マラソンで大事なのは、定期的な栄養補給だと思います

    作者:志稲愛海

    「みんなお待ちかねのマラソン大会は、10月31日だよ!」
     須藤・まりん(中学生エクスブレイン・dn0003)は、某人風にいう『this is a pen!』な定番ポーズを取りながら。
     31日に行なわれるという学園行事・マラソン大会の概要を説明する。
    「マラソン大会はね、学園を出発して街の中を走ってまた学園に戻ってくる、10キロのコースなの」
     マラソンコースは、まりんの言うように、全長10キロメートル。
     学校から出発して市街地を走り、井の頭公園を駆け抜けて、吉祥寺駅前や繁華街を通り、最後に坂を駆け上ってから学校に到着するコースとなっている。
    「前の日は夜更かしとかしないで、朝食は軽めに、水分補給はこまめに、体を冷やさないように気をつけないとね!」
     まりんは、そうごく普通の注意事項を口にした後。
     武蔵坂学園ならではの注意事項を語る。 
    「それで、うちの学校のマラソン大会なんだけど。周囲に大きな迷惑を掛けなければ、多少の無理は問題ないよ。マラソン大会をエスケープしたり、不正を行おうとする人は、魔人生徒会の人に捕らえられて罰を受けることになっちゃうから」
     どのような罰かと具体的にいえば、学校のグラウンドをグルグルとマラソンコース分走らされるらしい。生徒会の人たちと追いかけっこもある意味面白そうだが、マラソンに素直に参加した方が無難ではある。

     そこで!
    「マラソンで大事なのは、定期的な栄養補給だよね!」
     眼鏡をくいっとした後、ビシイッとより一層ペンを掲げ、颯爽とそう言い放つまりん。
    「確かに、マラソンを完走するためには、栄養補給は必要不可欠だな」   
     それに大きく頷くのは、こう見えて無類の甘い物好きで大食いである、綺月・紗矢(小学生シャドウハンター・dn0017)。
     マラソンで大事な、定期的な栄養補給。
     マラソンコース内にある井の頭公園は、何と言っても、絶好のお弁当スポット。
     そして吉祥寺駅前や繁華街は、美味しいものが沢山売っている、買い食いスポットだ。
     マラソンに不可欠な栄養補充のためであるならば、マラソン途中に井の頭公園で皆でお弁当を食べたり、吉祥寺駅前や商店街で買い食いしたとしても、魔人生徒会も納得するだろう。
    「井の頭公園で、用意したレジャーシートを広げて一休みしたりとか、手作りお弁当を持っていって食べさせあいっこしたりとか、沢山並んだお弁当を分けてもらったりとか。楽しくマラソンのための栄養補充をしたらいいんじゃないかな! お店の中で一休みとかはさすがにダメだけど、駅前にはメンチカツやコロッケ、小龍包やたい焼きなんかの美味しくて有名なテイクアウトの店も沢山あるし、水分補給のための飲み物を買ったりとかもしなきゃね。ちょっとくらい横丁の小路とかに入っても、買った後すぐにコースに戻れば全く問題ないよ!」
     井の頭公園で、皆でレジャーシートを広げて楽しくお弁当を食べたり。
     駅前や商店街で、栄養や水分の補給のための軽食やジュースを調達して飲み食いしたり。
     マラソンを完走すべく必要な栄養や水分を、皆で楽しく補充すればいいのではないか。
     何なら、魔人生徒会に雇われた人達にご苦労様のお裾分けなんかをしてもいいし。
     魔人生徒会に雇われて監視しながらも、ちょっと皆と一緒にお弁当を食べたり買い食いしたりしてもいいだろう。
     何てったって、マラソンには定期的な栄養補給が必要なのですから!
    「本当は駅前でカフェりたいところだけど、魔人生徒会の取り締まりは怖いしさー。折角の学園行事に不参加なのもつまらないから、捕まらない程度にマラソンしつつ、みんなとキャッキャウフフ仲良くお弁当食べたり買い食いしたりしたいねー」
     あ、お弁当に椎茸は入れないでよ、と付け加える飛鳥井・遥河(中学生エクスブレイン・dn0040)の隣で、俄然マラソン大会というか栄養補給に瞳を輝かせ気合を入れる紗矢。
     まりんは、そんな皆をぐるりと見回してから。
    「健全な魂は、健全な肉体に宿るよ。だから灼滅者の闇堕ちを防ぐ為にも、みんなでマラソン完走するために、楽しく定期的に栄養補給していこうね!」
     そうペンを握った手で、ぐっとサムズアップするのだった。


    ■リプレイ


     今日は、武蔵坂学園のマラソン大会。
     見上げる快晴の秋空が、絶好のスポーツ日和であることを物語っている。
     そして絶好のスポーツ日和であると同時に。
     今日は絶好の、行楽日和。
     マラソンを完走するために大事なのは、そう!
     定期的な栄養補給なのですから!

     手作りサンドイッチを皆にあーんしてくれた月風・雪花に。
    「雪花さん、あーん」
    「はい、あ~ん♪」
     茜や春原・雪花も、お返しのあーんを。
     リリーも、あーんしたツナサンドをぱくりと食べてくれた彼に、ほっこり幸せ気分。
    「茜さんのクッキーも美味しいです」
     茜のクッキーやリリーの麦茶で、糖分や水分もしっかり補給。
     そして適度な栄養補給の後は。
    「やっぱり、雪花の膝枕は寝心地がいいな」
     頭をなでなでされたり膝枕されたり、甘えたり。休息も必要ですよね!
    「起きたらマラソン大会終わってればいいのに……」
     皆のサンドイッチやクッキーに手を伸ばしていた蓮も。
     じゃれ合う面々を眺めながら、ごろんとお昼寝モード。

    「つ、疲れた~っ」
     さやかも【☆星空芸能館☆】の皆と池の傍にシートを広げ、栄養補給!
     そしてファルケから大切な話が!?
    「自慢することではないが……弁当を忘れてきちまった」
     でも大丈夫!
    「みんなで食べられるように……たくさん……作ってきたよ……」
    「具は普通だけど……遠慮なく食べて下さいね」
    「食べやすいように配慮しましたので、ご遠慮なくどうぞ」
    「あ、それ美味しそう。私のから揚げあげるから、1つ頂戴?」
     くるみのサンドイッチに陽和のバーガーやホットドッグ、えりなのおにぎり、オリジナルサンドの具材を用意した紗里亜。
     さやかもさつまいもを、華乃のお弁当にはから揚げやだし巻き卵が。さらに沢山のフルーツ系デザートまで。
    「なんといえばいいのか、凄く豪華ね」
     結衣菜もゆで卵を提供しつつ、皆に礼を言って。
    「ファルケくん頑張って食べて下さいね」
     荷物を減らすべく、紗里亜は彼に期待を。
     そんな皆との栄養補給は。
    「お外で食べるお弁当、すっごく美味しいね♪」
     豪華で美味しくて、楽しい。
     それから。
    「ぽかぽか陽気でご飯食べたら眠くなっちゃって……」
    「えりなさん……ボクもちょっとだけ……♪」
    「ひと眠りしたら後半戦がんばるから、それまで」
     ついお昼寝する皆を優しく起こす陽和に、先導は任せなと笑むファルケ。
     マラソンもまた頑張りましょう!

     なんだかお花見みたいですねと、くすくす笑んで。
     燈子は、お口にあうと良いのですが……と、円蔵のシートにサンドイッチやおかずを並べて。
    「スタンちゃんと燈子ちゃんのサンドイッチ美味しそう……!」
    「千穂先輩のは栗ご飯なのっ、わあ栗大好き……!」
    「そうか、今の時期は鮭もいいよね」
     千穂やイコ、スタニスラヴァ、【ouroboros】の皆の、秋色いっぱいの弁当がずらり。
     円蔵も温冷両方の麦茶を用意して。
    「ぼかぁひもじいのですよぉ!」
     満足至極、皆で楽しい栄養補給を!
     そして、うささん林檎やスコーンで糖分補充もした後。
     折角の遠足だからと、イコのカメラに笑顔でポーズ!
    「楽しくて、マラソンの事忘れちゃいそうです」
     マラソンでも遠足でも、もうこの際。
     ゴール目指せば、細かい事はきっといいのです!

    「運動の秋ではあるが、食欲の秋とも言えるからな」
     秋風吹く木陰で、誠士郎はお手製弁当を【Animato】の皆の前に並べて。
    「やぁ、こんな美味い手料理を食ったのは久しぶりだ……え、これ作ったの秋篠?」 
     ……良い婿さんになれるぜ、きっと、と。高明は、ほうれん草のおひたしや筑前煮をもぐもぐ。
    「10キロも走るんだ、これくらいの栄養補給はあっても困らないだろう」
     そう開いた傑人のバスケットには豊富な具のサンドイッチがいっぱい。
     月白も好きな具で作ったおにぎりを出しつつ、持参した味噌汁も一緒に飲もうねと。
     マラソン後半に向けて休憩と栄養補給、皆と完走を目指します!

    「大したもんじゃねーけどよ、好きに突いてくれ」
     やっと【赤い堕天薔薇般若連合】の皆のところに来た月夜から貰った荷物から、朝陽は唐揚げやタコさんウインナー並ぶ弁当を取り出して。
    「みんな食べてくれると、嬉しい……な」
    「こーいうの、普段じゃあまり食べられないでしょ?」
     一段殆どが唐揚げなお重を出す彩華に、国際色豊かな弁当を開くエルミニア。
    「欲しいおかずがあったら遠慮なく食べてくれ」
    「お姉ちゃんと一緒に作ってきたんだよ♪」
    「あ、ボクももちろんお手伝いしたよ? ……ホントダヨ?」
     月海と響、睦月も各々姉妹で弁当を拵えてきて。
    「いやーこれ、みんなイイお嫁さんになれんじゃね?」
    「あら、おいしそう。アタシのウインナーと交換しない?」
     上機嫌で摘むまことの横で、唯庵も多めのおかずやロシアンお握りを出しつつ皆の弁当を覗いて。
    「おやつじゃないよ、め、めめめいんでぃっしゅだよ!」
     三色団子を差し出すルアタ。おやつじゃないよ!
     そんな多彩な昼食を前に。
    「えぇい! 13km余計に走った分、食いまくってやるぁ!」
     そう声を上げる月夜。決して爆走して迷子になったとかそんなわけないですよ、ははは。
     そしてそんな彼へと、自作の卵焼きをあーんしてあげるのは月海。
     睦月も悪戯で口に詰め込んだり、彩華も頬っぺに押し付けちゃったりと、皆で悪気なくあーんしてあげて。
    「やっぱ、一人で食べるより断然ウマイね!」
    「ありがとうマラソン大会! ありがとう武蔵坂学園……!!」
     楽しく栄養補給する中、朝陽は生まれ育った武蔵野を自分のペースで走ろうと思いながら。
     唯庵のロシアンおにぎりを、荷物を持ってくれた礼に、兄へ取ってあげるのだった。

    「いっぱい食べて、栄養補給がんばろうー、おー!」
     弥影のシートに座る【ぽわふか】の皆の前に並ぶ、迪琉の手作り弁当は。
    「おねーちゃんのお弁当、すっごーく美味しいんだ、よ」
     妹の柚莉もお墨付き!
    「わあ、どれも美味しそう……」
     皆におしぼりを渡しつつ、弥影は迷うように見回して。
    「にゃーっ。迪琉さんのお弁当美味しいなり! 食べる手が止まらないっ」
     各々の好みを聞きつつ紅茶からスムージーまで飲み物を用意した莉奈も、テンションMAXで栄養補給!
    「ゆずの手はどうして2本、だけなのっ……」
    「手が足りなければ、みちの手があるよう」
     迪琉はそう言って、柚莉にタコさんウインナーをあーん。
     歩夏も礼を言い美味しく頂きながら、朝食を抜いてきた分、一杯口に運んで。
     ラグナもお布団簀をイメージしたサンドイッチロールや、砂糖たっぷりの紅茶を用意して、完璧にピクニック気分!?
     そしてデザート担当は、あんず。
    「お菓子だよっ! みんな集合っ!」
     さすがお菓子のまち・帯広のご当地ヒーロー、クラブ外の人達にもお裾分け!
     そして、ごちそうさまをした後は。
     ちょっとだけ、幸せいっぱいなまどろみの中で、お昼寝を。

     猫の誘惑にも負けず、級友の燈と手を繋ぎ着いた公園でシートを敷く花火。
     紅葉見える池の傍の理央お勧めの景色の中、燈も中華のおかずを並べて。
     サラダや豆ごはんおにぎり、エクレアまで。しっかり栄養補給を!
    「やっぱりピクニックは楽しいね~。え? マラソン?」
     一応マラソンです!
     そして。
    「休憩したらマラソンに戻……らないの!? 寝るの?」
    「木陰だと見つからないかな?」
     お昼寝する女子達に、一蓮托生だと付き合う理央であった。

     和は煮物、洋はカレー、中は点心。
    「自分で言うのもなんじゃが、味はばっちりなものじゃと思う」
     そんな和洋中揃い踏みな力作、【むーみんランチ】のクラブの皆と作った弁当を披露する那波に。
    「……公園でみんなでお弁当……夢みたいね」
     ライスサンドイッチやおやつを並べつつ、ふっと笑むチャイナ。
     綾乃も定番のおかずやもちもち食感のかぼちゃだんごを差し出しながら。
    「……ふふ、なんだかとても楽しいですね」
     ……ん、皆、いいお味です、と皆の弁当に舌鼓。
     響も口にした卵焼きに感動しつつ、那波にあーんして。彼女の頬の米粒も、ひょいぱくっ。
     綾も、塩分補給大事大事です、とクラブの皆におにぎりを手渡した後。
    「見回り……おつか……れ、さまです……」
     魔人生徒会さんにも、差し入れを。

    「巡嬢のかき揚げのさくさく感も、桜嬢のきんぴらのしゃきしゃきも、いいね」
    「体が暖まる様にと、お味噌汁作ってきました」
    「けいちゃんの料理がすごいおしゃれ。桜ちゃんのみそ汁も温かくてほっとする、この卵焼き甘くて美味しい」
     けいに桜に伊吹・巡は【自習室】の仲間同士、あーんと。
     楽しくおかずの取りかえっこ。
     そしてエネルギー飲料でクールに栄養補給をする……はずの、真言に。
    「というか貧血起こされても困る、喰え!」
    「おい無理矢理詰め込むなっ……むぐ!?」
     サルティンボッカを口へとつっこむ、けい。
     そしてぐったり横になる彼を後目に。3人も、暫し休憩を。

    「……良いお天気ですね、運動とお弁当日和です」
     ほぼ揚げ物の高カロリーな弁当を開きつつ言った、アルゲーの隣で。
    「……死ぬかもしれん……」
     ぜひゅーぜひゅー息荒いマリーアーリア。でも、ここまで走れた活力は。
    「ほれ、お前さんのご注文の品全部入れといたぜ」
     そう、【あらいぶ!】部長・さつきのマリー用6段重箱!
    「光理殿のサンドイッチは絶品でござるな~♪」
     カラフルで品数豊富な弁当を摘むかなたに、光理はさらにミルクティーを振舞って。
     一通りこの公園の薀蓄を語ったルリが満を持して取り出したのは。
    「……えっ? みんなサバカレー知らないの? お、美味しいよ!」
     サバカレー缶です!
    「ほほう、何やら美味そうな香りがするでござるな~♪」
    「サバカレーって初めて見るなぁ」
    「お残しは7つの大罪の一つやし……」
     そしてぱくりとサバカレーを食べてみたアルゲーは呟く。
    「……以外に美味しいですね」
     さすがルリ曰く、サバとカレーが奏でるパーフェクトハーモニー!?

     【文芸部・跡地!】の栄養補給は賑やか!
    「卵焼きはおかずですし、しょっぱいのが定番ですよね」
     そう呟いた侑二郎は。
    「しょっぱいのなんか邪道だ!」
    「甘くない卵焼きとか卵焼きじゃねぇ!」
     彰二と兎紀に反論され、豹の甘い卵焼きで納得。
     そして豹のおにぎりは、うさぎやくま型。似合わない? いえ!
    「これはうさぎちゃん仕様だからこれでいーんだよ!」
    「って、俺別におにぎりうさぎとかくまにしろなんて言ってねぇよ!」
     そう言いつつデザートへ伸びる兎紀の手を、豹はぺしっ。
     さらに。
    「あっ! 彰ちゃんひどい!」
     彰二と勘九郎のおかず戦争勃発、その隙に幾つか掠める侑二郎。
     そして彼にウィンナーを貰いつつ、慧一は二人の戦争に胃が痛くなるも。
    「あくまで栄養補給であってサボりじゃないんだから……!」
    「肉ばっかじゃなくて、ちゃんと野菜も食えよ?」
     慧一や豹と交換こしていた冬人が、彰二と勘九郎に差し出したのは。
    「え、やだやだピーマン嫌い!」
     ピーマンの肉詰め!
     そして。
    「……もぐもぐもぐふぅっ!?」
     食べてみたけど、案の定死にかけました。
     そんなピーマンに悶える二人を木の上から眺めつつ。
    「おかず交換とかしてるのか……なんか楽しそう」
     そう呟いた天狼は冬人に見つかり、素直に降りてきた後。
     次々と皆から、おにぎりやおかずを沢山貰うのだった。

     魔人生徒会がコワいからと、真面目に走っていた海砂斗は。
     一緒に食べよーぜ、と、公園で見つけた級友の冥賀やシオンに声を掛ける。
     栄養は定期的に取らないとですから。
    「こうかんしながら食べる、です」
    「コンビ二のこれおいしーじゃん? あとは、お楽しみ! おやつー!」
    「甘いものは必需品だよね」
     持っている弁当やおやつの交換こです!
     生徒会の目が光る、ちょっとコワいマラソン大会も。
     皆で楽しく栄養補給すれば悪くない、かも。


     景色の良い池の近くに、向日葵や遙がシートを広げる間。
    「牛房さん達は仲が良さそうね。まるで姉弟のようだわ」
     こっちに来て~と手招きする桃子と走って合流する治を、くすくすと眺める富貴は。
     今度は、【夢の杜】の皆が作った弁当に目をやり、向日葵にお願いする。
     今度料理を教えてね? と。
     その向日葵も、
    「良かったら遠慮せんと食べてな~?」
    「少し温かめだけどみんなスープいるか?」
     一つ交換してもろうてもえーえ? と遙の言葉に頷いて、おかずと交換こを。
    「皆お弁当作れるって……すごい、な」
     そんな射緒の言葉に、富貴も頷いて。
    「みんなで取れるように大目に作って来たから好きなように取ってくれたらいいぞ」
    「あはぁ、ありがとさんな~」
     皆で楽しく美味しく、栄養補給!
     そして桃子は、牛肉のしぐれ煮を箸で摘むと。
    「治くん治くん~。はい、あ~んして~」
    「恥ずかしいなぁ……あ、あ~ん……」
     うふふ♪ 照れちゃって~♪ と、いろいろな意味で照れる彼の口元へ。

    「一人で飯食ってんのか? 寂しい奴だな! んじゃあ早食い勝負しようぜ!」
    「勝負ですか……はあ、勝手にやれば良いんじゃないですか?」
     適当に昼食を摂るだけだったのに、いつの間にか大人数。
     樹月は、ご飯を喉に詰まらせ哉汰に最後のミートボールを取られて涙目なるい子をガンスルーしつつ、ゆっくり栄養補給を。
     そして虚弱体質ゆえ、シートの上で瀕死な小夜子は。
    「残りも一緒に頑張りましょうね」
     マツバにタオルと御茶を渡され、鬼の様な形相で顔を真っ赤になりつつ頷きながら、彼の作った煮っころがしをもそもそつついて。
     マツバは照れた様子の彼女に、可愛らしいですねと瞳を細めた後。
    「俺のがいちばんおいしいよね」
    「って悠月何でメルにあーんなんてして……! いやべべべ別に思うところなんて無いけど!」
     皆の弁当を見回しつつ、から揚げをメルキューレにあーんして瑞樹をからかう哉汰に、スパーンッとハリセンを見舞う。
     そして、おにぎりを口にしたメルキューレは。
    「メル、ついてる」
     頬についた米粒を瑞希に取って貰って。
     仲いいよなあと呆れて自分達を見る哉汰に、何故……と瑞希は、瞳をぱちくり。

    「みこも手伝ったよ♪」
     おべんと♪ おべんと♪ と本来の目的を忘れ、サンドイッチを取り出し皆と交換こする己言に。
    「はさむ具はタマゴやツナとか、いいよね。あと、チーズとハムなんかも。あぁ、トマト&レタスも忘れずに」
     晶子の弁当箱にも同じく、気軽に食べられるサンドイッチが。
    「どうぞ、冷たい麦茶とかいかがですか?」
     藍蘭は【屋上菜園【万華境】】の皆に麦茶を手渡しつつ、依頼で面識ある紗矢にも、おにぎりや卵焼きを。
     そしていすゞが作ってきたのは、王道のおにぎり……かと思いきや。
    「当りはこの季節にピッタリの松茸です!」
     その具は、まさかのロシアンルーレット!?

    「……ぜー……ぜー……公園見えた!……栄養補給!」
     小1の断に合わせ一緒に走るのは【武刃蔵】の皆。
    「急ぎ過ぎると疲れる、もっとゆっくりで良いぞ」
    「駄目ならももちーが肩車してやるぜ!」
     そうジャックは声を掛け、羅生丸も女の子との弁当タイムを妄想しつつも彼女を気遣う。
     そして公園で栄養補給!
     光明は、出来は上々、と。和洋各2段の重箱や紅茶を並べて。
    「疲れた時は甘い物が良いと思ってな」
     べ、別に甘党というわけではないぞ……と甘い物満載な弁当を広げる刃兵衛は、光明と互いに食べ比べ。
    「……頑張って良かった……」
    「仲間で食べると、一味違うな」
     そう幸せそうにラーメンを食べる断に、ジャックも定番おかずをお裾分けして。
    「お前量で作ったんだ、残さず食えよ」
     光明は級友のかなめを見つけ、大量の弁当を差し出すも。
     10人前でも腹八分どころか五分にもならないと、かなめは間食程度の3人前程の自作弁当も並べて。
     がっつかず、でも残さないこと第一で栄養補給!

    「……足りるんすか、それで」
     律は【Atelier ARNICA】の部長・くるみの羊のデコ弁をじっと見て。
    「足りるわよ! そんなに大食いじゃないわ」
     くるみはほっぺぷっくり反論しつつも、サンドイッチは少しだけ貰って。
    「……ってめーこちゃん、さっきから何見てるの?」
     じっと視線を向けるめいこに気付き、首を傾げるも。
    「ひつじさん、食べちゃうの……?」
     可愛そうだよぅ! とお願いするめいこに、嘆息する律と食べ辛さを感じるくるみであった。
     そして栄養補給の後は、皆で一緒に後半戦!

    「唐揚げにだし巻き卵にー…え、栗羊羹とババロアまであるんだ!?」
     広げられた【czas】の弁当は超豪華!
     颯夏は、かーちゃん作のやたらでっかい重箱を並べ呟く。
    「……気持ちは有り難いけど、走るのに邪魔だった」
     食べれば少しは軽くなりますから!
     でも豪華なのは重箱だけではありません。
    「わぁ、透ちゃんすっごい純和風! イメージ通りで可愛いな」
    「なのは殿は甘い卵焼きなんだな。瑛多殿のたこさんウインナー、ウサギ林檎と交換しないか?」
    「凄いなぁ……すっごく美味しいし、今度教えて欲しいくらいっ」
     塩味和風に甘めのもの、定番おかずからバクダンおにぎりまで、皆の弁当は多種多彩!
    「お兄ちゃん、落ち着いて食べないとゴール前に倒れるよー?」
    「翼はそのババロア、俺にくれてもいいんだよ。……ッ!」
     すずめの言葉の矢先、早速咽る瑛多に。
    「ほい、瑛多。茶だ……もうちっと落ち着いて食べろ」
     これは勝負はいただきかな? と、翼は茶と苺ババロアを差し出すのだった。

     でれーっと伸びるぽんぽこ・崇をぱたり扇ぎつつ。
    「ふっふー、事前に駅前で一杯買いこんだのですっ!」
     司はメンチカツにコロッケ、小龍包にたい焼き等を【あかいくま】の皆にお裾分けして。
     嘉月が人数分買ってきたのは、友人に聞いたもんじゃまん。
    「これは……何と言うか、意外な美味しさです」
    「ん、初めて食べましたけれど、中々美味し♪」
     瓢箪型水筒で水分も補給した崇は、皆に礼を言った後。
    「さて、頑張ろうぽんぽこな!」
     マラソン後半に向けて狸ダッシュ!

    「ん……やはり主灯特製の生春巻は美味しいよ」
     好物とはいえ、山盛りにされた生春巻に少しだけ首を傾けるも。
     白夜は【白上寮】の皆と栄養補給。
    「まさか重箱用意してるとは思わなかった……」
     灯司は白夜の分が取り分けられるのを待ちつつ、五段の重箱を見遣って。
     次に弟に野菜をと筑前煮をよそう主灯に。
    「あれだな。主灯は灯司とお姫のオカンだな。おれの好物まで入れてくれるなんてオカンってばやっさしい」
    「壬夜……そういう事実を言ってやるな……」
    「おい壬夜誰がオカンだコラ。閧志も笑い堪えてんじゃねェよ」
     スポーツドリンクを渡しつつ笑む壬夜に、白夜専用ブレンドティーを注ぐ閧志もフルフル笑いを堪えて。
     白夜は皆の好物も入れている主灯に、口では何と言っても優しいねと言った後。
     壬夜から、閧志のブレンドティーを貰う。

    「……相変わらずユキは用意が良いな」
     ファンシーなひよこ柄シートに座る律嘩は、柄は兎も角と呟いた後。
    「こういう日の景色は絵にしたくなるわ」
     そんな暁に賛同し、笑み返して。お待ちかね、倖のお弁当!
    「はい、アキちゃんにはくまさんフォーク、リカちゃんにはうさぎさんです」
     可愛いでしょう? と渡されたそれに律嘩は一瞬固まるも。
     慣れた様に礼を言い、たこさんウィンナーをぷすり。
     倖も飲み物を皆に注ぎ、可愛く楽しい栄養捕球を。

    「まだこの季節は、日差しが強ぅて敵わんわい……」
    「……大丈夫ですか? 黒鵐さん」
     日陰でバテている黒鵐に、遥は冷たいおしぼりをあげて。
     【風月茶房】の皆が集まれば、楽しい栄養補給の開始!
     華鏡は消化のいいサンドイッチを。
     遥のは、料理人が作った豪華な3段お重。
     黒鵐は天むすやサラダ巻に、店の裏でひっそり熟成させた特製干し柿を。
     そして一史の弁当は、とにかく肉、育ち盛りちっくに肉。
     それらを皆で交換し、屋台で買ったあつあつのものも調達して栄養を補給するも。
    「一史……華鏡よ……頼む」
     黒鵐はマラソンに戻る際、もし動けなくなったらおぶってくれいと、かくり。

    「少しほしーな♪ ……ん、美味しー!」
    「お好きなものを召し上がってくださいね」
    「……なかなか難しいんだね、料理は」
     有人のラップサンドに、一樹や有斗のサンドイッチ、悠基の定番のおかずに燐の和風おかず。
    「頑張って作ったよ! ……クッキー少し焦げたのあるけど」
     焦げたのもご愛嬌な夏奈のクッキーに、ブラウニーやおやつやうさぎ林檎まで。
     充実した、【そよ風クラブ】の皆の栄養補給!
     瑠璃羽は目を輝かせ順に摘みつつ、南瓜のタルトを取り出した後。
    「はぁ……疲れたぁ~こういう時は甘いモノ補給するといいんだって。あ、特製スタミナドリンクいる?」
     形容し難い色のドリンクを皆へ。
     それをまず一気に飲んだ有斗は、一瞬異次元を垣間見て。
     ぐいっといった悠基は人数分の胃薬の準備済み、一樹も果敢に挑戦!
    「何が入ってるのかなぁ……見たことない色だよ?」
     夏奈は瑠璃羽から材料を聞きつつ、震える男子達とドリンクを交互に見遣るも。
    「う~ん……ちょっと酢を加えた方がいいですね」
     平然と飲み干し余裕な燐の様子を見て、ドリンクを口に。
     そして。
    「……ご、ごちそうさま?」
     効果ありすぎてか、そのままバターン。

     高いテンションの理由は、ずっと一緒のお母様と大好物のオムライス。
     耀夜は【竹耀茶寮】の皆と栄養補給をする、そんな膝上のとものに。
    「あ~ん♪」
     ライオンさんオムライスを、あーん。
     でも。
    「お母様、これ、野菜はいってる……」
     たっぷり入っている野菜に気付き、うーと唸る彼女に、笑顔で食べさせて。
     とものもお返しに、あーん。
     そして、アドバイスという名のダメ出しをライスにされつつ、道着に袴姿の始はストレッチを。
    「……ん、ライスが手伝ってくれるって? ああ、任せ……った!?」
    「なかなかこってま……うにゃ!?」
     何だか今ゴキッと、すごい音がした気がします。

     行楽日和な秋空に彩り添えるは、一佳の手製弁当。
     でも――並ぶおにぎりの中身は、隠された謎。
     絶賛したのも束の間、それは許し難いと。
     そう一詩に頬をふにっと引っ張られた一佳の味方は、遊び心溢れた乙女達。
    「チーは楽しみ増えて嬉しいな」
     そんなチセに、喉に詰まらせぬよう声を掛けた璃乃も。
    「お痛はいけませんよ」
     そう一詩に言い、手を伸ばした刹那――包まれる、ふわり暖かな温度。
     一詩は、今度は宵子を見て。
    「梅を期待して鮭だったら悲劇だろう? だからこれは愛の鞭であって」
    「……すみません、よいこも一佳さまがわです」
     その仲良しさに、遂に降参宣言の白旗を。
     でも――たのしいですね、と。
     おにぎりを手に笑み合う少女達と、妹の指の絆創膏を見た一詩は。
     嘆息し、妹の髪をそっと撫でる――御馳走様、いちか、と。


     やっぱり栄養補給大切です!
     ドリンクゼリーを飲んだ悠花は、【なのはな寮】の皆と弁当を囲んで。
    「おおっ、沢山だな。随分と早起きしたんじゃねぇか?」
     隼人は彩澄や和巳の重箱に感心し、悠花もサンドイッチ出しつつご馳走にじゅるり。
     そしてターシアに卵焼きを差し出す和巳。
    「どうぞ、ターシアちゃん! あーん♪」
    「あぅ……あ、あーん」
     ターシアは懸命に口を開けて。もぐもぐしつつ微かに笑む。
    「おい、しい……の……」
    「作ったかいがあったッス!」
     そんな弟の姿に、嫉妬の笑みを宿す彩澄も。
    「秘密の隠し味を入れた謎の佃煮をおにぎりのおかずにどうぞ? はい、あーん? ほら、あーん?」
     弟へ、あーん!
     若干うんざり気味に口を開けた和巳に、隼人も少し助け舟を出すが。
     今度は悠花が、僭越ながらーと彼へ「はい、あーん」を。

     皆でおにぎりの交換こ、これぞ【糸屋】の『ザ・青春飯』!
     蓮二のものを食べたゆずるの感想は……すっぱい。梅です。
     そして2個目も、すっぱい……レモンです。
    「……一応それ、ナノナノ、なの」
     凝ってるな、とゆずるの大きなアボガドおにぎりを食べきった清鷹は。
    「……なァそれ大丈夫か」
    「い、意外とイケる上に、栄養的にも最強……!?」
     そうバナナおにぎりを食べる綺子の味覚を心配する。
     そして十織は。
    「俺は綺子のを貰……苺ジャムだと!?」
     ミスマッチ感半端無ぇな! と目を見開くも。
    「おにぎりどうでしたぁ?」
     感想を聞かれ、一言。
    「……ああ、甘美味いぞ」
     そして甘いといえば。
    「具がプリンかよ!」
     十織のプリンおにぎりに声を上げる鉄。
     そして2個目は、容赦なく水分を奪うゆで卵おにぎりです。
     そして聖のを食べた蓮二は。
    「超甘くてネチャネチャしてて最高だ! 生クリームと米の全てをぶどう糖に変えてやるぜ!」
     生クリームおにぎりに、壊れ気味??
     そんな反応に喜ぶ聖は、鉄の高菜おにぎりの美味しさに笑み、2個目に手を伸ばして。
    「お、お水……! お水をくださいー!」
     辛子と山葵の辛さに、ジタバタ。

     同じ【カサ・トリノコ】に住む皆で、栄養補給!
    「栞ちゃんと日和ちゃんは何もってきたの?」
    「野菜、卵、ハム挟みのサンドイッチを三つね」
    「小野さんの卵焼きも、津宮さんのサンドイッチも美味しそう……っ」
     そう瞳を輝かせ、良かったらどうぞ、と。
     栞とまちこに渡された湯気立つカップには、日和の気合の野菜コンソメスープが。
     噴水見える景色の中、弁当の交換こを楽しみつつ、3人は思う。
     お外ごはんは、どうして美味しいんだろう――と。

     級友達に箸とお絞りを渡し、弁当箱を開けた刹那。
    「あっ行儀の悪いことしてんな!」
     ビシッと手掴みで卵焼きを取った郁に、悠埜はチョップ!
    「だって待ちきれなかったんだもん……」
     悠埜の卵焼きが美味しすぎるのがいけないんだよ~と頭を抱える郁に。
    「迅瀬、待てができねぇわんこは叱られんぜ?」
     供助も笑って、姉が作った弁当をオープン!
    「って、森田の弁当かっわいー……」
     頭いてぇ、と呟くそんな彼の弁当は、メルヘンなお子様ランチ風。

    「那音さん、はやくはやくー! 俺はらぺこー!」
     ダッシュで公園に着いた陽介は、栄養補給の為にシートを敷き【Lotte】の皆を待って。
     全員揃って並ぶは、皆大好きな定番おかずばかり。
    「美味しい……」
     呼吸を整え、那音の唐揚げを食べ呟く法子。
    「どうかな? おいしい?」
    「うふふ、とってもおいしいですの」
     照れつつあーんした那音に、もぐもぐと澪は笑んで。
    「かわいー!陽介ちゃん、私たちも! あーん!」
     ロゼったらやだぁ……と応じた陽介が、彼女にもあーんを返して。
    「やだみんな見てるわ。恥ずかしい……キャ」
    「俺のあーんする唐揚げが食えないっていうのか!」
     とても楽しそうです。
    「楽しんでる? こういうのもありでしょ?」
     そして、それなりに……と、ロザートにあーんと口を開けた法子の顔も。
     やっぱり、楽しそう。

    「うーん、どうでしょうか……」
     【喫茶 Calla】の新メニューの試作品を出したアルゼに。
    「その中お菓子しか入って無いようだけど大丈夫?」
     この後保つ? と訊ねつつ、沢山ある弁当を分けてあげる恵那。
     そして真っ赤になったアルゼの好感度UPを狙い、彼女のシュークリームを試食した摩耶は。
    「まぁ、とっても優しい味だと思います。まるでアルゼさん心を映したようですね」
     そう感想を言った後、恵那のおかずも摘んでみるのだった。

    「マラソン大会って、お弁当を食べる行事だったのね」
     当たらずとも遠からず?
     こよみは、里桜と司の為に、二人が大好きで栄養満点な弁当を用意して。
    「りお、おねーちゃんのから揚げ好き!」
     じっとあーんのおねだりをする里桜の口に、唐揚げを。
    「ずるい! ボクも!」
     司も口を開け、あーん!
     それから、二人にあーんを返されたこよみは。
     里桜と司のほっぺのお弁当をそっと取り、ぱくり口に運んで。
     今度は、お礼のぎゅーをされるのだった。

     元児丸が運んだ級友達の沢山の荷物が、シートの上に置かれて。
    「作りすぎたか……?」
     並ぶエモの重箱の中は、記念写真を意識した綺麗な盛り付け。前日から仕込んだ力作!
    「私も少し手伝ったんだ、味見して量減ったけど……」
    「蕎麦稲荷、口に合うと嬉しい」
     忠桂は大学芋を、笙音が差し出すのは蕎麦稲荷。
    「……あの、お菓子を持ってきたんですが……食べますか?」
     アーニャも弁当と、クッキーやチップスのお菓子を持参して。
    「こんなに作れるなんてすごいな! いただきまーっす!」
    「エモの弁当や忠桂の大学芋、アーニャのチョコクッキーも旨いよ」
     皆で仲良く、栄養補給!
    「こんな美味いものを毎日食えたら幸せだぜ」
     みんなうちの子になってくんねえかな、と元児丸は呟いて。
     皆で並んで、記念写真をパシャリ。
     マラソンも負けません!

     お弁当を食べて元気になるですーと。
     エイティーンを使い沢山食べようと試みたリリーは。
     いつもとあまり食べる量は変化なかったけれど、栄養補給は万端!
    「すっぽんの生き血のトマトジュース割り、すっぽんとうなぎのおにぎりに……スタミナメニューでがんばるっす」
    「ま、まぁ、食べれるよね。一応……」
     ちょっとイチャイチャ仲良くお弁当を楽しもうと思っていた新も心配気な夜鷹の元気になる弁当は、夜寝られないほど効果ありそうだ。
     そして、まけねーっすと夜鷹が見る八九三は。
    「ま、さくっと作ってみた。口に合うといいんだが」
     十段の重箱×3を広げるも、その指には絆創膏が。
    「ちょ、くーみん頑張りすぎ! ってか、凄すぎ!!」
     同じクラブの千巻はその弁当量につっこみつつ、もりもり沢山食べて。
     残りのマラソンも頑張ります!


     早起きして幸が作ったのは、雪之丞のキャラ弁。
     でも。
    「ああああー!?」
     ぐしゃっと偏った弁当に、しゅん。
     だがふいに、ほれ、あーん、と。幸にハンバーグを食べさせ雪之丞は笑んで。
    「美味いぜ、さっちゃんの弁当。一緒に食べてるからなおイケる!」
     幸も嬉しそうに頷き、お返しのあーんを。

     並ぶ今日子の弁当を、立夏は幸せそうに食べつつ。
    「ンー、あとはこれがお約束とゆーか」
     口を大きく、あーん!
    「やってみると、想像より恥ずかしい……」
     そしてウインナーをあーんしてくれた恋人に。
    「お弁当もウマイしキョーコも可愛いしサイコー!」
     ニッコリと、毎日お弁当作ってアピール!

    「どれから食べたい?」
    「食べさせてくれるん? ありがとなー」
     連理にあーんして貰った卵焼きを、怜はぱくり食べてから。
     これからもうちに御飯つくってなーと笑んで。
    「気持ちええわー」
    「無理しないようにな?」
     怜が倒れると悲しいから、と頭を撫でる連理の膝で。
     のんびり、食後の一休みを。

    「出汁巻! 俺好きなんだよな」
     シアンの弁当を覗いた祇弦はそう声を上げて。
    「キミはホントに美味しそうに食べてくれるね」
     旨味溢れる出汁巻の美味しさに笑み、他のものも綺麗に完食!
     そして。
    「シアンも一緒に寝ようぜ」
     共犯だと笑む祇弦の誘いに、仕方ないなぁと、シアンもへらり笑み返す。

     互いの弁当を食べさせ合いっこし、小休憩を取る、シャルロットとハルトヴィヒ。
    「……美味しいですか?」
     一応味見はして貰っていますがと、そう自分を覗き込む彼に。
     ん、美味しいわ、とシャルロットは頷いた後。
    「ハルト、あーん」
     タコさんウインナーをそっと彼の口元へ、あーん。

     颯志お……颯志さん! と。
     肩をぶつけた悠との再開は、まるで三文小説かの様で。
    「よかったら私と一緒にお弁当食べませんか?」
     ハンバーガーを隠しつつ、二つ返事で了解する颯志。
     そして久しい人の手料理を、味わう様に口に運びつつ。
    「美味しいよ、ありがとう」
     成長した少女に、そう礼を。

     環の母上は料理上手だねぇ、と、肉づくしな弁当を覗く灯夜に。
    「ねぇ、食べるの手伝ってくれない?」
    「え、もらっていいのかい?」
     さすがに小学生には量が多いと、そう差し出す環。
     そして、遠慮なく頂くな、と自作の弁当共々、美味しい栄養補給をした灯夜は。
     残りの距離、二人で完走を目指す。

     ……なぁに、食べさせてくれないの?
     そう引き寄せられた已鶴の手の感触に、暦の頬が紅に染まって。
     あーんと口に運んだ力作の卵焼きの出来にドキドキしながら。
    「……え、えっと……どうですか」
    「……もちろん、美味しいに決まってるじゃない」
     訊ねた言の葉に返るは、優しく幸せな彼の微笑み。

     ペースの早いクロノに声掛けつつ走るアリスは、自販機で沢山スポーツドリンクを買い込んで。
     着いた公園で二人、英国風サンドイッチで昼食を。
     細長いパンに、キュウリやハムやゆで卵。それに。
    「好きなものから飲んでいいわよ」
    「いっぱい買ったなぁアリス」
     沢山のスポーツドリンクも、一緒に。

    「一段目が俺で二段目が巡さんのです」
    「……あれ、俺の分もあるの?」
     ぱちくり紫の瞳を瞬かせた逢時・巡は、嫌いな物はないからと柔らかく帷に笑んで。
     余裕ある彼の表情に若干ムッとしつつも、飲物の調達をお願いする帷。
     そして二人は一緒に、頂きます――と。
     再び頑張れるよう、栄養補給を。
     
    「わ、可愛くって綺麗なお弁当♪」
    「えへへ、ケーキ♪」
     そうはしゃぐ沙雪とフローレンツィアが相手を見つめ思う事は、同じ。
     気に入ってくれるかな? と。
     そして。
    「ぅー……すっぱい」 
    「おぉぅ、ほんのり苦くて美味しいねー♪」
     梅お握りとビーネンシュティッヒを食べ、顔を見合わせて。楽し気にくすくす。

     きつくはないか? と正嗣は、転んだ日姫の足にハンカチを巻いて。
     申し訳なさ気に謝る日姫。
     そして見つけたのは、ホットドック。
    「私、買い食いするの初めてで……なんだか嬉しいです」
     そうはむりと食べながら、嬉し気に隣に並ぶ彼女に。
    「そうか、なら俺と一緒だな」
     正嗣もそう、笑み返す。

     リア充なあーんは、残念ながら却下。
     そして返ってきた軍の感想は、何故か食べたハンバーグではなく以前のオムライス。
     そして試しに自分で食べてみて。
    「こ、今度は美味しくつくるもん!!」
     新食感なその出来に悔しがる涼花に。
    「不味くはねぇって」
     早起きしたんだろうなと、軍は頬を緩める。

     ふいに翡翠の心配気な視線に気付いて。
    「うん。おいしいな」
     そう卵焼きを頬張る雲龍。
     その言葉に翡翠は笑んで。
    「喜んでもらえてよかった。また作ってくるねっ」
     ふあぁっと、思わずあくびを。
     そんな様子に、早起きしたのかなと。
    「ありがとう。大変だっただろう」
     支えつつ、弁当の礼を。

     目の前には、大きな3段重が2つ。
    「……露ちゃん。これ、二人で食べる量なわけないよね?」
     そう訊ねた文乃に。
    「とっても美味しいの。だから文くんたくさん食べてね」
     笑顔で色々勧める露。美味しい手作り弁当です、お手伝いさんの。
     そして小食な文乃は思う。
     明日は学校休むかも……と。

    「ふふっ、沢山美味しい物を作ってきましたですぅ♪」
     シートの上に並ぶは、早起きした冰雨の特製弁当。
    「家でも此処で対して変わらない気もするが…」
     そう月は呟くも、それでも嬉しいと笑む冰雨に頷いて。
    「……まあたまには外に出るのも悪くないな」
     とりあえずサボりは決定、と二人お昼寝を。

     場所を確保すべく、何気に公園までマラソンした七波は。
    「これはおいしい」
     後に着いた七葉の弁当を摘み、舌鼓を打つ。
     そして多めに作ったという七葉手製のおかずを紗矢や皆にお裾分け、皆で栄養補給を楽しんで。
     時計をみれば、もういい時間。
     そして猛ダッシュすれば……脇腹の痛みはお約束。

     魔人生徒会の人にも差し入れをした緋織と眞白は。
     今度は二人でのんびり、栄養補給。
    「……ん、貰ったサンドイッチもおいひい……」
    「おう、緋織のも中々……!」
     互いの弁当を交換こしたりした後は。
    「緋織もよかったら一緒にどうだ? 気持ちいいぞ~♪」
     秋風に吹かれて、ちょっぴりだけ休憩。


     颯音は、買った様々なパンをひたすら並べつつ。
     栗花落・唯の、パンに合うおかず沢山のお弁当に目をぱちくり。
     そして貰ったパンに頬緩ませて。
    「ね、ね。お礼。食べてみて?」
     唯が差し出すは、自信作の卵焼き。
     そして穏やかな秋空の下、つい眠気を感じるも。
     ほら、と。互いに手を差し出し笑み合う。

    「はい、ユッカさま、あーん」
    「はい、あーんっ。うん、おいしい!」
     ユッカが指定したおにぎりを、エルディアスはあーんと差し出して。
    「はい、あーんっ」
     今度はユッカから彼女へと、お返しのあーんを。
     周囲も弁当に夢中できっと誰も見ていないだろうと。
     暫くゆっくり、二人の時間を楽しむ。

     ……全部、食べてもらえるかしら。
     樹はそればかりが気になって、合流し一緒に栄養補給する空人ばかり見てしまって。
     そんな自分の弁当に手付かずな彼女に気付いて、持っているものを樹へと差し出してみる空人は。
     勿論、作ってくれたものは残したくないと思う。
     そして栄養も十分補給して。互いに、隣でゆっくりしたいと。
     日当たりの良い中、走り出すまでの充電を。 

     料理のイメージがない晶のサンドイッチは貴重な気が!と思いつつ。
     ハニーレモンケーキを作った凪は、その気持ちが何よりも嬉しくて。
    「簡単な物しか作れない……っ」
     ヘルシーだと思い直す晶は、彼のデザートに期待。
     そして食べさせあいこなんかをした後。
     生徒会の人にも、ケーキをお裾分け。

     少し先を走るミルフィは。
    「アリスお嬢様っ……頑張って下さいまし」
     まずはアリスを先導する白兎。
     そして着いた公園で開かれるは、白兎のお茶会!
     腕によりをかけたお重の弁当をアリスは並べつつ。
    「はい、ミルフィ、あ~んして下さい……♪」
     ゴールまで案内してくれる白兎さんに、あーんを。

     転ばぬ様にと公園に着いた羽衣は慧樹と栄養補給!
     おにぎりを沢山並べるも。
    「……テンションあがって、もはや何を具にしたか覚えてなかったりする」
     まさかのロシアン!?
     そして慧樹の具は、少し変わっているが美味しい卵焼き。
     それから羽衣は、上位狙う慧樹にがんばってねと、手をふりふり。

    「こんな風に利亜くんの弁当が食べられちゃうなら、毎日マラソンでもいいなー」
     正に幸せだと、転寝は利亜の弁当に舌鼓を打つも。
     でもやはり毎日マラソンは辛いから。
    「お昼一緒の時はお弁当差し入れましょうか」
     利亜はそう嬉し気に笑む。
     そしてまた来ようと約束を――次は、紅葉色づいた頃に。

     マラソンは苦手だけど、魔人生徒会は怖いと。
     コルネリアは、着いた公園で蒼月と栄養補給を。
    「こういうお友達らしいことをするのって憧れだったんですよね」 
    「……僕も……こうして友達と外でお弁当食べられるなんて嬉しいな♪」
     そう笑み合う二人は。
     唐揚げとタコさんウインナーを、交換こ。

     魔人生徒会側として公園内を巡回するも、個人的に芳しくない様子の雪緒は。
    「……約束のパンケーキ、買って来た」
    「わ……! ありがとうなのですよ水希!」
     目を輝かせ、待ち合わせ場所の池沿いのベンチで水希と糖分補給!
     なかなか難しいけれど。取り締まりもマラソンも、これでまた頑張れそう。

     嫌な予感ほど、当たるもの。
     昂修は、飛鳥の自作と分かった弁当を拒否するも。
    「昂修のために一生懸命作ったのに……いっぱい練習したし……」
     絆創膏見せつつ、だから食べて? とウルウル、強引にあーん。
     そんな殺人的な甘さや他諸々にやられて。
     やっぱり倒れた昂修に、飛鳥は嬉々と膝枕。

    「うわっ、すっげー! 俺の大好きなハンバーグだ!」
     フリーシアンが早起きして作った弁当に、みるひは声を上げて。
     彼女が好きな林檎を半分こ。
     ひえひえ飲み物で水分補給して、頂きます!
     というか。
    「マラソンと言うより、お散歩みたーいなのですよー」
     運動は苦手でも、栄養補給楽しいです。

    「弁当があるなら。走ろう」
     重装備でそうマラソンする朱緋であるが。
    「朱緋のために、栄養補給がしっかりできるよう頑張りましたよ」
    「……美味しい」
     前日から仕込んだと硯が言うその量に、食べる事に専念。
     そして満腹になり、何気に帰らんとする朱緋だが。
     一緒に走ろうと、硯は手を差し出す。


    「ハムー。きゅうりー。マヨネーズ。いります?」
     そんな六華のサンドイッチと、波琉那は鶏ささみの梅しそロールカツを交換こして。
     ゆっくり自分のペースで栄養補給しつつ完走を目指し、沢山用意したおかずのトレードに積極的に応じ、魔人生徒会の人達にもお裾分けを。
     そして夢乃が紗矢に勧めるのは、おにぎり。
     ……生チョコとか、キャラメルとか、苺ジャムの具の。
     だって甘い物は、栄養補給にいいはずですから……!?
    「マラソンでは常にエネルギーの消耗が持続しますゆえ、栄養補給が必要ですから」
     そう女装したディアスが提供するのは、バナナとキウイとアボカドのジュース。
    「お、同じシャドウハンターどうし、か、完走頑張ろうね!」
     そう声を掛けチョコをお裾分けして貰ったミリアに頷き、紗矢もカッププリンのお返しを。
     晶も紗矢とフルーツサンド片手に、依頼の時の話などに花を咲かせて。
     紗矢は、あの時の菓子もだがこのサンドイッチも美味しいなと、晶に笑む。
    「飯はきっちり食わないと力が出ねえよなー……」
     そんな周に大きく頷くも。美味だが、彼の梅お握りのそのすっぱさに、思わず目をぱちくりさせる紗矢。
    「とりっく・おあ・とりーと。わらしべ長者、も、楽しそう」
     シロナはそんな紗矢とお菓子を交換して。カップに入ったプチプリンアラモードをゲット!

     散里は、不摂生が祟った……いえ、ちょっと外にでないだけだと、栄養補給で仕切り直しを。
     洋風なお弁当の食後に、アフタヌーンティーも楽しんで。
    「走る距離が距離だから、これくらいは食べないとな」
     そう皆を眺めつつ栄養補給するヴィランの弁当は、重箱二段の大ボリューム。
    「むむ……やはりコンビニの蕎麦ではこの程度か……ちゃんとした蕎麦屋を探して目を盗んでそこで休むべきだったか……?」
     木陰でこそりコンビ二蕎麦を食べるのは仙花。
    「北海道、新潟がなんぼのもんだぁ~! 山形の米ぁ美味ぞぉ~!」
     さすがご当地ヒーロー! 朱毘は弁当でも、庄内平野のアピールを忘れない。
     そして敦真は、魔人生徒会や一般生徒など大勢にサンドイッチを配った後、ぐーぐー居眠りを。
     グラウンド10kmの魔の手が迫る!?
     だがそんな彼を見つけ、何かアクシデントでもあったのかと保護したのは、淳彦。
     体調でも崩したのかと引き渡された敦真は、いろいろな意味で命拾いしました!
     そんな魔人生徒会に雇われエスケープや不正を監視する玖耀も、時間を見つけては栄養補給して。
     来た時より綺麗にする気持ちで、ゴミの持ち帰りの指導を。


    「リサ、いちごのアイスー。柚くんは何味?」
    「俺はチョコ、あと暖かいレモンティも♪」
     柚來はそう璃沙に笑みつつ。
     飴やチョコなど糖分補充出来るお菓子も駅前のコンビ二で調達!
     そして。
    「宗くん……おしるこ、あったかいの?」
     喉パサパサするけど買いたい気分だったんです。
     宗也は欲しがる璃沙に一口おしるこをあげてから。
    「一口くれー」
     冷たいものが欲しいと、柚來のアイスをぱくり。
     そして生徒会に怒られる前に、皆でコースへ復帰!

     誘惑に負けてません、栄養補給は必要です!
     アヤメはそう己に言い聞かせつつ、ひめと皐と買い食いを。
    「ボクね、フランクフルトが食べたい! あ、甘いのもいいなぁ!」
    「コロッケに点心、たいやきに諸々……全部美味しそうだな……」
     何が食べたいかと言えば、全部です。
    「今日は俺頑張るから、二人とも好きなだけ食べていいからな!」
     このたこ焼きうめーなと頬張りつつ、マラソン大会が財布殺しになるとは、と。
     皐は二人と、店を巡る。

     腹が減ってはマラソンはできぬ!?
     ということで級友の皆でやってきたのは、駅前のファーストフード店。
    「んー、あんまし腹減って無いし、シェイクにしよっかな。抹茶の」
     そう注文する紘疾の隣で、既に体力赤ランプな悠歩もジュースを。
    「体操服で買い物っていうのも、なんだか変な感じ……」
    「んーむ、ハンバーガーを食べながら優雅にマラソン……なんだこれ」
     ジンと雄介は思わず顔を見合わせるも。
    「皆さんと食べる昼食は、とてもおいしいです」
     しいなの言う通り、皆で食べる栄養補給はまた格別!
     想司は軽めのハンバーガーを食べ終えてから、ジンを見送りつつ、悠歩に声を掛ける。
    「さて、茜さん、次一緒に走りましょう」
     勿論、これは途中で追い抜くアレですけどね!
     でも。
    「イイね、のんびり行こうか」
     隠し持っていたロープで腰を縛られました。
     そして繋がれ思う――より仲が深まった、気がする??
     その頃。 
    「みんなは何買ったの……あれ? いない」
     ようやくポテトとジュースを買った絢矢は、みんなぁー!! 何処ー!? と。
     この年で迷子になったところを魔人生徒会の人に保護され、道を教えて貰うのだった。

     10キロ長っ! と。バテバテで【箱庭ラボ】の皆と走る奏恵だが。
    「まずは飲み物かなー。でも糖分摂取にたい焼き食べたい! あ、でもしょっぱい物も食べたいなぁ」
     駅前になると、途端に元気に!
    「じゃあたい焼きは買いね。それじゃあコロッケも買って皆で分けましょ」
     そしてしょっぱい物といえばと、首を傾けたかりんは。
    「そうねー、あ、小龍包とか大丈夫?」
    「小龍包食べたい!」
     すかさず挙手する奏恵に叡も続ける。
    「あと有名所で行くとドーナツとかメンチカツ?」
     沢山目移りします! でも奏恵とかりんは、保護者役の叡と一緒にお留守番。
     律花は春翔と一緒に、二人で飲み物を買いに行って。
    「後半が厳しくなるから、食べ過ぎない様にな」
     春翔は飲み物を渡しつつ、早速たい焼きを頬張る奏恵とかりんに、そう言っておくのだった。

     団子は勿論、火照った身体にジェラートも美味しそう。
    「はい、これおすそ分け!」
     結良は、甘くて美味しいよーと紗矢にも分けてあげて。
    「どこかオススメのところはあった?」
     狭霧はそう聞きつつ、クラブ【甘味同盟】の事を甘党な彼女に紹介。
     そしてマラソン後半に備えた糖分で、幸せも一杯。

     絵莉羽が調べあげた店を、【家庭科部】の皆で巡りつつ。
    「ふふっ、みんなで仲良く美味しいものを共有できるのって幸せだね」
    「そもそも私は買い食いというものはしたことがありませんわ」
     ましろとエレノアールも目移りし周囲をきょろきょろ。
     そして、甘ーい出来立てのたい焼きを買って。
    「あら、鯛を焼いたものじゃありませんのね?」
    「わたし、頭からぱっくん派」
    「これもマラソンのためだから仕方ないね!」
     栄養も糖分も補給が大事です!

     マラソン後も栄養補給必要です、きっと!
     そこで級友同士、駅前で打ち上げに必要な材料の買出しに。
    「買うものは……」
     諸事情でハロウィン衣装な未来は、お買い物メモと睨めっこして。
     総菜やお菓子を味見し、皆で栄養補給もしつつ。
    「えへへー、いっぱい買っちゃったね!」
     夏槻や夏穂は戦利品をリュックへ。
    「えっ、エスケープじゃないもん!」
     ちゃんとすぐコースには戻ります!
     そして大量の椎茸を引き合いに遥河を捕獲し荷物持ちにさせつつ。吉祥寺に詳しい彼に幾つか店を聞いて。
    「あたしは悪い子いねーかパトロール中だぜー? ほれ」
     両手一杯買い込んだ物をお裾分けするのは、魔人生徒会側の斬。
     それから級友の皆で、買い食いも楽しんで。
    「ずっとこういうの、憧れてたから」
     このクラスに来れて、良かったな……えへへとそう、七緒は笑むのだった。


    「確か前に約束してたし2、3個奢ってやるぜ」
    「んじゃね、タイ焼きと、あんまんと、アイスクリームと……」
     鷹秋の言葉に、遠慮なくミケはあれこれ買っていたが。
    「!」
     魔人生徒会らしき気配に、鷹秋は素早くミケをお姫様だっこ。
     そして抱えられたミケが、彼に食べさせて栄養補給してあげます!

    「……クレープとかなら手軽そうよね」
     面倒臭そうな様子の紫亜は、ふと由衣に提案して。
     紗矢も誘い、クレープで糖分補給!
     奢ってくれて有難うと、キラキラ瞳輝かせる紗矢に笑みながら。
     由衣は、シガレットチョコを咥えた紫亜を見る。
     こういうのも悪くないもんだ――そう物思いに耽る、彼女を。

     コース内には、美味しいクレープ屋さん。
     それにあの店の裏メニューも頼んでみたいし、昼食は勿論別腹!
     だが店に入る燐音を止める真千。
    「魔人生徒会に連れていかれてこの先のスイーツ巡り出来なくなるわよ!?」
     でも、ギリギリで大丈夫と、燐音は言った後。
    「もし来ても食べ物の恨みは怖いって事教えるし?」
     そう、にっこり。

    「街子さァ、いくらなンでも食い過ぎじゃねェの……?」
     何言ってるの、と小次郎に言って。次は何にするか見回す街子に。
    「小次郎ちゃん、次はたいやきだよ。小倉2つね」
     よく食うねェーお前……と小次郎は呟くも、別にいいンだけどよとひとッ走り。
     食べている街子は、いつも楽しそうだから。

    「あ、これ可愛くないか?」
    「うん、凄く可愛いの」
     豪華で可愛いクレープを指す彼に、こくり頷く咲那。
     だが春雪がそれを頼めば、途端にあわあわ。
     その様に春雪は不安になるも。高いから申し訳ないと、声がぽつり。
     でも遠慮しなくていいという言葉に甘えて。クレープを手に咲那は嬉し気に笑む。

    「これは? 焼小龍包ですか?」
     沙雪は、それをかぷりと齧ろうとしたが。
    「熱いのでそのままいきなりかぶりつかな……うわあ」
     アレクセイは慌てて彼女の後頭部をぽむっ、長い長い食べ方の説明に入る。
     そして、案の定。
    「あ、自分の分が冷めた……」
     説明が長くて、焼小龍包、冷めちゃいました。

     揚げたてドーナツにクレープ、飲み物も買った真夜であるが。
    「食べてすぐ動いたらおなかの横が痛い。なんで……?」
    「……って祢々ちゃん? 大丈夫ですか?」
     本気で半泣きする祢々と徒歩でゴールを目指す。
     病弱であった為、走り慣れてないのだ。
     でも痛いけど。完走しようとする姿勢は天晴れ!

     仲良くシャーロットと走りながら、レンブラントが挑戦するのは、買い食い!
     あったかいコロッケにフルーツジュース、美味しそうなものがいっぱい。
     でも色々あって悩むからと。二人は、別々のものを選んで交換こして。
    「また違う味に挑戦するのですー」
    「今度、また飲みに来ようね」
     魔人生徒会の人にコロッケを差し出しつつ、そう二人は笑み合う。

     駅前できゅるると鳴ったのは、なこたのお腹の虫。
     思わず次々と買い食いし、土産のラズベリーパイを買って、再び走っていた時。
    「なこたさん、フローズンヨーグルトのトマト味、いかがですか?」
     そう声をかけてきたのは、藍。
    「わーい。ありがとうです。おいしいのですー」
     それから二人は一緒に、ゴールを目指す。

     白果は走りつつ麗を色々叱咤激励するも、どれも普通にツッこまれて。
     買った小龍包を、ぱくりするも。
    「◎△※!?」
     火傷した挙句、水を一気飲み。そして。
    「はいはい、暴れるな。あまり暴れるとお姫様抱っこでゴールさせるぞ?」
     案の定バテてジタバタする白果を、麗はひょいっとお姫様だっこ。

     イヅナと深愛は、クレープ屋で栄養補給!
     でも、種類豊富で迷ってしまう。
     そして。
    「決めた、みあはこのオムライス風!」
    「……よし、私はイチゴバナナチョコにしよっと」
     スッとイチゴをスプーンですくったイズナは、深愛に、あーんを。
     そしてお返しにイヅナへ、深愛もあーんを返して。甘い、栄養補給を。

    「俺、ここの小龍包好きなんだよね!」
    「……って、ちょ、いやそんなに色々買って食べきれるんですか?」
     リーティスはジャスティンの買い食いの勢いに、軽食を持参しているとなかなか言えなかったが。
    「早く言ってくれよ! あそこのドーナツも買ってピクニックだな!」
    「気付いてくれてもまだドーナツ買ってるし!」
     まだ買い食いする彼に、そうツッこみを。


     今は平日の昼前。牛肉は、限定ものやレアなものを狙って。
    「うひひ……しあわせ~……うまうま」
     ゲットするごとにコースへ戻り、堅実に栄養補給!
    『目指せ完食』の鉢巻締めて。
    「食べものが、あたしを呼んでるんだぁぁぁ!」
     片っ端から買い食いする澪は、やるぞぉ! と紗矢と、互いの健闘を祈る。
     紗矢にプリンアラモードを奢り真摯な紳士をアピールするナイトの目的は。
    「紗矢ちゃん、あーんして♪」
     だがつるんとプリンが滑り、あえなく失敗!?
     生徒会を誤魔化す璃理の手段、それは!
    「私はただのどこにでもいる魔砲少女ですよ、妖しくなーい」
     土星人の魔砲少女のふり。十分妖しいです。
     真面目にマラソンに参加……するはずの、命の手には。
     クレープ、たい焼き、ドーナツにマカロン、沢山のスイーツが。
     甘い匂いの誘惑には勝てません!
    「テイクアウトもので旨そうなの、ないかなぁ?」
     影耶も小遣いで買い食いしながら。現在、歩いて腹ごなし中。
     学校行事なのにこれだけ堂々と買い食いができるとは、と。
    「探せ! 世はまさに大甘味時代!」
     目についた甘味を根こそぎ頂く勢いの梢。
     ぱくぱく買い食いしつつ蝸牛が完成を目指すは『吉祥寺駅前マップ~お持ち帰るグルメ編~』!
     スマホや手帳を駆使し、店を次々写真に収めていく。
    「やっぱり、うまいおかずにはうまい飯がないとな! ガッハッハ!」
     そう鳴は、おかずとごはんの永遠普遍の組合わせを逃さぬ様、皆にごはんを配って。
     そして、生徒会に連行される星子。
    「待って下さい話はこれ食べ終わってからにして下さい。ああその12番目の袋は甘めの品が沢山入ってて……」

    「おぉ、紗矢さん~。お一ついかがですか~。結構美味しいですよ~」
     そう睦月が紗矢に手渡すは、ゲットしたプリンたい焼き。
     腹が減っては戦は出来ぬ――これに倣うわけではないが。
     長い道のりを行くための栄養補給は必要だと、合理的かつ機能的に買い物を行なうヴァイス。
     魔人生徒会に雇われた身でも、おなかはすくもの。
     かわ、砂肝、ぼんじり、ももの焼き鳥を3本ずつ買って栄養補給をしつつ。
     京一は、問題生徒がいないか目を光らせる。
    「大食いのポイントは胃を休めん事じゃけぇ」
     お小遣いもいっぺぇ持ってきたけぇ♪ と。
     そう駅前の店々を巡るガザ美の手には、携帯食の大判焼きが。
     ほくほくコロッケにシャキシャキ野菜サラダを食べた後。
    「疲れた時には甘いものをってね」
     玉緒を誘ったのは、甘ーいたい焼きの香り。
     主にテイクアウト品を買いつつ、コロッケは味や値段を。
     たい焼きは餡子の詰まり具合をチェックする智恵理は、頭からぱくりといく派です。
    「すいません、チョコたい焼きって置いてますか?」
     そう無事チョコたい焼きをゲットした満稀も。
     同じく、頭からかぷりする派だそうです。
     ね、ね、綺月さん、と。
     るりかは、メンチカツをあげた紗矢と一緒に買い食いという栄養補給に目をキラキラさせて。
     次は、巨大パフェを食べに!

    「ここだな」
     瀬護は輸入食材店で珍しいカレーパンを買った後、迷子になってしまうも。
     生徒会に助けられて、無事コースへ復帰!
    「おぉ、紗矢ちゃんの食べてるの美味しそう!」
     そう貰ったプリンたい焼きに声を上げる野崎・唯へと。
     紗矢は、半分このお裾分けを。
     何があるんでしょうなぁ、と。
     既濁は来たことがないというこの一帯を、土産屋を覗きつつ、買い食いし散策して歩く。
    「ねえ、ここのクレープ秋限定だって! ちょっと食べてみない?」
     一樹のそんな魅力的な誘いに、紗矢は頷き、瞳をキラキラ。
     ふわっふわの衣と、とろける甘ーいカスタードクリーム。
     摩那は最高の組み合わせであるシュークリームを買い、この後の攻防戦に備える。
    「そこのタピオカとクレープの屋台はとても美味しいんだ」
     そして紗矢とヘカテーは、一緒にそんなタピオカやクレープを早速オーダー。
    「おばちゃーん、ソースたっぷり付けてねっ!」
     そう声を掛けるひらりも、まずは王道のコロッケから。
     そして一口食べたその表情は……他の客の目を引くほどに、幸せオーラ満開!
     ジンザのお目当ては、中央口近くのお菓子屋さん。
     もし生徒会が来ても大丈夫。
     逃亡時には、忍法・雑居ビル隠れの術があるから!!
     事前にリサーチしておいた小龍包を食べて、ヒルダも栄養補給!
     飲み物も、ウーロン茶にスポーツドリンクと万全。
     そしてゴミは勿論、持ち帰りです!

     此処はやはり小龍包とかの点心か、でも甘い物もあると良いんだけど、と。
     琉珂は色々と買ってみて。余った分は、魔人生徒会にお裾分け。
    「ふふふふふ……ボクこういう事に関しては抜かりはない!」
     そうどや顔する三々三は、紗矢も誘って。
     調べておいた買い食い可能な店の完走を、無駄なく目指します!
     メイド服に首の聖骸布、牛乳を飲むクアドラの手にはやはりコレ、やきそばパン!
    「栄養補給トいえばやきそばパンに勝るモノ無しデス!」
     そして学校行事は真面目に参加、これが正しい生徒の在り方!
     たとえ一緒に弁当食べる人がいなくても、豚汁がある! と。
     そう言うラシェリールは、商店街で同じく独りで走るランナーに、頑張ろうなと豚汁や団子のお裾分けを。
     HAHAHAと笑いながらホセが食べ歩きまくるのは、ただひたすらにパスタ。
     念願の、ジャパンのパスタ食べ歩きです!
     良介がエンドレスに買い食いするのは、甘い物としょっぱいもの。
     行列のできている店でコロッケを買ったこのみは。
    「コロッケになった牛さんや豚さんに感謝を込めて……いただきます」
     とりあえずまず一口、齧ってみる。 
     与四郎は、メンチカツにコロッケ、小籠包や餃子を買って。
     デザートに、たい焼きとドーナツの両方を買いに走ながら。
     マラソンって意外と楽しいのかもしれないと、そう思うのだった。
     さすが駅前、ただでさえいつも沢山の人で溢れているのに。
    「この中のどれだけの人が学園の人なんだろう……」
    「……あの行列が全部、武蔵坂学園の生徒だったりして」
     ありえそうな話です。
     そして了はイトセと逸れぬよう、肉まんやたい焼きを食べた後。
     気持ちを切り替え、いざゴールである、武蔵坂学園へ!

    作者:志稲愛海 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2012年10月31日
    難度:簡単
    参加:334人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 0/感動した 1/素敵だった 61/キャラが大事にされていた 28
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