修学旅行2017~ヤンバルの大自然をゆく

    作者:六堂ぱるな

    ●南の島へ
     修学旅行の日程が、7月4日から7月7日までの4日間に決定した。
     対象になるのは小学6年生・中学2年生・高校2年生の生徒達。それに大学1年生と大学4年生も含まれる。同じ学部の仲間などと親睦を深める為の親睦旅行や卒業旅行も兼ねているからだ。
     行き先は例年通り、沖縄本島。
     これには先日のアッシュ・ランチャーによる上陸作戦の際に、沖縄に取り残されたアンデッドや兵士がいないかの捜索と安全確認を行うという事情もある。
     が、勿論、旅行先では沖縄料理を食べ歩いたり、美ら海水族館を観光したり、マリンスポーツやトレッキングなど、沖縄ならではの楽しみも満載だ。
     満喫せずしてどうする。いざ、修学旅行!

    ●ヤンバルの森トレッキング
     修学旅行の二日目、昼食が済んだらトレッキングがある。
     沖縄本島の北部にある広大な森の中、渓流沿いに整備された散策道をゆっくり歩くというものだ。国内最大級の亜熱帯の森にはたくさんの固有種が生息している。
    「昨年国立公園になったのか。それにしても広いな」
     埜楼・玄乃(高校生エクスブレイン・dn0167)が修学旅行のしおりを読みこんでいた。なにしろ沖縄は中学の修学旅行以来。
     ヤンバルと言えば、有名なのはヤンバルクイナやノグチゲラなどの特別天然記念物。渓流沿いならイシカワガエルなども見られるかもしれない。
    「柄がすごい割に目がつぶらだな」
     写真を見た玄乃が思わず笑う。もちろん鮮やかな朱色の脚とくちばしが印象的なヤンバルクイナも大歓迎だし、赤い帽子をかぶったようなノグチゲラも是非見たい。アカヒゲという小鳥などは好奇心が強くて、すぐ近くまで来ることがあるらしい。
     今の時期に咲くという白いイジュの花も期待できる。
     コースは渓流沿いだから、滑りにくい靴や濡れても大丈夫な服装をしておいたほうがよさそうだ。深い森の中を行くのだから日焼けの心配もない。
     今年はアッシュ・ランチャーの作戦行動があったため、この広大な森の中に潜んでいるアンデッドやら兵士がいないか、という確認も兼ねている。捜索して発見したらきっちり撃破するのも修学のうち。
     アンデッドが出るかもしれない点は、玄乃はさほど心配していなかった。
    「何、諸兄らのことだ、難なく撃破することだろう。もちろん私はすぐ後ろに下がって、邪魔にならんようにするとも」
     森の奥に現れる落差12メートルの滝まで行けば水遊びも楽しめるだろう。亜熱帯特有の植物に囲まれて渓流沿いに歩くなら、涼しい風も期待できそうだ。植物図鑑や動物図鑑でヤンバルの森での分布を調べながら玄乃が顔をあげた。
    「よかったら一緒に行かないか。私は鈍いから、ヤンバルの固有種をうまく見つけられるかちょっと自信がない」
     逃げようがない植物ならともかく、動物相手だと反射神経に不安があるエクスブレインなのである。
    「貴重な生き物をじかに見たいな。いや、アンデッドは除外するが。今から楽しみだ」
     ヤンバルの森の雄大な自然と貴重な生物、見どころの多いトレッキングになりそうだ。


    ■リプレイ

    ●いざ、ヤンバルの森へ
     【文月探偵倶楽部】探検隊、探検帽を被った黒猫着ぐるみの首には揺れる赤いスカーフ。文月・直哉(d06712)がカメラ目線でキメた。
    「皆準備はいいか? 文月着ぐるみ探検隊、出動だ!」
    「発進だー!」
     ゴーヤの着ぐるみで森林ステルスのミカエラ・アプリコット(d03125)もノリノリ。日輪・小夜(d29960)が白狼の着ぐるみでしぱぱぱぱっと樹に登る。
    「広い森、身体がうずうずするね」
    「やんばる探検に突撃やーーー!」
     名は体を表す、キノコの着ぐるみで目・茸(d19289)が宣言。
     白犬着ぐるみをまとった志穂崎・藍(d22880)が着ぐるみにまみれる安心感で和み、鈴木・レミ(d12371)が見回して愕然とした。
    「私はヤンバルの大自然に足を踏み入れたはず……だが何故、着ぐるみに囲まれているのか!」
    「レミっちは何の着ぐるみ……って着て無いし!?」
    「待って、私は着ぐるみを着ると寿命が短くなる呪いが。いや嘘だけど」
     しょんぼりする直哉と慌てるレミ、彼女に白猫の着ぐるみを持って笑顔で迫る藍を眺め、カメラ担当文月・咲哉(d05076)がほっこりした。
    「やれやれ、相変わらずだな」
     早速効果音を入れて、タイトルの即席テロップを大写しにする。
     ババババーン!
    『着ぐるみ未踏のやんばるの森に、探検隊は謎の生物を見た!』
     ナレーションはカンペを渡されたレミだ。
    「いやあ、毎年来てた気がしてたけど、こんなトコもあったんだねえ、沖縄」
     感心するミカエラに、学園に来るまでは自然の中で暮らしていた小夜が胸を張った。
    「色々案内するね。私の暮らしてた森とは違う、珍しい動物もいるし」
     早速何かくわえて茂みから出てきた彼女を見て、藍とレミの顔がひきつった。
    「死骸は食べちゃ駄目ですよ?」
    「小夜さん、その肉はダメ……ダメ……」
    「これはまさか、古代遺跡!?」
     直哉のフリで咲哉が散策道の石畳を大写しで撮っていると、逆方向から埜楼・玄乃(dn0167)がやってきた。
    「あっ、ノロちゃんやっほー凄いなあこの森。来る途中、バスの中で鳥マークの道路標識見たで!」
    「やあ目、やっほー。ヤンバルクイナの標識か。見逃した……」
    「会ってみたいなあ。一緒に探検するー?」
     茸は学園に名だたる着ぐるみ集団の一員、見失う心配はあるまい。玄乃は頷いた。
    『白狼の小夜が何かを見つけた、何者かの足跡か!』
     くんくん何かの匂いを追って這っていく小夜をカメラが追い、ミカエラが声をあげる。
    「あ、ほら! 何か動いたよ! ほら、そこ」
     バキっ。
     横になっていたゾンビ。ゾンビを踏んづけた直哉と茸。どっか折れたゾンビ。
    『これは正に未確認生物!? いや、敢えて死骸というべきか? 遂にゾンビと遭遇してしまった着ぐるみ達。その運命や如何に!』
    「「探検隊の真心(物理)」」
     藍とミカエラがゾンビを真心(物理)で瞬殺した。
    「アンデッドの肉も食べられない、よ?」
    「あ、なんか見たことない虫がおるよー」
     小夜の傍を歩く大きな虫を見つけた茸が目を輝かせ、それを咲哉の頭に乗せた。
    「え?!」
    「お?! この虫、ひょっとして?!」
     レミの期待どおり、ヤンバルテナガコガネ。そこへ赤い頭の鳥が飛びつき、更に猫が飛びかかった。咲哉の頭on甲虫on鳥onネコ。
    「ついに見つけた、幻のヤマネコが……って本物!?」
     カットをキメにきた直哉が仰天する。
    「わあ。見たことない鳥だったね!」
     飛び去るノグチゲラを、ミカエラが笑顔で見送った。

     【武蔵坂学園宇宙部】も昼なお深い森へ向かう。
    「説明しよう! ヤンバルの森の王にして野生のシーサーを束ねる巨大シーサー、それがオキナワオオシーサーなのだ!」
     テンションの高い神泉・希紗(d02012)の後ろで、探検気分の居木・久良(d18214)は好きな映画で主人公が持っていたのと同じフィルム式の一眼レフをいじっていた。
    「ジャングル、いいよね。そのうちカンボジアとかの森とか遺跡とかを見に行きたいって思ってるしね」
    「哨戒は烈光さんにお任せなのです」
     太らない体質の船勝宮・亜綾(d19718)がもぐもぐと食べ続けている。食べ物の匂いで固有種を誘き寄せる作戦だ。GPSと地図を綿密に確認しながらヴィントミューレ・シュトウルム(d09689)が溜息をつく。
    「ほら、こっちよ」
     森の中を散策しているとウリボウがいて、希紗が歓声をあげた。
    「わ、ナニコレかわいい! 撫でてもいいかな?」
    「そっとなら大丈夫じゃないかしら」
     音をたてないよう撮影するヴィントミューレの助言で、縞模様の毛皮に手を伸ばした。気持ち良さそうに撫でられるウリボウに亜綾がぐいぐい烈光さんを寄せていく。
    「さあ烈光さん、動物同士コミュニケーションを図るのですよぉ」
     さっき道端のゾンビとコミュニケーション(物理)をしに行った烈光さん、もはや悟りを開き気味でなすがまま。
    「何かあげてみようかな?」
    「それならここに美味しいご飯があるのですぅ」
     希紗と顔を見合わせた亜綾が、ポケットから久良謹製・スパイスたっぷりの鶏モモを取り出した。ウリボウを嬉しそうに撫でる希紗を気付かれないようにそっと撮って、久良が微笑む。
    「これが今日一番の発見かな」
    「ウリボウと記念撮影でもしましょうか」
     ヴィントミューレの提案で、皆でウリボウと一枚の写真に収まった。それを待っていたように、親らしいリュウキュウイノシシが現れる。
     連れだって歩き去る親子を、四人は和やかに見送った。

    「同じ日本でもこんなにも緑の濃い、大自然広がる場所があるんですね」
     【雪隠れ邸】のメンバー、鶫之澤・火夜(d02832)は散策を楽しんでいた。
    「何か変わった動物とか見つかるでしょうか」
    「わたしはイジュの花に興味があるの」
     声を弾ませる霜月・薙乃(d04674)に、下調べをしてきた雨月・葵(d03245)が笑って請け負う。
    「見つけたら教えるよ。動物達を驚かせないようにそっとね」
     足元に注意しながら進んでいくと、火夜が色鮮やかな小鳥に目を留めた。
    「あの鳥はなんでしょう?」
    「アカヒゲだね。奥がイジュの木だよ」
     葵に促され、薙乃は梢に咲く白い花を見上げた。
    「……意外にも、とても力強く感じられる花ですね」
     きれいな白と黄色の中心がとても美しくて、カメラで撮影する。今日の思い出がいつでも取り出せるように、写真をお家に飾ろう。
     涼しい風が吹く森の中を見渡して、感心したように葵が呟いた。
    「同じ日本とは思えないね。見ていて飽きることがないよ」
    「皆で来れてよかったですね。一緒に見て、共に素敵な時間が過ごせて嬉しかったです」
     嬉しそうな薙乃に、修学旅行を楽しみにしていた葵も微笑んだ。
    「予想以上に楽しいね。こうしてみんなと一緒に来られたからかな?」
    「皆さんと過ごすことができて良かったです。本当に、良い思い出です」
     火夜が頷いて、楽しい悩みに首を傾げた。
    「さて、部の皆さんにはどんなお土産を買って行きましょうかね」

     軽快な足取りで先を歩く錵刄・氷霧(d02308)に、諫早・伊織(d13509)が微笑む。
    「学園最後にあんたと一緒に行けるとは、嬉しい誤算やったね」
    「正直……一緒にいけると思っていませんでした。年の違いとかもありますし。嬉しいですけど……すごく」
    「色々ありましたけど、こうして平和に楽しめるんはほんま有難いなぁ」
     飄々とついてくる伊織に氷霧が笑顔を返した。
     さて、ここは固有種に出会いたいところ。
    「ヤンバルクイナ、とかご挨拶しときたいなぁ」
    「せっかく来たんですし、見てみたいですよね」
     縞模様の美しい鳥を期待して、植物を傷つけないよう茂みを覗き込む。
     と、ゾンビと目があった。
    「無粋もえぇとこやわ」
    「歓迎ですよ。山道の戦いは良い稽古になりますし」
     ゾンビを瞬殺しながら二人は苦笑をかわす。
     本当は何も見つからなくても構わない。
     一緒に思い出を重ねられるだけで。
    「幸せやね」
     伊織の囁きに、氷霧も頷いた。

     森を静かに歩こうとする北沢・梨鈴(d12681)の足元が滑りそうで、七瀬・悠里(d23155)がそっと手をとった。
    「ほら、気を付けねえと危ねえぞ」
    「ちょっと大変かも……」
     梨鈴の綿密な下調べで固有種を色々見られた。あとはもう一つ、綺麗だというイジュの花も見たいところ。
    「あの辺とかどうだ?」
     ビンゴ。悠里が指したのは確かに白い花をつけたイジュの木だった。
    「わ、思ってたより小さいかも……ふふ、可愛い、ね」
    「ほら、こういうのも土産になるか?」
     固有種は持って帰れないが写真ぐらいは大丈夫。小さな白い花の画像を二人で頬を寄せて覗き込む。
    「写真、あとで私も欲しいな」
     もう一、二枚撮ろうと悠里が向き直ると、木陰からよろりとアンデッドが迷い出た。
     二人で顔を見合わせる。
    「観光名所で犠牲者出るのは嫌だからな!」
    「素敵な森にアンデッドは似合いませんよね」
     息のあった攻撃がアンデッドを粉砕した。

    「珍しい動物探すんもいいけんど」
     網代・めじな(d33476)の目的は地質調査であった。
     森は火成岩が多いことを確認して、次は沢へ。
    「北部はほぼ溶岩からの変成した岩になっちょん。そこに沢ができち森ができち動物が棲んじょんのやな」
     地質を見ればそこがどんな経緯を辿ったかわかる。メモをとって、溜息が洩れた。
    「あーあ、志樹くんと一緒に来れたらもっと楽しめたんかなぁ」
     こんな時は1歳の違いが残念、なのだ。

     行き違うように茶倉・紫月(d35017)が、はぐれゾンビを影でぱくんと呑み込んで森の奥へと進んでいく。見たいのはイジュの花。
     意外と高い梢についた白梅みたいな花を見上げる。鞄から植物図鑑を出して開くとツバキ科とあって、そう言われたらツバキっぽく見えてくる。
     あぁ、そうだ。この花の写真を撮って、あの人への土産にしよう。
     自分で見てきたものを共有できる写真なら、特別な気がして。
     喜ぶかな。喜ぶといいな。

     涼やかな空気の中を篠村・希沙(d03465)が歩いていた。
     スケッチをするのも久しぶり。クロッキー帳に軽く鉛筆を走らせていると、夕陽のような綺麗な羽色の鳥が寄ってきてさえずった。
    「わ、へへ、ほんまに近くまで来るんや……こわくないの?」
     燃えてるみたい、なんて思えば少し親近感が湧いた。
     帰ったら感じたことを彼に聞いて貰おう。絵を見せるのは恥ずかしいから内緒だけど。
    (「でも、きっと、笑ってくれる」)

     上機嫌でやってきた淳・周(d05550)がカメラを手に声をあげる。
    「お、埜楼、一緒に散策しねえか?」
    「先輩。助かった、是非」
     玄乃、まさかの一本道で迷子であった。
    「いやー、トレッキングいいな! 空気も綺麗だしそこかしこに小動物とか最高!」
    「うん、最高だ」
     気付くとそばに、迷彩柄の長袖長ズボン、メッシュガードつき帽子の野々上・アキラ(d05895)がいた。
    「オレにはわかる……。この森にはとんでもない動物がいる。……いると思う。……いるといいなあ。ぐふふ……」
     若干不審者だが、動物好きの気合いが入りすぎただけである。周も頷いた。
    「鳥のさえずりもいいよなー。自然の中でこそ、って感じ……だし」
     なんか臭う。横を見るとゾンビが這い出てきたところだった。
    「生態系を乱す外来生物は宿敵!」
    「この自然に死臭は無粋!」
     アキラの鉄拳からの周のレーヴァテインで哀れゾンビは速攻火葬。
     念仏を唱える玄乃を周がつついた。
    「ほら、あそこに鳥がいるぞ。何の種類かまでは自信ないけど」
    「ノグチゲラだろうか……野々上は写真を撮らなくていいのか?」
     玄乃に問われたアキラが堂々言い放つ。
    「カメラ構えている間に行っちゃったら困るだろ?」
     思い出は心に刻むスタイルなのである。

    「さぁ蒼さま、参りましょう!」
     声を弾ませる攻之宮・楓(d14169)に続いて神宮時・蒼(d03337)も歩き始めた。
    「いろいろな、鳥が、いる、のですね」
     音楽のようなさえずりに耳を傾ける蒼の傍に赤い鳥が寄って来る。
    「……アカヒゲさん、です?」
    「やっぱり沖縄だと全然知らない鳥も多いですわね」
     感心したように呟いた楓が声をあげた。
    「あっ! 今何か走ってましたわね、ヤンバルクイナでしょうか?」
     揺れる木陰を覗き込むとゾンビがいた。
     楓の絶叫が森に響き渡る。
    「……えっと、あの、……だ、大丈夫、です?」
     ゾンビを撃破した蒼が楓に問いかけたが、楓は不思議そうに見返した。
    「……あ、覚えてないなら、なんでも、ない、です」
     蒼は首を振った。楓はアンデッド恐怖症で遭遇すると記憶が飛ぶ。ついでに帰り道まで忘れたが、今は楽しいのが一番。森の奥を見て目を輝かせた。
    「あ、滝が見えて参りました。寄って行きましょう!」

     大業物・断(d03902)とエミリオ・カリベ(d04722)は、水辺でヤンバルクイナの親子を目撃していた。ヒナは縞模様の親と違って羽毛が真っ黒いけれど、太く赤い脚はそっくりで。
    「見てリオ……やんばるさん可愛い……」
    「うん、親子かな? 可愛いね」
     身を寄せ合っていると断の興奮が伝わってきて、エミリオはつい微笑む。
     親子がゆったり歩き去ると、シューズとオーバー二ーソックスを脱いだ断が楽しげに水に飛び込んだ。
    「それがし達もね……水遊びしよ? ……冷たくて気持ちいいの……!」
    「ん、本当だ」
     冷たい水が木漏れ日で輝く。トレッキングの疲れが癒やされるようだ。
    「リオとだとね……すっごく楽しいの……ありがとうなの……」
    「ううん、僕の方こそありがとう、だよ。断と知り合えたから今の僕がある。今日も楽しいのだってみんな断のお陰……わ!」
     嬉しさを堪え切れない断がエミリオに抱きついて、「大好き……!」と囁いた。

     木陰を抜ける風が涼しい。水の流れる音が涼感を誘い、木漏れ日がキラキラ光る。
     堀瀬・朱那(d03561)と黒谷・才葉(d15742)ははしゃぎながらトレッキングルートを歩いていた。
    「なぁなぁシューナ! これ撮ってー!」
    「おっけーサイワ、ってデッカ?!」
     ヤンバルテナガコガネに朱那がのけぞり、アカヒゲの鮮やかな赤に才葉が喜び、その後ろにゾンビが写りこみ。
    「「外来種は駆除ーっ!」」
     問答無用で撃破して、コースの奥へ足取り軽く進む。
    「シューナ見て見てー! すっげー滝ーっ!」
    「うわーっ!」
     視界が開けると落差12メートルの滝が見えて、朱那も歓声をあげた。
    「やっぱ滝なら飛び込まなきゃ!」
     カメラを仕舞った鞄を濡れない場所に放って才葉の手をとる。才葉もしっかり握り返して、せーので滝壺に飛び込んだ。
     水が冷たくて気持ちいい。疲れが吹き飛び、声をあげて笑い合う。
     これは二人だけの、沖縄のきらめく思い出。

     深い森の中で楽しい思い出を作って。
     修学旅行はまだ二日目、次なる沖縄を楽しみに行こう。

    作者:六堂ぱるな 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2017年7月5日
    難度:簡単
    参加:29人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 7
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