ぼっちの少女と、イベントすごろくで遊ぼう!

    作者:芦原クロ

     昼間の、とある河川敷にて。
    『お願い、お願い! 私と遊んでよォオオオ!!』
    「な、なんだこの子……ちょ、離せって! あっち行け!」
     中学生ぐらいの少女が、地面に膝をつき、一般人男性の片足にしがみついている。
     必死で懇願している姿は、ちょっと怖い。
     男性も気味悪がり、足を思い切り振って、少女を無理矢理離した。
     かなり勢い良く離された少女は地面に倒れ、卓上遊戯などに使われるダイスやコマが、地面に転がる。
    『ああ……! あ、行かないで……あ、拾わなくちゃ……』
     オロオロしている少女から、逃げるように去ってゆく男性。
     少女は涙目だ。
    「大丈夫かい?」
     灼滅者を引き連れて始終を見ていたものの、可哀相だと思ったのか、神鳳・勇弥(闇夜の熾火・d02311)が駆け寄り、少女が落とした物を一緒に拾う。
    『あ、あの……あの、遊んで! 遊んでェエエエ!』
     今度は勇弥の足にしがみつく、少女。
    「一人ではボードゲームを遊べずに凹んでる都市伝説がいるって噂は、本当だったみたいだね。……あの人たちが遊んでくれるから、一回離してくれないかい?」
     勇弥は灼滅者たちを紹介し、少女が、自分で離れるのを待った。

    『え、えっと……ルールは簡単で、このダイスを振って、出た目の数だけコマを進めて、ゴールを目指すの。私1人じゃ出来ないから、一緒に遊んで……遊んで! お願い、遊んでェエエエエ!』
     必死で懇願する少女。やっぱり、ちょっと怖い。
     こんなに必死で、遊んで欲しいと懇願して来るほどだ。遊んであげれば、満足して弱体化する可能性が高い。
     ダイスとコマは揃っているが……肝心の、紙が無い。
    『ペンと紙が有れば、絵を描いたり、マスにイベントを作ったり出来るよ。イベントマスは、良いことが発生したり、悪いことが発生したり……そんな感じのを作ってくれれば、私がその効果を体験させることが出来るよ?』
     例えれば、風邪をひく、というイベントマスを作り、そこにコマが止まってしまった場合……本当に風邪をひいてしまうということだ。
     これは都市伝説の、能力のようだ。
     イベントマスのイベントは、どうやら好きなように作って良いらしい。
     ただしあまりにも過激過ぎたり、残酷過ぎるイベントは、少女が良くないと判断して、書き換えるようだ。
    「1人で遊ぶのは寂しいだろ。でも大丈夫、これから皆で遊べるんだ。……人払いは、一応しておいたほうが良いね」


    参加者
    神鳳・勇弥(闇夜の熾火・d02311)
    オリキア・アルムウェン(翡翠の欠片・d12809)
    フェイ・ユン(侠華・d29900)
    旭日・色才(虚飾・d29929)
    切羽・村正(唯一つ残った刀・d29963)
    エリザベート・ベルンシュタイン(勇気の魔女ヘクセヘルド・d30945)
    ミーア・アルバーティ(猫メイドシスターズ・d35455)
    霧ヶ峰・出流(死神を纏う者・d37203)

    ■リプレイ


    「やぁやぁそこの少女さん! 一緒にあーそーぼー!」
    「よし! ボクたちでよければ一緒に遊ぼう!」
    『ほんと!? ほんとに遊んでくれるの!? あ……ありがとォオオオ!』
     オリキア・アルムウェン(翡翠の欠片・d12809)とフェイ・ユン(侠華・d29900)の明るい声に、都市伝説の少女は全力でお礼を言う。ちょっと怖い。
    「いざすごろく祭りなのです! 簡易テーブル持って参りました」
     ミーア・アルバーティ(猫メイドシスターズ・d35455)がテーブルを設置する。
    「わ、準備良いね! ありがとう。サウンドシャッターを使って……おっけ、遊ぼう、思いっきり」
     ミーアに礼を言ってから、神鳳・勇弥(闇夜の熾火・d02311)はサウンドシャッターを使う。
    (「ふっ、遊戯を所望するか……良いだろう! 俺たちが思う存分愉しませてやろう! 覚悟するが良い!」)
     持参した煌びやかな紙とペンを机上に置き、早速イベントマスを書き込む、旭日・色才(虚飾・d29929)。
    「マロンペースト入りのカフェラテと、フルーツサンドもあるから、片手間につまんでくれ」
     勇弥は机の上へ紙コップを人数分置き、業務用の保温マグからカフェラテを注いで配り、タッパーのフタを開ける。
    「美味いな。温かい飲み物あるし、これなら、かき氷があっても平気だろう」
     霧ヶ峰・出流(死神を纏う者・d37203)が温かいカフェラテを飲み、空白のマスにイベントを書く。
    「せっかくやるんだもの、幾つか書いて……ふふっ。あ、そうだ、……なんてのもいいわね」
     エリザベート・ベルンシュタイン(勇気の魔女ヘクセヘルド・d30945)は楽しそうに、おてんばぶりを発揮している。
    「あそこまで必死になってるんだし、ちょっとくらい付き合ってやるか。……ほら、おまえも飲めよ。美味いぜ」
     切羽・村正(唯一つ残った刀・d29963)は、今は亡き妹と少女を重ね、カフェラテが入った紙コップを手渡す。
    『あ、あり、ありが……とう』
     優しくされることに慣れていない様子で、少女は僅かに戸惑いながらも、礼を言った。


    「自分でマスを考えるって難しいけど、色々と考えてみよっか!」
     フェイは仲の良い友人たちと共に、賑やかにイベントマスを作っている。
    「もふもふマスは所々に入れねばなのです!」
     きりりとした表情で、ミーアは使命感に燃えていた。
    「皆様で楽しめるよう夢とロマンあふれるイベント沢山詰めますね! 現実にどこまで起こるのか試してみたくなりますのです! 宝くじが当たって億万長者に……! などいかがでしょう」
    『お金は、ちょっと難しいかも……こんな感じかなぁ?』
     試しに体験させてみようと、少女が能力を発動する。
     お金が、降って来た。
     ただし札では無く、すべて硬貨だ。
    「ふおおお!? これはやめましょう! 億万長者になる前に、硬貨に埋もれて、窒息死しかねません」
     体の半分がほぼ、硬貨に埋もれているミーアが慌てて声を掛けると、少女はすぐに能力を解除する。
     一瞬で硬貨が消え、ミーアはなんとか落ち着いた。
    「完成だよね? 今日は思いっきり楽しもうぜ! 因みにマイダイス持参済みだ」
     マスがイベントで埋まったのを確認し、勇弥はコーヒー色のクリアダイスを見せる。
     少女はスタート地点に、参加人数分のコマを置いた。
     コマの色は、分かりやすく、灼滅者たちそれぞれの髪と瞳の色を、組み合わせたものになっていた。
     出流のコマなら、赤茶と藍の色がキレイに並ぶツートンカラーのコマ、といった具合だ。
    (「ヒーローとして戦ってばかりだったから、なんだか落ち着かないけど……遊んで欲しいだけだ、っていうんだもの。それくらい、付き合ってあげるわよ」)
     エリザベートは少女に眼差しを向け、胸中で優しい想いを抱いてから、少女に簡単な自己紹介をする。
    『えりざべーと……キレイな響きの名前』
    「貴女にも引かせてあげるわよ、都市伝説。……呼びにくいわね。ねえ、名前ないの、名前。付けてあげましょうか?」
    『え? 名前は、呼び方で……え?』
     しどろもどろになっている少女に、エリザベートは言葉を続かせる。
    「シシー、なんてどうかしら。外国での、エリザベートの愛称よ」
    『おっ! お、おおお、おお……!?』
    「言いたいことがあるのなら、落ち着きなさいよ」
     うろたえまくっている少女に、とりあえず深呼吸をすすめるエリザベート。
    『おっ、おおお揃いの呼び方……こんなに、キレイで可愛い人と、お揃い……!?』
     どうやら、ぼっちにはハードルが高すぎたようだ。
     少女は胸をおさえ、地面に崩れ落ちている。
    「どうしたの?」
    「ぼっちのぼっちたる所以だろう。遊戯を始めるぞ、エリザ」
     不思議がるエリザベートに、色才は余裕の笑みを浮かべ、促す。
    「まぁ、いいわ。ガチンコ勝負よ!」
     エリザベートは、仲間たちに声を掛けた。
    「虹の橋が架かる。一歩進む……やった!」
    「ああ、それは俺のだな。わ、綺麗な虹だ」
     ダイスを振り、出目の数だけコマを進めた出流が、素直に喜ぶ。
     自分が作ったイベントで喜んでもらえるのが嬉しい様子で、勇弥が微笑んでいると、少女が虹を出した。
     せっかくなので、虹の上を渡ってみる、出流。
    「虹の上、歩けるってすげえ能力だなー」
     村正が少女を褒めると、少女は照れてうつむいてしまう。
    「次は俺か。盛り上げていくぜ! ……きらきら光って魔法少女に変身し、可愛く決めポーズを取ってしまう。ってこれ、誰得だよ? 待っ、これは実現しなくて……」
     最後まで言う前に、村正は魔法少女に変身。
     強制的に、可愛い決めポーズ。
     どうやら一番笑っているエリザベートが、考えたイベントのようだ。
    「ふっ、俺の番のようだな……真っ先にゴールしてやろう。格の違いを教えてやるぞ!」
     声高々に宣言した色才のコマが止まったのは、色才自身が書いたイベントマスだ。
     色才のウイングキャット、クロサンドラの鈴と戯れる、というものだが、色才は肉球でパンチを受けている。
     少女がダメージを入らないようにさせた為、サイキックでは無く、ただの肉球パンチで終わった。
     次に進んだのは、オリキア。
    「ふわわーっ! 今川焼きだー!! うまっうままっ。ふふふー♪ よいイベントマスですなぁ」
     今川焼きが、少女の能力によって大量に積まれた。
     食べきれるまで1回休み、となっているが、オリキアは幸せそうに、好物の今川焼を食べている。
    「怖い話をする。できなければ電撃が走る? ふおおおお!? お待ちくださいませ、このイベントは予想しておりませにゃああああ!?」
     当然ながらダメージは無いものの、電流を受けた衝撃はしっかり有る。
    『BSパラライズって書いてあったけど……分からないから、それはしなかったよ』
    「にゃんですと!? 誰ですか、そんな危険なものを書いたのは!」
     少女の言葉に、ミーアが驚いて仲間たちを見回す。
    「ふっ、愚問だな。単純明快だ、奴に決まっているだろう」
    「奴とは誰なのです! 色才様!」
    「奴……それは最高にカッコイイ、この俺だ」
     ミーアの問いに、ポーズをビシっとキメて、言い切る色才だった。


    「思いっきりスゴロクで遊んで満足してもらうよ」
     嬉々としてフェイがダイスを振り、コマを動かす。
    「必殺技の詠唱を言う。特に何も起きないが微妙な空気になる……これ作ったの色才だよね!」
     フェイの視線の先で、色才は余裕たっぷりの笑みを浮かべている。確定だ。
    「えーっと……天翔ける龍よ! 天を裂き地を砕け! 天龍脚! ……ちょっと、恥ずかしいから何か反応してよっ!」
     少し赤面する、フェイ。
    「フェイが言った必殺技の詠唱……なんか、ぶりっ子っぽくねぇ?」
    「うん、エリザの物真似だしね」
     村正の問いに、あっさり答えるフェイ。
     直後、エリザベートに怒られたのは、言うまでもない。
    「俺もボードゲーム好きでさ。でも一人だとつまらないのは、すっげー分かる」
     勇弥は少女に語り掛け、にっこりと優しい笑みを見せる。
    「一人ぼっちって寂しいもんね……」
     フェイも同意すると、少女は2人を交互に何度か見てから、ほっとしたように微笑む。彼らが優しい人たちだと、分かったのだ。
    「って、加具土、悪さしない」
     勇弥の霊犬、加具土がコマを咥えようとしているのに気づき、勇弥は加具土をたしなめる。
     それからダイスを振り、コマを進める勇弥。
     止まったマスのイベントを読み、勇弥はコマを1つ前に戻したい気持ちになる。
     書かれていたイベントは、ステージに上がって熱唱。一回休み……というものだ。
     少女がそれを読むと、ステージが現れ、ライトアップもされる。
     勇弥の服は男性アイドルのような衣装に変わり、手の中にはマイクが。
    「ま、待てなんでこうなるっ」
     顔を真っ赤にし、勇弥はなんとか1曲歌い切った。
    「大変そうね。でも、色才の後ろについちゃうと、もっと大変よ。一つ前の人の、モノマネをしてしまうってイベントマスが……」
     エリザベートが言ったそばから、自分が作ったイベントマスに止まってしまう。
    「ふ……ふーはははー! 自ら招いた因果がアダとなるとは、これもまたクロサンドラの封印を担う俺の宿業か……!」
     ほぼやけくそ状態で、色才の真似をする、エリザベート。
     少女の番になり、イベントが発動。
     空から、もふもふした動物の赤ちゃんのぬいぐるみが、たくさん降ってくる。
    「ああああ! ミーアもそのマスに止まりたかったです!」
    「埋もれてるけど、大丈夫か!?」
     もふもふに埋もれている少女を羨ましがるミーアと、少女を過保護なほどに心配する、村正。
    「仕方ないかな。……食べきれるかな」
     出流は目の前に現れた大きなパフェを見て、無表情のまま、ぽつりと呟く。
    「スゴロクが終わるまで? さっきから俺、変なのばっか引いてるぜ」
     チキンの被り物をいさぎよく、村正は被った。
     すごろくが終わるまで、かぶり続けるようだ。
    「フェイのイベントだな。中々、似合っているぞ」
    「ふふっ、なにその被り物」
    「楽しいから良いけどな!」
     色才とエリザベートに笑われるが、村正は笑顔で返す。
    「涼しきこの時期に、かき氷とはな。良いだろう、この俺の豪快に食らう姿をとくと見せてやろう!」
     威勢良く、かき氷を食べ始める色才だったが、冷えたものを食べた時に起こる頭痛に、少し嫌そうな顔をしている。
    「服がチャイナドレスになりましたアル。合間に、サンドイッチいただきますねアル!」
     チャイナドレス姿に変わっても、語尾がアルになっても、ミーアは楽しそうに笑い、勇弥が持って来たサンドイッチを食べる。
    「すごい風ー! 飛ばされそうだよっ」
     強い風で2マス進めたフェイだったが、実際に強風で飛ばされそうになり、咄嗟に色才と村正の手を掴み、3人で吹っ飛んでゆく。
    「ひええぇーっ! ものすごい強風がー!! ……ぐ、ぐふっ」
     オリキアも位置が悪かった所為で巻き込まれ、撃沈。
    「……」
     鼻眼鏡が強制的に着用された、エリザベート。
     このイベントを書いたのは誰だと言わんばかりの、オーラを無言のまま発している。
     その後、ラーメンの大食いにチャレンジしたり、とりもちにひっかかって動けなくなったり、落とし穴から良いものを見つけたり、次の番が来るまで逆立ちをしたりと、色々なイベントに巻き込まれる灼滅者たち。
     村正が書いた、服が豪華な着物に変わってお姫様口調になる、というイベントにはほぼ全員止まってしまった。
     男子たちがそうなると、村正は大爆笑。
     女子なら、殴られることを覚悟して「馬子にも衣装」だと言ってしまう、村正。
     しかし少女が相手だと、態度が変わり、村正はべた褒めする。
     完全に、お兄ちゃん化している村正だった。
     やがて全員ゴールし、少女は一番ビリだったものの、満足した様子で笑顔を見せ、その体は次第に透き通ってゆく。
    「スゴロクで遊んで満足して終わり! ……ってわけにはいかないんだね。できるだけ痛くないようにするよ」
     フェイは一気に終わらせようと、激しい炎の蹴りを放ち、ビハインドの无名は指示された位置につく。
    「さあ……終わりの時間だな」
     色才が怨恨系の怪談を語り、クロサンドラの鈴は猫魔法を使ってそれぞれダメージを与える。
    「やっぱり、戦わないとなのかな。その責任から逃げる気はないけど……できれば、あまり抵抗しないでほしいな」
    「俺は、攻撃できねぇな」
     エリザベートが攻撃をしぶり、村正も少女を妹と重ねている為、攻撃出来ずにいる。
    「すごろく楽しかったよー!」
     オリキアはクルセイドソードで白光の斬撃を浴びせ、ビハインドのリデルが合わせて霊撃を放つ。
    「マーヤは皆様の庇いを頑張るのですにゃん!」
     ミーアがビハインドのマーヤに指示しながら、巨大な武器で殴りつけ、同時に放射した網状の霊力で敵を縛る。
    「今日は楽しかった、ありがとな。悪ぃ、その代わりに一気に行く」
    「戦闘、しなくてはいけないんだな……。仕方ないな」
     不死鳥の翼を模し、黄金の装飾が施されたFlammeは白光を放ち、勇弥が強烈な斬撃を食らわせる。
     出流はタイミングを合わせて同時に、畏れをまとった斬撃を放つ。
     灼滅者たちの素早い攻撃に、都市伝説の少女はほぼ痛みを感じること無く、完全に消滅した。


    「……また一緒に遊ぼうね!」
     それが叶わぬことだと分かっていても、フェイは言葉に出し、希望を捨てない。
    「久しぶりに専門店寄って帰ろう」
     灼滅に少し暗く寂しい気持ちになり、勇弥はぽつりと呟く。
    「勇弥様のお茶やサンドイッチ、とても美味しかったのです!」
     ミーアが笑顔で、明るい雰囲気を作る。
    「ミーアの言う通りだな」
     頷く出流は、頭の隅で少女のことを思う。
    「いっぱい遊んだねー。ボクの今川焼き、食べるー?」
     オリキアも明るいムードで、持っていたスイーツを仲間たちに配る。
    「はぁ……あれで満足してくれたのか、わかんねぇな……ちゃんとできたことなんて一回も無ぇんだからなぁ……」
     黙祷を捧げてから、村正は溜め息を吐く。
    「存分に愉しめただろう。俺たちが相手をしてやったんだぞ」
     色才は自信たっぷりに、言い切る。
    「あの子、楽しそうに笑って遊んでたわ。村正にも可愛がってもらって、満足してたに決まってるでしょ」
     エリザベートが、今川焼を村正の口に押し込んで、笑った。

    作者:芦原クロ 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2016年10月5日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
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