「みんな、集まってくれてありがとう。実はスサノオのナミダ姫から、武蔵坂学園に協力を願う連絡がきたんだ」
須藤・まりん(高校生エクスブレイン・dn0003)が言った。
「といっても『可能であれば』程度の打診なんだけどね。断ったとしてもデメリットはないよ」
だが、ここで協力して恩を売ることができれば、ノーライフキングとの戦争時に、スサノオ達がノーライフキングの援軍として現れることは阻止できると考えられる。
「スサノオは多くのダークネス組織と協力関係にあるから、ノーライフキングとも当然友好な間柄。逆に武蔵坂学園とは前回の援軍で貸し借りなしの状態となっているし、今の状況でノーライフキングと武蔵坂学園とが戦えば、スサノオはノーライフキングに味方するころになるんじゃないかな」
それを阻止することができるとなれば、この協力には十分に意味があるだろう。
「じゃあ作戦について詳しく説明するね」
ナミダ姫とスサノオ達は、ガイオウガが灼滅されたことでスサノオ大神の力を喰らえるようになった為、日本全国に封じられていたスサノオ大神の力を喰らう旅を続けていたらしい。
ところがナミダ姫達の攻撃を受けたスサノオ大神の力は、その力を奪われない為に『強いスサノオの力を持つ者の侵入を阻止する結界』を編み出し、自分達の身を守ろうとし始めた。
「この結界によってスサノオ達が直接、スサノオ大神の力を攻撃することができなくなってしまったから、ナミダ姫は武蔵坂学園の灼滅者に協力を打診してきたんだ」
まりんは地図を広げ、紀伊半島にある山岳地帯の1つに印をつけた。
「ここの樹林の地下に洞窟のような場所があって、その入り口でスサノオの戦士3名が待っているよ」
灼滅者達はスサノオ達と合流後、灼滅者達だけで洞窟内部、つまり結界の内部へ入り、スサノオ大神の力と戦うことになる。
「スサノオ大神の力にある程度ダメージを与えれば結界が破壊されて、外で待機しているスサノオ達も戦闘に加わることができるようになる。その後は彼らだけに任せて撤退してもいいし、一緒に戦っても構わないよ」
ただし、灼滅者達が止めを刺し、スサノオ大神の力を灼滅してしまうと、スサノオ達が喰らうことが叶わず、『協力は失敗』となるので注意が必要だ。
「スサノオ大神の力は体長7メートルくらいの赤い瞳に赤い爪を持つ、白い炎でできた狼だよ。みんなに接触してもらう個体は、燃え上がるように逆立った長い尻尾が目立つみたい」
戦闘時には、人狼相当のサイキックを使用する他、咆哮による回復と浄化、尻尾を振り回しての攻撃も行う。ポジションはクラッシャー。以上はナミダ姫からの情報であり、かなり正確と判断できる。
スサノオ大神の力は強敵だが、今回は『体力を半減させれば結界が消え、スサノオ達が合流できる』ことから、依頼を成功させることはそう難しくないはずだ。
「ナミダ姫はもしかしたら、武蔵坂学園と戦わなくて済む理由が欲しくて、この依頼をもってきたのかもしれないね」
まりんはそういって地図を渡すと、
「いろいろ思うところもあるだろうけど、どんな道をとるにしてもがんばって!」
灼滅者達を送りだした。
参加者 | |
---|---|
九凰院・紅(揉め事処理屋・d02718) |
志賀野・友衛(大学生人狼・d03990) |
黒岩・りんご(凛と咲く姫神・d13538) |
緑風・玲那(疾駆朱翼の戦乙女・d17507) |
六条・深々見(螺旋意識・d21623) |
神之遊・水海(宇宙海賊うなぎパイ・d25147) |
風隼・樹里(ティミッドウルフ・d28501) |
白石・明日香(教団広報室長補佐・d31470) |
●
スサノオ達は灼滅者達に気づくと、ここだここだと刀や槍といった得物を持ち上げて見せた。3体とも獣人の姿をしている。
「こんにちは」
志賀野・友衛(大学生人狼・d03990)が近づき、言った。
「今日は宜しく頼む」
「そりゃあコッチの台詞だ」
「頼りにしてるぜ、人狼の嬢ちゃん。そっちの人達もな」
耳と尻尾から、友衛の出自に気づいたようだ。
「それで段取りなんだが」
九凰院・紅(揉め事処理屋・d02718)が言う。
「そうそう、打ち合わせしとけたらいろいろスムーズかなって!」
神之遊・水海(宇宙海賊うなぎパイ・d25147)が続けた。と、スサノオが水海の顔をじろじろと見る。水海は少々怯みつつ、
「な、なんだいスサノオのスーさん」
「よくそんなでっかい目で落っこちないもんだな」
「いや落ちるかもしれないぞ?」
別のスサノオは自分の片手を持ち上げ、
「大神の力の爪でバリッ! とな」
「ぶ、ぶらっくじょーく!」
はっはっはっと笑うスサノオ達に合わせて水海も合わせて笑う。
「……あの、」
風隼・樹里(ティミッドウルフ・d28501)がおずおずと話しかけた。
「……よかったら、最後まで……一緒に、戦わせて、もらいたいん、だよ……」
「ああ、それは構わねえが」
「結界さえなければ手を煩わせる事はないと思うがな」
「俺達は彼奴を喰えさえすれば文句はない。と嬢ちゃんも人狼か」
「! ……は、はい」
樹里の手作りの帽子からは片耳がぴょこんと飛び出ている。樹里は自分の名前を名乗り、縁になるかもしれないと勇気を出してスサノオ達の名前もたずねてみた。するとスサノオ達は『ビャク』『エンシン』『ザンカ』と名乗った。樹里は後でスケッチとともに書き留めておこうと決める。正直、今シャッフルされたらわからなくなりそうな位似ている。
六条・深々見(螺旋意識・d21623)は様子をにこにこと眺めていた。言ってみればこのスサノオ達も大神の力も、灼滅者達でさえ彼女にとっては実験材料。さらにスサノオが力を喰らう場面を見られるなど願ってもない機会。そういう意味では、
「わたしも、ぜひ最後まで一緒に戦いたいと思ってるよー」
嫌じゃなければ回復で支援すると申し出た深々見に、必要ないとは思うが断るものでもないとビャクかエンシンかザンカのどれかが答えた。
白石・明日香(教団広報室長補佐・d31470)も異論なしの意を軽く手を挙げて示す。ナミダ姫の真意がわからない以上警戒はしているが。
「わたくしも及ばずながら」
力を尽くしましょうと黒岩・りんご(凛と咲く姫神・d13538)はにっこりと微笑んだ。実の所スサノオにはあまり思い入れはないがナミダ姫は別。
(「ダークネスでも女性とは仲良くしたいものですし。それに、」)
りんごの視線の先には緑風・玲那(疾駆朱翼の戦乙女・d17507)。漆黒だった髪の先が紫に染まっているのは闇堕ちの名残。りんごはこれが救出後の初依頼である玲那を心配してついてきたようなものだった。
「大丈夫ですよ。いつも通りいきましょう?」
りんごが声をかける。
「はい」
集中しようと思うあまり、知らずに固くなっていたかもしれない。玲那はほっと肩の力を抜いた。どうしてもまだ生々しい闇の手触りが玲那を急き立てる。もっと強くならなければ。もっと。だがりんごの笑顔は、1人で背負いこむ必要はないと言ってくれているようだった。
玲那は改めて洞窟の先を窺うように見る。彼女も『御姫様』の目的は気がかりだ。しかし同時に、ナミダ姫との決戦は避けたいとも思っている。
友衛は至極上機嫌に水海や樹里をからかっているスサノオ達に安堵していた。今日はナミダ姫の真意を気にするより先に、目の前の戦士達との交流を大事に、と思っていたからだ。
無論スサノオ達の機嫌の良さは大きな獲物を前にしての興奮によるものだという事は明らかではある。が、相手に信じてもらいたいなら、まず自分が相手を信じるべきというのが友衛の考えだ。
「どうかしたか?」
紅の声に、友衛の耳が先にぴくりと反応した。それとなく気遣ってくれるのは嬉しい。友衛は笑って首を横に振り、
「そろそろ行こうか」
「そうだな」
紅は頷き、眼鏡の奥の緑の瞳を僅か細めて洞窟を見た。結界で自身を守る。スサノオ大神も随分と必死だと彼は思う。とはいえ紅には、学園にとって好都合と思える。
(「頼まれた仕事はこなすとしようか」)
●
洞窟の奥から漏れ出す白い光が見えたのと低い唸り声が聞こえたのは、ほぼ同時だった。光と声、そして時折ガリ、と爪が洞窟の床を引っ搔く音は次第にこちらに近づいてくる。
(「失敗はできない」)
「Liberatio」
玲那がスレイヤーカードを解放した。ウイングキャットのイージアが現れ、自分の失敗でナミダ姫との関係に影響を与えるわけにはいかないという覚悟と、軽やかな白と薄緑の法衣、ハイフェザーが玲那を包み、手に武器を握らせる。
「きゅーちーは回復よろしくねー」
深々見が言う。ウイングキャットのきゅーちーはにゃう! と尻尾を一振りした。深々見はSELECT DISTINCTを装備した片足を軽く引き、大神の力が射程に入るのを待ち構える。
「……食らう事で、何が、起きるのか……実際に、間近で観察できる、チャンス、ですから……」
それに大神の力の姿にも興味がある。樹里も片腕を獣化し、固唾を呑んで敵の接近を見守っていた。
白い光の中に赤い光が2つ浮かんだ。瞬間、白い炎が荒れ狂うように灼滅者達へ襲いかかる。それはあたかも大神の力が突進してきたように思えた。が、突進してきたのは力そのものではなく長大な尾である事がはっきりと見てとれた時には、玲那と紅が白炎の鞭に斬り裂かれていた。強敵との情報通り、決して2人の傷は浅くない。
すぐにきゅーちーが尻尾のリングを光らせる。深々見は持ち主の元へ戻っていく尾を追いかけ追い越すようにブレードを滑らせ、盾役達の後ろからは束ねられた銀の髪が生き物のように舞い上がり、踊った。
「いきなりかよ」
やってくれるな、と両脚を胸に引き寄せるようにして跳んだ明日香が空中で片手を薙ぎ払い、大量の帯群を白炎の狼へ向かわせる。続き、
「まずはぶちかましてあげますわね。全力で」
袴の裾を捌いて盾役の前へ飛び出し、片肌を脱ぎ放ったりんごの露わになった片腕がみるみるうちに異形化した。そして洞窟を揺るがすような呻き。友衛が呼び出した畏れが上下左右から顔を出しては集っていく。
「行け」
友衛が彼女の身の丈より長い銀の槍を薙ぎ払った。畏れを纏った斬撃がりんごと明日香の帯の中央を、洞窟全体に轟音を響かせながら突っ切る。
「グオオオオオオ!!!」
斬撃が命中すると、狼を形作る白炎が乱れた。目の赤に加え口腔も赤々と燃えている。その赤の源かそれとも血そのものか、傷から赤いものが流れ出た。
それを天井側から青い瞳が興味深そうに見下ろす。深々見は片足で天井を蹴りこみ、勢いと星の重力をのせて狼を蹴り潰した。煌めきが飛び散る中りんごが鬼の腕で殴りつけ、明日香の帯は深々見とりんごを器用に避けて、狼だけを次々と貫く。
「……これが、大神の……人狼の起源の力の、一部……」
樹里の声には感動と畏れが混ざっていた。炎でありながら実体があり、強烈なエネルギーを放っている。
「うぇーい!」
負けずに気合を漲らせ、狼に接近していた水海が鬼の腕を掲げた。思いきり殴りつけるとギャン、と耳障りな音を立てて白炎が形を散らす。その勢いに水海の髪が煽られ、額が見えた。
イージアもリングを光らせる。玲那は負った傷を確かめ、ショートブーツのヒールで地面を蹴った。走るとなびく白いストールは、確かに羽根の様。紅も1つ息をつき、トライアングルに銃身が並ぶガトリングガンで狙いをつける。
「参ります」
玲那が縛霊手を振りかぶった。紫の毛先が白炎と混じる。狼から見れば小さく細く頼りない少女の一撃。回避しようと後退するが、玲那は目を離さず間合いに片足をつき、炎へ飛び込むように追いすがった。
(「やる事は変わらない」)
何が合っても誰が何を思っても。玲那が叩きつけた縛霊手から霊力の糸がふわり広がり、狼を捕える。
途端連続の銃撃音。何発もの銃弾が紅から撃ち込まれ、それぞれが白炎に赤い炎を灯していった。『半ば削る』ことが目的の戦いであり、前衛の命中が不安定な状況、敵の体力を徐々に減らす手段は助けになるだろう。
と、真正面から樹里が突っ込んだ。が、振りかぶった銀爪は空を切る。狼は大きく体と尾を翻して回避していた。
当たっては欲しかったが元々いちかばちかの命中率、動揺はしない。樹里の役割はこれからが本番だ。
(「人狼研究部の、一員として、最後まで、頑張るん、だよ……!」)
対し狼が凄まじい叫び声を上げる。炎が消し止められ、傷がぴたりと塞がった。
(「長引きそうですわね」)
攻撃手段が限られているりんごは、予定していた盾役へ早めに移動する。隙を埋めるように友衛が手元に浮く白炎灯籠から炎の花を飛ばし、水海はロッドを振り上げた。
深々見のブレードが洞窟の岩にキキと高い音を刻み、明日香は槍を携え、揺らめく炎の花と同じくらい赤い瞳で仲間と狼の動きを追う。
消し止めたばかりの炎が再び友衛によって灯され、大神の力は威嚇か、尾を自分の頭上で回した。そこへ、
「どっせい!」
水海のロッドが叩きつけられる。カッと開いた口が水海を脅すが、水海は臆せずギリギリまで魔力を流し込む。
その間に深々見が縛霊手の甲側を振り払うように当て、先に玲那がかけた上へ霊力の網を重ねた。きゅーちーのパンチは吹き出された白炎にまかれ威力を失い、明日香の向けた槍の切っ先は、尾を巻き込んだ狼がひらりと天井すれすれを飛んで回避する。
が、着地と同時、狼の脇腹に見えないナイフに割かれたかのように切れ目が入った。傷からどうと赤いものが流れ落ちる。水海の流し込んでいた魔力に内側から破壊されたのだ。
玲那、紅、りんごが、位置を変えた大神の力に合わせて守りに動く。動きの阻害を重視していない事、相手に回復がある事。加えて灼滅者達に連携した具体的な戦略はなく、今の段階では勝負の流れは見えなかった。
●
お互いに回復できない傷が溜まっていく中、戦いは続いていた。
大神の尾が唸りを上げて遠く伸びる。減衰と庇いもあり、後衛で深手を受けたものはいなかった。が、
「……無事か?」
先に受けた赤爪の傷が癒えきっていない所へ庇いに入った紅は、荒くなる息を仲間に気づかれないよう耐えながらジャケットを脱ぎ捨て、インナーの首を引っ張り裂いて緩める。
「……私たちは、無事、でも……!」
樹里はきゅーちー、そしてりんごと玲那とも顔を見合わせ、頷き合い、
「……くまさん、お願いなんだよ……!」
クマとお菓子の家の言霊。出番を待っていたもふもふのクマが、お菓子の形をした治癒の力を前衛に配って歩く。きゅーちーもリングを光らせて回復を重ね、玲那は手足に刻まれた斬撃の傷を自分で回復、りんごは紅へ帯を巻きつける。
「にゃあ!」
イージアのかけた魔法に狼は怯んだように見えた。少しずつだが着実に動きは鈍ってきている。紅は死角から放った蹴りで狼の後脚を断つことに成功し、片足のハイキックから炎を叩きつけた明日香の首元で逆十字がふわりと浮いた。
だが大神の力は覚悟において灼滅者達に勝っていた。スナイプとしつこく重ねる回復で灼滅者達も耐える。が、強烈な斬撃が玲那の法衣を赤く染め、爪が紅に膝をつかせた。その時。
「スサノオのスーさん! 達!」
水海が叫ぶ。
「おう、目は無事のようだな!」
スサノオ達は灼滅者達を半ば押しのけるように前に出た。大神の力は赤爪に力をいれて後退しようとするが、ビャクかエンシンかザンカか、1体が刀を振りかざし、狼の頭から胸元まで真っ二つに斬り裂く。
「結界さえなければ、なんてことはない」
「礼を言うぞ、灼滅者!」
スサノオ達は目を爛々と輝かせ、狼を串刺しては歡喜の笑い声をあげる。灼滅者達が手を出す間はほとんどなかった。結界を破った後は帰ってもいいと言われていた以上それは想定内だろう。しかし、
「うわ」
深々見の口角が上がる。まだ蠢いている大神の力を、スサノオ達が文字通り『貪り』始めたのだ。爪を立て、引きちぎり、牙を立て。口から血を滴らせて夢中で喰らっている。
「ほんとにもぐもぐすするんだ!」
深々見は駆け寄ると、
「ねえねえ味はあるの? 何風味?」
などと言いながらスサノオ達の間に割り込み、喰らわれる者と喰らう者の両方を間近で見比べている。
「てかどう? もう強くなった?」
と1人の戦士がぐっと片手を拳に握り、強烈な白炎を噴き上げてみせた。
「この通りだ、娘!」
笑った口の中は禍々しく赤い。
「なるほどねえ」
深々見は笑顔を崩さず、スサノオ達への命中率が急降下していくのを確認していた。他の者もスサノオ達の力がとてつもなく増大していくのを肌で感じる。
「……わたくし達の役目は果たせませたわね」
りんごが着衣の乱れを直しながら言った。と、玲那が少しふらついたことに気づく。
(「久々の純戦だったから、かな」)
と、玲那は足に力を入れてしっかりと立ち直した。りんごはあえて助けはせず、彼女が自分の足で立つ様子を見守る。何かあればいつでも自分達がフォローできるのだと、玲那に伝わっている事を願いながら。
樹里はぺたんと座りこむなり一心にスケッチを始めた。普通の人間なら一目で発狂する様な光景。けれど。
(「……目を逸らさずに、ありのままを、描きとめる……」)
「どうする? とりあえず運び出すか?」
明日香が、意識のない紅を抱えている友衛にたずねる。
友衛は戦士達と話をするつもりだった。いずれ雌雄を決する相手としてではなく、共存できる相手として。だが仕切りに何か話しかけている深々見の声でさえもう、スサノオ達には届いていないように見える。力を得た興奮でそれ所ではないのだろう。
「ナミダ姫に伝えて欲しいことがあったんだけどな」
個人的感情だけどねと前置いて、悪いガイオウガに近い大神はボコボコにしたい、そして人間の感性を理解してるであろうナミダ姫とは友好でありたい、と水海は言う。友衛は少し考え、
「風隼、」
「! ……はい、」
スケッチに夢中になっていた樹里が顔を上げる。友衛がスケッチ用紙で手紙を書いてもいいかと尋ねると、樹里は頷いた。
樹里がスケッチと手紙の用意を終える頃には、スサノオ達はすっかり大神の力を食い尽くしていた。友衛は手紙を託し、
「では、私達は失礼する」
「ああ。世話になったな!」
敵でも味方でも見境なく喰らいそうな気を放ちながらもスサノオ達は、口々に礼を言う。
灼滅者達は洞窟を後にした。
作者:森下映 |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2017年3月28日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 8
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