クリスマス2016~闇鍋☆キャンドルナイト

    作者:森下映

    「これくらいあれば足りるでしょうか。あ、ちょっとお行儀が悪いですが……ごめんなさいっ!」
     両手に紙袋を抱えた坂月・ルオ(中学生魔法使い・dn0247)が、教室のドアを足で開けた。
     教室内はクリスマスの飾り付けがされているものの、なぜかきっちりと暗幕が閉められている。さらに机の上には卓上IHと……土鍋。よく見かける4人用のものがいくつか、それより二回り程大きいものもあり、とんすいも積まれている。
     そこへルオが、紙袋から出したものを並べ始めた。それは、
    「やっぱりクリスマスにはキャンドルですよね」
     電池でつくタイプのキャンドル。こちらも大小さまざまだ。
     ルオはキャンドルを一通り並べ終わると、小さいキャンドルだけをつけ、教室の電気を消す。
    「わあ、綺麗です。これくらいなら、暗いながらも鍋の位置はちゃんとわかりますし」
     至極満足気だが、一体何をやろうとしているのか。
    「皆さんに『闇鍋』楽しんでもらえますように。さあ、早く準備を済ませてしまわないと……」
     ルオは再び電気をつけ、鍋を設置したり、水をいれたり。
     そして最後に、『目指せ完食』『食べ物は粗末にしない』『おいしくなあれは最後の手段』と、でかでか書かれた紙を黒板に貼り付けたのだった。

     というわけで、クリスマスらしくキャンドルの灯る薄暗い教室で、闇鍋をしませんか? というお誘いです。

     共通ルールは黒板に張り出した3箇条。どなたでも参加できる『オープン鍋』の他、仲間同士で楽しむ『個別鍋』も希望に応じて用意します。どれも準備段階では土鍋に水だけいれてあります。
     食材を入れる時は、鍋の位置がかろうじてわかる程度の暗さです。IHの温度調節キーは光っているので見えます。

     『オープン鍋』は『ふつう』『辛いもの限定』の2種類で、入れる食材は『溶けて全体に混ざってしまうことのない食べ物』をお願いします。
     『ふつう』鍋参加の方は食材を1つ入れて下さい。
     『辛いもの限定』鍋参加の方は『食材1つ+辛い調味料』もしくは『辛い食材1つ』を入れて下さい。
     オープン鍋はみんなでおいしく楽しむ鍋です。両方参加も可。ルールを守っていただければ鍋奉行もokです。

     『個別鍋』では3箇条は守っていただくものの、それ以外のルールはありません。謀略当然妨害上等、おいしくなあれ以外のESP、サイキック使用の制限もなし。
     他の方と同じ教室内ですが、灼滅者は他のグループの方に迷惑をかけず、教室の備品や設備を破壊しないなどのヒロイックな闇鍋に長じています。もちろん仲良し闇鍋、闇ラブ鍋、1人闇鍋していただいてもかまいません。

     食材の投入が終わっていざ食べる際も電気は点けずに、大きなキャンドルを点灯して明かりを増やします。

    「あくまでもキャンドルナイト☆ ですからね!」


    ■リプレイ


    「なーべーなーべーしあわせー」
    「なべーっなべーっ♪」
    「「しーあーわーせー」」
     口ずさむオルゴール・オペラ(空繰る指・d27053)と朝倉・くしな(初代鬼っ娘魔法少女プアオーガ・d10889)。
    「ウサギちゃん、闇鍋ってはじめてやるかもー!」
     頭に霊犬のランクマをのせた灰色・ウサギ(グレイバック・d20519)もすでにハイテンション。と、オルゴールは、
    「でも、闇鍋って幸せになれるのかしら。ぎもん」
    「なれるんじゃないかな、ルーがそう思うなら」
     ニムロド・バルティエリ(黒獅子の子・d31454)が言う。万が一に備え、カレー粉持参。
    (「先人は言った。カレーにすれば大体何とかなると」)


    「よーじくん、何で着ぐるみなの?」
     Fly Highの部長、アメリア・イアハッター(ロマン求めて空駆けよ・d34548)と、
    「我慢大会ですか? ストーブつけます?」
     月影・木乃葉(人狼生まれ人育ち・d34599)に突っ込まれている加持・陽司(炎の中学生・d36254)。
    「これは事情があってですね……ストーブつけないで!? てーか木乃葉さんも人のこと言えないっすから!」
    「え……」
     木乃葉はといえば中学女子の制服姿。それもこれもESPの為だが、
    「このくん……ちゃん? なんだ、そういう趣味あるなら言ってくれれば良かったのに」
     アメリアが優しい目で言う。
    「好きで着てるんじゃないですから!?」
     そしてその隙。小向・残暑(絵本の魔法・d36555)は文字通り暗躍していた。


    「闇鍋って初めてなんだよなー!」
     住矢・慧樹(クロスファイア・d04132)が言う。一緒に参加の自転車同好会の仲間、科戸・日方(大学生自転車乗り・d00353)も、
    「俺も初めてだぜ! 楽しみだなっ」
    「クリスマスに鍋というのも悪くない。一見ミスマッチだが、最近冷え込むし、温かい鍋なんて素敵じゃないか」
     と日下部・優奈(フロストレヴェナント・d36320)。
    「あまり良く知らないのだが、闇鍋に何か作法はあるのか?」
     優奈がたずねると、
    「箸で掴んだ物は完食。だろうか」
     ビハインドの琥界、友人の久条・統弥(影狐抜刀斎・d20758)と鍋を囲んでいる白石・作楽(櫻帰葬・d21566)が言った。
    「そう、一度箸をつけたものは食べなければならないっ。それが鉄則!」
     くしなも言う。
    「わたくし、知っているわ。びっくりしつつも、美味しいって食べられるものを入れるのも、お作法よね」
     だからわたくしは、これ。とオルゴールは密かにビーツを取り出した。ボルシチでおなじみのビーツはロジオン・ジュラフスキー(獅子面の魔術師・d24010)も持参。こちらは手製のジャガイモ団子とともに入れる。
    (「汁を吸って美味でしょうが……」)
    (「煮ると真っ赤な色が染み出ちゃうのですって」)
    (「それも面白そうでございますが」)
    (「……ん? でも、薄暗いから……」)
    (「色がわかりにくいのが難点でしょうか」)
     謎の直感で目が合ったオルゴールとロジオン、お互い会釈。
    「まぁいいの」
    (「食べ終わった後、みんな、真っ赤に染まったお口を見て慄くのよ」)
     ちなみに天文台3Aでは、
    (「全身全霊をかけて食えないものにはしない……!」)
     と識守・理央(オズ・d04029)が監視中。案外良識派と踏んでいるニムロドは黒砂糖を白玉生地で包んだものを入れる。火を入れると黒蜜入り白玉団子になる予定。が問題はここからだ。
    「えっ!? 入れちゃダメなの!? 美味しいものと美味しいものを混ぜたら最強じゃん!」
     ウサギは好きなものを全部ぶちこもうとしていた。
    「肉だけ可! あと却下!」
     理央の裁定にお寿司とお菓子は投入を免れる。しかしこの間にくしなが、
    (「さぁ、たこ焼きの美味しさを広めねばなりますまいてっ」)
     大丈夫、カレー粉がある。


    「スミケイ何入れるよ?」
    「ちょ、自分のも言いたいけど我慢してるんだからな!」
    「っとと、秘密の方が楽しみ増えるか!」
     楽しげに笑う日方。
    (「うう、言いたい……俺は今日サラミソーセージを持ってきたと」)
     しかし重ねて我慢! 日方も何か取り出し、
    「クリスマスらしいモノでも入れっかなー」
    「え、日方サン、まさか」
    「安心して、さすがにケーキは入れねーから」
     日方持参はチキン。丸鶏は無理なので鶏胸肉で。
    (「高たんぱく低脂肪、アスリート飯に最適!」)
     自転車乗りかつ体育学部の日方らしい。そして光影は、辛いもの鍋に手慣れた様子で唐辛子味噌を溶き入れている。
     作楽も、一通り統弥が準備した鍋に、追加でお麩と、餅明太と餅チーズの餅巾着を入れ、
    「うん、琥界は黙って座っててね。……その手に持った塩辛を入れようとかしない!」
     怒られ、おろおろする琥界。作楽は、
    「琥界はお茶でも飲んでて、持ってきたから」
     コポコポとお茶を注いだ。


    「いれるよー……」
     日輪・小夜(汝は人狼なりや・d29960)がどさどさどさ、
    「うふふ、どんなカオスが待っているのかしら!」
     白わんこの着ぐるみを着た周防・雛(少女グランギニョル・d00356)も投入、文月・咲哉(ある雨の日の殺人鬼・d05076)は大量のイタリアントマトに自分の好物も入れたところで、
    「むっ! 今何かフシン物が投入されたと探偵の勘が言っている!」
     ひまわり着ぐるみのミカエラ・アプリコット(弾ける柘榴・d03125)がびしぃ!
    「キノセイキノセイ」
     ニヤリと笑う咲哉。負けずにミカエラも不敵な笑みを浮かべ、
    「後でバッチリ推理しちゃうよ! 誰がどの食材を持ち込んだのか……どう贖罪するのかっ! で、あたいも投入っ☆」
     そしてその隙、志穂崎・藍(蒼天の瞳・d22880)はあろうことか白くまを入れていた。かき氷の。漂う鍋にあるまじき甘い香りに、気休めのはずのメディックが役に立つかもと思いつつ、灰色狼の着ぐるみを着た新城・七波(藍弦の討ち手・d01815)は鶏肉ロールを入れる。実は中にはパクチーとキムチ。そしてスマホで撮影。が、
    「フラッシュで一瞬見えた鍋の色が……異次元っぽいんですが?」


    「や〜ん……ウーパールーパーがぐつぐつ煮えてるの〜」
     うわあという顔の木乃葉。
    「味は個体差が激しいらしいですわ!」
     残暑がドヤっているが、
    「そういう問題ではなくてですね……見たことがないものもありますし…」
    「ちなみにこれのことならワラスボ、こっちがワケノシンソスで、これがムツゴロウ!」
     アメリアが説明する。
    「味は悪くない……はずよ! むしろ私はこの魚が何本も突き刺さってるパイが気になるわ!」
    「スターゲイザーパイです。いい感じに汁吸ってますね〜」
     木乃葉が言うと、陽司は、
    「じゃとりあえず食べ……ってなんかこの箸やたら細い上に、」
    「折れてるんですが……」
     木乃葉も不審がる。と、箸を鍋に入れたアメリア、
    「色が変わって……溶けてる!? チョコだこれ! あー! チョコが鍋に混ざったー!?」
    「これ超有名なチョコプレッツェルじゃねーか!」
     陽司、説明ありがとう。
    「手がチョコでべたべたになりましたわー!?」
     残暑も言う。が、
    「いやこれ絶対ざんしょたんやったよね?!」
     アメリア突っ込む。陽司は箸をあきらめお玉にしたものの、
    「全然掬えないんですが……って素材モナカじゃねーか!」
    「棒つきですわ! お祭りとかでやったことありますわね! ……掬えませんわーッフフ」
    「モナカに汁が染み込むんだけどー!? これも食べなきゃダメなのうひひひ」
    「小向先輩もアメリア先輩もおかしくないですかあはははは」
    「そんなことないよこのくんうひょひょひょ」
    「楽しくて笑いが止まらないだけですわけけけ」
    「あはは誰か何か入れましたねははは」
    「ワライタケなんていれてないっすよ。あっ」
     自分だけキノコグルメ使用か。陽司、3人に取り囲まれた後、消息不明。


    「あれ、日方サンはもう食べてるのー? ナニ?」
     と慧樹ニヤリ。日方はうーんと考えながら、
    「おいしいけど変わった食感……本当ナニコレ。見えないと何食べてるか分からねーモンだな」
    「恐らく私の入れたすっぽんだろう」
     優奈が言った。
    「コラーゲンによる美容効果も期待できるし元気の源とも言われている……べ、別に若さを気にしてなどいなからな……?」
     実は諸々の理由により美容には気を使っている優奈なのだった。
    「そ、それよりこれはなかなかいけるな、当たりを引いたようだ」
    「それ俺の入れたやつ! 塩気どう?!」
     慧樹が乗り出す。優奈は、
    「うむ。すごくまろやかだぞ」
    「ところでスミケイ何当たった?」
     日方がたずねると、
    「そうだった!」
     慧樹、運命の一口。そして、
    「お……おお……! 俺は俺の運命を乗り越えた……!」
    「いい反応してんな!」
     日方が言うと、
    「鶏肉団子と白菜だと思うんだケド、すっごくウマイ!」
    「団子は俺が作った。美味かったなら何よりだ」
     光影が言い、
    「……白菜は私……オレンジの白菜で、普通のより美味しいらしいの……」
     マントを着た翼猫の黒猫、ソラと一緒の篠崎・零花(白の魔法使い・d37155)が言い、零花も取り分けたものにポン酢をつけて口へ運ぶ。
    「……これは、鶏肉……?」
    「あ、俺の入れたチキンじゃん?」
    「さっぱりしてて、美味しいわ……」
    「そっかー!」
     日方が笑う。
    「……ソラ、一緒に食べよう? ……美味しいよ」
     零花は鶏肉と白菜を冷まして手にのせ、ソラにあげる。
    「安心して舌鼓を打てる闇鍋というのもいいな。だがこのもちっとしたのは何だ……巾着が崩れた?」
     作楽はその食材と汁の両方を味見、
    「汁には混ざってないし……美味しいけど暗いと謎だ……はんぺん? 違うな……」
     考え込む作楽の隣、琥界は塩辛をつまみに日本茶で一杯。
    「豆腐入りのすり身だよ」
     統弥が種明かし。
    「成程。……琥界も食べる?」
     琥界が頷き、作楽はすり身を半分に割った。


    「わー! いっただきまーす! ……甘っ!?」
     目を輝かせてとびついたウサギだったが、味は予想外。
    「なんだろ? お団子?」
    「出汁との相性は悪くないはずだ。餡もちが入った雑煮の親戚と思えば、多分」
     ニムロドが言うと、
    「うん、あまじょっぱい! ……けどそこはかとなくたこやき風味……」
    「たこ焼きも食べ物ではある」
     ニムロド、赤く染まったたこ焼きを口へ運ぶ。
    「そういえば理央ちゃん何入れたの」
     ウサギがたずねた。
    「僕は〆用におうどん。それより……」
     理央は急にひそひそ、
    (「ルーとニムロドくんをいい雰囲気にする作戦を発令したいんだけど」)
    (「うーん」)
     ウサギはたこ焼きの残骸を理央の皿に入れながら、
    (「あの調子だからなあ」)
    「これ、ほくほくしてますっ」
    「ビーツね。こんがり焼いてきたの」
    「オルゴールさんも食べますか? はい、あーん」
    「あーん。……何、ニムロド?」
    「……別に」
    「あら。もしかして、うらやましいのかしら」
     オルゴールがぽんと手を叩く。一部に走る緊張。が、オルゴールは取り皿を差し出し、
    「あなたも食べたらいいわ」
    「ありがとう、ルー」
     ニムロドは受け取りながら、〆はカレーうどんか、などと考えていた。


    「混沌の渦の中変わり果てた姿で発見された具材達……犯人はこの中に!」
    「えっと、悪魔召還する悪者のマネですか?」
     鍋の前でブツブツ言っている直哉に藍が言った。
    「違うよ?! コホン。被害者は赤い液体に溺れたトマト。周囲には共犯の鯛焼きも沈み、鶏肉ロールに暗号が隠蔽。凶器は散らばった小豆とフルーツ。さらに手向けかマカロンが! ふやけている!」
    「あとうどんにラーメン、そうめんに糸こんにゃく……は推理不要だね! 犯人はお前だ!」
     ミカエラがクロネコ・レッドをびしぃ! と指差す。
    「くっ、バレてしまっては仕方ない。サラバ! って悪者じゃん!」
    「やはりさっきのは召喚……こ、これは!」
     一口食べた藍にびしりと紫電が走る。
    「ねっとり加減はまるで煮込みすぎたうどん! しかも味わいはべったりと甘く、舌の上ではぴりりと辛い!」
    「さては白くま入れたね!」
     ミカエラ、藍にもびしぃ!
    「えー、マカロンはフランス菓子」
     続き直哉が雛に歩みより、
    「よって真犯人はお前だ! ……あっ、ごまかしてる!」
     犯人、口笛を吹いている。
    「食べる前から威圧感あるな。しかし……いざ、勝負!」
     咲哉は意を決して鍋に箸を入れ、思い切りよくがぶり。雛もワクワク食べてみるが、
    「んっ……これは……! こ、れ……ブクブクブク……」
     泡を吹いて倒れ込み、七波が祭霊光。と、咲哉も、
    「ん? 意外と食え……う、ぐ!?」
    「キャーッ、メディーック!?」
     雛が叫ぶが、咲哉は、
    「いや、何とか根性で。死ぬかと思った、けど……な……」
     バタリ。
    「キャーッ、やっぱりメディーック!?」
     ロジオンも恐る恐る箸をつけ、
    「うっ、く、何とも言えぬ味と食感が……肉か何かだとは思うのですが……」
    「肉、いれたよ」
     小夜が言う。
    「これは、牛肉でしょうか?」
    「違うよ」
    「豚ですか?」
    「違う」
     羊、鹿、熊、と小夜は首を横にふり、
    「肉は、肉だよ……?」
     にっこり。
    「キャーッ、ロジオンも倒れましたわー!」
     忙しい七波だったが、ついに自分の番。
    「心頭滅却心頭滅却……ぐわあああっ!」
     食べるなりシャウト。
    「別の混沌が姿を表したようだ……その名もぐにゅぐにゅ」
    「また召喚ですか?」
     と言った藍にクロネコ、ニャーッと両手をあげて抗議。
    「あ、これはあたいが入れました~っ」
     ミカエラ自白。
    「納豆とオクラ、長芋で粘り強い1年! 手掛かりは、臭い! 簡単すぎたかな~?」
     にぱ〜と笑いながらねばねばぐるぐる。
    「ま、美味しいからいいよね! ……ねっ!」
    「うん」
     返事はすでに小夜だけ。
    「毒はないし、腐ってもいないから……大丈夫」
     無造作に箸をつっこみ、
    「美味しくはないけど……全然平気」
     もぐもぐもぐもぐ。さすが野生児。
    「みんな食べないなら、どんどん貰っちゃうよ……? あ、野菜足りないから草も追加するね」
     どさどさどさ。
    「あなたも食べる……? 闇鍋って召喚もできちゃうんだね……」
     もぐもぐもぐ。×2。
    「ごちそうさまでした」
     着ぐるみ累々の中、小夜と何かが一緒に、両手を合わせた。


    「……ソラ、美味しい?」
     零花がきくと、にゃあ? とソラがききかえした。
    「……私は美味しいなって思ってるよ。……それにすごく楽しい。……ルオ、こういう闇鍋もいいわね」
     それを聞いてルオが笑顔になる。口の周りスプラッタとか海鮮鍋でフライハイしちゃったとか着ぐるみ累々とかうっかり召喚とかはあったが。
    「こんなクリスマスも楽しいな」
     〆の雑炊を琥界と食べながら、作楽が言った。
    「たまにはこーゆーのも楽しいなっ!」
     慧樹が言い、
    「ああ、こういう美味しいスリルは大歓迎だ!」
     日方も言う。雪の散らつくイブ、教室はまだとても、あたたかい。

    作者:森下映 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2016年12月24日
    難度:簡単
    参加:24人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 0/感動した 1/素敵だった 2/キャラが大事にされていた 8
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