色とりどりの煌めきと、ふんわり甘いショコラの香り。
店内に足を踏み入れた途端、瞳に映る星のような彩りは、たくさん並んだ天然石ビーズ。
その奥には、色々な材料や器具が揃った、作業場兼カフェスペース。
特に今の時期、この店には多くの人々が訪れるという。
贈るチョコレートに添える――世界でたったひとつの星々を、繋ぐために。
●
「もうすぐ2月14日だけど、バレンタインの準備、みんなはしてるー?」
飛鳥井・遥河(高校生エクスブレイン・dn0040)のそんな言葉に、綺月・紗矢(中学生シャドウハンター・dn0017)はふと首を傾けて。
「バレンタインといえば、やはりチョコレートか」
「そういや今の時期、いろんなチョコが店に売ってるの見かけるな」
伊勢谷・カイザ(紫紺のあんちゃん・dn0189)も同意したように頷く。
そんな二人や皆をぐるりと見まわしてから。
遥河は机の上に情報誌を広げ、力説するように続けた。
「チョコレートは勿論だけどさ。バレンタインチョコに何か贈り物を添えるのも、素敵だと思わない? ほら、このお店、選んだ天然石ビーズでアクセサリーやストラップとか作りながら、お茶もできるカフェなんだって!」
「天然石ビーズやチャームを取り扱うパーツショップに、作業できるカフェスペースがある店なのか。天然石ビーズを星に見立てて、店内も星空の中にいるみたいな内装や食器になってるんだな」
凝っててオサレだなーと、カイザは遥河の広げた雑誌を覗き込んで。紗矢も、途端にキラキラと目を輝かせる。
「この時期は、バレンタイン限定のホットチョコレートにチョコケーキ、チョコレートパフェなどのチョコメニューがたくさんあるんだそうだ……! 甘いものが苦手でも、ビターチョコのメニューや、甘くない飲み物やサンドイッチなどの軽食もあるようだな」
予想通りの反応だと言わんばかりに、食いしん坊属性な紗矢に視線を向ける皆。それに気付いた紗矢はちょっぴり顔を赤らめながらも、気を取り直して。
「い、いや、もちろんチョコレートだけじゃなく、選んだ天然石ビーズやチャームでアクセサリーやストラップを作るのも楽しそうだ。確かに、大切な人へのバレンタインの贈り物にもぴったりだし。バレンタイン当日に、みんなで交換し合うのも楽しいかもしれないな」
カイザも改めて、星空カフェの詳細に目を向ける。
「天然石ビーズ、すごくたくさん種類あるみたいだけど、どれにするか悩みそうだ……霊犬のゼロの腕輪とかも作ってみるかな。でも俺、手先は器用な方だけど、アクセ作りとかあまりしたことないけど大丈夫か?」
「選ぶのは好きな色でもいいし、誕生石とか石の意味とかで決めてもいいんじゃない? 例えば、オレは1月生まれだけど、誕生石のひとつにガーネットがあって、ガーネットの石には『大切な人との絆を深める』って意味があるんだって。それに、ブレスレットとかネックレスとかだと好きなビーズやチャームを通して結べばいいから簡単だし、ストラップとかのキットもあるみたいだし、材料も揃ってるようだから、誰にでも気軽に作れるみたいだよー。あ、オレ、カッコイイ革紐のラップブレスレットとか、流行ってるし作ってみたいかも!」
「俺の誕生日の9月はラピスラズリか。なるほどな、贈る人の誕生石やイメージの色で選ぶのもいいな」
「星空を思わせるような店内で、甘いものや軽食を楽しみながら、星のようなビーズを繋いでいく、か……石を選んだりデザインを考えるのも、アクセサリーやストラップを作るのも、チョコメニューを堪能するのも、どれも楽しそうだ」
そうすっかり興味を示したカイザや紗矢に、へらりと笑んでから。
遥河は教室にいる皆にも、改めてこう声を掛けるのだった。
「ね、バレンタインの準備も兼ねて、このお店に行ってみない?」
自分好みの色でも、誰かをイメージしてみるのも良し。天然石に込められた意味や効果や、誕生石で選んでもまた良し。
目移りするほどたくさんの煌めきから、好みの色を選んで。
その彩りを繋げていけば――世界にひとつだけの煌めきが、完成。
一人でひたすら作業に没頭するのも、大切な人と仲良く一緒にでも、友達同士やグループで賑やかに作業するのも良し。
きっと、バレンタインの楽しい思い出のひとつになるに違いないから。
甘い香りが仄かに漂う星空カフェで、あなただけの色を繋いでみませんか。
●
様々な煌めきを放つ、宝石の星々。
その中から、選んだ彩りを手に。錠と理利が向かった先は銀河の奥。
肩を並べ、星を繋ぎ始めた目の前には、とろりとあたたかいホットチョコレート。
「……なァ、さと。俺達が出逢ったばかりの頃、ラップブレスレットをプレゼントしてくれたの、憶えてっか?」
錠の声に、しっかりと覚えていますよと頷く理利。
それは、手元の星のように繋がった、不思議な三年前の縁。
そして月日を経て、今度は錠が理利へと、大好きな彩を繋いで贈る番。
「おれに、ですか?」
繋がっていくその色は、静かだけど確かな煌めきを湛える紫。
理利の好きな石でもあって……これで、お揃いに。
そして刹那、ふと零れ落ちた緑色の流れ星も。
大丈夫、俺がついてる――そうその手でキャッチした錠の言葉に、納得しながら理利は頷く。
錠さんはきっと、そうやって大切なものを掴んでいるのですね、と。
ミルクティーとチョコケーキに、奏恵はホクホクしながらも。
「あれ? ラツェくんが青色選ぶのって珍しいねー」
チラチラと見るのは、サファイアとアイオライトの色。
「あ、えっと……贈る方のイメージが青だったので」
ラツェイルはそう答えつつ。その瞳に、青色を思わせる姿を映した。
そして彼の方も。
「ねえねえラツェくん、男の子って、ブレスレットって喜ぶの?」
「ブレスレットですか? 比較的好んで付けられる方は多いですし、喜んでは貰えると思いますが……」
ちらりと見た色は、彼女の手にある、レッドベリルの赤。
もっと仲良くなりたい――そんな想いを繋ぎながらも。お互いが、気になっているのは。
「その……贈る相手の方というのはやっぱり、奏恵さんが好きだと思われる方だったり、するのですか……ね」
「そ、そう言うラツェくんはどうなの? 誰かにあげるの?」
目の前で繋がれる、赤と青のブレスレットの行方。
キラキラ星は、漫画の資料に最適な可愛いビーズ。
そんなお星様を撮っていた観月は、千架の声に漸く顔を上げて。
カフェでコーヒーを――いいえ、とびきり可愛いハートのチョコケーキをオーダー!
千架は限定パフェを食べながら、藍色の石を革紐に通す彼をじーっと見つめて。
「どした、俺の顔何かついてる?」
「ひえっや、柴さんやっぱ器用だなーって」
今日も感情が読めない、と思いつつも。気合を入れ直し、薄緑の煌めきを繋いで。
「ねぇ柴さん、この数年いろんな星を一緒にみてきたけど、少しは柴さんの中にわたしとみた星、残ってますか?」
そう、訊ねてみる。
そんな言葉に、変なこと言うねえ、と。さっとストラップを仕上げてから、観月は続ける。
「少しなんてもんじゃないよ。ちゃんと、全部残ってる」
この星も綺麗だね――と、藍色の石に宿る星を見つけて。
そして、安心したような嬉しい笑顔を宿す千架と……次の、相談を。
「アクセサリー作りは初めてですけど……上手く出来ますかね?」
「ん、私もあまり経験ないけど頑張ろうね」
紅詩と七葉が楽しむのも、紅茶とお菓子と、アクセサリー作り。
紅詩が注文したフォンダンショコラは、お口直しのビター味。
だって。
「ん、あーんってしてね」
「ん、ありがとうございますね……お返しのあーんです」
お互い食べさせ合いこしたハート形チョコは予想通り、甘々だから。
にこにこと楽しそうに七葉が繋ぐのは、グレームーンストーンとアメシスト。
ふたつ仲良く繋いで、できたストラップを光に透かしてみれば。
「ん、紅詩さんと私の髪の色、かな」
そして紅詩が作ったペンダントを彩るのは、ガーネットとクリプソレーズ、二人の誕生石。揺れるハートチャームを開いてみれば。
「素敵な写真、中に納めようね」
「ふふ、二人の思い出をいつも胸にですね」
大切な思い出と――これでいつでも、一緒。
星空カフェで理央と燈が買ったのは、紅茶とケーキと。
「僕も燈と同じブレスレットをつくろうかな」
「上手くできたら理央にプレゼントするね!」
キラキラ煌めく翡翠や水晶、ラピスラズリにエメラルド。
燈は黒紐を編んだその夜空に、宝石の星を散りばめて。
理央も器用に、燈とは少し配色を変えて。ラピスラズリに、そっとエメラルドを添える。
「燈、調整するから手首をはからせて」
……なんて。それは、その手に触れたい、口実。
エメラルドは理央の、ラピスラズリは燈の誕生石。
仲良く繋がる煌めきを、控えめな水晶がより引き立てて。
燈は、そんな星石に願いを――理央を守ってください、って。
理央も願いを掛け、繋いでいく――燈がいつも幸せでいてくれるように、と。
そして、またひとつ増えた宝物に触れつつ、二人笑い合う。
大切な人と過ごすひとときを、とてもしあわせに思いながら。
遥河チョイスのオサレな店で、クリスは桃夜と仲良くまったりしながらも。
やはり選んだのは、期間限定のホットチョコレート。
でも。
「トーヤは何食べる?」
「せっかくのバレンタインだし、チョコレートケーキを食べよっかな」
チョコレートケーキも美味しそうで。ひとくち頂戴ね?? と桃夜におねだりしてみれば。
「ん? クリス食べたいの?」
はい、あ~ん、と。早速、甘ーいお裾分けを。
そんな甘い香り漂う店内で輝くのは、キラキラした宝石の星。
誰かに贈る石を選ぶ客たちの表情も、なんだか真剣。
クリスは様子を眺めつつ……小声でそっと、桃夜に耳打ちを。
「ねぇあの子たちもやっぱりバレンタインに向けての準備中なのかな?」
「うん、きっとバレンタインに好きな人に渡すんだろうね」
告白したり……まぁ、頑張るといいよ、と。桃夜は、恋人がいる余裕の笑みを浮かべつつも。
頑張ってほしいね、と恋する人たちを応援するクリスを見つめて。
恋人と過ごす素敵なバレンタインの時間に、今年も、幸せそうに微笑むのだった。
お互いに作ったアクセサリーを、交換こ。
でもサプライズにしたくて、狼煙は紅音に見られないように石を選びつつも。
「紅音はどうするの?」
相手の石は気になって、目を向けてみたり。
紅音はビーズや石を前に悩みながらも。
「これだけあると何を使おうか迷っちゃう……」
選ぶのもまた、楽しい。
そして狼煙と背中合わせで、作業開始! ……するも。
削る音を響かせる狼煙の作業が、気になって。
ふぅ……と一息ついた、瞬間。
「どーなった!?」
「ひゃんっ!? ちょ、耳はやめ……にゃー!?」
静かに距離を詰めた狼煙が、後ろから紅音を抱き締めて耳をモフモフ!
紅音はそんな悪戯に悶絶しつつも、作業を終えて。
「ん? 甘いの欲しい?」
「ちょ、さり気なくすり替えないでー……」
入れ替えられた甘めのカフェモカを取り返してから。
一口飲んだ後、赤面する――彼と間接キスしたことに、気付いて。
星いっぱいのカフェで、瑠羽奈と緋凍も、甘いひとときを堪能中。
二人でゆっくり楽しむのは、楽しい会話とバレンタイン限定メニュー。
「こちら、美味しいですよ、お召し上がりになってくださいませ」
「あ、頂いていいんですか? ……あーん、ぁむっ」
瑠羽奈から差し出されたチョコレートを、ぱくりと緋凍は口にして。
「うんっ、美味しいです! 瑠羽奈に食べさせてもらったら猶更美味しく感じちゃいます」
刹那広がるのは、とろけるチョコレートの味と、恋人にしてもらったあーんの、格別な甘さ。
「ふふっ、お上手ですね、そんな風に嬉しそうに食べてくださるとこちらも嬉しいですわ♪」
食べさせたチョコレートを嬉しそうに味わう緋凍に、瑠羽奈も微笑んで。
今日も二人で、一緒に。とても楽しくて素敵な、バレンタインデーの思い出を。
もごもごチョコレートパフェを食べる翼の姿は、いつもの事だけど。
小物系を作るようなものは珍しいと、首を傾ける筑音。
そんな彼に、こういうの好きかなーって思って、と返しつつ。
翼が作るのは、ルビーとアイオライトのブレスレット。
アイオライトは、自分らしくいれるように。そして誕生石のルビーは、家庭の基盤を固める石と聞いたから。
「何て言うかその……家族でありたいって思ったと言うか……結婚がどうとかじゃなくてな!? ツクが安心して自分らしくいられる場所であれたらって、思ったから」
「まぁでも、どー聞いてもやっぱりプロポーズよな……イヤン、筑音困っちゃう」
あわあわ説明するほど、プロポーズにしか聞こえません!?
そしてアンクレットに飾ったアゲートやレッドアゲート、サードオニキス。
筑音はニヤニヤと意地悪い笑みを宿して。
その石に共通する意味を、彼女に教えてあげる。
――子宝、と。
紅緋と紗矢が作業するのは、真昼の星空の下。
ターコイズブルーを繋いでブレスレットを作った紅緋は、勾玉の石があればと呟くも。
「……ないと決めつけるのも早計ですね」
クッキーを食べつつ見送る紗矢に、席の確保はお任せ。
そして……見つけた勾玉で、念願のペンダントも。
そんなアクセ作りの後は。
「ビターなチョコケーキをお願いします」
さ、一緒に、と――紗矢と、チョコレートティータイム。
友人にいつか贈れるように、自分のから練習をと。
水花はカイザを誘って、まずは一緒に石選び。
彼の誕生石はラピスラズリの他に、サファイアやアイオライトも。
「どれも青系統の石で、伊勢谷くんに似合っていますね」
そう言った水花に、カイザは水色の石をひとつ空に掲げ、笑み返す。
「アクアマリンの色も、水花っぽいよな」
そして水花が選んだ彩は、色々な種類の青。隣の彼の誕生石なのは……偶然です。
最初は猫目石に興味を持ち、色々と調べた友衛だが。
「これか、狼目石」
今日のお目当ては、猫目石ではなく、狼目石。
お守りにも良さそうなこの石で、友衛はブレスレット作りを。
親しい皆へのプレゼント用にいくつかアクセサリーを作ってみても、なんて思いながらも。
進むべき道が見えてくる――そんな意味を持つ灰緑の星を、ひとつずつ繋いでいく。
進むべき道を見出せる様にと、願いを籠めながら。
【いも部】の物作りのお供は、舞依の選んだ紅茶とケーキ。
いや……アクセサリーというか。
「石はシャーマナイトでいいだろう。モリオンを合間に加え……自前の白と赤の生地を和装の型に合わせ、白衣と緋袴を仕上げる」
「黒瑪瑙は内なる邪念を鎮める効果もあるそうよ……変な考えとか治るといいわね……」
こっそり何か違う巫女服を作成している兄・熾へと、黒瑪瑙と藍晶石のブレスレットを作っていた舞依は。
「あ、紗矢。ねえ、この石にはどっちの紐が合うと思う?」
「濃い青もいいが……きれいな印象なら白もいいな」
紗矢と一緒に、色々な彩の紐と睨めっこ。
そしてケーキに瞳輝かせる紗矢に、出来立てのアレを差し出した熾は。
「ん、紗矢か。この間のお詫びに、今出来上がったばかりの新作の巫女服を……ふぎゃっ!」
「邪念を鎮めろって言ってるでしょっ」
妹からの足への鎮めの一撃に、思わず飛び上がるのだった。
鳥居・薫が繋いでいくのは、澄んだアクアマリンに可愛らしいローズクォーツ。
ゼロの腕輪を作るカイザはそんな友人に、微笑まし気に尋ねる。やっぱり彼女のか? と。
「毎年頑張ってチョコ作ってくれるから、お返しを用意したくてさ」
アクセサリーも考えたけれど、今回はストラップに。
いつでも持ち歩いてくれるかなって、そう思ったから。
そして、喜んでくれるかなって……お互いを想う煌めきも。
星空の下でそっと、繋がっているから。
自信過剰な誘い方にもほどがあるけれど、それが遥河らしいし。
「ね、一緒にラップブレス作ろーっ」
「私もちょうど誕生石のルビーを使った『カワイイ』革紐のが欲しいところだったの」
自分用だからと念を押す奈央も、彼女らしい。
それに――やっぱり。
「わ、すごくない!?」
「ちょ、ちょっと長すぎたかも……何連?」
閉店間際まで、つい何気に長さを競っていたら……5連どころではなくなりました!?
●
誰かを想い作ることは、楽しいから。
【サーカス小屋】の皆も、煌めく星を繋ぎに。
雛がまず手にしたのは、ムーンストーンとローズクォーツ。それにハートのインカローズを飾れば。
「例えば……こう。ほら、エステルみたいでしょ?」
「わたしのなの、わーいわーい、私もひなちゃんの作る~」
ビーズをなくさないようにしつつ、エステルも雛へとお返しを。
アンバーとアイオライトを繋げれば……その煌めきはまるで、月明りのよう。
それからエステルはふと、隣の雨に目を向けて。
「雨ちゃんは彼にどんなのつくるです? 今回はこっそりだからびっくりさせるのー」
「私は、どうしようかな。石、いっぱいあって、迷っちゃう」
悩む雨に、雛は助け舟を。
「そうね……カーネリアンとオパールとかどうかしら?」
彼の髪に似た色の石に、魔法のようにたくさんの彩が混ざる白。
彼を想いながら雨が作るのは、チョーカーと。もうひとつ……同じ石の組み合わせの、ハート型ブローチも。
「……喜んでもらえたら、いいな」
真っ白だった毎日に、きらきらな色をくれた大切な人に――。
そして想いの星を繋ぐのは、雛とエステルも同じ。
心に届くと信じながら。こっそり内緒でもうひとつ、アクセサリーを作るエステル。
そして連なるオニキスの中に輝く、ガーネットの瞳。
雛も、慕う『彼』の優しい眼差しを胸に――愛しき『彼』の色を、繋いでいく。
煌めき溢れる星空カフェは、【星空芸能館】にぴったりの店。
そんな店内で、徒がスマホで調べたのは――。
「えーと、二人の誕生石は……えりなはルビーとシトリン。紗里亜はクリソブレーズとアクアマリン。暖色系と寒色系、二人とも対称的だねえ」
帰りを待つ、えりなと紗里亜の誕生石。
くるみは手作りのナノナノぬいぐるみに、ふたつの誕生石の瞳をつけて。
「ふたりにプレゼントするときまで部室にかざっておこうね…」
おかえりなさいと、これからもよろしくの想いをこめて……ナノナノをなでなで。
少々不揃いながらも、徒も二人の無事を祈り腕輪を作って。流希も、白い天然石と赤い物を使って、サネカズラの花の置物を。
「くるみのぬいぐるみ、目がキラキラだ♪ 流希のは……サネカズラ、って何?」
「この花の花言葉は『再会』でしてねぇ……。まだ多くの仲間達が帰ってこれるようにと、思いまして……」
えりなや紗里亜や、いまだ帰らぬ闇堕ちした人達に向けて。
星空から降ってきたような、願いがこめられた宝石。
「お守りねぇ、これからの戦いには気休めでもあったほうがいいか」
ファルケは、自分と彼女の分を作ることにするも。
誕生石モチーフもいいけれど、緑と金色、お互いの髪色でもいいかもしれない。それを逆につけておけば……お互いを守る、という意味もあるから。
それぞれの星に想いをこめ、しっかり繋げていって。
そして完成した後は、ティータイム!
えりなと紗里亜が帰ってきたら何をしようか、と。一緒にまた行きたいところは、沢山あるけれども。
「そうだ、二人を連れてまたここに来よう♪」
「うん、またみんなでこようね♪」
「皆さんが、食べられなかったチョコレートを沢山作って持参いたしますよ……」
「ま、確かに全員そろってこそ、意味があるんだろうなー」
この星空カフェでもう一度、バレンタインを。
今度は――【星空芸能館】、みんなで。
【刹那の幻想曲】をイメージした、ト音記号のアクセサリー。
お揃いモチーフだけど、それぞれがみんな、違う彩り。
「むぅ……少々盛りすぎたかも? どうかな」
「ほわぁ、めっちゃ豪華やなぁ」
男子の視線も釘付け!? 赤と白のパワーストーンをデコった、命の華やかなネックレス。
命には豪華なネックレスも似合っているし。
「アクセがなくても大和さんなら大丈夫!」
逆にアクセがなくても大丈夫と、ゆまもお墨付き!
そんなゆまのアクセサリーは。
「かわいいな」
「なんか、吸い込まれそうな……綺麗やなぁ」
アクアマリンとカルサイトの、水色と透明が綺麗なブローチ。
そして美術は苦手な北條・薫だけど。
「これなら私でもなんとかなりそうです」
ト音記号に星を添えた、誕生石の緑のアンクレットを仕上げて。
「なんか、大人なおしゃれって感じやー」
「凄く優しいイメージです! アンクレット……何だか大人っぽい……」
柔らかな彩を帯びた、大人なアクセサリーに。
そして……そんな薫に、命が渡したのは。
「これもお弁当に入れてみるかい?」
「あら、とうもろこしですか? ふふ、食べちゃいたくなりますね」
天然石で作った、とうもろこし!?
乃麻の髪留めは、カイヤナイトに真珠や水晶の星が煌めく夜のイメージだけど。
「友達と一緒に、チョコ食べながらアクセ作りって、楽しいなぁ」
「八蘇上さんのは夜のイメージ……はわわ、お口にチョコがついちゃってますよ」
作りながら、次々と乃麻の口にチョコが消えていって。
汚れたその口を拭いてあげながら、ゆまはあることに気が付く。
「作業に夢中で全然食べてなかった!」
そしてうとうとしている命に、ブランケットがそっとかけられる。
薫はそんな甘い香り漂う星の下、ふと、星の髪留めに触れて。
――お星さまがいっぱい……。
個性的な音符が織りなすこの空間を楽しみつつも。星空に、思いを馳せるのだった。
作者:志稲愛海 |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2017年2月13日
難度:簡単
参加:36人
結果:成功!
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得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 6/キャラが大事にされていた 4
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