シャドウ大戦介入~JOKER

    作者:柿茸

    ●ソウルボード
    「全軍攻撃を開始しなさい。コルネリウスとオルフェウスの2人は、この戦場で必ず討ち取るのです!」
     朗々と響く大将軍アガメムノンの声。それに従い飛び出した前線の雑兵達が、歓喜のデスギガス軍に囲まれたコルネリウス軍と激突する。
     少数精鋭のコルネリウスの軍勢が奮闘するものの、雑兵達に押され少し、また少し押し込まれて行く。
     それを後方から、突入の瞬間を今か今かと待ちながら見やるタロット兵達。そのさらに後ろに控え戦場を見渡すアガメムノン。首魁である歓喜のデスギガスの姿は、ない。いる必要すらない、圧倒的な状況であった。
     防戦に追われ、追い詰められていくコルネリウス陣営では、ミゼン―――闇堕ちしたレイ・アステネス(大学生シャドウハンター・d03162)が焦燥にかられていた。
     武蔵坂が来なければ、このままでは戦いに負ける。と。
     灼滅者達はシャドウ大戦に介入しないという決断をしたという可能性は大いにあり得る。だがしかし、一縷の希望を捨てるわけには行かなかった。
     そして、慈愛のコルネリウスは優貴先生に重い言葉を投げていた。
    「すみませんが、あなたを逃がす余裕は、どうやら無いようです」
     その言葉に、優貴先生も頷く。
    「覚悟はできています。いざとなれば、私は死んで、武蔵坂を守りましょう」
     ―――優貴先生が生きていれば、シャドウ大戦に勝利したデスギガス軍が、武蔵坂学園に直接攻め入る事が出来てしまう。
     それは、生徒を守るべき教師として、許せない事なのだ。
     その優貴先生の決意を見て、コルネリウスは静かに頷いたのだった。
     
    ●教室
    「サイキック・リベレイターをシャドウに使用した結果、今のシャドウ側の状況が分かった」
     いつもの様にカップ麺を準備している田中・翔(普通のエクスブレイン・dn0109)は、しかしその声音が少し硬いように思える。
    「圧倒的優位な歓喜のデスギガスの軍勢が、残る軍勢を寄せ集めた慈愛のコルネリウス側の軍勢を包囲して、殲滅すべく攻撃を開始したんだ」
     このままでは、シャドウ大戦は、歓喜のデスギガスの完全勝利で終了してしまう。
     慈愛のコルネリウス陣営が殲滅されること。それはすなわち、優貴先生、ひいては武蔵坂学園に被害が及ぶ可能性が大いにあり得ることだ。
    「……だけど、この戦いの勝敗を覆すのは、まず無理だと思う。だけど、その中でも、君達にできることはある」
     今この瞬間ではなく、今後に繋げるためにできることが、あるはずだ。
     翔は指を1つずつ立てながら、可能である有効打を提案していく。
     1つ目、タロットを与えられた強力なシャドウ達を撃破し、タロットごと灼滅すること。強力なシャドウである分、灼滅された場合の軍勢への打撃は大きい。
     2つ目、前線で負傷したシャドウが撤退してくる所を狙い撃つ作戦。数減らしと言う観点からいえば最も有効であると思われる。
     3つ目、コルネリウスや優貴先生、そして戦場に取り残されるかもしれない灼滅者達の撤退支援。助けたい者がいるならば、選ぶべきはこれだ。
     4つ目、コルネリウス軍勢に合流すること。戦力差は歴然としており、戦況を覆すことはほぼ不可能である。戦場に取り残されてしまう可能性が最も高い非常に危険な作戦ではあるが、少しでもデスギガス軍の侵攻を遅らせることはできるかもしれない。
     この戦いでどう動くか。それは灼滅者自身にゆだねられることであった。


    参加者
    天峰・結城(全方位戦術師・d02939)
    敷島・雷歌(炎熱の護剣・d04073)
    空飛・空牙(影蝕の咎空・d05202)
    霧渡・ラルフ(愛染奇劇・d09884)
    宮守・優子(猫を被る猫・d14114)
    奏川・狛(獅子狛楽士シサリウム・d23567)
    花衆・七音(デモンズソード・d23621)
    セレス・ホークウィンド(白楽天・d25000)

    ■リプレイ

    ●J
    「転身っ!」
     遠く、前方の戦場を暇そうに見つめていた男の後ろから響く声。
     なんだ? と振り返ったその目の前に、シークヮーサーの皮が切れ味鋭く迫ってきていた。
     身を捻り浅く肌を切り裂かれながらもそれを避ければかかる声。
    「ほう、今のを避けるとはやるでグース」
     沖縄のシーサーのご当地怪人『シサリウム』、奏川・狛(獅子狛楽士シサリウム・d23567)の体にシークヮーサーの皮が戻り、鎧を形作っていく。
    「へぇ、ヘンテコなギター何ざ担いで。なんだ、歌で暇を潰してくれるのか?」
    「残念ながら潰すのはお前自身でグースッ!」
     狛が指をさすと同時。頭上に、影が落ちる。
    「どりゃぁ!!」
     猫耳フードを振るい落とす勢いで、下に立つ男―――シャドウに全力で何かを投げつけるは宮守・優子(猫を被る猫・d14114)。シャドウはニヤリと笑う。
     高速で落下する、スペードのスートが描かれた剣がシャドウの頭、のモヒカンに突き刺さり、甲高い音をたてて弾かれる。
    「うわ、かったぁ。なんやこれ」
     くるくると回り地面に突き刺さった黒い剣が驚きの声を上げた。目の前では落下する優子の、全体重を乗せた剣の一撃が同様に防がれている。
    「……どうやらアレがタロット武器のようだな」
     いや、まさかいるとは思わなかったが、と、突きささった剣、もとい
     花衆・七音(デモンズソード・d23621)の隣に並び立ちながらぼやくセレス・ホークウィンド(白楽天・d25000)の目にバベルの鎖が集中していく。
    「アレって、あのモヒカンが?」
    「あ、でも何か金属みたいに光ってるっす」
    「何だか取り外して投げつけてきそうですネ」
     霧渡・ラルフ(愛染奇劇・d09884)の色とりどりのシルクハンカチが翻る。それに惑わされたシャドウの背後に一つの殺気。
    「……ほら、死角ができてんぜ?」
     一閃。シャドウの脚から黒い煙が噴き出す。
     普段からは考えられない程の無表情のまま素早く離脱する空飛・空牙(影蝕の咎空・d05202)を追って、煙を噴き出す脚をそのままに駆け出したシャドウと真っ向からぶつかって行くのは敷島・雷歌(炎熱の護剣・d04073)だ。
     取り外されるシャドウの頭部の刃。黒光りするそのタロット武器が、白光を発する軍刀と真っ向からぶつかり、火花を散らす。
    「守りの戦は俺の本分だ……簡単に抜けると思うなよ!」
    「攻めは最大の守りってか! いいねぇ好きだぜ!」
     鍔迫り合いしているその腕を蹴り飛ばすシャドウの膝。空いた脇腹に翻った黒の刃が叩き込まれる。
    「ぐっ!」
    「ほらほらもっと来いよぉ! こちとら戦いたくてうずうずしてたんだ!」
    「クハハッ! 気が合いますね、ワタクシもそうなんですヨ!」
     売り言葉に買い言葉と言わんばかりに、ラルフが口が裂けるように笑う。肩を竦めるように闇を滴らせる剣がその身を揺すった。
    「全く敵わんなぁ。うちは食べる方がずっとええわ」
    「自分もそうっすよ」
    「……流石に今回の敵は喰ってもあんまり美味くなさそうやな」
    「モヒカンが鶏頭に見えなくもないっすけどどう見ても刃っすしね」
     とり、とセレスを見る2人。頭上に疑問符を浮かべるセレス。
    「って何でやねーん!」
     雷歌が非常に何か言いたそうな顔をしていたが、その前に己の剣の面で優子の腹を軽く叩く。
    「おしっ、ノリツッコミは置いといて」
    「ここから出たら沖縄料理を振舞うでグース」
    「戦場で死亡フラグだからそういうのはやめるっす」
     戦場真っ只中だというのにこの会話である。しかし空牙がチラリと優子を見やれば、優子は首を横に振る。DSKノーズには目の前のシャドウ以外の反応はない。
    「目視できる範囲でもいませんね。ですが周囲にも気を付けて」
     最後方に位置し全体を見渡す天峰・結城(全方位戦術師・d02939)は、そう言いながら周辺注意の看板を突きたてた。

    ●O
     シャドウと灼滅者達の数瞬の睨みあい、から真っ先に動いたのは空牙だった。シャドウがそれに反応する、と同時にラルフが動く。
     ピクリと、シャドウの身体が震えて跳躍した。その下を光を僅かに反射して煌く糸が宙を絡めとる。手応えなしに手元を手繰るラルフの視線の先、跳躍した空牙がシャドウへナイフを突き刺すが、身を捻るシャドウの肌を浅く裂くに留まる。
     落下を開始したシャドウの頭上、再びの黒猫の姿。重力を纏う蹴りを、頭を振り上げタロット武器で受け止めつつ、逆に足を裂いていく。
     噴き出す血を軌跡に落下する2人に、ライドキャリバーが突撃して来ていた。シャドウを跳ね飛ばしつつ、己が主をその背中に乗せて大きくエンジンを噴かすガク。優子が斬り裂かれた足を見ながら、軽く苦い顔をした。
    「なるほど、ジャマーですか」
     結城の放つ癒しの矢がその足に突き刺さる。その精神を直接蝕むような多重の痛みは治らないが、まずは直接的な傷を抑えることが重要だと。
     跳ね飛ばされ、受け身を取って素早く起き上がったシャドウの目の前には、七音がその切っ先をより鋭くしつつ、セレスの放つ妖冷弾と共に錐もみ回転で突撃してきていた。腹に突き刺さり、抉る様に食いこむそのスペードの剣と氷を掴み、無理矢理引き抜いて投げ捨てるシャドウ。
     そこへビハインドの紫電と共に雄たけびを上げながら飛び込んでくる雷歌。後ろに跳んだシャドウの目の前の地面を雷歌の踵が抉り、ついで紫電が猛攻を仕掛ける。
     それを後ろに下がりながら往なしていたシャドウの腰に回る腕。
    「グースッ!!」
     シーサーダイナミックが見事に決まり、地面に頭から叩きつけられるシャドウ。だがしかし、シサリウムが起き上がるとほぼ同時に跳ね起きて、頭からタロット武器を取り外す。目線は結城へと向いていた。
     ブーメランの如く投げ飛ばされるその刃が結城の身体を深く切り裂いていく。
     膝が崩れ落ちる。咄嗟にラビリンスアーマーで傷を塞ぐが、それでもなお、血は止まらない。汗が吹き出る。
     ラルフが氷を穿つ。次いでセレスの木槍が捻られ氷を割りながら突き入れられれば、流石のシャドウも苦鳴を漏らした。更に後ろに、空牙の冷たい青い目が回り込んでいる。
    「もう一発」
     シャドウの両脚から黒い靄が噴き出した。一瞬、シャドウの身体が沈むが、それでも止まらずに転がりガクの銃弾を、シサリウムのレイザースラストを避ける。腕の力を使い転がりから跳躍すれば七音の振り上げと紫電の霊障波はその下をかけ抜けて行く、が、雷歌の炎を纏った蹴り上げは避けられない。
     脚に力がかかる確かな手応え。そのまま強く蹴り飛ばせば、炎の端を散り飛ばしつつ地面を2、3度とシャドウは転がる。
     その散り飛ばされる炎に交じり、黒く光る物が見えた。大きく湾曲し、向かう先は前衛を抜けて後衛へ。あの先には確か結城が。
     咄嗟に振り返る雷歌と紫電。その先にあった光景は、黒い刃が深々と食いこんだライドキャリバーの姿。
    「良くやったっす!」
     ワイドガードを展開しつつ己のサーヴァントを褒める優子。応えるように大きくそのエンジンが唸った。

    ●K
     戦いは一進一退の攻防を極めた。
    「行くでぇ!」
    「いいでショウ!」
     七音とラルフの身が捻られる。飛翔する闇が滴る剣と光の軌跡がシャドウの身に食いこむ。
     瞬間、ダイヤのスートがシャドウの胸部へと浮かび上がり、剣と糸を弾き飛ばしつつ、その身に付いた傷が見る見るうちに修復されて行った。
     シャドウの覇気が増すが、その前に踏み出すはシサリウム。腕を突きだせば、捻られる身。めげじとさらに一歩踏み込んで逆手が相手の肘を掴む。
    「チィッ!」
    「シーサァーダイナミック!!」
     豪快な投げ飛ばし。爆発がシャドウの覇気を剥ぎ取って行く。だが、空牙の攻撃を避けて繰り出されたシャドウの刃が、雷歌の肩を大きく切り裂く。
     痛撃に顔が歪む。シャドウの顔も、笑みに歪む。
    「あんたも十分しぶといもんだな!」
    「お生憎様、護るためにはしぶとくなきゃいけないんでな……!」
     トラウマを振り払う様に、軍刀を持つ手に力を籠める。
    「護国の刃、その身で受けな!」
     至近距離からの全力の突き。咄嗟に後ろに跳ぶシャドウだがその腹に突き刺さる切っ先。
    「ゴコクってなんすか? 穀物っすか? 食いもんっすか?」
    「うるせぇ! わざと言ってんだろ!」
     シールドを展開する優子の軽口に反射的に返す雷歌だが、2人共その息は荒い。ディフェンダーとして攻撃を庇い受け止めてきた以上、いくらダメージを軽減する術を持っているとしても消耗は他と比べて大きくなるのは致し方が無かった。既に紫電はその姿を消している。
     そして帯を雷歌に飛ばす結城もまた、シャドウに狙われ続け血を流していた。それでも辺りの警戒は怠らず、未だ他の敵陣の姿は近くに見えないことは確認する。
     セレスのマインゴーシュが蒼の歪な軌跡を描きシャドウを切り裂いた。傷と、その身を蝕む麻痺や炎が広がる。今度はシャドウが苦い顔をする番だった。
     シャドウが己を強化すれば狛がそれを剥がしにかかる。そしてまずは足を止めさせ、様々な効果を重ねて行く単純火力に頼らない搦め手の戦法が功をなしていた。じわりじわりと、天秤は灼滅者達の方へ傾きつつある。
     だがその傾き具合は非常にゆっくりである。ともすれば、何か少しでも荷重をかければ直ぐにでも逆に傾きそうな―――。
     再びの、シャドウの刃の投擲。サーヴァントの、その主達の身体を、手を足を掻い潜り、結城へと突き刺さる。
    「ぐ……ぁっ、立……て……ッ!!」
     膝が崩れ落ち、自分に言い聞かせる言葉を残しながら、上半身が沈む。回復の要が倒れた、その重しが天秤を動かす。
     士気を奮い立てるように怒号を上げ、殺到する灼滅者達の攻撃。動かない脚、麻痺する身体に一方的に攻めたてられつつも、僅かな好機を見逃さず振り上げられたその頭部がガクを粉砕した。
     だがしかし、大きく仰け反った上半身。その胸に深々と七音がその身を突き刺す。
    「まだや……まだ撤退には早いんやで!」
    「クハハッ! その通り! こんなに楽しいのに下がるだなんてもったいないデス!」
     更にラルフの繰り出す赤水晶の槍が、大きく天秤を揺らしていた。

    ●E
    「暇つぶし程度のつもりが……けっ、足元もふらついてやがるぜ」
     脚から黒い靄を噴き出し、大きく膝が沈むシャドウ。やるじゃねえの、と笑う顔が灼滅者達を見据える。
    「逃がさねぇよ。おとなしく狩られとけ」
    「ハッ、狩ってからいいやがれ」
     空牙の冷たい言葉と突きささる刃に軽口を返しながら、無理矢理立ちあがる。身体は痺れているはずだが、それを感じさせない速度で足を踏み出し、七音への間合いを詰める。
    「やばっ……」
     反応が間に合わない。焦りにぶれる剣、目の前に割り込んでくる黒いフード。
     優子の腹に深く、刃が突き刺さる。
    「あっ、これっ、や、ばいっ、す」
     いいとこ、見せよ、う、としたら、これ、っす、か……。
     そう言い残して己の血の海に倒れ込む。黒いフードが、より黒く染まっていく。
     一瞬の静寂の後、剣が光を纏った。息もつかせぬほどの連続の突きに身を抉られ、シャドウが大きくたたらを踏む。
     その剣を跳び超えたセレスが猛禽類の目を獲物へと向ける。撃ち出された氷に間髪入れず、シサリウムが拳を突き入れれば、内蔵されたシークゥーザッパーが氷と共に貫いていく。
     反撃と振るわれた黒い刃が七音の闇滴らせる刃を欠けさせるが、あと一歩、罅は入らない。罅が入らなければ治せると雷歌が光る拳でその身を打ち直すが如く修復させていく。
     ラルフの哄笑が響いた。熱い笑い声とは裏腹に冷たい氷が飛翔する。氷つく身体。痺れ動かない身体。七音とセレスが動く。
    「行くでぇ!」
    「良かろう!」
     重なる声。重なる螺旋。槍と剣が砕き、宙に縫い止める。
    「がっ……ぐ、効く、ぜぇ……!」
     しかしそれでも、痙攣しながらも笑みを作り動こうとするシャドウ。
    「もう一度、言わなきゃわからないか」
     その背中から、刃が生えた。
    「大人しく、狩られとけ」
     空牙の声が響く中。
     シャドウの手から、タロット武器が、滑り落ちた。
     消えて行くシャドウから目を離し、一息つけば素早く戦場の様子を確認する灼滅者達。
     こちらに気が付いている様子はない。そして周囲に他のタロット兵らしき存在は見当たらない。
     最も、連戦できるだけの余力があるかと言われれば非常に怪しい所ではあったが。
    「撤退するかぁ。無理は禁物やでなぁ」
     お腹もぺこちゃんやし、と宙に浮く剣が告げる。
    「残念ですネ。もっと戦いたいところではありマスが」
     結城へ肩を貸しながら息を吐くラルフ。口ではそう言いつつ、これ以上戦うのは非常に危険であることは理解していた。すいませんと謝る結城には、気にしなくていいデスよと笑いかける。
    「帰ったら沖縄料理でグース」
    「フラグはやめろ。まだ戦場真っ只中だぞ」
     優子に肩を貸すシサリウム。殿を務める雷歌。優子が後ろを振り返る。
    「待っている人が、いるっすもんね?」
     息も絶え絶えだがそれでもニヤリと笑う優子。
    「ああ、何せ帰りを待っててくれる」
     少し考える雷歌。
    「……嫁、がいるからな! って何言わせやがる!」
     赤くなる顔。笑い、そして痛みに声を漏らす優子。シサリウムが宥める。
     その隣で、シャドウが完全に消えるまで見つめる猛禽類の目があった。
     何か残る可能性もと見ていたが、何も残らない。視線を空に移す。
     偽物の下、未だ激しく巻き起こる戦闘。
     その戦況は、しかし、確かに何かが変わろうとしていた。

    作者:柿茸 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2016年11月16日
    難度:やや難
    参加:8人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 2/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 1
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