「君達に集まって貰ったのには、訳がある」
腕を組んで一同の前に立つ座本・はるひ(大学生エクスブレイン・dn0088)は、実はラジオウェーブのラジオ放送が確認されてねと切り出すと、何故か教卓の中から色々なモノを取りだし。
「まぁ、これらについては後で説明する。まずはラジオ放送の内容の方を聞いて欲しい」
全てを横に避けると、語り始めた。
「これで、どうだ? いや、違う……」
刀身の青い日本刀を一振りすると、納得いかない様子で頭を振るのは一人の少女。いや、少女というのは正しくない。形こそ少女ではあるし、動きもするが、それは人手はなくゲームのキャラクターをもしたフィギュアだった。
「何が足りない? お菓子か? いや、お菓子は時に争いの火種となる……こっちの色紙とかカードゲームはどうだ?」
ブツブツ呟きつつ、フィギュアは周囲にあった品を拾い上げては悩み、頭を振って適当な場所に置くことを暫く繰り返し。
「まぁ、時には妥協も必要か……」
こんな所だろうと呟けば、先程の日本刀を鞘から抜き、歩き出す。
「まだ見ぬマスターよ、いざ、あなたの元へ」
ぐっと刀を握りながら暫く進めば、街灯の明かりに照らし出された人影が一つ。
「あれか、よし、ならばまず私のマスターに相応しいか、実力を確かめさせて貰う」
勝手な言い分を垂れ流しつつ、たまたま居合わせた通りすがりの人めがけて少女のフィギュアは駆け出したのだった。
「と、言った感じでこのままではラジオウェーブのラジオ電波によって生まれた都市伝説により『彷徨う少女フィギュアが一般人を襲う事件』が発生してしまうのだよ」
流石にこれは看過出来ない。
「よって、君達にはこの都市伝説がマスターとやらの実力を試す凶行を行う前に都市伝説を撃破して貰いたい」
赤槻・布都乃(悪態憑き・d01959)の調査によって都市伝説を発生させるラジオ放送が突き止められたことで、電波の影響が都市伝説を発生させる前に都市伝説の情報を得られるようになったからこそだが、今現場に赴けば、被害が出る前に都市伝説を倒すことも可能だ。
「都市伝説の行動パターンは、遭遇した相手に襲いかかり実力を試すというはた迷惑なモノで、マスター、つまりフィギュアにとっての主を年齢性別などの条件で選ぶことはない」
出会った人が候補、だいたいそんな感じだ。だから、先程の説明で出てきた夜道を歩いていれば接触はしごく簡単であろう。ただし、襲いかかって来るであろうから奇襲への備えは必要だろうが。ちなみに複数で接触した場合、誰がマスターなのかについては都市伝説側での独断と偏見に基づく選定と言うか抽選みたいなものが行われるのだとか。
「尚、現場には街灯もあり、人気は殆どない。気になるなら人よけの用意はしておいても損はないがね」
とははるひの談。
「説明を続けよう。都市伝説と接触した後は、当然ながら戦闘となる」
戦闘になれば、都市伝説は青い日本刀で日本刀のサイキックを、イラストの描かれた色紙やカードゲームのカードを護符揃えのように扱って護符揃えのサイキックを使い、沢山のお菓子を手裏剣甲のサイキックで手裏剣を放つように投げてくるのだとか。
「何をどうしてこんな攻撃手段をとるのかというと、これにも訳があってね」
少女のフィギュアは本来の装備が別売りだったらしい。それで、こんなどこかのオフ会の抽選会商品を寄せ集めたみたいな武装になったのだろう。
「もっとも、これはラジオ放送の情報から類推される能力なのでね。可能性は低いが、予測を上回る能力を持つことも考えられる」
故に油断は禁物と言わせて頂こうとはるひは付け加え。
「日本刀、ですか」
ポツリと洩らす倉槌・緋那(大学生ダンピール・dn0005)の愛用する武器もまた日本刀。
「ただの偶然だとは思うがね」
寺家のことをよろしくお願いするよとはるひは緋那と君達に頭を下げた。
参加者 | |
---|---|
叢雲・宗嗣(黒い狼・d01779) |
ミルディア・ディスティン(中学生ストリートファイター・d04805) |
八葉・文(夜の闇に潜む一撃・d12377) |
苔石・京一(こけし的な紳士・d32312) |
癒月・空煌(医者を志す幼き子供・d33265) |
ウィスタリア・ウッド(藤の花房・d34784) |
マギー・モルト(つめたい欠片・d36344) |
黒河・凜(高校生七不思議使い・d37435) |
●その気はなくとも
「人影はない」
迷い込む一般人を警戒していた叢雲・宗嗣(黒い狼・d01779)は短く告げた。もっとも、ちらちら先輩たちの様子を伺うミルディア・ディスティン(中学生ストリートファイター・d04805)の様に人を遠ざけるESPを用意してきた灼滅者が合計で数名いることを鑑みれば、見かけたら見かけたで人払いしてしまえば良いだけのことでもあったが。
「都市伝説さんは、彷徨う少女フィギュアさんですか?」
歩くフィギュアを想像したのか、黒河・凜(高校生七不思議使い・d37435)がかわいいですねとコメントし。
(「自分の主人にふさわしいか力試しをする……まぁ創作ではありふれた話よね。……そーいうのって負けた時、自分より弱い者はいらん、とか言われたらどうするのかしらね?」)
無表情で肩をすくめた八葉・文(夜の闇に潜む一撃・d12377)は首を傾げる。
「まったく、人形が主を求めて彷徨い人を襲うとは……面妖な都市伝説も有ったものですね。手早く倒してしまいましょう」
いずれにしても、足を運んだなら苔石・京一(こけし的な紳士・d32312)が促す様にやるべき事は都市伝説を倒すことの筈だ。その真っ当な発言の主がこけしの頭部を模した覆面を着用ているせいでやたらシュールな光景を作り出していたが。
(「これ明らかにあの時のですよね?」)
ただ、この時癒月・空煌(医者を志す幼き子供・d33265)はこけしのシュールさとは別のことで遠い目をしており。
(「なんというか……その……不憫な……」)
きっと胸中で具体的に評す言葉が見つからなかったのだろう。
「と、とにかく、しっかり倒さないとですね」
こけし、ではなく京一の言葉を取り繕う様に肯定すると、視線を前へ向ける。丁度、文が都市伝説を誘き出すべく歩き始めたところだった。
「マスターって、ご主人さま、ってことよね。仕えるひとを探し続けてるなんてなんか可哀想……」
ポツリと続けた戦闘の強さだけがひとの価値じゃないのにねと言うマギー・モルト(つめたい欠片・d36344)の言葉は誰へ向けてのものか。
「……でも、それじゃいけないの。それじゃ、だめなのよ」
漆黒の瞳にアスファルトを映したまま、まだ見ぬ都市伝説を過去の己と重ねたマギーは頭を振り。
「まぁ、思うところは人それぞれでしょうけれど……」
仲間が怪談で人を遠ざけるのを待っていたウィスタリア・ウッド(藤の花房・d34784)は闇夜に紛れて暗殺する死神の話をし始めた空煌から道の先に現れたソレと物影からソレを見る自然体でありながらもこけしの覆面を被ったままの京一へ視線を移した。
「人形が動いた時点でホラーだと思ってた時期が、あたしにもあったわ……」
向けた眼差しは、シュールなものを見る目だったが、無理もない。
「奇襲は避けられそうですね」
「まぁ、これだけの人数で警戒していたのだもの、妥当なところでしょ。それと、戦いが始まったら味方の補助・援護を主体でお願いね? 細部は打ち合わせ通りに」
「はい」
ポツリと漏らした倉槌・緋那(大学生ダンピール・dn0005)は肩をすくめたウィスタリアの指示に頷き、二歩後ろへ。
「力を貸してっ!」
戦闘に臨し嫌が応にも張り詰める空気の中、空煌はスレイヤーカードの封印を解き。
「初めての依頼なので、緊張します」
と硬くなっていた凜も合流すべく駆け出さざるを得なかった。
●抽選結果
「御免っ!」
フィギュアからすれば、自分主として相応しいかを確かめるため、急襲しようとしたのだろう。
「ぐあっ」
刀を振りかぶるなり、距離を詰め文へ青い刀身を振り下ろそうとした都市伝説は、空煌の射出した帯に貫かれ、はずみで斬撃を外した。もっとも、奇襲を阻害されずとも文への斬撃が当たったかは疑わしいが。
「女の子に怪我さすワケにはいかないでしょ」
と、駆け寄ったウィスタリアが立ちはだかって庇うそぶりを見せていたし。
「やらせるつもりはないわよ」
味方を守るつもりだったという意味合いならば、マギーも同じだった。
「わ、私以外にマスターへ既に仕えている者が居た、だと?!」
だが、これを都市伝説は誤解した。文の前に出て立ち塞がったのだ、主を求め彷徨うフィギュアからすれば、その行動が主を守ろうとするものと取ったのは、仕方のないことだったのかも知れない。
「失礼」
「がっ」
むろん、都市伝説の勝手な勘違いではあったが、例え誰かが違うと言っても聞き取れたかどうか。次の瞬間、眼下からこけしの頭部がせり上がってきたかと思った時には強烈な衝撃を顎に受けて宙に舞っていたのだから。そう、京一が懐に飛び込み雷を纏った拳でかち上げたのだ。
「一凶、披露仕る」
短い上昇の後、落下を始めたフィギュアを己の片腕を黒い獣のものへと変えた宗嗣が追いすがり。
「な、がっ」
「ここ、ね……」
逆さまになった視界の中に迫る宗嗣を見つけた都市伝説は、驚きの表情を浮かべたまま宗嗣の腕に引き裂かれ落下予想地点からせり上がってきたマギーの影に呑まれる。
「ちゃんと狙って、ちゃんと撃つ。指導通りに、マニュアル通りに……」
悲鳴は漏れない。サウンドシャッターが展開されていたからではなく、犠牲者は影の内にあったから。ブツブツ呟きながらミルディアはじっと獲物を閉じこめた影を見据え、殲術道具を構える。例え身につけたモノが人の手によるものであり、服に着られてる感じであろうとも、自身の弱さを自覚し、一つ一つのサイキックをちゃんと放つことを心がけ。
「ぷはっ、おの、くあっ」
「にゃ」
「ぶっ」
結果、は訪れた。影を突き破り姿を現したフィギュアへあらゆるものを断ち割るかの如き振り下ろしがたたらを踏ませ、ウィングキャットであるネコの肉球パンチが追い打つ様に顔面へ叩き込まれ、死角からの斬撃に衣服部分の樹脂ごと斬り裂かれたのだ。
「……ウチは……刃……貴様の闇……切り裂き……穿つ……刃……」
偽断百眼布で身体を覆いつつ、文は自身に襲いかかろうとして撃墜された少女のフィギュアを見る。
「刃、だと? 私のマスターではないのか?」
「そう言う意味合いで言ったのでは無いと思いますけど」
マスターと見なしていた文の言へ愕然とするフィギュアに一応ツッコミを入れると、凜はどこからか大量の手裏剣を取り出し、指の間に挟む。自分が主と名乗りをあげれば、即座にノって来そうにも見えたが、名乗るのは戦いの最後と決めていた。
「いきますよ」
だから、一声断りを入れると、手にした手裏剣を投げ放ち。
「っ、ぐうっ」
咄嗟にかざした日本刀と、宙に浮かべて盾の様にした色紙の間を抜け、手裏剣がフィギュアに幾つも突き刺さる。
「な、ならば誰が私のマスターだというのだ、あなたか?」
「おれ樹脂製の女にゃ興味無ェのよ」
視線を彷徨わせ、縋る様に目を向けた都市伝説を、ウィスタリアは一刀両断し、魔力を宿した霧を展開する。
「くっ、誰が、一体誰がマス――」
否定されたことで顔を歪め、フィギュアは再び周囲を見回そうとするが、視界に飛び込んできたのは自身目掛け飛んでくる帯の先端。
「なめるなぁっ!」
浮かび上がった色紙やカードが寄せ集まって盾となり、その表面を擦る様にして進路を変えた偽断百眼布に斬り裂かれたカードが剥がれ落ちながら消滅し。
「邪魔をするというならっ」
残った色紙やカードが五方に飛び散った直後だった、それらが結界として機能し攻性防壁が築かれたのは。
●応酬
「有り合せのものでそれだけの技はお見事! しかし実戦ではこちらも負けてはいません」
前に立つ仲間達を弾き散らす様に出現した攻性防壁が消えるなり、京一は動き出していた。いや、動き出したのは当人ではなく、こけし型の影か。
「うっ、腰部パーツがっ」
刃と化した影がフィギュアの腰に巻かれていたベルトの様な金属の輪を断ち切り、ついでにスカートにスリットを作りだす。
「私、トラブルはなさそうだと思ってたけど」
そう思っていたことがフラグだったのか、肌色成分の増し行く少女フィギュアに空煌は何とも言えない表情を作り黒い炎をともした蝋燭から黒煙を立ち上らせる。
「トラブル、ですか?」
ミルディアがそんな空煌の呟きに反応したのは、自身より先輩達の判断を信用し、何か指示が有れば動ける様に気を配っていたからだろう。
「こっちの話」
ミルディアは気にしなくて良いと優しく告げる一方で、他の女性陣の位置を確認し、これなら大丈夫と安堵する。同じ後衛に居るのは、今まさに毒風の竜巻を放とうとしている凜ぐらいであり、中衛まで勘定に入れても都市伝説の側に逆十字を出現させる緋那だけだったのだから。
「断つ、凶――」
「はあああっ」
非物質化させた大神殺しを振るい、電柱を蹴って軌道を変えた宗嗣が斬りかかれば、少女のフィギュアも手にした青い日本刀で迎え撃ち。
「な、がっ」
かざした刃をすり抜けた大神殺しに霊魂と霊的防護だけを斬られ、すれ違い態に傾ぎ。
「なんのこれしきっ」
「遅いわ」
アスファルトを踏みしめて振り向き態に宗嗣へ返そうとした斬撃はマギーかざしたのクルセイドソードの表面を滑る。
「まだまだぁっ」
「はい、そこまでよ」
「ぐっ」
受け流しで終わらせまいと敢えて刀身を滑らせ続け、都市伝説は一撃に繋げようとするも、ウィスタリアの伝説の歌姫を思わせる神秘的な歌声に刀を持たぬ手で頭を押さえ呻く。激しい攻防は続いた。その中で、少女のフィギュアの格好が徐々に裸に近づきつつあるのは、きっと数名のサイキック構成のせいだろう、そう、ティアーズリッパーとか斬影刃とか。
「……鋏の断ち方……挟む他に……ある」
開いた両刃の鋏の片先をまるで突き刺す様に文は繰り出し。
「ぐうっ、だが」
脇腹へ鋏を突き立てられた少女のフィギュアは、直前まで飛ばすところだった一枚のイラストが描かれた色紙を放ち。
「うっ」
二足歩行の赤いドラゴンの様なモノの描かれた色紙は文をかすめて緋那に命中する。
「緋那? 大丈」
一部始終を見ていた仲間が声をかけるも、緋那は無視してくるりと向きを変え。
「何時の間に後ろに」
「その目……正気に戻っ」
日本刀を構える瞳の虚ろさに都市伝説の術中に填ったことを悟った空煌は声をかけつつ味方の攻撃を避けようとして、躓く。
「きゃあっ」
そのままフラグを歌集する様に緋那を押し倒したのは、言うまでもない。
「……中から……開いて……断つ……」
「ぐあっ」
もっとも、一矢報いる形になった都市伝説の方もただでは済んでいなかったが。鋏に装飾するパーツを喰われたフィギュアは現れた頃と比べものにならない程無惨な姿を晒しており。
「くっ」
「っ」
それでも背けず灼滅者達を見る都市伝説と視線のあったミルディアは、思わず肩をすくめた。戦いをあまり好まぬ性格もあり、気圧されたのだろう。
「負ける訳には、行かない。テレビアニメに劇場版、原さぶっ」
何かのたまった所で凜の語る怪談によって発生した怪奇現象が言葉を遮った。
「何を」
「にゃあ」
そして、抗議しようとしたところに猫魔法が炸裂し。
「ううっ、このままでは拙いか……」
イラストの描かれた色紙で傷を癒しながら守りを固めようとすれば、殴りかかってくる者が出る。
「苔石の拳を味わって頂きましょう」
「くぶっ」
当人がこけし感をアピールなどせずとも、京一の鍛え抜かれた拳を打ちつけようとする様は、こけしによるフィギュアへの暴行とかそんなタイトルが付きそうな光景だった。
「私をここまで苦戦させるとは……やる、なっ」
「そりゃ、倒されるために来た訳じゃないもの」
どことなく嬉しそうなフィギュアの声にウィスタリアは肩をすくめ、縒糸・二季草を繰る。
(「誰がマスターかわからなくなったんだろうけど、めんどくせェな」)
的を絞らぬ攻撃は、それ自体がマスターを選定するためのものと察したものの、味方女性陣を庇おうと動くウィスタリアからすれば、気まぐれな行動は読みづらい事この上ない。
「これだけ苦戦させる相手だ、誰かがマスターなの――」
再び灼滅者達を視線でなぞった都市伝説は、そこに薄桃色の髪と蒼の瞳を持つ天使を見た。
「……人に仇なす……その絆……ここで断つ……よ……」
「ぐはっ」
かと思われた直後に文の踵が赤い羽根を散らすかの様に炎の尾を引かせて少女フィギュアの身体にめり込む。
「今の内ね」
このまま味方が催眠状態では拙いとマギーが剣に刻まれた「祝福の言葉」を風に変えて解放し。
「わた、しは……」
「あのこにも、こころはあるのかしら……」
たった一体で今だ戦い続ける哀れなヒトガタに視線を戻すと、マギーは薄く、祈る。満身創痍なのだ、決着の時は近いだろう。
「マスター、マスターは……」
今にも崩れ落ちそうな有様になっても、日本刀を杖にフィギュアは立ち。
「私がアナタの真のマスターだー」
「え」
宣言と共にジグザグに変貌した刃に斬り裂かれたのがトドメだった。傾いだ身体は、誰かの腕に支えられ。戦いは終わる、灼滅者達の勝利という形で。
●主とフィギュア
「眠れ、凶方の果てで」
一言呟き、宗嗣はフィギュアの都市伝説とそを抱き留める凜に背を向けた。
「流石だマスター。私の、完敗……だな」
手足の末端から砂の様に崩れて消滅し始めながらも少女のフィギュアは何処か満ち足りた表情を浮かべており。
「フィギュアさん……あの、名前を付けてもいいですか? 日本刀を使うので、村雨・静でどうでしょう?」
「マスターが望まれるのであれば……ただ」
出来れば正式な装備も欲しいなと言い残し、都市伝説は凜の身体に染み込む様にして消えていった。おそらく、吸収されたのだろう。
「主に巡りあえて良かったですね」
最後の最後に割と欲望だだ漏れにしてから吸収されたことはスルーして京一は凜の中に消えた少女のフィギュアに語りかけ。
「安寧は得られたのかしら……」
「大丈夫でしょう、きっと」
幸せそうでしたし、とマギーの漏らした疑問に緋那は答える。主を求め彷徨う少女のフィギュアは無事、主を得ることが出来たのだから。電柱に取り付けられた街灯の下、灼滅者達は帰路へとつく。とどまる理由はもはや無かった。
作者:聖山葵 |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2017年3月13日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 1/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 4
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