日本最強（？）のフェロモン怪人、現る！

■リプレイ

●都内某所
「……何だか、物凄く甘い匂いが漂っていますね」
　姫条・セカイ（黎明の響き・d03014）は白い浴衣姿で、甘い匂いに誘われるようにして、新宿フェロモン怪人と六本木フェロモン怪人が決戦の地として選んだオフィス街に向かっていた。
　両怪人は濃厚なフェロモンを漂わせる事によって、まわりにいる男達を虜にしているらしく、その影響であられもない姿をした男達が、道端にバタバタと倒れていた。
「それにしても、いちごさんったら、またこんなダークネスに巻き込まれて……またしても、いちごさんに襲ってもらう大チャンスですわ！」
　緋薙・桐香（針入り水晶・d06788）が、上機嫌な様子で闇纏いを使う。
　ある意味、チャンス。
　本音を言えば『もっとやれ！』と言った感じのようである。
「……まったく、何でまたこういう事になるのかしらね……」
　それとは対照的に、天原・京香（銃声を奏でる少女・d24476）は複雑な気分。
　ハッキリ言って、この時点で嫌な予感しかしない。
　嫌な予感が行列になって、順番待ちをしているような状態だった。
「合体後の怪人と戦うわけですが、今回一緒なのはみんな大切な人達ですから、興奮した男に襲われないようにしないといけませんね。最悪の場合は、私が……」
　黒岩・いちご（ないしょのアーティスト・d10643）が、覚悟を決めた様子で仲間達に視線を送る。
　例え、どんな事があっても、仲間達を守り抜くという強い意志を持っているためか、その気合もハンパがないようだ。
「色んな意味で、合体しちゃいけない怪人さん達が……。大人の空気で色々、風紀を乱される前に、私達で何とかしなきゃ……！」
　そんな中、銀・ゆのか（銀屋の若女将・d04387）が、六本木新宿フェロモン怪人を発見した。
　六本木新宿フェロモン怪人は、むせ返るほど濃厚なフェロモンを漂わせ、まわりにいた男達を完全に虜にしていた。
　そのためか、男達の表情は虚ろで、頭をフラフラさせていた。
「ま、また何かえっちぃコトになりそうな相手だね。……で、でも負けないんだから……！」
　フィヒティミト・メーベルナッハ（媚熱煽姫・d16950）が、自分自身に気合を入れる。
　だが、その言葉とは裏腹に、六本木新宿フェロモン怪人の全身から漂うフェロモンの影響で、じんわりと体が熱くなっていた。
「そろそろ諦めの境地かな、これ……」
　墨沢・由希奈（墨染直路・d01252）が、深い溜息をもらす。
　この時点で沢山のフラグを立ててしまった自覚があるものの、それも覚悟の上なのでおそらく何とかなる……はずだ。
「あらあら、どうやらお客さんが現れたようねぇ。まあ、誰が来ても、ヤル事は同じだけど……」
　そう言って六本木新宿フェロモン怪人が、含みのある笑みを浮かべる。
　まわりにいる男達も興奮した様子で、いやらしい笑みを浮かべていた。
「例え、どんな事があっても、合体怪人なんかに負けたりしない」
　それでも、綾瀬・一美（蒼翼の歌い手・d04463）はメイド服姿で、六本木新宿フェロモン怪人達を睨むのだった。

●飢えたケモノ達
「へぇ……、随分と強気じゃない。そこまで威勢がいいのなら、コイツらも満足させてくれそうね」
　六本木新宿フェロモン怪人が含みのある笑みを浮かべ、まわりにいた男達を嗾けた。
　まわりにいた男達はイノシシの如く鼻息を荒くさせ、今にも飛び掛かってきそうな勢いである。
「はわ、ちょっとこの人達、正気じゃないですよぉ」
　一美がテレパスを使って、男達の表層思考を読み取った。
　男達の頭の中は、いやらしい事でいっぱいになっており、思わず赤面してしまうほどアレなレベルであった。
「男の人達がなんかおかしくなってるけど、あの怪人さえ倒しちゃえば何とかなるはず……」
　フィヒティミト・メーベルナッハが、六本木新宿フェロモン怪人をジロリと睨む。
「アハハハハッ！　だったら、倒してみなさい！　……出来るものならね」
　六本木新宿フェロモン怪人が、指をパチンと鳴らす。
　その合図に従って、まわりにいた男達が、ジリジリと迫ってきた。
「はわ、こっちに来ないでくださーい」
　一美が涙目になりつつ、激しく首を横に振る。
　だが、男達はいやらしい笑みを浮かべ、次々と飛び掛かっていく。
「ちょっ、ちょっと！」
　フィヒティミトも男達に襲われ、あっという間に服を脱がされ、大股開きでえっちなポーズを取らされた。
　それだけでは飽き足らず、男達はフィヒティミトの胸や尻を揉み、よってたかって滅茶苦茶にされた。
「と、とにかく、魂鎮めの風で、ちょっと眠って……き、効いていない！　なんで、こんなに……！」
　ゆのかが魂鎮めの風を使い、信じられない様子で声を上げる。
　しかし、男達は何かに取り憑かれた様子で唸り声を響かせ、ゆのかの着物を掴んでいく。
「い、嫌なハズなのに……」
　その横でフィヒティミトが恥ずかしそうに頬を染め、新たに芽生えた感情を花開かせて、貪欲に男達を求めていった。
「やぁっ……助けていちごちゃ……」
　ゆのかが消え去りそうな声で悲鳴をあげる。
「はぁぁぁんっ、いちごさんっ」
　一美も色めかしい声を上げ、同じように助けを求めた。
「ふふ、フェロモンでちょっと体が火照ってきたみたいですわ。いちごさん、早く……」
　桐香のフェロモンの影響で、とろんとした表情を浮かべる。
「……な、なんでかしら……いちごさんを襲いたくて、たまらない……！」
　京香も虚ろな表情を浮かべ、いちごに胸を押し当てた。
「みんな、私が……」
　そう言って、いちごがひとりずつ服を脱がせていく。
「……えっ、いちごくん……！？　そんな、私っ……優しく、してね……」
　それを迎え入れるようにして、由希奈がいちごをギュッと抱き締めた。
「えっちいの、め……なのに……。んっ、ぁぅ……そんな、なでなで……はぅ……♪」
　ゆのかもサラシに包まれた胸を押し付け、いちごにギュッと抱き着いた。
「ふふ、荒々しいいちごさんも……素敵♪」
　桐香も恍惚とした表情を浮かべ、いちごに身体を擦り合わせる。
「ねぇ……、もっと激しく吸ってもいいんだよ♪　その代わり、あたしもいちごさんの……食べさせてね」
　そんな中、フィヒティミトがいちごの股間に顔を埋めていく。
「あっ、熱い！　わたくしとした事が、はしたない……」
　その途端、セカイが大量のいちごミルクを胸や顔に浴び、恍惚とした表情を浮かべる。
「私が一番っ、いちごくんのことぉっ、好きだからぁぁぁっ……だからぁっ……」
　それを目の当たりにした由希奈が、甘えるような声でいちごに抱き着いた。

●いちごミルク祭
「……って、私を無視して楽しむなんて、いい度胸をしているじゃない。私が一声かければ、欲望の権化と化した男達が……って、あれ？」
　六本木新宿フェロモン怪人が、気まずい様子で汗を流す。
　男達の大半は、フィヒティミトによって搾り取られ、干物のような状態で辺りに転がっていた。
「…………！！！！」
　次の瞬間、由希奈が色々な感情を拳に乗せ、六本木新宿フェロモン怪人をブン殴る。
「……えっ？　えっ？　えええええええええええええええええ！　ひょっとして、私が悪いの？　状況的に考えて、私が悪いような感じよね？　でも、違うから！　ここは私のテリトリー。だから一番偉いのは、私なの。ある意味、法よ。この場所の！　それなのに、空気を読めって感じの雰囲気は何っ！？　読んでいるから、私なりに！　読んだ上で、行動しているから！」
　六本木新宿フェロモン怪人が納得のいかない様子で、自分の頬を押さえた。
「それなら、空気を読んでください。この状況……、分かっていますわよね？」
　桐香が怖い笑顔で、六本木新宿フェロモン怪人に視線を送る。
「い、いや、何かおかしいでしょ！　……と言うか、何もかも！　ここは私のテリトリーなの。私が法なの！　……って、話を聞けええええ！」
　六本木新宿フェロモン怪人が、思わずツッコミを入れる。
　しかし、桐香達は行為に夢中。
　相手にするだけ時間の無駄だと判断したのか、完全にスルー。
「……んああっ！　だ、駄目です、いちごさん。そんなところを触ったら……」
　一美に至っては、いちごに背後からメイド服のボタンを外された上で、一気に上着を脱がされ、ブラの下に手を入れられて胸を揉まれている最中だった。
「あ、あの、いちごさん！？」
　セカイも浴衣の帯で目隠しされ、同じように荒々しく胸を揉まれていた。
「と、とにかく、急いで皆を正気に戻さないと……」
　そんな中、ゆのかがもうろうとする意識の中で危機感を覚え、七不思議の言霊を使う。
　その影響で、本来ならば正気に戻るはずなのだが、仲間達は自らの行為を止めようとしなかった。
　それどころか、さらに行為をエスカレートさせ、恥じらいもなく自らの欲望を曝け出していた。
「もう許さないんだからっ！」
　そのため、六本木新宿フェロモン怪人が殺気立った様子で、攻撃を仕掛けようとした。
「……本当に空気を読まない怪人ね」
　京香がウンザリした様子で、六本木新宿フェロモン怪人にブレイジングバーストを放つ。
「いやあああああああああああああ」
　次の瞬間、六本木新宿フェロモン怪人の身体が炎に包まれ、断末魔を響かせながら爆散した。
「……えっ？　もう終わりなの？」
　その途端、フィヒティミトが驚いた様子で声を上げる。
　六本木新宿フェロモン怪人が倒された事で、フェロモンの影響も薄れているのだが、未だに満足していないのか、最後の一滴まで絞る取る勢いで、まわりに転がっていた男達に迫っていた。
　しかし、男達は弾切れどころか、再起不能に等しい状態であったため、間の抜けた声を上げて逃げ出した。
「あ、あの……ご、ごめんなさい、なんてお詫びしたらいいのか……」
　いちごもようやく冷静になったのか、自分が襲った女性達を前にして、深々と土下座をした。
「……いいよ」
　そんないちごを眺めながら、由希奈が意味深なセリフを吐く。
　その意味を何となく理解したのか、京香がジト目でいちごを睨む。
「ふふ、まだフェロモンが残ってるようね……♪　アリカさん、ちょっとイタズラしても……いいですわよね？」
　そう言って桐香がビハインドのアリカを見つめ、艶っぽい笑みを浮かべるのであった。

作者：ゆうきつかさ	重傷：なし 死亡：なし 闇堕ち：なし
種類： 公開：2016年9月25日 難度：普通 参加：8人 結果：成功！
得票：格好よかった 0／感動した 2／素敵だった 1／キャラが大事にされていた 4
あなたが購入した「複数ピンナップ（複数バトルピンナップ）」を、このシナリオの挿絵にして貰うよう、担当マスターに申請できます。
シナリオの通常参加者は、掲載されている「自分の顔アイコン」を変更できます。