
「みんな、大変な事件が起きているわ」
エリノア・テルメッツ(串刺し嬢・d26318)が、なんだかすごくキリッとした顔で言った。
「町行く人たちが黒ギャルにされていくのよ!」
みんな! 今日の趣旨がもうわかったかな!?
エリノアの話はこうである。
黒ギャルがリアルな話で都市伝説化しつつある昨今、町には『暗黒ギャル』という都市伝説が実体化してしまったという。
その都市伝説は、道行く人々に黒ギャルメイクを施したりセクシャルきわまりない服装に変えたりというきわめて恐ろしい2ピン……じゃなくて攻撃を仕掛けてくるのだ。
「この攻撃を受けると、少しの間だけ黒ギャル的な気持ちや振る舞いをしてしまう人がいたらしいけれど、本当にそうだったら恐ろしいことよね。殆ど下着同然の格好で裏ピースする私なんて、全く想像がつかないわ。そんなこと、ありえないわよね!」
額に手を当て、苦しそうな表情をするエレノア。
「世の人々がそんな淫乱めいた都市伝説の毒牙にかかることはなんとしても止めないといけない。そうよね、みんな!」
| 参加者 | |
|---|---|
![]() 六合・薫(この囚われない者を捕らえよ・d00602) |
![]() 黒乃・璃羽(ただそこに在る影・d03447) |
![]() 椎葉・武流(ファイアフォージャー・d08137) |
![]() 清浄・利恵(華開くブローディア・d23692) |
![]() 天原・京香(銃声を奏でる少女・d24476) |
![]() 裳経・いちご(五平餅はご飯じゃないのっ・d31542) |
![]() サイレン・エイティーン(嘘月トリックスター・d33414) |
![]() 音鳴・奈央(クレピトゥスの巫女・d34224) |
●例のアレ
3、2、1、どっかーん!
「「わーい!」」
「なぜなにくろぎゃるー!」
六合・薫(この囚われない者を捕らえよ・d00602)が頭のネジ百個飛んだテンションで飛び出してきた。
形容しがたい着ぐるみに身を包んだサイレン・エイティーン(嘘月トリックスター・d33414)が目ぇかっぴらいて振り返る。
「おねーさん、今日は何をおしえてくれるのー?」
「性知識だよ」
「ちがうよね?」
大人の保健体育とかいう本を手刀でたたき落とすサイレン。
薫はコホンと咳払いして、『くろぎやるいとをかし』とかいう古文書を取り出した。
「今日は黒ギャルについて教えるよ。サイレンはわかるかな?」
「わかんないなーぼくボクぴえろだし」
「そういう設定だったんだその着ぐるみ」
言いながら、プレートを壁にはっつける薫。
「まず黒ギャルはきわどい衣装を着るよ。全裸のほうがまだマシみたいな格好をしていて、全裸の黒ギャルはパラパラの振り付け参考資料とかになるくらい普通だよ。むしろ全裸のほうが真面目だよ」
「意味分かんない」
「プリクラで自分の写真をとりたがって、手帳にはっつけてコレクションするよ。目の下を白く縫ったり睫を虹色にしたり唇を口割け女みたくするメイクを直接顔面に施して撮影するよ。画像の二次加工とか生ぬるいことはしないよ。ハラジュク原住民はこれを戦の精霊を宿す儀式だとしているよ」
「肉食系女子ってそういう意味だったんだね」
「今からそんな幻の生物、黒ギャルの生息するコンクリートジャングルへ入っていくよ。浚われないようについてきてねー!」
「わーい! 依頼の趣旨がもう行方不明だー!」
ばんざいしながら地下への階段を駆け下りていく薫とサイレンであった。
「ああ、またピンナップが増え……じゃなくて哀れな犠牲者が増えていく……」
黒乃・璃羽(ただそこに在る影・d03447)は薫が黒ギャルとなり全裸のほうがまだマシみたいな衣装をきて下腹部にハートの入れ墨をするピンをつくらされるんじゃないかって思ってるけどうんそれもうある。(挿絵申請をお待ちする暴挙)
「クラブなんて場所に出入りすれば誰でもああなってしまうのですよ……」
「ほあ? クラブって何クラブ? サッカークラブ?」
椎葉・武流(ファイアフォージャー・d08137)が純真無垢きわまりない顔で言った。
「なーなー、黒ギャルにされるってゆーけどさ、最初から黒ギャルってのになっておけば平気じゃね? なんか黒くなるんだろ?」
「……いいんですか?」
「え? いいけど……なんでハサミもってんの? なんなの? なっ、あっ、うわあああああああああああ!」
これ以上は見せられねえな。見たかったら心の目を開くか、もしくはピンナップにするんだなあ! ヒャッハー!
武流くんが異次元の魔物に襲われてる間、天原・京香(黒ギャルマイスター・d24476)は頭を抱えてうずくまっていた。
「なんで私こんなとこにいるのよ。大体エリノアが噂を見つけてこなければこんなことにはならなかったじゃないのどういうことよエリノア――っていない!?」
振り返るが人はなし。
代わりに裳経・いちご(五平餅はご飯じゃないのっ・d31542)がジョ○ョ立ちしていた。
「エリノアさんならお友達の闇堕ちを救いに旅立ちましたよ」
「なんでよ!」
「闇堕ちより黒ギャルを優先されたら誰でも泣くからじゃないですかね」
「知ってるわよ! あーもーここは私といちごでしのぐしかな――っておっぱい生えてる!」
天原・京香(銃声を奏でる少女・d24476)、二度見である。
「SP細胞ですよ」
「そっかあー」
思考を停止させた京香である。なんか三頭身のデフォルメ体になると、水鉄砲をふりふりした。
「わーい、きょうもとしでんせつをやっつけるわよー。わたしはしりあすなおんななんだからー」
「かわいそうに京香さん……いちごさんの闇堕ちを救った直後にこんなことになって、テンションがわからなくなったんですね……」
「正義の味方――エジプトのご当地パワーで悪を討つ! メロディウィンディ、華麗に活躍!」
びしっとおきまりのポーズをとると、音鳴・奈央(クレピトゥスの巫女・d34224)は瞳をきらりと輝かせた。
彼女となんとなく左右非対称に並んでポーズをとる清浄・利恵(華開くブローディア・d23692)。
「「黒ギャルなんかに、負けたりしない!」」
●からの例のソレ
「キャハハハハ! マジウケルー!」
「黒ギャルまじサイコー!」
完全に黒ギャル化した利恵と奈央がポールの周りでくねくね踊っていた。
想像力を急に要求して申し訳ないが、ご想像いただきたい。
利恵が頭を開放的に結んでハート型の穴が三つくらい空いた全裸一歩手前みたいな服を着てアクセとタトゥーだらけのボディを晒しつつカラオケマイク片手に横ピースする姿を想像して頂きたい。もしくはピンにして――うわもうある!
「うわー! もうやられてるー!」
なんか顔を黒く塗って特攻服を羽織った武流が両手をついた。
彼的には黒ギャルを限界まで理解したつもりだったらしいが、それ黒ギャルやない、黒ヤンキーや。
ポールに足を引っかけて扇情的どころかほぼ直接的なポーズを取り始める奈央。
「あれー? なんかおいしそーなコがいるんだけどー!?」
「マジヤバーイ!」
「う、うわっ、やめろ! やめっ、うわあああああああああああ!」
黒ギャルと化した利恵と奈央にとってくわれる武流。
……って書いておくと想像が膨らむと思うのであえて書いておくのであった。
なんなのこの回。この題材でエロい漫画が軽く一冊書けますよ。
「ああ、罪深きピンがまた一つ……」
璃羽は都市伝説と戦いながら(必要最低限の戦闘要素)ポールダンスを見物していた。
いきなり結果から見せたので奈央たちが自主的に黒ギャル化したかにみえるが、地下クラブにひしめくという都市伝説暗黒ギャルの攻撃を受けて黒ギャルっぽい衣装になってしまったのが原因である。
……あれ? でも中身まで変わらないと断言したはずは。ハッ、これが場酔い!?
「巧みに誘導したくせに……」
璃羽は虚空を振り返ると、パチンと指を鳴らして急成長した。具体的にはエイティーンESPを使って高身長の巨乳になった。服だけ残して。
「さあ、私だけでも真面目に戦――あっ」
気づけば厚底ブーツに黒いヒョウ柄のビキニを纏い短パンと破れた黒ワイシャツというとんでもない姿でヤマンバ風のメイクとネイルとアクセ類に身を包む璃羽がいた。
あっ、オーバーニーソックスは必須なんでそこんとこよろしくお願いします。
「この問答無用感、嫌いじゃ無いですよ」
とかいいながら、璃羽はステージ下を見下しながら舌を出して裏ピースした。
一方その頃、サイレンが完全にやられていた。
「いぇーい! みてみてー! 黒ギャルサイレンのポールダンスー! あはぁん♪」
それにしてもこの女、ノリノリである。(伝説的名言)
とかいいながらあり得ないくらいデコったスマホで仲間の勇姿(命がけで都市伝説と戦う勇敢な灼滅者たちの姿です)を撮影しまくっていた。ついでに高いとこから自撮りもした。事前に解説を聞いておいた成果だね。
サイレンの撮影に応じてとても言葉じゃ言えないポーズをとる薫。
「やっぱギャル友っしょー! キャハハハハハ!」
「うわー、この人も黒ギャルに呑まれましたかー」
じきにここも腐海に呑まれるみたいなことを言いながら後じさりするいちご。
「京香さんなんとかしてくださいよ。黒ギャルソムリエでしょ?」
「だれがソムリエか!」
天原・京香(黒ギャルソムリエ・d24476)はカッと振り返った。
「……あれ? まっさきに黒ギャル化してそうなのに、意外とネバりますね」
「なぜかしら、私この種類に耐性がある気がするわ」
「ああ、毒を普段から服用してると毒に耐えられるっていうあの……」
とかなんとか言ってると、いちごが後ろから羽交い締めにされた。
「わっ、ちょっと待ってくださいよ私アイドルなわけですからアイドル生命にかかわるっていうかわっ、わっ、うわああああああああああ!」
ずりずり幕の後ろに引きずられていくいちご。
京香は一連の流れを見守った後……。
「キャハハッ☆ 黒ギャルピン最多納品のこの私にかかれば、八人総出のあわせピンだって夢じゃあないのよ! マジヤバ!」
一瞬でガチヤマンバメイクの黒ギャルと化すと、マイクを手にとってスピーカーをピンヒールで踏んづけた。
「黒ギャルども! 朝まで遊び明かすわよー!」
「「イエエエエエエエエエエーッ!!」」
●そして例のコレ
マイクを握って人差し指と小指を立てる薫。
「それじゃあ次のミュージックいくよー! 『Gospel Of The Curo-girl』!」
2メートルの巨大スピーカーから鳴り響くギターソロ。
ラメでデコりまくったピンクのギターを黒ギャル化した利恵がかき鳴らし、ドラムをだかだか叩き始める黒ギャル武流。
ウージーを天井に向けて乱射しながら黒ギャル京香が爆笑した。
キーボードとDJテーブルを操作しはじめる黒ギャルサイレン。
すると、ステージ右からキャットウォークした黒ギャル奈央が無線スタンドマイクを丸ごと抱えてやってきた。
「just give me the sex push my ■■■■ everyday!」
スタンドを足の間に絡めるようにしてマイクを舐める奈央。
「gospel of the ■■■■, push my ■■■■ all the way――singing!」
後ろで演奏していた利恵や武流、踊っていた京香や薫がそれぞれのマイクに顔を寄せて『Na-Na-Na』のリズムでコーラスをし始めた。
ステージ左側からコードをラメ加工した有線マイクを持った黒ギャルいちごが現われる。
「sex――violence――Twisting turning sideways!」
コードを身体に巻き付け、マイクを手でしごくようにするいちご。
「I cant take ■■■■ no more――Got a love like a Curo-girl!」
ステージの奥から幕を引きちぎって現われる璃羽。
スピーカーを踏みつけると、マイクをもぎとった。
「I got my black!」
マイクを向けると、薫と京香が頬をつけて叫ぶ。
「「I got this black!」」
最後は全員でマイクに向かって叫んだ。
「「I got my Curo-girl」」
そこら中から吹き上がる火花。
全ての幕が切り裂かれ、黒ギャルたちが飛び込んでくる。
京香はどこからともなく取り出したマークスマンライフルを右から左に掃射。
武流はスピーカーを振り上げると、黒ギャルめがけて叩き付けた。
ポールダンスの要領で黒ギャルたちを蹴飛ばす奈央。
相手のネクタイを掴んで顔面に拳を入れる璃羽。
同じくブラの先端を掴んで蹴りを入れる利恵。
いちごはギターをDJテーブルをひっつかんで黒ギャルに叩き付ける。
最後にサイレンと薫がそれぞれ頬と胸を押しつけあってスマホを取り出した。
「「Everybody」」
ウィンクするイケメンの影やラメラメした炎に包まれ、消えていく黒ギャルたち。
エナジーへとかえった黒ギャルは薫のなかに吸い込まれていった。
都市伝説は灼滅された。
ぼろぼろになった裏クラブ。
傾いたネオンプレートが火花を飛ばし、音を立てて床に落ちた。
明滅する照明。
八人は顔を見合わせ、そして再び楽器を手に取った。
「「アンコォールッ!」」
| 作者:空白革命 |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
![]() 公開:2016年12月3日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 1/感動した 1/素敵だった 6/キャラが大事にされていた 4
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あなたが購入した「複数ピンナップ(複数バトルピンナップ)」を、このシナリオの挿絵にして貰うよう、担当マスターに申請できます。
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シナリオの通常参加者は、掲載されている「自分の顔アイコン」を変更できます。
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