百合の魔王なんかに負けたりしない!

    ●都内某所
     黒岩・りんご(凛と咲く姫神・d13538)が調査した結果、とある洋館で都市伝説の発生が確認された。
     都市伝説は女の子を襲う魔王と称される女性で、洋館を根城にしてそこを百合の花園にしているようである。
     そんな状況をこれ以上、放っておかないようにするため、りんごがその場に仲間達を集めた。
     都市伝説はエロスに特化しており、イケナイ気持ちになってしまうローションや、エロスなアイテムを駆使して、女の子達を禁断の花園に導いているようだ。
     そう言った意味で、恐ろしい相手なので、注意しておく必要があるだろう。
    「何だか何処かで聞いた事のある相手ですが、おそらく気のせいですわね」
     そう言って、りんごが仲間達に対して、協力を求めるのであった。


    参加者
    タシュラフェル・メーベルナッハ(白茉莉昇華セリ・d00216)
    綾瀬・一美(蒼翼の歌い手・d04463)
    黒岩・りんご(凛と咲く姫神・d13538)
    二階堂・薫子(揺蕩う純真・d14471)
    天瀬・ゆいな(元気処方箋・d17232)
    東雲・蓮華(ホワイトドロップ・d20909)
    エリノア・テルメッツ(串刺し嬢・d26318)
    白臼・早苗(静寂なるアコースティック・d27160)

    ■リプレイ

    ●都内某所
    「百合の魔王だなんて、何処かで聞いたような都市伝説ねえ……」
     タシュラフェル・メーベルナッハ(白茉莉昇華セリ・d00216)は都市伝説を灼滅するため、都市伝説が根城にしている洋館にやってきた。
     都市伝説は百合の魔王と呼ばれており、洋館に沢山の女性を集めて、あんな事やこんな事をしているようである。
     そのせいか、黒岩・りんご(凛と咲く姫神・d13538)と被るところがあり、ある意味で同一人物のように思えてきた。
    「まっ、まるで……りんごさんのような都市伝説ですの……」
     二階堂・薫子(揺蕩う純真・d14471)も、ゴクリと唾を飲み込んだ。
     イメージイラストを見る限り、本人そのもの。まんまである。
    「な、なんて恐ろしい都市伝説……! なんとしてもやっつけるよ!」
     白臼・早苗(静寂なるアコースティック・d27160)が、キリリとした表情を浮かべ、仲間達に対して声を掛けた。
     しかし、仲間達は完全スルー。
    「……と言うか、りんりん部長がまた闇堕ちしたんじゃないんですか!?」
     天瀬・ゆいな(元気処方箋・d17232)も、事前に配られた資料を何度も見返した。
     何となく雰囲気や特徴も似ているため、本人もしくは、本人の噂が都市伝説と化した可能性が高そうだ。
    「りんご、貴女……何時の間に都市伝説になったのかしら?」
     エリノア・テルメッツ(串刺し嬢・d26318)も、りんごに対して疑いの眼差しを送る。
     どちらにしても、この都市伝説が、完全にりんごとは無関係だとは思えない。
    「わたくしとはまったく関係ありませんわ。……まったく、何でこんな都市伝説が生まれたんでしょうねぇ? わたくしまで変な目で見られていい迷惑ですわ」
     りんごが困った様子で、ブツブツと愚痴をこぼす。
     何となく似ているところがあるかも知れないが、まったくの別人。もしくは列記コピーされた偽物と言う感じであった。
    「まさか、自作自演☆なーんて事は……ないよね」
     それでも、綾瀬・一美(蒼翼の歌い手・d04463)が信じられない様子で、りんごに疑いの眼差しを送る。
    「もちろん、違いますわ」
     りんごがうんざりした様子で答えを返す。
     別にりんごが望んで作り出した存在ではないため、迷惑以外の何者でもないといった感じである。
    「……と言うか、なぜ私はここにいるのでしょうか……?」
     そんな中、東雲・蓮華(ホワイトドロップ・d20909)が、気まずい様子で汗を流すのだった。

    ●洋館
    「何だか嫌な予感しかしませんわね」
     洋館に足を踏み入れた蓮華は、念のため魂鎮めの風を使用した。
     場合によっては気休めしかならないかも知れないが、それに加えてサウンドシャッターも使い、最悪の事態を避けるための努力をした。
     もちろん、そんな事をしても、まったく意味がないかも知れないが、それでも何かやらずにはいられなかった。
    「あら? お客さんですか?」
     それに気づいた都市伝説が、女性達を従えて、蓮華達の前に現れた。
     女性達はウットリとした表情を浮かべ、都市伝説に甘えるようにして、身体を擦りつけていた。
    「はわっ! ホントにいたっ! なんだか見た目も、りんごさんに似てませんか!?」
     一美が驚いた様子で、都市伝説とりんごを見比べた。
     見た目だけなら、何から何までソックリ、瓜二つ。
     例え、生き別れの姉妹だと言われても、納得してしまいそうである。
    「……あら? 顔もそっくりなのね、例の魔王りんごシリーズが増えたのかしら? 間違えてりんごを殴らないように気を付けないといけないわね」
     エリノアが含みのある笑みを浮かべ、元気よくフラグを立てた。
     よく見れば、見分けがつくものの、ウッカリという事があるかも知れない。
    「……貴方達、何か言いたそうですね? まあ、とっとと退治しましょうか。……都市伝説はあちらですからね? 顔が似てても間違えない様に……」
     りんごが身の危険を感じて、仲間達に対して釘を刺す。
    「これは弟子として見学をさせてもらうですの! でもそういえば、どうやって戦うんですの?」
     薫子が興味津々な様子で、ふたりの顔を交互に見た。
    「でも……全てにおいて貧相でインパクトに欠けますね」
     一美も都市伝説をジーッと見て、思った事を口にする。
    「あら? 随分と面白い事を言うんですね? よほど酷い目に遭いたいようですが……」
     都市伝説がこめかみを激しくピクつかせ、殺意のオーラを漂わせた。
    「や、やれるものなら、やってみなさい! 魔王を名乗るだけの技があるのかどうか、お手並み拝見といきましょうか♪」
     タシュラフェルが躊躇う事なく、都市伝説に言い放つ。
    「だったら、遠慮する必要はありませんね」
     次の瞬間、都市伝説が一気に間合いを詰め、タシュラフェルの唇を奪う。
     しかし、タシュラフェルは何が起こったのか分からず、目をパチクリさせた。
    「うわぁ」
     それを目の当たりにしたエリノアが、引き際に視線を送る。
    「ともかく被害が出る前に攻げ……ちょ、りんごさ……んんっ!?」
     蓮華もりんごに唇を奪われ、頭の中が真っ白になった。
    「あらあら、これは負けていられませんね」
     都市伝説もりんごに対抗意識を燃やし、次の獲物を探し始めた。
    「ふ、偽物の魔手になんか負けません! そう、私には生まれながらに勝利が宿命付けられてるんですよ! 名前見たら分かるでしょうYouWinnerって!」
     ゆいなが都市伝説の前に陣取り、えっへんと胸を張る。
    「い、いや、普通にやっつけよう……? ね……?」
     早苗が心配した様子で、仲間達に声を掛けた。
    「あら? 仲間達の心配? そんな余裕はないと思うけど……」
     その途端、都市伝説がサディスティックな笑みを浮かべ、早苗のスパッツを破り捨て、身体を撫でるようにしてローションを塗りたくる。
    「さて、魔王さん、一言言わせてもらいますわ。なんですか、そのローションは……。しかも、まわりには物騒な道具まで並んでますし……。そんな物で無理矢理なんて、貴方には愛がありません! 文句があるなら、貴方とわたくしと、どちらが皆を気持ちよくできるか、勝負しますか?」
     りんごが蓮華と薫子を抱き寄せ、唇を奪って舌を絡め、服の中に手を入れ、胸を揉んだ。
    「道具で誓わせた隷属と、りんりん部長の愛に拠る忠誠! どちらが上かなど比べるまでもないでしょうっ! さぁ、始まりました、世紀の魔王対決! 実況は私天瀬ゆいな、解説も私天瀬ゆいながお送りしますっ! みんな色々滴るいい女になってそうですけど負けないでね!」
     そんな中、ゆいなが心のマイクを握り締め、魂の叫びを響かせた。
    「ま、まあ……おもちゃより、生、……だよね」
     早苗が全身ローションでビショビショになりながら、グッタリとした表情を浮かべる。
     それに誘われるようにして、まわりにいた女性達が、撫でるようにしてローションを伸ばしていく。
    「これは負けていられないわね」
     都市伝説もさらに対抗意識を燃やし、一美にガバッと襲い掛かる。
    「はわぁ~、さすがに二人を相手にするのは……」
     一美が身体を火照らせ、荒々しく息を吐く。
     二人の実力は、ほぼ互角。
     それに加えて、まわりにいた女性達が襲ってきたため、一美は理性を抑える事が出来は無くなった。
    「すごいですの……んぁぅっ……ふにゃぁぁ……」
     薫子もりんごと都市伝説に襲われ、びくんびくんと身体を震わせた。
    「ふふ、休む暇なんてあげないんだから……もっともっと、楽しみましょ?」
     タシュラフェルもネットリと舌を絡ませ、一時の宴を楽しむのであった。

    ●都市伝説
    「んんっ……ぅぅ……はぁ……はぁ……す、すごいですの……。こ、このままじゃ、理性を……保て……な……」
     朦朧とする意識の中、薫子が甘い息を吐き出した。
     どちらが上とも、どちらが下とも言えない状況の中、薫子は終わりなき快楽の中にいた。
     しかも、催淫状態に陥った女性達から色々な道具を使われ、感度が極限にまで高まっていた。
    「ちょ、やめ……も、もう駄目ぇ……。は。はああああん!」
     蓮華も尿意にも似た快楽を感じ、イケナイ液を撒き散らしながら、両足をガタガタと震わせ、崩れ落ちるようにして座り込んだ。
    「ともかく、りんごを……じゃなかった、百合魔王都市伝説を倒すわよ」
     エリノアが催淫状態に陥った女性達を払い除け、りんごと都市伝説を交互に見る。
     ここまで似ていると『ウッカリ』という事があるかも知れない。
     それは事故であって、故意ではないので、仕方がないようにも思えてきた。
    「え、えっと……、とにかく、偽物は消えて下さいっ!」
     ゆいなもあられもない姿のまま、真っ赤な顔で叫び声を響かせた。
     いまにもパンツで白旗を上げそうな状況ではあるものの、二人の勝敗を見るまでは何とか頑張ろうとしているようだ。
    「あら、偽物なんて心外だわ。こんなに頑張っているのに……」
     都市伝説が大袈裟な態度で、やれやれと首を振る。
     表面上は余裕なようだが、実際にはだいぶ疲れているらしく、息も荒々しく、声も上擦っていた。
    「いかがです、魔王さん? 敗北を認めないなら、貴方にもお見舞いしてあげますね?」
     そんな空気を察したのか、りんごが都市伝説の唇を奪い、そのまま天国へと導いた。
    「んん……ああっ……んああ!」
     都市伝説はその攻撃に抵抗する事が出来ず、身も心も蕩けるようにして、跡形もなく消滅した。
    「何だか凄く恥ずかしいですの」
     その途端、薫子が恥ずかしそうに胸元を隠す。
     まわりにいた女性達も我に返って、あちこちで悲鳴を上げた。
    「……服が、これ、これじゃ帰れない……」
     早苗もびしょびしょになりながら、困った様子で汗を流す。
     一応、まわりにも服が落ちているものの、ローションでベトベトになっているか、卑猥な服しか見当たらない。
    「やっぱり、りんごが一番ね。せっかくだから、本物の魔王様のテクニック、もう一回教えて頂戴な……♪」
     そんな中、タシュラフェルが物足りない様子で、りんごと肌を重ね合わせた。
    「えっ? あの……ひょっとして、この状況は……はわわ~」
     そして、一美はりんご達の宴に巻き込まれ、再び甘い声を響かせるのであった。

    作者:ゆうきつかさ 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2017年3月8日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 3
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