント(d11401)も困惑の色を見せる。
     だが、それで挫けることはなく、いただきますを唱和して。
     それぞれ果敢に目の前のパフェにスプーンを伸ばした。
    「つめたーい……頭がズキッとしたんだよー」
     勢いよくパインアイスを食べた毬衣はしばし頭を抱えて。
    「量はともかく、甘さがちょっときつくなってきたわね」
     黒絵は食べる順番を考えて、横から重なりを考えつつ攻めていく。
    「やべ、これ完食できんのかな……」
     半分までは順調だったひいかに陰りが見える中で。
    「ふんふーん、売店にあったパイナップルボールとかを追加でトッピングしてもいける……
     その目はなんだおっ!?」
     余裕を見せるマリナに、信じられないといった視線が集まりました。
    「だんだん口の中がもったりしてきたんだよー」
    「生果の酸味が嬉しいくらいね」
    「クッキーもパインなんだおっ」
    「無理せずに頑張ろうな!」
     わいわいと感想を交わし励まし合いながら、皆はパフェを食べ進めて。
     何とか無事に全員完食。
    「つ、追加しなくてよかったんだお……」
     結局結構ギリギリだったマリナがほっと息をつきました。
    「めったにできるもんじゃないからチャレンジできてよかったけど……
     ひとまず今日はもう甘いものは満足ねえ」
    「口直しになんか温かいものが欲しいんだよ……」
     さすがにキツいと黒絵も苦笑し、毬衣はぽんぽんのお腹をさすって一息。
     大変だったけど、それでも。
    「なんだか、すっごく思い出になった! クラスのみんなと来れてよかったぜ!」
     満面の笑顔で言うひいかに、皆も笑って頷きました。
     お土産の買い物を終えた華上・玲子(d36497)と吾門・里緒(d37124)も、席についてちょっと休憩。
     そこに通りかかった顔見知りを見つけて。
    「鑢先輩、デートですもっちぃ?」
     にこにこ声をかければ、鑢・七火(d30592)と半澤・夜火(d34686)が穏やかに微笑みながら合流する。
    「妹達ににやにやしながら家から追い出されてな」
    「初めての修学旅行だべ。皆、楽しんできて欲しんだ」
     苦笑する七火に、里緒は送り出した者達の思いを半分くみ取って口にした。
    「こんなに学園生活を満喫出来るとは考えられなかった……」
     静かな表情の中に嬉しさと楽しさを滲ませて、夜火は呟く。
     それを見た七火も赤瞳を嬉しそうに細めた。
     そこに、ばーんとメニューを広げて見せる玲子。
    「これ食べてみるもっちぃ!」
     指し示したのは、ビックパイナップルパフェ。
    「家で作るデザートの参考になるかな」
     大きさに驚きながら七火も頷き、皆で1つのパフェを囲むことに。
     アイスに生クリームにクッキーに生果に。
     それぞれ思い思いに食べていく最中。
    「鑢先輩、あーん、して欲しいのね」
     玲子のおねだりに、七火は苦笑しながらスプーンを向けてやる。
     だがそこに。
    「鑢もだ」
     夜火からスプーンを向けられて固まった。
    「これは私達が乗り越えなければならない壁だ」
    「そうなの、か?」
     赤面しながらも、あーん、と声をかける夜火に、真面目な七火は硬直して。
    「頑張るんだべー」
     里緒がパフェに刺さっていたパイナップルを手にエールを送る。
     羽柴・陽桜(d01490)の前にもビックパイナップルパフェが運ばれて。
     その大きさを体感して思わず目を丸くする。
     反射的に一眼レフで写真を撮ってから。
    「秋羽さん、これ、本当に1人で食べられるのです?」
     隣を見ると、秋羽は迷わず食べ始めていました。
    「あたしも頑張ってチャレンジなのです!」
     オーダーを無駄にはできないと、陽桜もぐっとスプーンを握って挑みかかる。
    「な、何だこのパフェ! あ、食べてるのうちの学校の生徒か?」
     そこに通りかかった草葉・双見(d36570)が近づいてきて。
    「なあ、美味しいか? 何て名前のパフェなんだ?」
     尋ねる双見に秋羽はこくんと頷いて、陽桜がメニューを開いて教える。
    「八鳩が食えるならアタシもイケる」
     早速双見も注文して、3つのパフェが林立した。
     そこに走り寄ってきたのは黒木・闇霧(d36305)。
     沢山のお土産を抱えて笑顔で近づき。
     べしゅっ!
     見事に転んで荷物をぶちまける。
    「大丈夫です?」
     気づいた陽桜が荷物を拾い、双見が手を差し伸べた。
     闇霧は礼を言いながら、誘われテーブルについて。
    「一緒に回りませんか?」
     買い食いで美味しい物をいろいろ見つけたと秋羽達を誘う。
     賛成の声が上がるけれども、今は目の前にパフェが立ちはだかってます。
    「手伝ってくれませんか?」
     おずおずと問う陽桜に、双見も実はと降参ポーズ。
     2つ返事で引き受ける闇霧に、双見はパフェを差し出して。
    「贅沢な気分にはなれたかな。満足」
     笑顔の向こうで、秋羽が黙々とパフェを食べ続けていました。
    「秋羽殿……甘味好きでござるな」
     離れたテーブルからそれを眺めて呟く猫乃目・ブレイブ(d19380)。
    「秋羽くんも食べてるし。ぶれにゃん、やっぱ名物食べなきゃ!」
     黒柳・矢宵(d17493)も見て、メニューを広げてブレイブを誘う。
     さすがに1人1つは無理と、2人で囲むことにするけれども。
    「……でかい」
    (「で、でかい」)
     本物を前に、矢宵は声に出して、ブレイブは胸中で同じことを思った。
     そしていざ尋常に、いただきます。
    「パイナップルのパフェとは珍しいでござるな。なかなか美味しく!」
    「ん~パイナップル美味しいぃ~。ご当地のだから甘い! うまい!」
    「クリームとアイスも合うでござるよ」
    「本当、合わせても美味しい。
     あとさ、パイナップルでも果肉とアイスとか食感違うからいいね。
     これは食べれそうな気がしてきた!」
    「勿論でござる。2人でならば!」
     美味しさも楽しさも、分け合うからこその一時だから。
    「皆でワイワイならやっぱりパイナップルパフェでしょ!」
     こちらも交流ツールとして、櫻庭・つぐみ(d25652)がパフェを注文。
    「まぁ、その、食べるのも楽しみの一環でございますし?」
     苦笑するロジオン・ジュラフスキー(d24010)もどこか楽しそうで。
    「相手にとって不足はないよ」
     すでにスプーンを手に富士川・見桜(d31550)は食べる気満々。
     そして聳え立つ37センチ。
     いただきますを唱和して、それぞれの場所からパフェを削っていく。
    「うわ、おいしい!」
    「パイナップルの酸味とアイスクリームの甘さがいいバランス……
     ですが、さすがに量が多くて大変ですね」
    「見桜は大丈夫?」
    「私はまだまだ。2人は?」
     感想を交わし、美味しさを共感し。
     互いを気遣い合いながら、食べ進めていく。
     と、ロジオンが器から落ちそうなパイナップルを見つけて。
    「あ、そこ、崩れ……!」
    「って、えっ、どこ……」
     つぐみが見つけた先にロジオンのスプーンが伸ばされたけれども。
     助けきれずにテーブルにぽとり。
    「ロジオン、ナイスファイト、ヨ!」
     労いの言葉をかけるつぐみの横から、見桜が紙ナプキンを差し出しました。
     そんなハプニングもありながら、パフェは綺麗になくなって。
    「皆を誘ってよかった」
     つぐみは、これでも誘うの緊張したのヨ? と微笑む。
     ロジオンも応えるように笑顔を浮かべて。
    「まだまだ修学旅行もこれからだし、楽しんでいこう!」
     そして見桜は席を立ち、皆に手を差し出した。
     

    作者:佐和 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2016年9月14日
    難度:簡単
    参加:34人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 8
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