●修学旅行2017
2017年の武蔵坂学園修学旅行。
7月4日から7日までの4日間……小学六年生、中学二年生、高校二年生の生徒達が、一斉に旅立つ。
又、大学一年生と、大学四年生も、同じ学部の仲間などと親睦を深める為の親睦・卒業旅行も同じ日程・スケジュールで行われる事に。
そして、その行き先は……日本の最南端、沖縄本島。
何故沖縄なのか、と言うと……先日のアッシュ・ランチャーによる上陸作戦の為に、沖縄へと取り残されたアンデッドは兵士の残兵がいないかの捜索と、安全確認を行うという理由もある。
……とは言え、沖縄で修学旅行という事に違いは無い訳で、アンデッドや兵士が見つからなければ、思う存分修学旅行を楽しめば良い訳で。
今回の修学旅行先は、美ら海水族館の観光に、マリンスポーツ、トレッキング、そして……ゴーヤチャンプルなどの沖縄料理、等々、面白く、美味しそうな物も一杯ある訳で。
……さぁ、あなたも、修学旅行で、楽しい思い出作りを楽しみましょう!
●南の海の大きな世界
そして、ここで向かうのは、沖縄の北側にある、美ら海水族館。
10年程前迄は、世界最大の水族館……でも、今でも日本一の巨大な水族館であるのは間違い無い。
美ら海水族館の中には、珊瑚礁の浅瀬の海から、神秘的な深海まで、様々な沖縄の海を再現した水槽が、大小77個も存在。
特にその中でも、象徴的な存在は、ジンベエザメやマンタが悠々と泳ぐ、世界最大級の水槽、黒潮の海。
目の前一面に広がるは、大きな大きなアクリルガラス……ガラス越しに、ジンベエザメの餌やりを見る事が出来たり、水槽解説を聞いたり……水槽の上からの観覧出来る、黒潮探険の時間もある。
更に、水族館の中の様々な場所に配置されているのは、無料で配布されているリーフレット。
珊瑚の海、熱帯魚の海など、美ら海水族館の中に在るそれぞれの海の解説を短く纏めている資料があり、それをコンプリートすれば、ちょっと自慢出来るかもしれない。
また、まだまだ謎の生体に包まれているサメの展示施設があり、サメの歯を実際に障る事も出来たりする。
ただ、美ら海水族館は水族館だけでなく、その周りにも幾つかの施設が有り……オキちゃん激情では、野外ステージでイルカショーや、イルカの給餌体験が可能。
他にもマナティー、ウミガメ館に、会用文化館、熱帯ドリームセンター、おきなわ郷土村に熱帯・亜熱帯都市緑化植物園、等々……それらの施設を結ぶ、電気遊覧車は、愛くるしいイラストが描かれていて、それに乗るだけでも心がウキウキする事だろう。
……そして、沖縄を含めた太平洋地域における海洋民族の歴史・文化を紹介する海洋文化館や、そこに併設されたプラネタリウムでは、普通の夜の星座解説の他に、銀河鉄道の夜や、プラネタリウムとCGアニメを融合させた作品、全天周デジタル映像などが一日を通して上映されている。
……そんな美ら海水族館と、海洋博公園。
一日で全部を楽しもうとするのは、中々大変なボリュームかもしれないけれど……でも、折角沖縄まで来たんのだから、思いっきり楽しまなければ損というもの。
四日間の修学旅行……その初日から、思いっきり楽しもう!
●美しき海
沖縄県、海洋博公園に属する、美ら海水族館。
美しい海と広がる空……夏の空を見上げながら、修学旅行に来た武蔵坂学園。
那覇空港より2時間と少し……駐車場に到着すると、燦々と照りつける陽射し。
「んー……陽射しが凄いですね。でも、ここが美ら海水族館ですか。ここの水族館は、話を聞いてからずっと来たかった場所なんです……!」
と、笑みを浮かべる星河・沙月(過去を探す橙灯・d12891)。
わくわくとした気持ちで目を光らせている沙月の一方、ぐるりと周囲を見渡し降り立つは、木嶋・キィン(あざみと砂獣・d04461)と結城・奏(雪縁・d06108)。
「またここに来ることになるとはな」
「そうだね。最初で最後の修学旅行か……記念すべき思い出をアンタと作れる感慨深さ。この機会にキィンさんのコト、もっと知って、仲良くなれたらいいな」
ニッ、と微笑む奏に、やっぱりちょっと無愛想なキィン。
でも……良く一緒にいるからこそ解る、僅かな感情の機微……。
そして、何時までに戻って来るコト、その他注意事項が引率の先生方から話されるて、いざ、海洋博公園の自由時間が始まる。
パンフレットを開くと、色んな場所、色んな施設が目に入る。そして、当然ながらここを取り上げた観光雑誌にも、色々な情報が。
「うーん……凄く色んな施設があるんだね」
とサーシャ・ニコラエヴィチ(シリェーナ・d32725)がその冊子をパラパラと捲りながら言うと、香祭・悠花(ファルセット・d01386)も。
「そうだね! こうしてサーシャ君とたまにはこんなデートもいいものですね♪ ほら、サーシャ君、どこ行きますかー?」
ニコニコと笑顔を浮かべる悠花に、サーシャは。
「悠花お姉ちゃんはどこに行きたいの?」
「え? わたし? そうだねー。取りあえずはやっぱり、美ら海水族館かな? 折角ここまで来たんだし。一通り見たら、オキちゃん劇場に行きたいな。オキちゃん劇場でイルカショーやってるみたいなの。最初の時間は……11時、だね」
「うん、解った。当日に限り再入場も可能みたいだし、時間を見ながら行こうか」
「そうだね♪ それじゃーれっつごー♪」
手を組んで嬉しげに出発する二人。
そして久瑠瀬・撫子(華蝶封月・d01168)と影道・惡人(シャドウアクト・d00898)も。
「それにしても、大学四年生も旅行対象なのは驚きましたが……楽しみましょうか」
「おぅいーぜ。行こう行こう。ま、アンデッドが出て来たらちゃちゃっとぶっ潰そーぜ」
と言いながら、次々と美ら海水族館へと吸い込まれていく。
……と、東当・悟(の身長はプラス三センチ・d00662)と若宮・想希(希望を想う・d01722)二人が。
「なーなー、想希、これ覚えとるか?」
と、ピラッと見せるは、美ら海観察ガイドと、通しナンバーが振られた厚紙の様なモノ。
「えっ……こ、これって……」
「そやそや。俺持ってきたで。想希しおりー! 想希がここに行った記念に持ち帰ってくれた、魚の話の紙を集めた奴や。めっちゃ嬉しかったさかい、とっといたんやで!」
「わ……大事に持ってきてくれたんですね」
悟の言葉に、想希は思わずじーんとなる。そんな想希に悟は更に。
「一緒に行けたらこれ見て想希に案内して貰お! て。夢がこんなにはよ叶うやなんてな!」
と目をキラキラさせていると、想希は。
「ええ。一緒に行った気分を味わえそうだったから……今度は一緒に来れましたね。後……俺もちゃんと持ってきましたよ、悟しおり」
ちらっと見せる想希に、悟は満面の笑みで。
「想希! 俺しおりやないか。持ってきてくれたんか。すっきーやで想希」
嬉しげに肩を組む悟。
「ふふ……と、悟。皆に遅れちゃいますよ。ほら、行きましょう」
「そやね。一緒に来てくれておおきにな!」
と、悟を促しつつ、美ら海水族館へと向かうのであった。
●泳ぐ魚の影
そして、美ら海水族館の中。
沢山の海洋生物たちが、のびのびと巨大な水槽の中で泳いでいる。
巨大なジンベイザメやマンタなども多く泳ぎ回っている悠々な姿は、どこか美しくて。
「うわぁ……ジンベイザメやマンタってこんなに大きいんですね!!」
と、目をキラキラさせて、水槽に張り付くようにして見ている沙月。
勿論、大水槽だけでなく、深海生物が展示されているエリアはかなり照明を落としており、暗く静かな感じがある。
その水槽にもそっと近づきながら、沙月が。
「これも変わった見た目の生物ですね……始めて見ました」
と、興味津々、そしてその近くのスタンドに置かれている解説リーフレットを手にして。
「ああ、これですね。え、これが無料なんですねー。凄い色々書いてあるのに、すごいですね!」
各所に置かれたそのリーフレットのナンバリングを見て、更に収集欲がそそられて。
「よーっし。全部回収しないと。帰った後も、これを読んで楽しめそうですしね!」
と、周りの友人達と声を掛けながら、リーフレット回収にも精を出す差月。
……と、その一方、悟と想希は。
「さ、想希! お勧めの魚教えてや。どの子がえぇんや?」
と、悟しおり、想希しおりをめくりながら巡っていると、想希は。
「そうですね。サンゴの海の水槽、いいですよ?」
と腕組みながら、サンゴの海の水槽へ。
……ふわーっと泳ぐ、どこかとぼけた感じのコブシメが居たり。
「ほら、華やかで、海老なんかもピチピチです」
ニコッと笑う想希、そして悟が更に。
「さ、次はあっちの水槽や! なんか美味しそうやで!」
と珊瑚礁の海の水槽にいる、ベニツケダコ。
「あ、タコ……たこ焼き……たくさん作れそうですね」
「そやね! たこたこたーこたこやき。えぇなー! 帰ったら焼いたるで!!」
「うん、楽しみです。あ、あそこ。っちのサメ博士の部屋も迫力ありますよ」
指さした所には、様々なサメの牙が展示されているサメ博士の部屋へ。
……実際に手で触ってみると、意外に鋭く、ザラザラした牙に。
「サメって食えるんか?」
「まぁ、食えなくも無いとは思いますが……いやいや、食べられちゃいますよ」
苦笑する想希、悟が。
「そっかー。まぁいっか。しかし想希とこうして一緒に巡れるのは嬉しいなぁ」
「こちらこそ、一緒に来れて嬉しいですよ」
笑う想希に頷く悟。そして。
「あ、あっちはすごいですよ。カツオにキハダ、クロマグロ。沢山ぴちぴち回遊しているんです」
と、大水槽、黒潮の海へ。
沢山の魚たちが悠々と泳ぎ回る姿は、雄大で。
「おおお! これはぴっちぴちやな!」
「そうですね。後は……ほらあそこにジンベエザメに、マンタもいます」
「おー! まんた! まんた! ぴょんぴょん!!」
とても楽しそうにおどけてみせる悟は、とても楽しそう。
そして想希も、そんな悟に笑顔を向けて……楽しげに微笑む。
……と、その瞬間。
「……ウゥ……」
遠くの方から聞こえてくる、唸り声。
「ん……?」
視線を惡人が向けると、本当暗闇の中から、ひた、ひたと歩く男。
傍から見れば、唸ってるだけの一般人に見えなくも無い……が。
「お、見てみ、ゾンビゾンビ」
と惡人の言葉に、撫子が。
「そうですね。積極的に探すつもりは無いですけどね~。それじゃさっさと倒しましょうか」
「ああ。ほぃほぃ、よっと」
「惡人さん、そちら行きますよ~」
「りょーかい」
まるでスイカ割りをするが如く、アンデッドを滅殺。
次々と出て来たとしても。
「惡人さん。これ終わったら、イルカショーとか見に行きませんか? 餌付けとかやってみたいんですが」
「ん、イルカ? おぅいいぜいいぜー。そんじゃちょっと時間くれ。良いルート組むからよ」
ニッと笑みを浮かべて、アンデッドを倒していく。
「さーてと。惡人さん、行きましょう。ほらほら、時間ありませんよ~?」
惡人の手を引く撫子、惡人は。
「おいおい、たくしゃーねーな。てか、あいつがはしゃぐのも珍しいな……ま、俺も愉しむか」
と苦笑しつつ、撫子に手を引かれて行く。
そして……美ら海水族館の中をある程度見終わると。
「イルカに興味あるのか?」
と、キィンが奏に小首をかしげながら問いかけると、奏は。
「だって、可愛いだろ? 愛嬌在る顔、キュートな鳴き声、そして洗練されたフォルムも最高じゃないか」
「……」
奏の答えに、意外と思うキィン。
「ん……意外みたいな顔してるけど何でだ? キィンさんはシャチやサメ派なんかな?」
「いや……そういう訳では無いがな。まぁいい。それじゃ……オキちゃん劇場に向かうか」
と、オキちゃん劇場へと向かうのであった。
●イルカの楽園
そして……イルカの泳ぐ、オキちゃん劇場へ。
間もなくイルカショー開始時間……席は一杯か、と思われたが。
「お姉ちゃん、前の方空いてるよ!」
と最前列にある空き席を見つけたサーシャが、悠花の手を引いて最前列の席へ……其の近くにキィンや奏も座る。
「お、ラッキーですね♪」
と微笑む悠花。
そして……目の前でイルカが現れ、イルカショーの開始。
イルカの華麗な芸事一つ一つに。
「おー!!」
と感嘆の声を上げたり、拍手してみたり……はしゃぐ二人。
「見た、お姉ちゃん? すごいよねっ」
「ええ、見ましたよー。すごいですね! 今度コセイにもしこんでみましょうか?」
と言った、その瞬間。
空高く舞い上がったイルカが、水槽の縁近くに落下。
ザバァァン、と大きな水飛沫が、当然最前列にバシャーっと掛かる。
「ばふっ!?」
「お姉ちゃん!?」
サーシャが悠花を心配そうに見つめる……当然ながら、全力でびしょ濡れになってしまう悠花。
「あはは、びしょ濡れ……お姉ちゃんも、服少し透けてるよ……?」
「あーん、下着が……!」
……ちょっとだけ、悠花の色っぽさに顔を紅くしつつも……でも、嬉しそう。
「お姉ちゃん。あとでどこかで着替えておかないとね?」
「うん、そうだね。着替える前に乾きそうな気もしますけど」
「そうだ。折角だから、お土産コーナーに寄ってTシャツでも買ってく?」
「あ、それいいね♪ それじゃ行きましょ!」
と、悠花はまたサーシャの手を引いて、お土産屋さんへと向かう。
……そして二人がいなくなった後、劇場ではそのまま餌付け体験へ。
「餌付け体験。やりたいやりたい!」
と手を上げる奏に、キィンが。
「あいつら餌やらなくても十分肥えてんじゃねぇ?」
「いやいや。折角だし。な、いいだろ?」
「ったく、しゃーねえな」
奏の言葉に苦笑しつつ、キィンも餌やりに付き合い……舞台上へ。
レクチャーを受けて、餌を投げると……華麗にぱくっ、と口にするイルカ。
「なぁ、今の見たか? こっち見て笑ってた!」
と、更にはしゃぐ奏にキィンも仄かに笑顔を浮かべ。
「んじゃ、外に出たら仕事の事も忘れずにな?」
……どうやら、アンデッドの気配を感じ取ったらしいキィン。
「ああ……遅れを取るつもりはないけどな」
そして餌やり体験を終えた後、オキちゃん劇場の傍らで、呻いているアンデッドへ。
「ちょっとは鍛えてんの? サボってないか、お手並み拝見だな」
「大丈夫。ま、アンタが見極めてくれよ」
と……海洋博公園に残るアンデッドを、しっかりと灼滅していく。
……そして、そんな美ら海水族館と、その周りで思う存分楽しみながら……美ら海水族館を後にするのであった。
作者:幾夜緋琉 |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2017年7月4日
難度:簡単
参加:9人
結果:成功!
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得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 1
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