夕方、シャオ・フィルナート(性別シャオは合法ロリらしい・d36107)は仲間たちを連れ、もう使われていない洋館へ忍び込んだ。
外から見た時は灯りが1つも点いていなかったというのに、洋館の中は明るく、メイド姿の一般人たちが動き回っている。
その内の1人がシャオたちに気づき、近づいて歓迎する。
「メイドになりたいのですね? ご主人様に目通りを。ご主人様は素晴らしいお方ですよ」
爽やかに微笑むメイドだが、体型はがっしりとした、成人男性である。
ミニスカから出た足から、すね毛が生えているのが見え、もうドン引き確定である。
『ふふふ、ようこそ私の楽園へ。男子も女子もメイドになる、素晴らしい花園でしょう?』
洋館の一室に通されたシャオと仲間たちを迎えたのは、ただの変態……もとい、都市伝説の男性だ。
「みんな、チュージツな……メイドにしようと、する……都市伝説」
『美しい君たちも、私に忠実なメイドになって貰いますよ』
指をパチンと男が鳴らした瞬間、シャオの服がミニスカのメイド姿に変わる。
「忠実化してる一般人を……巻き込まないように……この部屋に入って来れないように……人払いはしておいたほうが……」
仲間たちに説明している間に、シャオに変化が起きた。
足がふらふらと勝手に、男のほうへ動いてゆく。
「……ご主人様って……言いたくなりそう……これは、都市伝説の能力……?」
シャオは仲間たちになんとか、伝えきった。
参加者 | |
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泉・星流(魔術師に星界の狂気を贈ろう・d03734) |
赤城・碧(強さを求むその根源は・d23118) |
黒絶・望(運命に抗う果実・d25986) |
シエナ・デヴィアトレ(治療魔で被虐嗜好な大食い娘・d33905) |
月影・木乃葉(人狼生まれ人育ち・d34599) |
シャオ・フィルナート(性別シャオは合法ロリらしい・d36107) |
河本・由香里(中学生魔法使い・d36413) |
藤林・手寅(無機質なポーカーフェイス・d36626) |
●
「男子も女子も忠実なミニスカメイドにしてしまう都市伝説……いい趣味しますね」
メイドが好きな河本・由香里(中学生魔法使い・d36413)は、賛成派だった。
「俺はヴィクトリアスタイルのメイド服……ミニスカメイドもといフレンチスタイルのようなあざとい可愛さでは無いよ!」
裾の長いメイド服を着ている、赤城・碧(強さを求むその根源は・d23118)。
「どうせメイドにされるなら、最初からメイドで挑めばいいですの。うまくいけば都市伝説の不意もつけそうですし一石二鳥ですの」
ミニスカメイド姿で得意げに語るシエナ・デヴィアトレ(治療魔で被虐嗜好な大食い娘・d33905)は、なんとなくフラグを立てていた。
(「なんで僕はこんな依頼に参加したんだろうか?」)
泉・星流(魔術師に星界の狂気を贈ろう・d03734)は、眼差しを遠くに投げそうになる。
「シャオ様の人払いに合わせてサウンドシャッターを使用します」
シャオ・フィルナート(性別シャオは合法ロリらしい・d36107)が殺界形成を使うと同時に、黒絶・望(運命に抗う果実・d25986)がサウンドシャッターを展開。
「どっど変態だーっ!?」
成人男性のミニスカメイド姿を見て叫びたかった衝動を、やっと解放する、月影・木乃葉(人狼生まれ人育ち・d34599)。
「うん、男の娘とかじゃなく本当に漢もメイドにするのはある意味尊敬します……」
叫び終えた木乃葉は、ぽつりと言葉を紡ぐ。
「あっ、あの……露出は、やぁなの……っ」
ミニスカのメイド姿に変えられていたシャオは、必死にスカートを押さえている。
「旦那様に呼ばれこちらに参上しました」
ロングスカートのメイド服を着ている藤林・手寅(無機質なポーカーフェイス・d36626)が、スカートの裾を軽く摘み上げ、優雅に一礼した。
●
(「敵を騙すにはまず味方という言葉もあるので」)
手寅は、都市伝説の男を最初から主人としているように、振る舞う。
「旦那様に仇なすものは私が排除しましょう」
即、都市伝説を攻撃しようとした星流を、止める手寅。
速攻で倒さないのかと、小声で話す星流に、手寅は首を小さく横に振る。
今はまだ、その時では無いのだと、好機を待つべきだと小声で伝える、手寅。
「ご主人様にヴィエルの演奏を聞いてほしいですの」
星流と手寅の横を通過し、男に近づくシエナ。
シエナはリュジスモンヴィエルを激しく弾き、音波で男にダメージを与えてしまう。
「はぅう! またやっちゃいましたのぉ……」
うろたえ、男に謝りまくるシエナだが、胸中では別の考えが有った。
(「ご主人様の為に空回りするドジっ子メイドとなって、ご主人様に粗相と言う名の攻撃をするですの……!」)
作戦は完璧だと思いながら、シエナはミニスカの裾を自ら上げ、誘う仕草をしてみる。
シエナは、はいていない。そう、はいていないのだ。
『ミニスカから時折、下着が見えるのが良いのですよ。特別に、つけてあげましょう』
締め付けの強い下着が、重度のドエムであるシエナに一瞬で付けられる。
服も男好みのミニスカメイド服に変えられ、まるで縄で縛られているかのような感覚に、シエナは興奮する。
「ご主人様ぁ、いけないメイドにお仕置きをしてほしいですのぉ」
もしや、お仕置きを受ける為に来たんじゃないのかと思うほど、シエナの変貌ぶりが激しい。
『では少しだけ、お尻を叩いてあげましょう。小学生にもなって、お尻を叩かれるのは恥ずかしいでしょう?』
「ひゃあんっ! もっと! もっと叩いてぇ! ご主人様ぁ!」
変態と、ドエムの世界が広がる。
羞恥心をあおる、過激なお仕置きであればあるほど悦に入る、シエナのドエムっぷりは、すさまじい。
思わず呆然としてしまう、仲間たち。
『ああ、そうだ。ついでに君にも、つけてあげますよ』
「!?」
変態は、星流に眼差しを向けた。
すると一瞬で、女性物の下着が星流に、つけられる。
着心地の変化に、おそるおそるスカートをめくって確認した星流は、声にならない悲鳴を上げた。
ゴスロリメイド服がよく似合っている星流だが、服も男の好みのミニスカメイド服に変えられてしまう。
「……すいません……はやくキュアください……」
あまりの恥ずかしさで、顔を真っ赤にしながら、仲間に頼む星流。
「ご主人様……服に、シワが……折角かっこよく着こなしていらっしゃるのに、勿体無いです……」
まだ意識を保っているシャオは、主人に尽くすメイドを演じ、男の意識を仲間たちから自分へ向かせようと努力する。
(「露出は、やぁ……でも……みんなを護るためには、我慢、しなきゃ……」)
ミニスカへの羞恥心に一生懸命耐えながら、シャオは仲間を守ろうと頑張っていた。
(「にこやかな純情メイドの振りして命狙っちゃる……」)
シャオが作ってくれた隙を逃すまいと、木乃葉が一歩だけ動く。
男はすぐに察知し、木乃葉をミニスカメイド姿に変えた。この変態、できる……!
「えっ!? ちょ、短くないですスカート!? なんで猫耳付いてるんですいらないですよね!? ちょ、止め、止めろう!!」
木乃葉は超ミニなスカートになった挙句、なぜか獣耳まで装着されている。
恥ずかしさや屈辱感などで、木乃葉はその場に膝をつき、うなだれた。
絶望している木乃葉に駆け寄ったシャオが、持参していた猫耳と尻尾を自分に着ける。
「これならお揃い、だから……大丈夫。木乃葉さん、似合ってるよ。ね?」
「アハハハハ、シャオ先輩モ似合ッテマスヨ……ヤッパリメイド服ハ女性ガ似合イマスネー」
小首をかしげてシャオはフォローしているつもりだが、似合っていると言われた木乃葉のハートはぼろぼろだ。
濁った目でシャオを見ながら、そんな言葉を投げる、木乃葉。
「俺おとこのこだもん……」
女性扱いされたシャオは、頬を膨らませて拗ねてしまった。
●
「はぁ、やっぱりメイドさんって素敵ですね」
由香里は片っ端から仲間たちのメイド姿を撮りまくり、うっとりしている。
その間、他の仲間たちも次々と、ミニスカメイド服に変えられた。
「これは中々……」
少しだけ堪能してから、手寅はキュアで元に戻る。
「こちらを気に入っておりますので」
男に対し、丁寧に頭を下げる手寅。
「はい! 皆さーん! 落ち着いてくださーい! 貴方達は変態の侍女ではなく灼滅者でしょう?」
まだミニスカメイドに変えられていない望が、仲間たちに呼び掛ける。
「洗脳されそうな時はこの言葉を脳内で繰り返すのです! 変態は敵! 変態は灼滅! きゃあっ!?」
言い終えた直後に、ミニスカメイドに変えられてしまう、望。
自分が言った言葉を脳内で繰り返すことも無く、重度状態になってしまう、望。
「マスター、私は貴方様の道具です。私の事など考えずに、貴方様が望むままに壊れるまで使ってください。それが道具である私の一番の喜びなのです」
『忠実で愛らしい子だ。しかし壊れてしまっては困りますね。使い捨てでは無く、一生愛でてあげますよ』
背筋がゾッとしそうな、トリハダが立ちそうな、変態の変態による変態の言葉が響く。
「私が忠義を誓うはただ一人! 此処にあらせられる月代お嬢様のみよ!」
ミニスカメイド姿になった碧は、ビハインドの月代を紹介する。
スカートがミニになっても、碧は負けない。
意識を持って行かれそうになれば、背後に立っている月代が碧を殴って正気に戻してくれる。
「確かにメイドは素晴らしい……だが、メイドとは己が意志によりて主人に仕う誇り高き職業……。本人の意志と関係なく給仕するのは最早メイドではない」
碧には碧の、メイドとしてのプライドが有るのだ。
正気を奪う変態には、負けられない。
「えっちな所見られちゃってますのぉ!」
愉悦に体を震わせ、興奮しているシエナ。
「ねー、ご主人様ぁ、何してほしいですかぁ? 何でもしますよ?」
男にすり寄り、媚びまくりの状態になっている由香里。
「えへへ、ごしゅじんさま~なでて、なでて~♪ ごしゅじんさま、だいすき~♪」
木乃葉は、癒し系の愛らしい犬のようになり、甘えている。
「メイド服……下着も……首輪まで……恥ずかしい……」
なぜか1人だけ、首輪をつけられている星流は赤面し、恥ずかしさで身動きが取れない。
正気を保っている碧と手寅が、手分けして仲間たちにキュアを掛ける。
『おや、元に戻ってしまいましたか……おかしいですね』
木乃葉の頭を撫でていた男の手を、正気に戻った木乃葉は思いっきり叩き落とす。
「人の意思を捻じ曲げ、メイドの誇りを汚す者よ……其処に直れぃ!! 成敗してやらぁぁ!!」
碧は生成した強酸性の液体を飛ばし、月代が霊撃を放つ。
「他人の意思を無視してメイドにしようだなんて最低ですね。お仕置きなのです!」
正気を失っていた記憶は残っている為、望は心底不快そうに自分の体をさすり、攻撃に転じる。
「えっと……ごっ、ごめんなさい……ご主人様……」
連携したシャオが、青いオーラをまとった影を伸ばす。
影の先端は鋭き刃に変わり、シャオは蒼煇の闇で敵を斬り裂いた。
「ご主人様の服を縫おうとして、破くですの」
高速で操った鋼糸と、ライドキャリバーのヴァグノジャルムの攻撃と共に、シエナは敵へダメージを追加する。
「都市伝説を倒したらメイド服も消えちゃいますよね。せっかくだからなんとか持って帰れないかしら」
由香里は強い願望と共に、炎を宿した武器を敵に叩きつける。
「散々辱めてくれたお礼に……メイドらしく……簡単には死なせませんよ……ご主人様♪ 生かさず殺さず、ご主人様が“殺してくれ”と懇願するまで……箒で滅多打ちだっ」
星流は言葉通り、手加減攻撃で敵を滅多打ちする。
死亡や消滅や灼滅をさせない慈悲が有る為、好きなだけ痛めつけることが出来る、というわけだ。
「あぁ~すいません、ドジっ子メイドが足を絡ませてころげ……しねえええ!!」
ドスのきいた、木乃葉の声。
片腕を異形巨大化させ、怒りをたっぷりと込めて渾身の一撃を叩き込む。
「さっさとお還りください♪ ご主人様♪」
「旦那様、これにて茶番は終わりでございます」
まだ消えない都市伝説に対し、木乃葉が、しぶといなこの野郎、とばかりに声を掛ける。
よろけた敵の不意をつき、手寅が超スピードで敵の死角へ回り込み、敵の身を守るものごと斬り裂く。
『わ、私の……花園、が……! ぐああああ!』
手寅の攻撃がトドメとなり、都市伝説は断末魔の叫びをあげて、完全に消滅した。
●
「成敗完了!!」
碧が高らかに声を響かせる。
「一石二鳥、じゃなかったですの」
甘かった……と、シエナは少し反省気味だ。
「ブラック雇用主は消えました、おしまいです」
「服も戻ったし……帰ろうかな……」
望の言葉に頷いたシャオは、猫耳の黒パーカー姿で、その場を去る。
「欲望の塊だったが、たまにはこういうのも悪くはない、そう思う……ことにした」
手寅が都市伝説を思い出し、ド変態だったと改めて思う。
「もっと滅多打ちしたかったけど……」
割に合わないというように、星流は文句をぽつりと零す。
「撮った写真は記念です、悪用はしません、たぶん」
「一般人の方々はメイド服の記憶がないんですよね……何故灼滅者の記憶は消えないのか……って、ボクのは消して! け、消し、消せよう!」
由香里は仲間たちの、メイド姿の写真がたくさん撮れて満足している。
眼差しを遠くに投げていた木乃葉が、由香里の言葉を聞き、必死に叫んだ。
作者:芦原クロ |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2017年4月7日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 1/キャラが大事にされていた 4
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