●
絆の忘却を感じながら、ヒトならざる存在は眼前に広がる光景に目を細めた。
雲一つない空に月が浮かび、そして、その下で輝くのは煌びやかなネオン。
ああ、また絆が一つ、消えていく。
人ならざる存在――アリシアはそれを感じ、ふっと口角を上げる。
だが、消えない絆もある。
それは、『半身』が傷つけてしまった絆。傷つけられてしまった絆。
どちらも忘却しようにも、忘却できない絆だ。
「……忌々しい絆」
低く言い、髪を払うアリシアはただじっと、待つ。
そして――。
「さて、『偽りの平和』を壊しに行きましょうか」
ふわりと緩やかな風に黒のロングコートがなびき、揺れる髪を抑える指にはめられた指輪がちかりと輝いた。
●
結城・相馬(超真面目なエクスブレイン・dn0179)は真摯な表情のまま、資料を手に教室へと入って来た。
どうしたのかと問えば、暗殺武闘大会にて闇堕ちした緑風・玲那が見つかったというのだ。
「闇落ちした玲那さん、……今は『紅の片翼』アリシアと呼ぶべきか。彼女は名古屋駅付近にいる。黒の王の元へ向かおうとしているようだ。彼女の元へ向かって欲しい」
そう言い、相馬は資料を開く。
闇落ちし、ダークネスとなった玲那――アリシアは、名古屋駅に近い場所にいる。
「彼女がいるのはビルの屋上。いきなり攻撃してくることはないと思うから、彼女を救いたいならアリシアに、内で眠る玲那さんに声を届かせる必要がある」
話しながら相馬はぺらりと資料をめくり、声を届かせる為の説明を続けた。
「玲那さんの縁者が次々と闇堕ちし、それだけではなく、闇堕ちから戻る事無く亡くなった縁者もいるようだ。それによって、彼女は自信を失っている」
そんな彼女が『剣を振るう理由を再び見出す』事が最大の説得になる筈だと相馬は言う。
そして、アリシアは2つの質問を投げかけてくるとも相馬は言う。
「アリシアからの質問の1つは今の学園や灼滅者をどう思っているか。そしてもう1つは『個』として『半身』を殺すか助けるか、だ。前者の方は……まあ、彼女がこの質問に何を求めているのか、正直俺には分からん。ただ、後者の方だけはこの依頼に参加するチームとしてではなく、一人一人に問いかけてくる筈だ」
前者はともかく、後者は必ず全員に、理由も聞いてくると言いながら、相馬は資料をさらにめくる。
「気を付けて欲しい。アリシアは曖昧な、……そうだな、『みんなが待ってる』とかいった不特定な説得は聞き入れないだろう。それに、彼女の問いは前者は全員が決めた方針でも問題はないが、後者は必ず一人一人に聞いてくる」
回答次第では女の反応は変わってくるだろうと、資料をめくる。
「説得が失敗した場合や、ある程度のダメージを負った場合、アリシアは撤退してしまう。闇堕ちした玲那さんはまだ完全ではないが、撤退を許せば完全なダークネスとなってしまうだろう。彼女がもし、ダークネスとなってしまったら……」
言葉は途切れ、エクスブレインと灼滅者達の間に静寂が流れ。
「お前達に全てを託そう」
それだけを言い、エクスブレインは資料を閉じた。
参加者 | |
---|---|
ギィ・ラフィット(カラブラン・d01039) |
色射・緋頼(生者を護る者・d01617) |
咬山・千尋(夜を征く者・d07814) |
皇樹・零桜奈(漆黒の天使・d08424) |
マリナ・ガーラント(兵器少女・d11401) |
杉凪・宥氣(天劍白華絶刀・d13015) |
黒岩・りんご(凛と咲く姫神・d13538) |
三影・紅葉(あやしい中学生・d37366) |
●
非常階段を上り屋上へと出れば、月明かりに照らされた姿はすぐ見えた。
「ばんはっす。玲那さんを迎えに来やしたよっと」
ギィ・ラフィット(カラブラン・d01039)の声に玲那と呼ばれた、ヒトならざる存在――『紅の片翼』アリシアは、ゆっくりと振り返る。
髪が風に揺れ、見つめるのは血のように紅い、瞳。
「随分印象変わったっすね」
あの時――暗殺武闘大会の決戦で共に戦った時とは異なる姿にギィが言えば、彼女はこちらへと歩み。
「よく分かりましたね、私がここにいると」
「玲那さんは大切な団員ですから」
アリシアへと声をかける色射・緋頼(生者を護る者・d01617)の隣で、黒岩・りんご(凛と咲く姫神・d13538)は頷いた。
揺れる髪をそっと手でおさえ、ダークネスの中に眠る玲那が前を向けるよう選びながらりんごは言葉を紡ぐ。
「玲那さんは自信を失っていると聞きました。加賀・琴さんや、ルナ・リードさんは付き合いの深さでは玲那さん程ではないにしろ、助けられなかった後悔はわたくしにもあります」
そう話すりんごの脳裏に浮かぶのは、闇堕ちし、戻る事なく消えていった二人の姿。そして、玲那と同じように決戦で闇堕ちしたロードローラー。
りんごが言う二人は玲那が自信を失った原因の一つなのだろう。アリシアはその名に反応を示したようだ。
そして、マリナ・ガーラント(兵器少女・d11401)へも瞳を向ける。
「玲那は親友であり戦友……命の恩人……今度は私が助ける番だと……」
「お姉ちゃん、一緒に帰ろうだおっ」
皇樹・零桜奈(漆黒の天使・d08424)とマリナの声に耳を傾けたアリシアだが、その表情は一変した。
「……来たの」
灼滅者達へと向かう足はぴたりと止まり、低く、吐き捨てるかのような声。
咬山・千尋(夜を征く者・d07814)は急にアリシアの雰囲気が変わった事に気付き視線の先へ向けば、そこには杉凪・宥氣(天劍白華絶刀・d13015)が立っていた。
「……そう……来たのね」
紅の瞳は細まり、内に眠る玲那の感情がにじみ出るような声でアリシアは睨む。どうやら宥氣が懸念していた事は的中しているのだろう。
懸念はしていた。だが、助けたかったから、ここへ来た。
「……忌々しい絆達」
「ダークネスは不幸が溜まった成れの果てだ。不幸な人だが死人よりもたちが悪い」
険悪な雰囲気の中、三影・紅葉(あやしい中学生・d37366)は口にし、
(「玲那さんは、仲間の死を受け入れられないようだ。心の隙間ができたんだろうな。それを埋めるのがまた仲間だ」)
内心でそっと呟いた。
●
「アリシア、あんたが思い描く理想の世界ってのはどうなんだ? 黒の王に仕えることが、玲那とあんたの最善の道なのか」
「共存望むなら『半身』の玲那さんと相談し決めるべきです。2人の結論ならありだと思いますが、聞きましたの?」
「吸血鬼による支配は私の願いです。……私と『半身』が相談?」
千尋と緋頼が問いかけるとアリシアは返し、理解できないと態度で示した。
「『偽りの平和』とは何を指しますの?」
「あなた達こそ、今の武蔵坂ついてどう思っているのです? それに、私の『半身』をどうするつもりかを」
更に問う緋頼を聞き流すアリシアは髪を払いながら、2つの問いを投げかけてくる。
やはりか。
アリシアが問う事は、エクスブレインから事前に聞いていた。だからこそ、各々は答えを導き出している。
「今は何を目的としているかが……わからない……暴走しているように見える……」
「確かに正直暴走気味っすね。ダークネス組織と同盟しなければ、無差別にダークネスを殲滅しそうっすよ」
零桜奈に同意したギィは、朱雀門の生徒会長が説いた食物網の視点が必要と思うと更に言い、りんごも答える。
「特にどうも思っていないが正直な所でしょうか。わたくしにとって大事なのは、わたくしの日常を守る事なので現状それには学園にいる方が都合がいい……というくらいですね」
「そうなんですね、りんごお姉さま」
正直な思いを聞き、現在の武蔵坂は怖いと緋頼も話す。
「今もまだ、自分一人じゃ出来ない事をみんなでやるための場所じゃないかおっ? たとえ足並みがバラバラでも、だおっ」
「教師や生徒を含め、悪人も善人もいるのが武蔵坂学園だ。学園のやることが正義じゃないと言う人もいるけど、人類の存亡のためだぜ。意見が違っても仲間だということは忘れなければいいはずだよな」
マリナと紅葉も答え、
「共存か殲滅か。あたしも含め、ダークネスとの関係に悩んでいる奴は多い。灼滅者の中にも、心境が変わり始めた奴がいる」
まだ変われないまま戦い続けていると話す千尋も答えた。
一人一人の考えに耳を傾け、7人分。アリシアは言葉なく瞳で最後の一人に促した。
「特に何も思ってない。例え学園側が何かをするにしても結局は自分達の意思で正しさを判断して行動すればいいから」
宥氣は答え、
「僕は緑風さんを助ける。始めから助ける以外の選択肢はないし、叶うかは別としても伝えなきゃいけない事もある。それに自分も緑風さんに助けてもらった内の一人だから、今度は自分が助ける番」
言いながら闇堕ちから救ってもらった時の事を思い出す。
「自分も助けてもらった一人っす。玲那さんのお陰で自分達は助かったんすから、そのお返しに。それに、まだきちんとお礼言ってないんすよ。感謝の言葉を本人にしっかり伝えたいっす」
決戦にて救われたギィも答え。
「彼女は死ぬためでなく生きて仲間を護るため貴女の力を借り戦った。そんな彼女を素晴らしいと思い助けに来たのです」
「ええ、ちろん助けます。わたくしの日常の一部ですしね」
緋頼の隣でりんごは言い、
「助けるさ……。誰も死なせない為に……玲那は……貴女を頼った……。そして……護り切った……。その決意は……とても尊いと思った……」
「玲那が闇堕ちして悲しむ人がいるのなら、あたしは玲那を救いたい。同じ闇を宿す仲間として」
零桜奈も答え、千尋は悲しむ人が出ぬ様に、同じダンピールとして声を向けた。
「人格がいくつあってもいいし、人格は変わるものだ。半身を殺す必要がないし、受け入れるべきだ。助けるぜ」
「……私と『私の半身』を多重人格か何かと思っているのですか」
紅葉の答えにアリシアは訝しむ。だが、思考を切り替えるように軽く頭を振り。
「助けたいと願っているのですね、私の『半身』を」
「助けるも何も、選ぶのはお姉ちゃん本人だおっ?」
マリナの言葉に、アリシアは軽く瞳を伏せ思案を巡らせているようだ。
「黒の王の理想が人との共生ではないとしても従えるか?」
無言の時が流れる中で、紅葉は問う。アリシアは伏せた瞳をゆっくり開き、
「吸血鬼による支配が私の願いだと、既に答えています。人は餌や同族と化す可能性として愛おしい存在ですから」
「闇にのまれても不幸が増えるだけだぜ」
答え、返る言葉にきゅっと眉が寄った。
――そして。
ダークネスは出口へとゆっくり歩き出す。だが行かせる訳にはいかない。行く手を灼滅者達が陣取り遮った。
「clothe……bound」
ヘッドホンの電源をオンにして深呼吸すると宥氣の目は紅く染まり、臨戦態勢となる。
そして額にスレイヤーカードを翳した後、目の前で水平に振る宥氣は解除コードと共に換装した。
「タダ我ハ皆ノ生ノ為ニ……ソノ人生(ジンジョウ)ヲ是(ヨシ)トスル」
「それじゃ、真正面から相対するとしやしょうか」
親友であり戦友を救うべく零桜奈はスレイヤーカードを発動させ、ギィも『殲具解放』と解除コードを口にする。
「王下で偽の平和から救えるのなら、その未来を私は見たい。その為ならどんな事をしても。……『半身』と共に戦った者が目の前に現れても」
月明かりにルビーが輝き、その手には、いつの間にか紅の剣が握られていた。
●
「どいてください」
ぎいん!
素早く繰り出された紅の剣はディフェンダーである零桜奈の太刀によって阻まれる。
「緑風さんは助ける」
覚悟と共に宥氣の影が放たれ、ばっと弾いたところへ黒に染まるギィのレーヴァテインをがアリシアを狙うが、炎は微かに髪を焦がしただけだった。
「流石っすね」
少ない手ごたえにギィは呟き見れば、緋頼が夜霧隠れを展開させる中でりんごがレイザースラストを放っていた。アリシアと零桜奈の太刀とが打ち合い火花を散らし、迫る千尋の十字架戦闘術は防がれる。
マリナの刃によって斬りつけられたアリシアは、それでも狙い定めた紅葉のレイザースラストを腕で庇い、ダメージを軽減させていた。
「埋めてやらないとな、玲那さんの心の隙間を」
紅葉の声に攻撃を受け止めながら仲間達は頷く。
声を。
ダークネスの内に眠る、彼女へ声を。
「わたくしも仲間を守るために最後の手段を選択した事ありますし、玲那さんと同じく友人を救えず失ってます。この直前の戦いでも仲間の一人が堕ちて戻れなくなりました。助けられなかったのは此方も同じです」
攻撃の手を止めずにりんごは声を向けた。
「でも、失い、取り戻せないからこそ、前に進まなければいけないと思います」
諦めて欲しくない。琴やルナ、もう戻る事はないであろうあの男の面影が脳裏を過り、訴え、
「あなたはこの前仲間を護れました。それは後悔や絶望でなく誇りであり希望。堂々と凱旋し誇りなさい」
前列へ夜霧隠れを展開させ緋頼もまた、訴える。
「護った仲間を、まだいる友人達をこの先共に戦い護る。それは剣を持つ理由になるのでは」
言葉と共に仲間へ向けた守りの中には、玲那が守った仲間がいる。
「玲那……みんなを助ける為に……その選択をした……。その決意と覚悟は……誰にでもできる事じゃない……。田子の浦での戦闘…私は玲那に助けられた……」
言葉を向け零桜奈が思い出すのはあの、田子の浦。
「玲那は十分……人を護る為に……剣を振るえるよ……」
「剣でこそ守れるものもあるっしょ。例えば誰かの背中とか」
握る剥守割砕で紅の刃を打ち払い、仲間達の攻撃を受け捌く姿に声を向けるのはギィだ。
「誰も一人きりで全部は守れないっす。補ってくれる人が必要っすよ」
「補ってくれる人……」
払われ、紅の剣は宥氣の刀とも打ち合い。
「人間がダークネスに闇堕ちしていく中で、いくつもの悲劇が生まれてきた。そんな負の連鎖はもうまっぴらなんだよ」
足元の影のカード群がゆらりと揺れ、姿を変えるのを目に千尋も声を上げる。
「喪った人たちがいるなら、託された想いもあるはずだ。ひとつひとつ思い出すんだ」
武器と化した影を放ち、マリナは共に所属していたクラブを何も言わず去った事をぽつりと口にした。
傷付けられ去ったと思われたに違いない。だが、それはとんだ思い違いだ。
「マリナに聞くのも勝手に理由を想像して苦しむのも本人の自由だおっ」
そこで言葉は一旦途切れ、
「傷つけたのも、傷つけられたのも、それともう一度、向かい合うって選択も投げ捨ててそのダークネスと一緒になるなら、マリナは一緒に殺すだけだおっ」
構えた盾と共に、訴えた。
「でも、ほんの少しでも勇気を持って戻って何かしたい、って思うのなら、マリナは全力で闇をぶっ飛ばしてお姉ちゃんを引っ張り戻すだけだおっ」
雲一つない空の下、戦いの音と、救うための声が交差し。
(「黒の王の理想が人との共生ではなかったら、灼滅者をこの場で殺せるのだろうか?」)
戦いの中、ふと、紅葉は考えた。
それは、紅葉がアリシアに問うた質問の、聞かなかった問い。
零桜奈と千尋の攻撃を受け、それでもマリナの放つサイキックを捌く懐へ飛び込みクロスグレイブを構えるが、ダークネスの体はひらりと宙を舞う。
「いい事を教えてあげます。私はとどめを刺さない」
ざ、ん!
冷たい声と共に切り付けられ、思わぬダメージに紅葉がバランスを崩すと刃は再び向き。
「でも、全力は出します」
「……く、っ」
激痛に見れば、紅の剣が己の体に吸い込まれていた。
●
貫く刃は払われ、紅葉は血濡れた腰を押さえたまま、その場に崩れ落ちる。
「紅葉さん!」
宥氣とアリシアの刃が打ち合い、ギィも続く中で声を上げた緋頼は回復を試みるが、間に合うか。
「ここで止まっては、次の誰かを救えるかもしれない機会を失います。次の誰かのために、共に背負って進みましょう」
このままでは嫌な予感がする。りんごは説得し続けた。
「まだ間に合います。進みましょう、共に」
美女桜からの一閃と共にりんごは訴え、
「もうこれ以上……誰かを失うのが怖い……」
「何度でも言うよ、あたしは玲那を救いたい。だから、ひとつひとつ思い出すんだ」
命の恩人を助けるべく零桜奈はその思いを、千尋もアリシアの内へと声を向けた。
放つ影でアリシアを縛り、マリナも続き。
「今度は助ける番、そう言ったわね」
紅の瞳が細まり、見据える先にあるのは絆を持ちし者。
ダークネスが放つ逆十字と共に、声は宥氣へと重なった。
「さあ、助けて。私があの方の元へ向かう為に」
「っ?!」
響く声に得物を構える手がかすかに震える中、目前ではアリシアが仲間達の攻撃を捌いていた。
受けたダメージが蓄積されているのだろう。ちらり紅の瞳は動き、そして――。
「行きましょう、イージア。あの方の元へ」
「駄目だお、お姉ちゃん!」
まずい、撤退する。マリナは瞬時に気付き、叫ぶ。
「くっ、玲那さん!」
唐突に向く攻撃を受けながらもギィも叫んだ。
催眠の効果か、仲間へと攻撃を向ける宥氣によって生じた隙は大きかった。ダークネスは灼滅者達の間を一気に駆けようと動く。
駄目だ、ここで逃しては全てが無駄になる。
「皆! 一気にカタをつけるっすよ!」
宥氣を払い、叫ぶギィは黒き炎を放つ。
「邪魔をしないでください。私はあの方の元へ……!」
まともに受けたアリシアは悲鳴に近い声を上げる。
あの方の元へ向かわねばと必死に攻撃を捌き、払うが、灼滅者達の助けたいと願う攻撃が行く手を阻み、畳みかける攻撃になす術もなく。
「……うっ、っ……、……」
腕を伝い、ぽたりと血が落ち。ダークネスは崩れ落ちるように倒れた。
「玲那!」
「玲那さん!」
千尋と緋頼は声を上げ、仲間達も駆ける。
近づけば、命のともしびはまだ、残っていた。
「私は……玲那に憧れてる……。貴女に力を求めてでも……みんなを護った玲那に……それを……忘れる事は絶対にない……」
向けられる零桜奈の声を耳に、紅の瞳は閉じられた。
無言の時が流れ。
仲間達が見守る中、その瞳はゆっくりと開かれ――。
片翼の翼が求めし先にあったもの。
――それは……。
雲一つない空に浮かぶ月は煌々と、ヒトならざる存在であったもの、そして灼滅者達を冷たく照らすのだった。
作者:カンナミユ |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
|
種類:
公開:2017年3月10日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
|
||
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 5
|
||
あなたが購入した「複数ピンナップ(複数バトルピンナップ)」を、このシナリオの挿絵にして貰うよう、担当マスターに申請できます。
|
||
シナリオの通常参加者は、掲載されている「自分の顔アイコン」を変更できます。
|