決戦アッシュ・ランチャー~蒼海に轟く

    作者:高遠しゅん

    『三千人の一般兵鎮圧、並びにアンデッドと人甲兵の撃破の完遂、見事だった。君たちのお陰で、アッシュ・ランチャーを灼滅する道筋が見えてきた』
     急遽届けられたディスクを再生すると、聞こえてきたのは櫻杜・伊月(大学生エクスブレイン・dn0050)の声だ。急いでいるのか、普段より口調が早い。
    『ノーライフキングの本拠地については、まだ謎が多い。これで統合元老院クリスタル・ミラビリスの元老であるアッシュ・ランチャーを灼滅する事ができれば、侵攻が可能になるかも知れない』
     更に、ノーライフキングと協力体制を敷いているご当地怪人の移動拠点、ご当地戦艦『スイミングコンドル2世』が、艦隊に合流した。アッシュ・ランチャーが座乗する艦艇は擬似的に迷宮化され、アッシュ・ランチャーを灼滅しない限り破壊する事は出来ず、内部にはノーライフキングをはじめとした強力な戦力がある為、攻略は非常に難しいだろう。
    『だが、ここで見逃すことがあれば、今回のような事件を再び起こす可能性がある』
     一般人を多数巻き込んだ大規模な作戦など、起こさせてはならない。
    『難しい。しかし、我々が灼滅しなければならない』
     加えて、と声は続く。
     行方不明になっていた、椎那・紗里亜(言の葉の森・d02051)が囚われていることが予知された。彼女は闇堕ちした時に特殊な力を得たようで、学園のエクスブレインとは違う系統の予知能力を獲得しているという。その能力が、ノーライフキングに悪用されているのだ。
     可能ならば、彼女の救出あるいは灼滅も視野にいれる必要がある。予知能力をダークネスが得ると言うことは、恐るべき脅威なのだから。

     現在のアッシュ・ランチャー艦隊は、陣形を整えゆっくりと撤退に向かっている。
     だが、これだけの大規模な艦隊が簡単に動き出せるはずもなく、直ちに追撃に移ったなら艦隊に大規模な襲撃をかけることが可能なタイミングなのだ。
     こちらから攻撃をしなければ戦闘は起こらず撤退していくが、アッシュ・ランチャーと艦隊が健在なままであれば、いずれ再び似たような軍事行動が起こることは間違いない。
    『今回のような事件を、二度三度起こすわけにはいかない。そのためにも、アッシュ・ランチャーを倒したい』
     アッシュ・ランチャーはノーライフキングの首魁『統合元老院クリスタル・ミラビリス』の一体である。灼滅できたなら、所在不明のノーライフキングの本拠地の情報を得る事ができるかもしれないのだ。
    『敵艦隊までの移動手段に、漁船やボートなどは手配してある』
     船の操縦法のマニュアルなども準備してあるため、操作に手間取ることはない。しかし、戦艦の砲撃に灼滅者がダメージを被ることはないが、船は破壊されるだろう。船が撃沈された後は、灼滅者のみで敵艦に潜入し内部の制圧を行うのだ。
     最初から泳いで近づくことも可能だが、迅速かつ効率的な行動をと考えるなら、漁船やボートを利用する方が有効だろう。

    『アッシュ・ランチャーは「撤退可能となった艦艇」に移乗して、戦域からの撤退を画策しているようだ』
     この撤退を阻止するため、艦隊の外側で撤退準備が整っている艦艇を優先して制圧していく必要がある。艦艇には人甲兵やアンデッド兵だけでなく多くの一般兵が乗船しているため、人甲兵とアンデッドを殲滅した後には、ESPなどを利用して一般兵に指示をし他の艦艇の待避を邪魔するように移動させれば、アッシュ・ランチャーの撤退を防ぐことができるだろう。
     撤退が不可能となれば、アッシュ・ランチャーは艦艇の人甲兵やアンデッド兵を呼び集め、自らを守らせようとする。アンデッドたちもまた救命ボートのような物を利用、または海中を泳ぐなどして自力で集結してくる。
     終結する戦力は、アンデッドが千体弱、人甲兵が三百体程度だが、この戦力がスムーズに集結してしまったなら、撃破は困難になるだろう。
    『アッシュ・ランチャーを撃破するためには、これらの増援を阻止することが重要となる』

     ここまで作戦を進ませることができたなら、アッシュ・ランチャー本人が座乗する艦艇に乗り移り、決戦を挑むことが可能だ。
     ノーライフキングの首魁の一員であるため、本人が非常に強力な力を持ち、親衛隊ともいえる人甲兵の護衛に囲まれており、撃破には相応の戦力が必要だ。
     更に後方から増援のアンデッドが押し寄せれば、撃破を断念する可能性もありえるだろう。
    『撤退を阻止する、増援を阻止する、アッシュ・ランチャーおよび護衛と戦うという三つの作戦を同時に成功させなければ、アッシュ・ランチャーの灼滅には届かないだろう』

     そして最初から『スイミングコンドル2世』にアッシュ・ランチャーを避難させた場合、灼滅者がスイミングコンドル号に押し寄せてくるため、スイミングコンドル2世が制圧されてしまうと言う『紗里亜』の予知があったため、アメリカンコンドルは『アッシュ・ランチャー艦隊と灼滅者が戦って混乱した所』で介入する作戦を行おうとしている。
     何の対策もないままであれば、アッシュ・ランチャーと決戦中に、アメリカンコンドルとご当地怪人の軍勢によって横槍を入れられて、アッシュ・ランチャーを奪われてしまうだろう。
    『これを阻止する為には、スイミングコンドル2世への攻撃も同時に行わなければならない』
     スイミングコンドル2世の戦いでは、条件さえ整えば、アメリカンコンドルの灼滅の可能性もある。
     また、スイミングコンドル2世のスーパーコンピューターに接続され、予知を行う為の装置として利用されている『椎那・紗里亜』の救出あるいは灼滅も目的の一つになるだろう。

    『敵は数に勝り強力だ。しかしこの状況はチャンスでもある。上手くいけばノーライフキングを追い詰めることができるのだから』
     伊月は長い説明を終えた。
    『健闘を祈るよ。学園で、全員無事の帰還を待っている』


    参加者
    黒鐘・蓮司(グリムリーパー・d02213)
    李白・御理(白角・d02346)
    卜部・泰孝(大正浪漫・d03626)
    御神・白焔(死ヲ語ル双ツ月・d03806)
    青和・イチ(藍色夜灯・d08927)
    七六名・鞠音(戦闘妖精・d10504)
    黒揚羽・柘榴(魔導の蝶は闇を滅する・d25134)
    カーリー・エルミール(元気歌姫・d34266)

    ■リプレイ

     それは、まさしく海上に轟く業火だった。


     海上をひしめき舵を取り、大艦隊が航路を変える。その鉄(くろがね)の偉容に比較したなら、灼滅者たちが分譲する漁船やボートは、荒波に翻弄される木の葉のようだ。
     しかし、彼等はただ弄ばれるだけの無力な存在ではない。鋭い爪と食らいつく牙を持つ、闇を刈り取る狩猟者だ。彼等を乗せた船は、大艦隊の尾に食らいつこうと白波の尾を真っ直ぐに波間に引いていく。
     舵を取るのは青和・イチ(藍色夜灯・d08927)。傍らに霊犬のくろ丸を添わせ、ただ前方の艦隊を目指す。その藍色の目が僅かに細められた。
    「逃げるが勝ち……にしては」
     船団の動きが気に掛かる。
     アッシュ・ランチャーの撤退を阻止し灼滅するため、灼滅者たちはあらゆる方向からの追撃作戦を組んでいる。先行して何班かが追撃をかけているが、目の前の大艦隊が撤退する勢いは衰えることなく、陣形の乱れも大きくない。戦闘は始まっているはずなのに。
    「まだ敵が多すぎるよね。このままじゃ、逃げられてしまうよ」
     黒揚羽・柘榴(魔導の蝶は闇を滅する・d25134)が風に遊ぶ漆黒の髪を押さえつつ、懸念を口にした。
     撤退阻止に向かった班が現在どういう状況なのか、この距離では確認できない。艦隊の速度が上がってしまえば、元々の船の力が桁違いのため、灼滅者たちが追いつけなくなってしまう。
     そうなれば追撃作戦は水泡に帰す。アッシュ・ランチャーは闇の狭間に消え、遠くない未来に再び一般人を多く巻き込んだ事件で日本を脅かしに来るだろう。
    「戦は常に流転するものよ。機は未だ我等の手中也」
     さして期待はしていなかった。ノイズで全く使えない通信機を戻しながら、卜部・泰孝(大正浪漫・d03626)は船団の動きを注視する。
     海はあまりにも広く、はるか前方の戦闘音など風と波とエンジン音に搔き消され、耳を澄まそうとも届かない。撤退阻止に動いた班は、多くはなかったことを思い出す。
     ならばこの先どうするのか、機が見えたとき、どう動けば最善か。
     漁港から借りた小さな船に、灼滅者が八人と霊犬が一匹。口を開くものもなく、戦況の変化を待ちながら澪を追う。大波に揺れる甲板に沈黙が降りれば、困惑と焦りが募るばかりだ。
     艦隊はなおも速度を上げていく。距離が遠くなる。
    「――あれを」
     七六名・鞠音(戦闘妖精・d10504)が指さした遙か先。一隻の戦艦が船体の砲台を回転させた。急速に舵を切っている様子が、やがて確認された。
     阻止作戦が進んでいるのか、あるいは何か予測不能の事態に陥ったのか。
     班同士の通信が完全に遮断されている以上、外から目に見える範囲でしか確認はできない。
    「あの船、もしや」
     その時だった。
     ごう、と腹の底に響く残響の後、火炎渦巻く華が咲いた。
     一発ではない、二発、三発、立て続けに砲台が火を噴く。轟音が響く度に、別の戦艦が炎を吹いていく。
     至近から、しかも友軍からの砲撃を予期して避けられる巨大戦艦などないだろう。面白いように横腹に穴が空き、火災が起き船体が傾いでいく。沈みゆく船とはこんなにも脆いのか。
     歓声を上げたのはカーリー・エルミール(元気歌姫・d34266)だ。短い金髪が潮風に乱れるのも構わず、炎を巻き上げて沈んでいく戦艦を興味深そうに眺めている。映画みたいだねぇ、と。
    「形振り構う余裕、無し……か」
     御神・白焔(死ヲ語ル双ツ月・d03806)が唇の中だけで呟いた。
     阻止に向かった班は、多くなかった。任務を成功させられるぎりぎりの人員で精一杯の働きをしても、ばらばらに撤退していく大艦隊を引き留める方法など、たった一つしか無かったのだ。
     撤退していく艦隊が崩壊しつつあった。ばらばらと救命ボートのようなものが波間に漂っている、あれは乗船していた一般人兵士たちだろう。アンデッドと人甲兵は船とともに沈むのか、それとも潜入した灼滅者たちに倒されたのか。
    「見ぃつけた」
     空中からの攻撃を警戒していた黒鐘・蓮司(グリムリーパー・d02213)が、目を僅かに笑みの形に歪めた。空飛ぶ敵はなかったが、注意深い偵察で思わぬ発見だ。
    「あれだけ砲撃受けて、どうして傷も付かず沈まないんすかねぇ。嫌んなるくらい頑丈な船っすよ、不思議っすねぇ」
     口調は気怠げだが、瞳の奥に爛々とした殺気を孕んでいる。獲物を見つけた狩猟者の目だ。
     弾が尽きたのか、同じ事を感じ取ったのか。砲撃を止めた戦艦が速度を上げる。
     見る間に無傷の戦艦との距離を縮め、船体で体当たりを仕掛けた。鉄と鉄とがぶつかり合い、嫌な音とひときわ大きな爆発音が鼓膜を震わせた。
     体当たりをしかけた船が海上に横倒しになり沈んでいく一方、衝撃を受けた船は傷一つ付かず、何事もなかったかのように海上を滑っていく。
     ダークネスの領域に物理攻撃は通用しない。あの船は一隻だけあからさまに異様だ。
    「あの船にアッシュ・ランチャーが乗ってる……うわぁ!」
     李白・御理(白角・d02346)が声を上げた瞬間、小舟がぐんと速度を上げる。振り回されて柱にしがみつけば、操縦席のイチが半分だけ振り返った。
    「急行するよ。敵さんもいる、しっかり捕まる」
     霊犬の応えと同時にエンジンが一層高鳴り、小舟は風を切って目標の船に突き進む。
     船団の隙間に浮き沈みしているのはアンデッドと人甲兵。サイキックの攻撃が次々と放たれる。小船も長くは保たないだろう。
     水底に沈んでいく戦艦に、泰孝は懐中に忍ばせていた数珠玉に触れた。


     爆発に巻き込まれる前に、灼滅者たちは小船から海中へと身を躍らせた。
     視界の端にアッシュ・ランチャーの船へ向かい進む仲間の姿がある。彼等を追うアンデッドは多い。
     眼前にある戦艦のひとつを目標地点として、水中で移動を始める。水中も甲板も、アンデッドと人甲兵らがひしめいて灼滅者の行く手を塞ごうとしている。
    (「ならば、私たちは仲間の盾となり、矛となりましょう」)
     水中でも呼吸に不自由はない。アッシュの元へ向かった仲間の邪魔はさせるものかと、鞠音は水中で魔力を練り上げる。敵味方入り乱れての戦闘ならば、手近な敵から倒すのが定石だろう。巨大な十字架に強く打ち据えられたアンデッドの一体が、腹を大きく抉られ海中深く沈んでいく。
    (「あぁウゼェ、本当に」)
     人類管理、ミリタリーバランス、勝手に『管理』なんてされてたまるかよ。
     うそぶく蓮司が纏うダイダロスベルトが、水中で翼のように編まれ広がる。手近なアンデッドを絡めては、次々狙い握りつぶしていく。アッシュを灼滅できたなら、つまらない屍相手も終わるだろうか。
     一人一人に回復を飛ばすことに手数を裂いているカーリーに、アンデッドが気づき複数群がっていく。斜め上から打ち抜くのは、六文銭の射撃攻撃。イチの霊犬くろ丸が放つ追撃に添えて、イチが展開する縛霊手の祭壇から除霊の結界が放たれた。
     動きを鈍くしたアンデッドの中からカーリーを引っ張り出してから、イチはくろ丸とともに身を返す。
    (「僕には今、大事な物が、沢山ある」)
     守るための力がある、これは長丁場になりそうだと、水を蹴る。刃の形にしなる影業が、アンデッドを真っ二つに切り裂いた。

     泰孝が水面を大地のように蹴りつけ、船尾に取り付き鈎かけ縄を垂らすと同時に、耳の横を人甲兵の腕が掠めていった。
    「そう急かずとも」
     汝らの相手は我等の仕事。包帯の下の唇に笑みを浮かべる。
     この艦は砲撃を受けていない、ならばぎっしりと敵が潜んでいるのだろう。制圧してしまえば話は早いが、先行く敵の足止めが役目。
     まずは、目の前から。数歩距離をとり、とんとロッドを打ち鳴らす。途端に巻いた風の刃が、眼前の敵を巻き込んで斬りつけた。
    「アッシュと戦う仲間の邪魔は、させないからねっ!」
     先行した班が作ってくれたタイミングを、無為になどするものか。柘榴の足元に光の五芒星が浮かび上がった。何処に立っても囲まれる乱戦だ、ならば四方まとめて相手をしてしまえばいい。
     広がる光の五芒星に温度を奪われ、人甲兵の表面が凍てつき霜が降りる。柘榴の赤い瞳が笑んだ。
     鉄の板を蹴る軽い音がした瞬間、人甲兵は目の前の白焔を見失った。索敵に移る前に、その腹部に高速回転する杭が深く撃ち込まれた。散る火花に、傾ぐ巨体。軌跡すら残さずの技は、白焔の戦法だ。
     内部のアンデッドもろとも爆発する人甲兵の破片を踏みつけ、アンデッドは数が減る様子が見えない。
     死は生きる物に等しく訪れる、尊ぶものと白焔は思う。目の前のアンデッドたちは、ノーライフキングの駒として静寂なる死から無理に呼び起こされた者たちだ。
    「弄ぶか、屍王」
     この手で首を落とせずとも、アッシュ・ランチャーの元へ征く仲間がそれを果たすだろうと信じている。
    「この艦は、迷宮化はしていないのですね」
     事前の情報ではアッシュ・ランチャーの船は、屍王得意の迷宮が施されているという話だったが。艦隊全てというわけではないらしい。御理は清めの風を喚びながら、船尾からの通路を確認した。
     ここからならば、下に降りればエンジンがあるだろう。一隻でも多く船を止めた方が、突入班の援護になるかもしれない。
     ふと、足元に不自然な振動が伝わってきた。水中にいる者たちが、スクリューをサイキックで破壊したのだ。船の進行はこれで緩やかになり、やがて止まるだろう。
    「あとは、誰も倒れないようにするだけです」
     御理は手にした大鎌を掲げ、黒き波動を解き放つ。周囲のアンデッドが『咎』に包まれ膝をついた。


    「突入班はどこまで行けたかな」
     シャウトで傷を癒すのも幾度目だろう、柘榴が掠れた声で呟く。体力の消耗は激しいが、決して折れることのない意志の力で前方を睨み付ける。
     既に霊犬は身を挺して攻撃を受け続け消滅している。前衛の強化回復に特化していたカーリーもまた、長期戦に耐えられず戦闘力を失っていた。カーリーの小さな身体を中心に円陣を組み、尽きぬ攻撃に灼滅者たちの体力も消耗の一途を辿ろうとしている。
     あとどれだけ耐えることができるだろうか、そんな状況でも戦意は衰えはしない。
    「死の残滓は、冥府に返すのみだ」
     足元に深く撃ち込んだ杭から、幾重にも振動波が放たれる。白焔の持つバベルブレイカーは、次々とアンデッドを殲滅していく頼もしい装備だった。
    「此度は防御重視。もう2、3手必要と見るが如何か」
    「今は4手。次は3手詰めと予想します」
     一つの人甲兵を相手取り、軽口を交わし合う泰孝と鞠音。泰孝の灯籠から赤い炎が揺らめき三手目、鞠音の夜色の薄衣が火花散らし胸を貫き四手目。
    「流石也」
     笑う泰孝。
    「遊んでいる場合ですか、お二人とも」
     気持ちに余裕があることは良いことだと苦笑して、御理が除霊の結界を重ねた。
     脇腹の傷は浅くない、しかしこれ以上誰も倒れさせるものかと、イチが自らに帯の盾をかけたなら。
    「多勢に無勢も、そろそろ引き際っすよ」
     気怠げに、しかし笑みを含んだ声で蓮司が言い、親指で後方を示してみせる。
    「増援阻止班のご到着っす」
     空気が変わる。
     駆けつけてくる増援の数は多い。これ以上この地点で消耗戦を継続するよりは、引き時と見て間違いない。
     アッシュ・ランチャーは突入に成功した仲間が倒すだろう。そのためのこの戦場だ。

     迎えの船があれば楽だったのにと、誰かが呟けば笑いも起こる。
     役目を果たした彼等の顔は、疲労はあるものの明るいものだった。

    作者:高遠しゅん 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2017年5月18日
    難度:やや難
    参加:8人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 2/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 2
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