●scapegoat
七月七日、笹の葉が揺れている。
べり、べり、と何かが剥がれる音が室内へと響いた。
真白の装束は赤黒く汚れ、じゃらりと鎖が音鳴らす。斑点の汚れを室内にぽとりぽとりと落としながら鎖を引き摺った幼き子供を視線で追いかけて白装束の少女はくすりと笑みを溢した。
「ねがいなどかんたんには叶わないのです」
たどたどしく、幼さを感じさせることのない声音は低く怨嗟が込められていた。
夕日の差しこむ教室で少女は首を傾ぐ。
七夕へ願いを込めて、子供たちが思い込めて作成したのであろう短冊を握りつぶした少女は眼窩の子供を見下ろした。
すべては偶然の産物だった。
ふらりと立ち寄った小学校で、仲良さげに下校する二人の小学生。
「にくらしい」
只、それだけだった――六六六人衆『つめはぎ』が、少女『いのち』が得る事の出来なかったしあわせ。
単なる八つ当たりで、単なる復讐劇で、単なる暇潰しでしかなかった。
髪を掴み引き摺り倒し、人気の少なくなった教室で彼女は嗤いながらべり、べりと『いのち』を剥がす。
「かみさまはいっています。しはすくいです、ぜつぼうはびみです、つめはかみさまのくもつなのです。
むくろにつめて、つめをいちまん。そうしてかみさまはすくってくださるのです――いのちのことを」
失った幸福と、失くした未来と、願いを込めて。
死は救いです。絶望から救ってくれる。
絶望は美味です。それがあるからこそ幸福を認識できる。
爪は神様の供物です。熱が集まり、感情宿す命の意味が込められる場所だから。
「たのしいおもいでもかなしいおもいでもかみさまのくもつなのです。だから」
べり、と音たてた爪。
――七夕なんて簡単なもので叶うなら『ねがい』だなんて呼ばないの。
瞬き、笑った信心深き殺人鬼の顔が覗き込む。
「だから、いのちのために、しんでください?」
●
――つめはぎ。
そう呼ばれる六六六人衆がいる。
灰の瞳を持ち死装束を纏う、贄を探す少女。仲の良い親子、兄妹、恋人、友人、そういう縁のあるペアの片割れをまず殺す。
気の向く儘、衝動の儘に、ぐちゃぐちゃになるまで。
そして絶望したもう片方の爪を、ひとつひとつ剥いでいく。神様への供物として。
かつてある灼滅者はフリークスと称した、少女の姿をした殺人鬼。
1年以上前だが、交戦した事のある相手である。
「『つめはぎ』。本名はいのち。その新たな犯行が判明したわ」
まあ、見つけたのは真鶴さんなんだけど。
そう付け足して、夏月・柊子(大学生エクスブレイン・dn0090)は集まっていた灼滅者達に向き直った。
柊子がこの件に関わっている理由は、サイキック・リベレイターを使った事で、『つめはぎ』の能力が強化されている事にある。
強化された六六六人衆を、正攻法で灼滅する事は難しい。
「だから2チームで当たるわ。真鶴さんが説明しているチームが、被害者の救出と撃退。こちらのチームは撤退した『つめはぎ』にとどめを刺す担当よ」
『つめはぎ』が現れる小学校のすぐ近く。
正門を出て道路を挟んだ斜向かいに、小さな教会がある。
「最初の襲撃を逃れたつめはぎは、目に付いたそこに身を潜めるわ」
戦いで負った傷と疲れを癒す為に。
故に、全員で中で待ち伏せていては向こうのバベルの鎖で感づかれてしまうが、場所が判っていれば、姿を現した直後に踏み込むのは難しくない。
閉鎖空間での戦いに持ち込める、まさに千載一遇の機会。
とは言え、かつて闇堕ちを1人出しても仕留め切れなかった相手だ。
今回は手負いだから楽に勝てる――とは思わないでおいた方が無難だろう。
「もし今回で倒せなかったら、だけど。おそらく『つめはぎ』は変わらないわ。これからも同じ様に『仲の良いペア』を見つけては、同じ様に殺していくでしょうね」
六六六人衆は、人を殺すもの。そのスタイルはそれぞれ。
『つめはぎ』は、神様の供物を集めるのを止めはすまい。
最悪、七夕飾りが街に揺れるその日の内に、どこかで『仲の良いペア』が襲われ、その願いが握りつぶされ、絶望に落とされ、贄となるやもしれない。
これ以上の絶望を、贄を出さない為には。
未来の惨劇を止める為には――灼滅するより他にない。
「先に戦うチームも、可能な限り傷を負わせてくれる手筈になっているわ。だから、勝機は充分。『つめはぎ』を灼滅して、皆で帰ってくるのを待ってるわね」
参加者 | |
---|---|
刻野・渡里(大学生殺人鬼・d02814) |
乃木・聖太(影を継ぐ者・d10870) |
アイスバーン・サマータイム(精神世界警備員・d11770) |
御影・ユキト(幻想語り・d15528) |
緒垣・翠(空の青夕日の赤・d15649) |
崇田・來鯉(ニシキゴイキッド・d16213) |
月影・木乃葉(人狼生まれ人育ち・d34599) |
茶倉・紫月(影縫い・d35017) |
●
『……対象は、現在そちらに移動中だ』
崇田・來鯉(ニシキゴイキッド・d16213)の手元の機器から、聞こえる声。
それから程なくして。
――ぺた、ぺたぺたぺた。
柔らかな足音と共に、白かった死装束を着た少女が姿を現した。
――ぺたり。
教会の前で足を止めた少女は、何かを警戒するように背後と教会の扉を見比べて。
背を真赤に染めた少女の姿が教会の中に消えて行く。それを茂みの陰で見届けて、灼滅者達は二手に分かれて動き出した。
「突入準備、いいぞ」
「じゃあ、3カウントで。3、2、1――0!」
バァァンッ!
正面と裏、2つ同時に蹴破られた扉の音は、突入と同時に刻野・渡里(大学生殺人鬼・d02814)が展開した力によって、教会の中だけに反響していた。
「っ!」
ステンドグラスを見上げていた少女――『つめはぎ』が音と気配に身を強張らせるのを見て、乃木・聖太(影を継ぐ者・d10870)が素早く左腕を振るう。
カッ、カカカカッ!
「……おいのりにきた、あわれなこひつじではないですね」
硬い音を立てて床に突き刺さった、囲む十字の刃を見下ろしつめはぎが呟いた。
「これだけの灼滅者を相手にして、よもや逃げられるなどと思ってはいないよな?」
聖太の宣戦布告に、丸い灰の瞳とにたりとした笑みを返すつめはぎの足元で、影が蠢き囲う刃を弾き飛ばす。
(「窓は5つずつ。他には――ステンドグラスも警戒しますか」)
ざっと見回し、逃げ道になりそうな窓のある壁側に回り込んだ御影・ユキト(幻想語り・d15528)と、つめはぎの視線が交わる。
「七夕に貴方をほっぽり出してるとマズいので。心置きなく参ります」
灰の瞳を銀の瞳で見返して。ハーフフィンガーグローブを嵌めた手で指差して、ユキトは意思持つ帯を撃ち出した。
「タリーア……あの、今日もきれいですね? ですからちゃんと働いてください」
ご機嫌を伺うような言葉と共に、アイスバーン・サマータイム(精神世界警備員・d11770)の手首に輝いていたリボンが放たれる。
「……ちょうどいいのです」
背後と横。2方向からの攻撃を、つめはぎは2つに分けた影で絡め取る。
「かみさまのにえにします。くもつをあつめるのです」
「供物、人柱。捧げる事で対価を得たいか。……神様なんざ気まぐれで、願いを叶えてくれるか判らないのにな」
皮算用で笑みを浮かべるつめはぎの、何も履いてない足首を、茶倉・紫月(影縫い・d35017)が振るった刃が打ち払った。
「これ以上犠牲者を出すわけにはいきません。ここで止めますよ」
くるんと回って、長椅子の上にぺたんと降り立った小柄な身体に、月影・木乃葉(人狼生まれ人育ち・d34599)が獣のそれと変えた腕を振り下ろす。
閃いた銀爪は、現れた血塗れの鋏とぶつかり火花が散る。
ぽとり、ぽとり。
つめはぎの身体から幾つか落ちた朱い雫は、今しがたつけられた足の傷以外からも、流れていた。
今までの動きだけを見れば、連戦の影響を感じさせない。
だが、先に戦った灼滅者達の刻んだ『つめあと』は、まだ塞がらない傷としてその身体に確かに残されていた。
「こんどこそ、ころします。そうすれば、みなはぜつぼうするでしょう。ええ、かみさまはくもつをもとめています」
それでに妄信する神の言葉を嘯くつめはぎに、緒垣・翠(空の青夕日の赤・d15649)は恐怖を覚えてしまう。
それでも、体は動く。手にした朱色の槍を螺旋に回し、突き込んだ。
「おそれることはないのです」
肩を掠めた槍を気にした風もなく、つめはぎの灰色が翠を見据える。
「だって、しはすくいなのですから」
押し殺した内心の恐怖を見透かしたように、告げる。
●
「いつぞやの敵艦隊に忍び込んだ時以来だな。梁山泊の面々は元気かい?」
「相変わらず。大体、渡里にぃの想像通りだよ! ミッキー!」
渡里の放った鋼の糸が鋏を振るう細腕に絡みつき、來鯉の放った光が広がる影を撃ち払い、空いた隙間から飛び出した霊犬の刃がつめはぎを捉える。
「なかが、よいのですね。ふたりには、おもいでがあるのですね」
軽口を交しタイミングを合わせて動く2人に、つめはぎの灰瞳が向けられる。
「かみはいっています。ひとりころして、ぜつぼうさせなさいと」
神を語る言葉と、それに混じって背にぞくりと来る殺意を浴びながら、2人は内心で拳を握っていた。
仲の良いペアを演じる事で、つめはぎの標的をコントロールする狙い。ペアの2人のリスクは高まるが、その分、他の仲間が自由に動ける。
「タリーア……血が付いてもあとで洗いますから、もう少し働いてください」
アイスバーンが自分の得物にばかり声をかけているのは、引きこもりだからではない。
実際、アイスバーン以外も、仲間内の言葉は少なかった。
つめはぎの注意が2人から逸れてしまわないようにと言う配慮。作戦だ。
「だれがしんだら、いちばんぜつぼうしますか?」
「さてね。誰もやらせないよ。俺達は『終わらせる』為にここにいる!」
笑って鋏を振り上げるつめはぎの小柄な身体を、聖太が煌きを纏わせた足の重たい一撃で蹴り飛ばす。
小柄な身体がぐるんと空中で回り、ぺたんと祭壇に足を付く。
ユキトと紫月が逃走を警戒し、窓のある壁際へ寄るが、つめはぎが祭壇を蹴って弾丸の様に飛び出したのは、渡里めがけて。
「させな――っ!」
割って入った來鯉の、軍艦を模した鎧の隙間に血塗られた刃が突き刺さる。
「サフィア、崇田を」
霊犬に指示を出しながら、渡里は開いた鋏を振り上げるつめはぎから距離を取ろうと――した足を、影が貫いた。
僅かな隙間を一瞬で見抜いて鎧通し、これ見よがしな動きで意識の死角を作る。殺しに向いた技量は、紛れもなく六六六人衆だと思い知らされる。
だが、手が届かない程ではない。
ガギンッ。
翠が放った風の刃が血塗られた鋏を横から叩く。
「えっと、体勢が崩れましたね」
ギィンッ!
そこにアイスバーンが螺旋を加えて突き込んだ槍で鋏を弾き飛ばし、返す刃で細腕に斬りつける。
「っ……きょうは、おかしいです」
後ろに跳んだつめはぎの足裏が、ぺたんと音を鳴らす。
「うまくいかいないことだらけです。たなばたは『ねがい』がかなう日のはずなのに……嫌になります」
ぽつり、ぽつりと。
叶わぬ願いに怨嗟を漏らすつめはぎの跡に、朱の雫が点々と続く。
細腕から流れ滴った赤と、斬りつけた相手の赤が、混ざった色が点々と。
「貴方が怨みや怒りを覚えるのは、無理ないと思います……」
つめはぎに同情的なものを感じながら、木乃葉は妖の名を持つ布を伸ばして仲間の傷に巻きつける。
「でも、その八つ当たりが無関係な人々に向かっている……許すわけにはいきません」
「かみさまのくもつです。しはすくいです」
木乃葉の行い――傷を癒すのは、死から遠ざける事と同義。
「上手くいかない日もあるだろうさ」
つめはぎが木乃葉に向けた殺意の視線を遮って、渡里が告げる。
「大体、簡単に手に入る程度の供物で『本当の願い事』を叶えてもらおうなんて、神様からしてみれば図々しいの一言だろ?」
「……なにがいいたいのです」
「お前の願いは、その程度の願いって事だ」
眉根を寄せるつめはぎに、渡里はわざと軽薄に言ってのけた。
敵とは言え、他者の願いを軽んじるような事、気持ちの良い事ではないけれど。
「そんなこと――そんなこと、ないです! むくろにつめる、つめをいちまん。かんたんじゃないから、かみさまはすくってくださる」
「まあ、そうでしょう。どんな願いも簡単に叶わない」
告げられた言葉を振り払うかの様に頭を振るつめはぎに、ユキトは淡々と告げて。
「ですが、やはり理解し難いですね」
小さく嘆息。
死が救いなどと、理解する気になれない。それに理解出来ようと出来まいと、やることは変わらない。
「――……此度語るは世にも奇妙な鋏の話」
だからユキトが語るのはつめはぎに向けた言葉ではなく、不思議を呼ぶ奇譚。
「こんなのいらないのです」
縁切り鋏と切り結びながら、つめはぎは見開いた瞳を灼滅者達に向ける。
「つめをください。くもつをください。いのちのために、しんでください。しはすくいなのですか――」
「死が救いならば、救われたいお前が死んでみればいい」
鋏と鋏の剣戟の間隙を縫って、紫月の言葉と影がつめはぎに突き刺さる。
「いのちはしにませんよ? かみさまに、ささげないと」
当然と言った風に返すつめはぎの言葉を、紫月は驚きもなく受け止める。捧げる側なんて安全圏にいる奴ほど、自分が死ぬ事を拒絶するものだ。
●
「ジンギスカンさん。えっと、悪い方は全部食べてください」
アイスバーンの声に応じて影が蠢き形を持つ。
「くろいこひつじなんかいらないのです」
仔羊のような影の群れに、つめはぎは自身の影をぶつけようとして――群れの中でも一際大きな影羊が、影ごとつめはぎをも飲み込んだ。
「なん、で……また……ねがいっ」
影に飲まれたつめはぎに、どんなトラウマが見えているのか。
それは灼滅者達には知る由もない。不愉快と言う程度のものでないのは、聞こえる声でわかったけれど。
「……ころ、す。ころして、やる。わたしをにえとするやつは、みんな、みんな!」
「えっと……トラウマは地雷でしたかね?」
血の気の失せた顔で告げる怨嗟が。血塗れの身体から滲む殺意が色濃くなる。真っ先にそれを向けられたアイスバーンが、思わず引くほどに。
「たくさんつめをつめるから。だからかみさま、ねがいを。いのちの、ねがいを」
「ふざけるなよ!」
膨れ上がる影を押さえ込むように、來鯉が破邪の光を纏わせた宝剣を振り下ろす。
「苦しかったのは判る!」
「わからないですよ。にえとなったこともないひとには、なにも」
光と影が、2人の間でせめぎあう。
「人間もダークネスも! 死んだら戻ってこない! 自分と同じような思いを多くの人にさせて! 自分の姉妹の遺体を傷つけて! そんな事、此れ以上させるか!」
叫ぶ勢いに影が押され、光を纏った刃がつめはぎの額を斜めに切り裂いた。
「だからあなたが、にえになるがいいです」
ぱくりと裂けた額から、灰の瞳に朱の幕がかかるのも構わずに。つめはぎがぬるりと回って鋏を開く。
剣を振り切ったばかりの來鯉の首を狙って、鋏が閉じて――。
「お前に崇田を倒させない」
首に届くより早く、2つの切っ先を渡里の掌が押し留めた。その一瞬前に投げられていた鱗光が集まった光輪が、つめはぎのとっくに血塗れの背中を切り裂いた。
つめはぎの両手が鋏から離れて、ぺたんと付いた足は踵を返す。
「かみさま、かみさま、たすけて――ねがいを、ねがいをとどけて」
血の気の失せた唇から零れた言葉は、ついぞ前に屋上で吐いたのと全く同じ言葉。
だが、そうするには遅すぎた。
「……死は救いだって。本当に、そう思ってるんですか?」
錫杖を構えた木乃葉が行く手を阻み、問いかける。
「そう、ですよ。しはすくいです。むくろに、いちまん、くもつ、つめれば……かみさまは……いのちのことを、すくって……」
「でも、それならなんで……いえ、なんでもありません。倒させてもらいます!」
荒くなった呼気混じりに返ってきた言葉に頭を振って、木乃葉は錫杖を振り上げる。
死が救いだと言いながら、亡くした姉を求める。そこを突き詰めたところで、今となってはもう、詮無き事だ。
つめはぎは、殺しすぎている。願いも欺瞞も殺意に変わっている。
「あっ翠だって……逃がす気は、ないんだよう」
渦巻く風の刃を追って、翠が静かに踏み込む。
内心の恐怖を握り潰すかの様に巨大に変異した翠の鬼の拳が、つめはぎの小柄な身体を打ち上げる。
「時間も命も一方通行。不可逆だ。どんなに願っても戻らない」
「――」
紫月は淡々と、ユキトは告げる言葉もなく。
2人の放った帯が、宙に打ち上げられたつめはぎを縫い止めるように襲い掛かる。
(「ハンデは終わりだ」)
そして、聖太が強く床を蹴って飛び出した。
愛用のつばめ手裏剣を左の五指に挟んで、その腕を突き出した回転突撃。聖太自身が1つの刃と為る一撃。
「――ぁ」
か細い声は、激突の衝撃で掻き消えた。
つめはぎの身体が叩き付けられたのは、どこかの神が描かれたステンドグラス。
「……みさま――」
そこから差し込む光は、灰の瞳に最期に何を見せたのか。
「……お前は、それで救われたのか?」
血塗れの小さな手が力なく下がるのを見上げて、紫月の言葉に答えはなく。
突き刺さっていた十字の刃が乾いた音を立てて落ちても、朱はもう、流れなかった。
つめはぎの身体に、爪に集まる熱はもうない。
「案外、早く片付いたね」
「思っていたよりも少ない傷で済んだよ。ミッキーも無事だしね」
時計に視線を落とした聖太の言葉に、來鯉が霊犬を労いながら頷く。
「上々と言って良さそうですね。さて、かなり善戦してくれたであろう学校側に、伝えてきますよ」
そう言って、ユキトは入ってきたのと同じ扉から外へ出て行く。
「お姉さんと、安らかに眠ってください」
せめてもの手向けと祈る木乃葉が見上げる前で。
いのちもねがいも、全て流れ尽くした小柄な骸は静かに消えていった。
作者:泰月 |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2017年7月8日
難度:やや難
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 2/感動した 0/素敵だった 3/キャラが大事にされていた 0
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