夜間、どの店も閉店している、とある商店街。
談笑しつつ、帰り道を歩いていた一般人女性が2人。
『ウナギは好きか? 嫌いか?』
2人の後ろから、問いが放たれた。
振り向くと、そこには……人間サイズの、巨大なウナギが。
良く見れば巨大ウナギの周りには、普通サイズのウナギが、何匹も浮いている。
「い、いやーっ!」
『いや? 嫌いということか? ならばウナギ攻撃だ!』
普通サイズのウナギが、一般女性の体にからみつき、うねうねと動く。
「す、好きです!」
『好きか、ならば堪能してくれ!』
もう1人の女性が慌てて逆の回答をすれば、やはり普通サイズのウナギが、ぬるぬるとからみついて来る。
ぬるぬる、ぬるぬる。
「ああ……ウナギ様、もっとウナギをください」
女性2人はうっとりしながら、巨大ウナギに頼み込んだ。
「……と、いう内容で、ラジオウェーブのラジオ放送が確認されたよ! このまま放っておけば、ラジオ電波から生まれた都市伝説の手によって、ラジオ放送と同様の事件が発生するよ」
須藤・まりん(高校生エクスブレイン・dn0003)が、教室に集めた灼滅者たちに告げる。
エクスブレインは、赤槻・布都乃(悪態憑き・d01959)の調査で、都市伝説を発生させるラジオ放送を突き止め、ラジオウェーブのものと思われるラジオ電波の影響により、都市伝説が発生する前に、その情報を得ることが可能になったのだ。
「都市伝説はダークネスじゃないけど、バベルの鎖の効果を持つから、警察や一般人では対応が出来ないんだよね。灼滅者……つまり、みんなが討伐するしかないんだ!」
灼滅者たちの力が必要不可欠であることを、強調する、まりん。
「都市伝説は、ぬるぬるのウナギを放って来るみたいだね。ウナギが絡み付いたままにしておくと、なんていうか……その、ちょっといけない気持ちになっちゃうみたい。被害者の2人が商店街に入るまで待つか、もしくはみんなの内、誰かが先に商店街に入れば都市伝説は出現すると思うよ。後者の作戦の場合は、都市伝説が出現したら人払いが必要だね!」
一部は少し赤くなりながらも、元気良く説明していたまりんは、少し間を置く。
「この情報は予知では無くて、ラジオ放送の情報から類推される能力なんだよね。だから、低確率だとは思うけど、予測を上回る能力を持っている可能性が有るんだ。その点は、気をつけてほしいかな」
まりんは、灼滅者たちのことを、心配している。
「その、女子はもちろんだけど男子も気をつけてね!」
参加者 | |
---|---|
リリアナ・エイジスタ(オーロラカーテン・d07305) |
高野・妃那(兎の小夜曲・d09435) |
シャロン・ルナージュ(孤高の文学少女・d17850) |
八白・愛(ライジングリッパー・d27462) |
シャオ・フィルナート(猫系おとこのこ・d36107) |
●
「私達が先に商店街に入って、都市伝説を誘きよせる作戦で行くわね。人払い用の、殺界形成は、シャオさんにお任せするわね」
「みんなで商店街に入って、一般人は巻き込まないように……」
シャロン・ルナージュ(孤高の文学少女・d17850)の言葉に小さく頷き、シャオ・フィルナート(猫系おとこのこ・d36107)は殺界形成を展開する。
「なんでイケナイ都市伝説が出るの。こんな相手は得意じゃないけどボコボコにするよ」
格闘技が得意なリリアナ・エイジスタ(オーロラカーテン・d07305)は拳を握り、虚空にパンチを繰り出している。
「いけない気持ちにしちゃうウナギ……無事に退治できればいいけど、いやな予感がするよ……」
八白・愛(ライジングリッパー・d27462)は一瞬だけ寒気が走り、身震いする。
「きちんと楽しんで灼滅しましょう」
自分に素直な発言を、サラリと放つ、高野・妃那(兎の小夜曲・d09435)。
『ウナギは好きか? 嫌いか?』
突如聞こえて来た、問い。
「嫌い。ヌメヌメは嫌だし、それほど食べないし」
リリアナが即座に返答すると、巨大ウナギの周りに浮いていたウナギが、まるで洪水のようにリリアナに押し寄せた。
●
「これで、参ると思ったら、大間違い、だよ」
リリアナは、いけない気持ちをぐっと抑え込み、くねくねと巻き付いて来るウナギを引っぺがして挑発する。
引きはがすたびにウナギが追加され、リリアナは赤面しながらもなんとか、こらえている。
「ぬるぬるウナギですか。エロ……げふん。なんというか、こう、胸が高ぶりますね!」
はずかしめられているリリアナをじっくり見物する、妃那。
「念のため、サウンドシャッターを使っておくね」
愛はサウンドシャッターを展開しつつ、リリアナに声かけをおこない、理性を保とうとさせる。
「うわぁ人間サイズのウナギそのままの姿ですか、こう大きいと微妙にキモいですね」
巨大ウナギをまじまじと見て、妃那はストレートな感想を述べる。
「うなぎさんと、初めての、ご対面なの……うなぎさん、初めまして……シャオです」
シャオは頭を下げて、自己紹介。
『ウナギはどうだ、好きか? 嫌いか?』
「あ、ウナギは好きですよ」
「おさかなさんは、みんなスキだよ。可愛いよね……あ、でも、うなぎさんは、水族館で見たくらいで……くわしくは……?」
手を挙げて答える妃那と、小首をかしげる、シャオ。
「そうか……ならば、堪能してくれ!」
キモいと言われたのが地味に傷ついたのか、妃那のもとに向かうウナギは多い。
「バッチこーいですよ」
それでも妃那は拒絶するどころか、積極的にウナギの群れを受け入れた。
ぬるぬると服の中に入り込む、ウナギ。
「あぁん! う、ウナギが潜ってぇ……」
つやっぽい声を出し、妃那は体をビクビクと震わせる。
「ふぇっ、ひゃうっ!? まっ、待って……なんか、ぬるぬるしてぇ……ふぁっ……」
シャオにもウナギがぬるぬると絡みつき、どんどんいけない気持ちになってゆく。
敏感体質なシャオはウナギ攻撃に立っていられず、その場に座り込んでしまう。
「う、うなぎって……こんなにぬるぬるしてるの……? 滑って、取れないよぉ……」
必死にウナギを取ろうとするシャオだったが、ぬるぬるしたウナギが中々、掴めない。
(「ウナギか、最近では漁獲量も下がって値段も高騰しているのよね。まぁ、流石に都市伝説を食べるわけにはいかないけど」)
仲間に絡みついているウナギを見て、シャロンは思案する。
そんなシャロンにも、いつの間にやらウナギがぬるぬると絡みつき、シャロンの体を這い始めた。
「やだ、このウナギぬるぬるして気持ち悪いわ……誰か、助けて下さい……」
シャロンが仲間にキュアを求めるが、仲間たちはそれぞれ必死だ。
残った理性を振り絞り、なんとかシャロンにキュアを掛けた愛は、その隙を狙われ、服の中までウナギが入り込んでしまう。
「ひゃうっ!? ちょっ、やめ、あううっ!?」
肌に直接、ぬるぬると絡みついて来る感触に、愛は我慢出来ずに声を出す。
体をビクビクと震わせ、いけない気持ちになってゆく、愛。
「だめ、なのに……いけないとこに、ぬるぬるされたく、なってる……」
熱っぽく呼吸を乱し、愛はウナギに身をゆだねてしまった。
●
「他の人にもウナギのお裾分け……どんどんいけない感じでウナギ貪って弱体化させますよ」
「せっかくキュアして貰ったのに……やだ、服まで濡れてしまって……」
息を乱しつつ妃那はシャロンに接近し、ぬるぬるウナギを分ける。
「え、えぇ。作戦だから仕方ないです」
恥ずかしがるシャロンに、妃那は目を逸らして、それっぽい理由を口にする。
「うなぎなんて欲しく、ないし……負けちゃダメだよっ」
リリアナが仲間たちに懸命に声を掛け、いけない気持ちになりそうなのを、根性でなんとか耐えている。
が、お尻にウナギが這うと、リリアナは大きく体を跳ねさせた。
「そ、それ以上はダメっ、変な気持ち止まらなくっ」
どうやら、リリアナはお尻が弱かったようだ。
それを知ったウナギたちは、我先にとリリアナのお尻を狙いまくる。
「んん、変態うなぎ、取って、早く……」
息は弾み、身を小刻みに震わせながら、服が消えてしまったリリアナはなんとか、助けを口にした。
「おねがいれす……わらひのこと、うなぎひゃんのものにしれ、くらさいぃ……」
愛はすっかり、重度のいけない気持ちになり、ウナギをたくさん求めた。
求められたウナギは、ここからが本番だとばかりに、愛の体を好き勝手にもてあそぶ。
「あぁっ! ウナギがうねうねぇ、気持ちいいのぉ!」
妃那もすっかり、いけない気持ちになってしまい、うずく体をウナギにゆだねている。
「ふえぇっ!? ふっ、服……なんで……!?」
服が溶けるようにして無くなってしまい、シャオは顔を真っ赤にし、涙目になりながら慌てて体を隠そうとする。
『男子だったのか、これは驚いた。だが可愛ければ良し!』
「やぁっ、見ないでぇ……」
全裸のシャオに、ウナギは執拗に絡みつく。
「なん、か……体が、変だよぉ……」
素直にねだることは出来ないが、シャオの瞳はとろんとして、巨大ウナギを見つめている。
『ウナギに身も心もゆだねてしまうがいい! ……おや?』
巨大ウナギが周りを見ると、もうウナギが無い。
積極的にウナギを、体で堪能していた妃那に、シャロンがキュアを掛ける。
メディックの妃那はリバイブメロディで、仲間たちにキュアをほどこす。
服も気持ちも元通りになり、好き勝手にされた怒りが込み上げ、リリアナは片腕を異形で巨大なものに変える。
「吹っ飛べ、変態うなぎ!」
『ぐはあっ!』
敵の懐に素早く入り、怒気をたっぷりと込めて、下から渾身の一撃を叩き込む。
「クラッシャーとして、積極的に攻撃!」
宙へ勢い良く飛ばされた敵に狙いをさだめ、愛がエアシューズで滑走し、敵が落ちて来たところに激しい炎の蹴りを放つ。
「メンバーで……おとこのこは俺一人だから……味方を庇う行動を……最優先するね」
シャオは慎重に、敵からの攻撃が来ないか見極めつつ、赤き逆十字を出現させて敵を切り裂く。
「影の兎さんがウナギを食べちゃいますよ」
『ひいいっ、助けてくれ』
伸ばした影は、妃那が持っているウサギのぬいぐるみのような形に変わり、敵を覆って飲みこむ。
「どんどん加速する攻撃よ、貴方をウナギの刺身にしてあげるわ」
シャロンが高速で剣を振り回し、加速によって威力を高め、敵を斬り刻む。
『ぎゃあああっ!!』
シャロンの攻撃がトドメとなり、都市伝説の巨大ウナギは完全に消滅した。
●
「はぁ、はぁ……酷い目にあった……」
服も気持ちも元通りだが、ウナギに色々されてしまったのは事実で。
ほぼ腰くだけの状態で、ちゃんと帰れるだろうかと愛は不安を覚える。
「シャワーで色々と、綺麗さっぱり流したい気分だよ」
リリアナは服の下にビキニの水着を着用していたが、意味が無かったと考え、帰る準備を整える。
「ウナギの血には毒がありますから、加熱しないで食べるのは危険ですよ」
「そうなの? ウナギの刺身は危険だったのね。勉強になるわ」
妃那の言葉に、シャロンは柔和な表情を向ける。
「う、うなぎさん……暫く、見れないかも……」
シャオは恥ずかしそうにうつむき、それを聞いた仲間たちも、今後ウナギに対して、どうなるのだろうと考えた。
作者:芦原クロ |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2017年6月6日
難度:普通
参加:5人
結果:成功!
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得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 4
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