スカートはめくられ、ズボンは破かれる!?

    作者:芦原クロ

     協力してくれる灼滅者たちを連れ、百武・大(あの日のオレ達・d35306)は昼間の商店街に到着した。
     不意に、女性の悲鳴が次々と上がる。
    『たくさんめくったほうが勝ち! めくってめくってめくりまくるぞー』
     小学生よりも幼い、わんぱく少年が小さな風を起こし、その風で一般女性のスカートをめくっているようだ。
    「あいつだ! スカートめくり小僧が、商店街を駆け回る都市伝説だぜ!」
     大はこちらに向かって来る少年を指差し、灼滅者たちに、少年が都市伝説だということを伝えた。

     都市伝説の少年はスカートをはいている者のほうへ、走って来るようだ。
     直ぐ近くには、一般人も居ない、路地裏が有る。
     路地裏に上手くおびき寄せて人払いを済ませれば、一般人に気づかれることなく、討伐出来るだろう。
    「都市伝説を油断させる為に、一緒にスカートめくるって作戦も有りかもな!」


    参加者
    鬼城・蒼香(次はお前だ・d00932)
    皇樹・零桜奈(漆黒の天使・d08424)
    咲村・菫(ハナの妖精さん・d28400)
    叢雨・霊那(雪月華の巫女・d32929)
    癒月・空煌(医者を志す幼き子供・d33265)
    新堂・柚葉(深緑の魔法つかい・d33727)
    百武・大(あの日のオレ達・d35306)
    ソラリス・マシェフスキー(中学生エクソシスト・d37696)

    ■リプレイ


    「スカートをめくる都市伝説ですか……都市伝説って何でもアリなんですね」
     ソラリス・マシェフスキー(中学生エクソシスト・d37696)は、呆れた様子だ。
    (「都市伝説ってやっぱりこういうのが多いのかな?」)
    (「なくならないですよね。こういった都市伝説関係は……」)
     叢雨・霊那(雪月華の巫女・d32929)と癒月・空煌(医者を志す幼き子供・d33265)は、囮役として商店街に出た。
     都市伝説の少年はすぐに2人を発見し、迫って来る。
    「では零桜奈くん、頑張りましょうね♪」
    「ん……頑張ろうか……蒼香……」
     恋人からスカートを借り、お揃いのスカート姿の、鬼城・蒼香(次はお前だ・d00932)と皇樹・零桜奈(漆黒の天使・d08424)。
    「スカート姿にひきつけられる、とのことですので私もスカートを……まぁ、きっと、めくられることはないかと思いますが……」
     密かにフラグを立てている、新堂・柚葉(深緑の魔法つかい・d33727)。
    「スカートめくりをする都市伝説……でも、今日の私は負けませんよ!」
     不幸体質の咲村・菫(ハナの妖精さん・d28400)は、なぜか自信満々だ。
    「きれーなねーちゃんだらけだな! いやー、囮になれそうなねーちゃんが多くて助かったよ。もし男だけなら、カツラ被ってスカートはくことになってたかもしんねーぜ……」
     自分以外は全員、女子だと、たぶん思っているであろう百武・大(あの日のオレ達・d35306)が、喜びと安堵の声をあげる。
     囮役は路地裏へ急いで戻り、人払いのESPを展開。
    「ちゃんと来ましたね、では悪い子にお仕置きです」
    『すごい! きれーなおねーさんがいっぱいだ!』
     蒼香が確認し、路地裏へまんまと誘い込まれた少年は、大と似たようなことを言い、目をきらきらと輝かせた。


    「あんな小さな子が、このスカートをめくるのは……さすがに手に余るでしょう」
     ソラリスは、少年の幼い体つきを間近で目にし、無理だろうと判断する。
    「さすがにこの超ロングスカートのシスター服はめくれないでしょう! さあ、どこからでも掛かっていらっしゃい!!」
     そう、ソラリスは超がつくほどのロングスカートを穿いていたのだ。
    「私もです! なぜなら、スカートの中に秘密兵器のスパッツを穿いて来ましたからね! これで、めくられても安心です♪」
     菫の自信はスパッツに有った。
     いつも通り、フラグを立てていることにまったく気づかない、菫。
    『風をちょーせつして……いっけー!』
    「め、めくられても平気ですよ!」
     菫は、強気の姿勢を崩さない。
     少年は風の勢いを変え、菫のスパッツをあらゆる角度から切り裂くように破る。
    「きゃぁっ! ど、どうしてズボンじゃないのに破られるんですか!?」
     ボロボロになったスパッツを見られまいと、必死でスカートをおさえる、菫。
    『えっとね、おねーさんにはなんでもしていいような……そんな感じがした!』
     菫の不幸体質を感じ取り、スカートをめくりまくる。
     下着がモロ見えするよりも、いけない感じになってしまった、菫。
    「こんな悲劇、二度と繰り返させる訳にはいかねえ……というわけで、この惨劇をカメラで激写して記録に残すぜ!」
     惨劇と書いて、スカートめくり大会と読む大は、カメラを構えた。
    「ばれないように密やかに……おおっと! シャッターチャーンス!!」
     大は菫の姿を、撮って撮って、撮りまくる。
     あんまりな羞恥プレイに耐えられず、菫はその場にぺったりしゃがみ込み、ショック状態で放心してしまった。
    「おとなしくしなさい!」
     少年へ攻撃を仕掛けようと動いた蒼香のスカートが、めくれる。
     零桜奈はカメラの前に立ち、他の男性に恋人の姿が見られないようにと、動く。
     スカートをめくられ、強風により体勢を崩してしまう、蒼香。
     身長は零桜奈のほうが高いものの、体型が細身の為、零桜奈は蒼香に押し倒される状態になった。
     蒼香の豊満な胸の谷間に、零桜奈の顔がすっぽりと埋まっている。
     反射的に伸ばした手が、蒼香のお尻を揉むはめになってしまう、零桜奈。
     ミニスカの空煌も、めくられるとバランスを崩し、空煌を支えようと動いた霊那と共に転んでしまう。
     霊那の胸に空煌の顔が埋まり、服の隙間から入ってしまった手が、霊那の胸を直に揉んでいる。
    「ふふ、空煌は可愛いね」
    「れ、霊那さっ!?」
     霊那は相手が空煌なら、なにをされても良いのか、嫌な顔1つせず、ぎゅっと強く空煌を抱きしめる。
     更に深く、胸に顔が埋まった空煌は真っ赤になってあたふたし、結局霊那の胸を何度も揉む結果になった。
    「す、すげー光景だぜ! いやー、どのねーちゃんもイカスから、目移りして困っちまうぜ」
     小学生の大にとっては、少々過激な光景に映るだろう。
     大は鼻血が出そうなのか、カメラを操作出来ずに、鼻をおさえている。
    「急に襲い掛かるというのでは、なんか嫌な気分なので……一応、都市伝説とコミニュケーションを取ってみましょうか」
     優しい柚葉は、自ら危険人物へ接近。
    「なんで、こんなことをするのでしょうか?」
    『よーちえんでね、はやってるの! たくさんめくったほうが勝ちなんだよ』
     少年は、純粋無垢な笑顔で答える。
    「はやっていても、された人はどう考えるのかを……」
    『おねーさん、考えたいの? はい!』
     さとそうとした柚葉の真意をくみとれず、少年は風を起こし、柚葉の白いワンピースが舞い上がる。
     慌てて前をおさえた柚葉だったが、今度は斜め後ろから風が吹き、柚葉の下着は丸見えだ。
    「きゃああああ!」
     どこをおさえても、様々な角度から風が舞い起こる為、パンチラやモロ見え状態になってしまう、柚葉。
    「このスカートなら、少しめくっても全部は見えない。この勝負、私の勝ちですね!」
     勝利の笑みを浮かべたソラリスは、柚葉とほぼ同時に、自分のスカートの後ろ側をめくられていることに、気づいていない。
    「あれは同時に二人のスカートを捲るダブルターン! 位置取りを計算し、ターゲットをそこに追い込むこともだが、仕掛けるタイミングのシビアさが難易度を上げる必殺技だぜ! 大人っぽいのとピンクの水玉!」
     拳を握り、熱く解説を始める、大。
    「ピンクの水玉? 何のお話でしょうか?」
     大の言葉に反応したソラリスが、首をかしげる。
    (「私と同じパンツの人が居る?」)
     同じじゃなくて、完全に本人です。
    「それにしても、今日はやたらと風通しがいいですね。さあ、爽やかにお仕事をこなして……って、キャー!? ど、どういうこと?」
     めくれるものならめくってみろという態度で、攻撃体勢に入り掛けたソラリスが、ようやく自分の状況に気づく。
     更に、真下から、渦をまくように風が吹きあがった。
     油断しきっていたソラリスは、なにがどうなっているのか瞬時に判断出来ず、スカートは完全にめくりあげられ、視界は真っ黒だ。
     風の音と、大が操作しているカメラのシャッター音が、ソラリスの耳に残った。


    「さすがだな! 都市伝説の性能はすごいぜ……って冗談だぜ!? 戦う前から重傷者ってのは勘弁だかんな!」
     都市伝説を褒め、カメラを構えている大に、仲間たちの視線が集中し、大は慌てて首を横に振る。
    「ふふ、空煌はまだ触り足りないのかな?」
    「す、すみませんっ」
     なにがどうなったのか、スカートがめくられた状態の霊那のお尻に、顔が埋まってしまっている、空煌。
     空煌は必死に謝って抜け出そうとするが、慌てていたせいで、いけないところに顔が埋まってしまう。
    「痛た……零桜奈くん、怪我はないですか?」
    「あ……」
     ラッキースケベ体質の零桜奈と、蒼香のカップルも負けていない。
     零桜奈の手は、倒れ込んだ蒼香のライトグリーンの下着の中に、完全に入っている。
     真っ赤になってドキドキする零桜奈の顔に、蒼香の豊満な胸がかぶさり、零桜奈は呼吸が出来ず両手を動かす。
     蒼香のタンクトップの中に手が滑り込み、あらゆるところを零桜奈の手が這い、揉んだり掴んだりしてしまう。
     少年はいけない光景には、興味が無い様子で、風を巻き起こし、スカートをめくり続けていた。
    「まさか!? ここで大技、ローリングターンだと! 高速回転で周囲のすべてのスカートをまくる、伝説の!?」
    『……あれ?』
     大が驚いている中、少年が、とあることに気づく。
     全員のスカートを同時にめくったことで、見比べることが出来た。
     そう、男の娘の存在に。
    『あ、あわわわ』
     少年は風を起こすのを止め、逃げるように後ずさりするが、腰を抜かした様子で倒れ込む。
    「力を貸してっ!」
     その機会を見逃さず、真っ先に攻撃体勢に入ったのは、空煌だ。
    「被害が拡大する前になんとかしないとですね」
     カードの封印を解き、ダイダロスベルトを手にするなり、すかさず帯を敵に射出する、空煌。
    「零桜奈くん、一緒に攻撃しましょう♪」
    「ん……蒼香に……合わせるね……」
     ライフル銃を持った蒼香に、頷いて見せ、蒼炎を宿した琥珀の刀、蒼炎琥珀刀を構える零桜奈。
     魔法の光線が発射され、敵に着弾すると同時に、重い斬撃を振り下ろした。
     息の合った、コンビネーション攻撃だ。
    「ラビリンスアーマーで、服装の欠如をフォローしたりも、出来たらいいですね」
     あちこち服が破かれて放心状態の菫をちらりと見て、柚葉は試しに、帯で菫の全身を鎧の如く覆う。
     しかし菫はショックを受けた状態のまま、ぼーっとしている。
    「戦いって……悲しいよな。都市伝説が弱ったら、問題なければ吸収するぜ!」
    「さあ、男性用下着ばかりのトラウマにうなされるがいいのです!」
     指輪から魔法弾を放つ大と連携し、ソラリスは影を伸ばして敵を覆い、敵にトラウマを見せる。
    「迷惑極まりないから早い所終わらせましょう。回復は舞姫に任せるよ」
    「にゃっ」
     霊那の言葉に、ウイングキャット、舞姫が黒い尾を揺らして応える。
     射出したいくつもの帯で霊那は敵を貫き、都市伝説が消えそうな瞬間を狙って、大が都市伝説を吸収した。


    「皆さんお疲れ様でした。菫さんの服、どうしましょうか」
     柚葉が仲間たちをねぎらい、菫に注目する。
    「うう……服がボロボロに……恥ずかしいので、私は箒で帰ります」
     菫はホウキで空を飛ぶが、下から丸見えだということに飛んでから気づき、大慌てした結果、落下してゆく菫。
     どこまでも不幸体質の菫だが、灼滅者だから、きっと平気。
    「霊那さん、あの……揉んじゃいましたし……すみませんです」
    「また揉まれるかもだけど、空煌は可愛いからね」
     しゅんとして謝る空煌を可愛く想い、霊那はまたもや空煌を抱きしめ、ドキドキさせている。
    「はた迷惑な都市伝説でしたね、零桜奈くんも大丈夫でしたか?」
    「ん……大丈夫……蒼香こそ……平気……?」
     お互いを気遣う蒼香と、零桜奈。
     周囲の被害状況を確認後、2人は仲良く帰ってゆく。
    「美人の先輩方のスカートをめくれて、都市伝説も満足したでしょう」
    「マシェフスキーのねーちゃんもきれーだぜ! ……よし、バッチリ映ってるぜ」
     ソラリスがスカートの乱れを直しながら呟くと、大が褒めながらカメラを確認。
     仲間に、カメラを没収されてしまったかどうかは、残った灼滅者たちだけが知っている。

    作者:芦原クロ 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2017年7月12日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 1/キャラが大事にされていた 4
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