燻る少年

    作者:望月あさと

     少年は、震えていた。
     人と話すのが怖い。
     人に会うのが怖い。
     閉ざしたドアをひっきりなしに叩かれても、部屋の鍵を開けるつもりはない。
    「弘、鍵を開けなさい!」
    「嫌だ!」
    「弘! お母さん、怒るよ!」
    「放っておいてくれよ! 誰も、来ないでくれ!」
     そう、ちょっとした負の感情で、自分が自分でなくなるんだ。
     放っておいてくれ。
     俺は、獣なんかに、なりたくない――!
     

    「みんな、イフリートになりかけている少年を助けてあげて」
     須藤・まりん(中学生エクスブレイン・dn0003)の第一声は、救いを求めるものだった。
    「名前は、小塚弘君。中学二年生なんだけれど、今は学校へ行っていないの。うん、そう……想像通り、弘君はすでに闇落ちしてる」
     通常ならば、闇落ちをした時点でダークネスとしての意識を持ち、人間として意識はかき消える。
     だが、少年は元の人間としての意識を残しており、ダークネスの力を持ちながらもダークネスになりきれていない状況に陥っているのだ。
    「弘君は、ちょっと怒りっぽいところがあるんだけれど、それが引き金になってイフリートへ変化しやすくなっているの。それを自覚しているせいか、今は自分の部屋に閉じこもって人と会わないようにしているみたい。
     一生懸命考えて、それが一番いい方法だって思ったんだろうね……」
     まりんは視線を落とした。
     獣に変わろうとする体と薄れていく知性の恐怖と戦いながら、少年はなんとか人間でいようとしているのだ。
    「だけど、闇落ちした弘君が完全なダークネスになってしまうなら、その前に灼滅をしなきゃいけない。でも、もし灼滅者としての素質を持っていたら闇落ちから救い出してほしいの。
     今のままでいるなんて、辛すぎるよ」
     まりんは、きゅっと唇をかみしめると、ノートをめくった。
    「弘君と出会う方法だけれど、これは一つしかないの。
     それは、弘君が部活で所属している剣道部の部員をよそおって、自宅を訪問すること。
     普段なら絶対に部屋から出てこないんだけれど、部活には強い思いを抱いているから、嫌々でも出てくるはずなんだ。
     そして、弘君の家の近くに公園があるから、そこで部長が待っていると言って連れ出して。
     弘君は剣道部員の顔を全員覚えている訳じゃないから、みんなを部員だと思えば大人しくついてくるんだ」
     そのときも、少年はイフリートになりたくないために、口数を減らして抵抗をしない。
    「訪問は、全員で行かなくても大丈夫。数人が公園で待っていてもいいし、みんなのやりやすい作戦をしてね。
     そして、公園までおびき出せたら……後は、お願い。
     弘君は、武器を持っていないから、拳で挑んでくるけれど、ファイアブレッドのみんなと同じ能力を使って攻撃してくるから注意してね」
     そういうと、まりんは、ぱたん、と、ノートを閉じた。
    「弘君ね、言葉に出さないだろうけれど、本当はイフリートになることが怖くて仕方がないの。きっと、心の中で、助けてって誰かに救いを求めてる。
     だから、その心の声を引き出せるのは、灼滅者のみんなしかできないと思ってるんだ。
     みんな、弘君を今の状況から救ってあげてね」


    参加者
    穂邑・悠(火武人・d00038)
    宮森・武(高校生ファイアブラッド・d03050)
    中島九十三式・銀都(シーヴァナタラージャ・d03248)
    伊織・奏多(ヘズの業箭・d03515)
    川西・楽多(ダンデレ(団子デレ)系男子・d03773)
    淺羽・鳳臣(仄燈・d04686)
    乙宮・翡翠(貴方に捧ぐとっておきの魔法・d06304)
    神凪・燐(伊邪那美・d06868)

    ■リプレイ

    ●1
    「こんにちは。僕たち、剣道部の部員なんです。弘くんはいらっしゃいますか?」
     チャイムを鳴らして応答のあったインターホン越しに伊織・奏多(ヘズの業箭・d03515)が語りかけると、弘の母親が驚きの声をあげた。
     中島九十三式・銀都(シーヴァナタラージャ・d03248)の竹刀を持った道着姿をあって、母親は訪れた三人が偽剣道部員とは気づかずに、すんなりとドアを開けて、川西・楽多(ダンデレ(団子デレ)系男子・d03773)と銀都、奏多を迎え入れた
    「まぁ、わざわざ来てくれたの? さあ、あがって」
    「あの、弘くんは?」
    「弘は……その……」
     奏多の問いかけに、しどろもどろにこたえる母親。
     楽多は、そこをさらに斬り込む。
    「小塚君と会えないでしょうか? 最近、部活に顔を出していない小塚君が心配で……。部長も心配してきているんです」
    「部長さんまでが? 姿が見えないけれど……もしかして外で待っているのかしら?」
    「いいえ、急に大勢で押しかけたら迷惑かと思って、部長たちは近くの公園で待っているので、ここには来てません」
    「……本当に、色々気を遣わせてごめんなさいね。ちょっと、待っててくれる? 弘を呼んでくるから」
    「お願いします」
     楽多が頭を下げると、二階へ上がっている母親。
    「弘。剣道部のお友達が来てくれたわよ」
     弘を呼ぶ母親の声が聞こえてくる。
     遠慮がちに声をかけて言葉を選んでいるのは、息子に拒絶され続けているからだろう。
     母親も慎重なのだ。
     しばらくして、ドアの開く音がした。
    「――弘!」
     母親の喜ぶ声が落ちてくる。
     そして、弘が階段を下りてきた弘。
    「弘、元気してたか!」
    「……」
     銀都のよびかけに、うつむいていた顔をちらり、と、あげて、銀都たちを見た弘だが、すぐに視線を落としてしまう。
     弘は、数メートルの距離を保った所で立ち止まった。
    「……部長が、呼んでるって?」
    「うん、あまり大勢で押しかけると迷惑になっちゃうから、公園で待ってもらっているんだ。一緒に行ってくれるかな?」
    「いつも真剣に練習していたのに、ずっと休んでいたから、皆、心配してますよ」
    「……」
     奏多と楽多が心配そうに理由を話すが、弘は返事をしない。
     何かを考えているのか、こめかみに、じんわりと汗がにじんでいる。
     楽多は、弘の様子を察して、言葉だけで相手をいたわった。
    「大丈夫?」
    「……公園に、いる……んだな。わかった、行く。……玄関から出て行ってくれるか?」
     弘は、3人に近づきたくないのか、距離を縮めることを拒んでいる。
     もともと、公園に着くまで弘を刺激しないように決めている3人は、素直に玄関から出て家の前で待つ。
     靴を履いてでてきた弘に、銀都は難の不安も感じさせないよう元気よく笑う。
    「なーに、心配するな。俺たちがいるからよ」

     公園では、3人が弘を連れてくるのを今かと待ちわびていた。
     穂邑・悠(火武人・d00038)は、両腕を後ろに組み、
    「来てくれたら、迎え入れなきゃだな」
    「うん。それに、できるだけ傷つけないで説得したいな」
    「ええ。弘さんは、何より大事な双子の妹と弟と同じ歳……。とても他人事には思えませんし、絶対に助けます」
     乙宮・翡翠(貴方に捧ぐとっておきの魔法・d06304)のつぶやきに、神凪・燐(伊邪那美・d06868)はうなずいた。
     弘に大切な双子に重ねている燐は、どんなことがあっても決意を譲らないでいる。
     清楚な大和撫子の風貌に似合う髪が、ふわり、と揺れた。
     宮森・武(高校生ファイアブラッド・d03050)と淺羽・鳳臣(仄燈・d04686)が道の向こうへ目を向けると、弘を連れてくる3人が遠くに見えた。

    ●2
    「……よっ」
     悠に声をかけられた弘は顔をあげた。
     見たことのない5人に出迎えられた弘は、不信感をあらわにする。
    「……あんた、誰?」
    「弘、悪い! 部長が待っているって言ったのは嘘だ!」
     すかさず両手を合わせて、銀都は頭を下げた。
     話しがややこしくなる前に、武は本来の目的を宣言する。
    「小塚! 俺たちはお前を助けに来た!」
    「なんだよ、あんたたち」
     ざわっ、と弘の気が乱れ、体からちりちりと小さな炎が見え隠れした。
     怒りっぽい気性は、すぐに感情の波を激しくするようだ。
    「怒るのは、ちょっと待て! 誰しもが小塚にようになる可能性があり、俺たちはそれを救う術を知っているんだ。自分が消えてしまうのは何より恐ろしいよな」
     慌ててたたみかけるように話す武に、弘は息をのんだ。
    「私たちは、小塚君が人間として踏みとどまるようにしたいだけです」
    「嘘をついたことはわりぃと思ってる。だが、まぁ、お前の人生かかってるんで勘弁してくれ。お前、今の状態は、とても危険なだってわかってんだろう?」
    「……あんたち、本当に何者なんだ?」
    「弘くん、僕たちは灼滅者といってね、弘くんを助けに来たんだ」
     奏多の誠心誠意な対応と、他の灼滅者からの真摯なまなざし。弘の体から出ていた炎が消えた。
     構えこそ解いていないが、感情の起伏は落ち着いたようだ。
    「聞いても、理解しづらいと思うから、兎に角、考えるより全てを見た方がわかりやすいよな」
     ボリボリ、と、頭をかいた武は、フェニックスドライブを起こして自分の力を見せる。
    「それ……!」
    「弘も同じ力を秘めているからわかるはずだ」
     悠も、自分の背を切り裂くフェニックスドライブを発動させて、二つの炎が、灼滅者たちに癒しの効果を包ませた。
    「それ、傷を治す炎だ……!」
     弘は、驚きの声をあげた。
     すっかり構えは解かれて、炎から目を離せないでいる。
     燐は、丁寧に説明を始める。
    「ご覧の通り、私たちには力があります。お二人のように弘さんと同じ炎の力を持つ方もいらっしゃいますし、全く異なる力をもつ方もいらっしゃいます。そして、私たちのような者を灼滅者……といいます」
    「小塚、世の中にはいろんなものがあるわけで……少し話しが長くなるけど、聞いてくれないか?」

     鳳臣は、人の内にあるダークネスと闇堕ちについて詳しく説明を始めた。
     弘の身に起こっていることをわかりやすく、丁寧に伝えていく。
    「だから、小塚は俺たちの仲間になることができるんだ」
    「それに、武蔵坂学園に行けばたくさんの仲間がいるんだよ」
     翡翠は自分も通っていることを告げる。
     急にいろんなことを知らされた弘だったが、なんとか理解しようと、頭の中で話しを整理する。
    「……だいたい、わかった、と、思う。つまり、俺はそのダークネスとかいうものなのか灼滅者なのかは、倒されてみないとわからないんだな」
    「ああ。だが、小塚なら心配ない。俺たちの仲間だ」
    「……」
     弘は拳を強く握って口をつぐんだ。
     震えている拳に、翡翠は大丈夫だよ、と伝えようとする。だが――。
    「――弘くん?!」
    「弘!」
     突然、弘が苦しみ始めた。
     イフリートへの変化が始まったのだ。
    「小塚くん!」
    「うあっ……!」
     苦しむ弘。
    「小塚君、あなたのその強い心があれば、ダークネスの衝動に必ず打ち勝てます。大丈夫です、私たちが支えますから」
    「……ダメだ! 抑えられない!! 来るなっ! 俺が俺でいられるうちに逃げろっ!」
    「逃げるわけないよ! 始めにいったよね。私たち、弘くんを救いに来たんだよ!」
     信じて欲しい。
     翡翠は言葉より体で示そうと、イフリートに飲み込まれようとしている弘に触れるため手を伸ばす。
     他の灼滅者も、自我を失いかけている弘へ何度も強く語りかける。
     弘は涙を流していた。
     今まで我慢していたものが堰を切ってあふれ出す。
    「助け――」
     弘の言葉が、自身の体から立ち上った炎に打ち消された。

    ●3
     助けて――。
     その言葉を最後に、弘は完全にダークネスに支配された。
     人の姿を残しているが、手足を地面につけ、牙をむいてうなる恰好は獣そのものだ。
    「弘、お前の炎、受けてやるぜ!」
     低い唸り声をものともせず、構えた無敵斬艦刀で超弩級の一撃をおとす悠。
     弘は、すばしこい動きで横へ跳ぶが、刃を避けきれない。遅れをとった片腕に赤い線がうかびあがった。
     傷口をなめた弘は、その腕に激しい炎を宿す。レーヴァテインだ。
    「助けてやるぜ! もうしばらく、がまんしてろよ!」
     向かってきたレーヴァテインに銀都はレーヴァテインで返した。交差した互いの炎が押し引かぬせめぎ合い。
     そこへ燐が鏖殺領域を広げてきた。
     炎を飲み込んでしまうようなどす黒い殺気が、弘を覆う。
    「力あるゆえ、心蝕まれる事もあります。今のあなたはそんな状態です。私も時々自分を見失う感覚を感じる事もあるので弘さんの苦しみはよく分かるんです。だからこそ、絶対にあなたを救います」
    「自分が消えてしまうのは何より恐ろしいよな。自分と言う意識がなくなってしまったら……それはもう死んだのと同じだからな。そうだよな、小塚」
     武は、弘に語りかけるが、返ってきたのは獣の咆哮と灼滅者たちを倒そうとする殺気だった。
    「……小塚の意識は残っていないか」
     ならばと、武は攻撃方法にレーヴァテインに選んだ。手加減をする必要はない。
     武の炎がなびく中、楽多がワイドガードを広げ、鳳臣は封縛糸で弘を絡め取り、奏多が援護射撃で弘の歩みを遅らせる。
    「見守っていてね」
     大切な人たちに祈った翡翠は、決意を確かにしてマジックミサイルを撃ち込む。
     魔法の矢で悲鳴をあげた弘は、掌を突きだして焼き付ける激しい炎を前衛陣に放った。

     何の因果だろうか。
     自我を取り戻した弘は、自分を攻撃する灼滅者たちを見て思うだろう。
     弘を救うためにかけつけた灼滅者たち――前衛の5人は全員ファイアブラッドだったのだ。そして、後衛にいる翡翠もファイアブラッドの力を持つ者である。
     弘は奇しくも、同じ力を持つ多くの相手を前にしていたのだ。
     翡翠の背中から現れた炎の翼が弘の炎を受けた者を癒し、武が叩きつけた炎を弘に移す。
     喉が潰れそうな声で吼える弘が、掌から炎の奔流を放った。
     そこに、楽多がワイドガードを広げ、炎の延焼を阻止する。
    「君の、僕達の力は、傷つけるだけじゃない。誰かを護ることだってできるんです」
     知っていて欲しい。
     楽多は、そう願いながらソーサルガーダーも併用しながら、仲間の身を守る。
     楽多の加護を受けながら、燐のデッドブラスターと悠のご当地キックが決めた。
     そこへ治癒の風を吹かす銀都。
     奏多は、ゴーグルを越しから見つめた弘にバスターライフルで狙いをつけた。
    「出来ることを、全力でやる。メイラ!」
     バスターライフルから発射される魔法光線と並ぶように霊犬が弘へ走り込む。
     加えた退魔神器が地面と平行に傾けられる。そして、斬りつけた斬魔刀。
     ふらついた弘の死角へまわりこんだ鳳臣が鋭い太刀筋をふるった。
    「必ず、助ける」
     鳳臣の言葉に揺らぎはなかった。
     弘は、最後の最後に言ったのだ。灼滅者たちに助けを求めたのだ。
     助けて。
     獣となった声を耳にしても、弘のあの声は忘れない。
    「アンタの力は、とても恐ろしいものだ。けれど、それはアンタも――俺たちも望んだものじゃない。だけどな、こうして、今のように誰かを救える力になれることもあるんだ。助けてやる。アンタの心、確かに受け取っているんだ」
     バスターライフルの引き金を、引きながら言う奏多。
     武のサイキックソードに、より強い炎が宿った。
    「今まで苦しかったよな。自分を律するために全て遠ざけていたんだ。強い奴だぜ。お前さんは。だから、そんな恐怖と戦う日々は、これで終わりにしてやるな」
     声を荒げる弘。
     銀都は口に笑みを浮かべて、弘と向かい合った。
    「俺に力を使って撃ってみな? なーに、心配するな。全部受け止めてやっからよ。吐きたいものは何でも吐いちまえよ。炎でも叫びでもな」
     銀都ならではの包容力だ。
     それが、今の弘に通じないとわかっていても、銀都は甘んじて炎に身を包ませ、清めの風を吹かせる。
     弘の息が苦しそうにあがってきた。
     手加減攻撃を持たない身は、封縛糸を弘に巻き付けて動きを封じた。
     そこへ悠が戦艦斬りをおろしてくる。
     暴れる弘に鳳臣と悠は語りかける。
    「もう、独りで悩む必要なんてないんだ」
    「自分の中で暴れている獣の様なモノに耐えてきたお前だ」
     だから、戻ってこい――。と、2人の声が重なった。
    「弘さん!」
    「小塚君」
     燐と楽多が弘の名を呼ぶ。
    「自分が自分でなくなるなんて怖かったよね。でも、これで終わりだよ」
     私たちが助けてあげる。
     翡翠は、願いをこめてマジックミサイルを放ち、戦いに幕を下ろした。

    ●4
    「……ん」
     目の覚めた弘が一番に見たのは、心配そうに自分を見る灼滅者たちの姿だった。
     灼滅者たちは、灼滅者として生き残った弘に喜びの声をあげる。
    「お帰り、弘くん」
    「痛いところはないか? 気分は?」
    「手、貸しますよ」
     弘は、差し出された楽多の手を借りて、起き上がろうとした体を立ち上がらせた。
    「俺、生きているのか?」
    「もちろんだ。恐怖と戦う日々は、これで終わったんだ。死に怯えていた時間は、今を持って終わりだ! そんで、一緒に新しい日常を始めようじゃないか!」
    「終わり……?」
    「終わりです。まあ、とりあえず、団子いかがですか?」
    「うん、もらう。さっきは……その、悪かったな」
    「気にしてませんよ」
     公園に来る途中も団子をすすめられたのだが、弘はとても食べる気分ではなかったのだ。
     ぱくり、とたべる弘は、美味しいな。と顔をほころばせる。
     刺々しさを、すっかりなくした弘は、表情豊かな普通の少年に戻っており、それが嬉しい燐は、笑顔になってしまう。
    「ね、弘くん、これで弘君くんも灼滅者だってわかったよね。だから、武蔵坂学園へ行こうよ。大歓迎だよ!」
     翡翠は弘の両手を取って言った。
     それには、悠や銀都も賛同する。
    「そうだな、来いよ。灼滅者だらけだから、なんの気兼ねもいらないぜ。なんなら、今から一緒に行くか? 俺たちと一緒に来れば何の不安もないだろう」
    「つーことで、改めて俺は……和は乱すが正義は守るもの、中島九十三式銀都だ。テキトーに「銀さん」とでも呼んでくれ。ようこそ、武蔵坂学園へ」
     ビシッと無駄にポーズを決めて、ニッと笑う銀都は握手を求めてきた。
     弘は、ためらわずに握り返す。
    「ああ、こっちこそ、よろしくな」

    作者:望月あさと 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2012年10月27日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 11/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 2
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