水羊羹スライム(こしあん)

    作者:聖山葵

    「実は、ラジオウェーブのラジオ放送が確認されたのです」
     集まった君達へエクスブレインの少女はこのままでは、ラジオウェーブのラジオ電波によって生まれた都市伝説によって、ラジオ放送と同様の事件が発生してしまうのですと言葉を続け、抱えていたノートを開いた。
    「放送内容は以下のようなものでした」

    「なっ、甘っ」
     口に入ってみれば甘さ控えめなあんこの味がいっぱいに広がり、濡れたボディはとても涼しげ。そう、そいつの名は水羊羹スライム(こしあん)。一口に水ようかんと言っても種類は様々、人によって好みもあるだろう。だが、そいつはあくまで、紛うことなきこしあんだった。
    「って、そんな場合じゃなくてっぷは、助け、助けてっ」
     我に返ってもがく犠牲者をあざ笑うかのように不定形のそれはゆっくりゆっくりと取り込んで行く。嗚呼、通らなければよかったのだ。水羊羹スライム(こしあん)が出没する噂のある薄暗い路地など。

    「と、内容は大体そんな感じなのです」
    「なるほど、ちょうど私が探していた都市伝説と内容が一致するな」
     エクスブレインの言葉に頷いたのは、秋山・梨乃(理系女子・d33017)。なぜか水着だがきっとプール帰りだったりするからなのだろう。
    「もっともこのラジオ放送ですが、赤槻・布都乃(悪態憑き・d01959)さんの調査によって放送局が突き止められ、実際にラジオ電波の影響を受けて都市伝説が発生する前に情報を得ることができたので、被害はまだ発生してません」
     今なら犠牲者ゼロで事件を解決できるので現地に赴き水羊羹スライム(こしあん)を倒してきてほしいのですとエクスブレインの少女は君たちに言う。
    「現場は薄暗い路地で人気もなく、誰かが一人でこの路地を通りかかることが都市伝説の出現条件となっています」
     つまり、接触には囮が必須ということか。
    「ラジオ放送では都市伝説が犠牲者を捕らえて取り込んでいたので、通行人が確実に捕らえ取り込める人数の時しか出てこないということだと推測するのです」
     戦闘になった場合、あの取り込みは単体対象の攻撃サイキックとなるということなのだろう。
    「ほかにも攻撃手段は持っていそうですが、都市伝説の形状を鑑みるに」
    「影業のサイキックと似た攻撃になるというのだな?」
    「あ、はい」
     つまり触手で拘束したり体の一部を刃に変えて服破りってきたりすると、エクスブレインの少女は頷きによって肯定し。
    「もう、この段階で嫌な予感しかしないのだ」
     眼鏡の奥から梨乃は遠くを見た。
    「あ、あの……もともと不気味な場所なので人気はなくて、おそらく人除けの必要も明りを持ち込む必要もないので……」
     それが慰めになるかはわからない。
    「最後に、この情報はラジオ放送の情報から類推される能力ですので、可能性は低いものの、予測を上回る能力を持つ可能性があるので、その点は気をつけてほしいのです」
     予想を上回るとは何か、お色気か、お色気方面なのか。
    「囮の方は大変かもしれませんけれど、よろしくお願いしますなのです」
     ぺこりとエクスブレインが頭を下げる一方で、梨乃はまだ遠くを見ていた。


    参加者
    備傘・鎗輔(極楽本屋・d12663)
    成田・樹彦(禍詠唄い・d21241)
    武藤・雪緒(道化の舞・d24557)
    秋山・梨乃(理系女子・d33017)
    癒月・空煌(医者を志す幼き子供・d33265)
    リディア・アーベントロート(お菓子好きっ子・d34950)
    新堂・アンジェラ(業火の魔法つかい・d35803)
    柊・静夜(愛情ときょういの特盛・d37574)

    ■リプレイ

    ●人それぞれ
    「自分で調べたとはいえ、意味不明だな。水羊羹のスライム……物凄くベタベタしてそうなのだ」
     遠い目をした秋山・梨乃(理系女子・d33017)は、ポツリと呟くと視線を前に戻した。160cmのバストを持つプレゼントがどうのと言った話が聞こえたが、おそらくは柊・静夜(愛情ときょういの特盛・d37574)が一般人除けに語り出した怪談なのだろう。
    「リディアは和菓子も大好きなんだよこしあんの水羊羹ってどんな味なのか楽しみだねー」
    「まぁ、夏場に冷やして食べる水羊羹は美味しいけどさぁ。実体化しないでもいい様な気、しない?」
     期待に胸膨らませた様子のリディア・アーベントロート(お菓子好きっ子・d34950)をちらっと見た備傘・鎗輔(極楽本屋・d12663)は感情の起伏を見せず仲間に同意を求め。
     癒月・空煌(医者を志す幼き子供・d33265)は思う。
    (「スライムにも色々あるのですね。まあ都市伝説なのであり得ないこともあり得るのでしょうけど」)
     空煌もスライムの都市伝説を吸収して所持していたのだ、大概ですがとコメントするものを。
    「こしあんの水羊羹スライムとか訳が分からないよ! 水羊羹なの? スライムなの?」
     これから遭遇するであろう都市伝説のコンセプトに納得いかない様子の武藤・雪緒(道化の舞・d24557)が疑問を口にすれば空煌の視線はそちらに向き。
    (「あれが、人造灼滅者さんのスライムですか……どんな風な構造になってるか興味ありますね」)
     びくんと触手の生えたスライムの表面を波立たせた雪緒は浮遊する骸骨の部分でキョロキョロと周囲を見回し。
    「どうかした?」
    「や、なんだかゾッとしたような」
     成田・樹彦(禍詠唄い・d21241)に尋ねられると唸ってから気のせいだったのかなとタブレットも活用して苦笑を表現する。
    「先の路地は薄暗いからな。この辺りも涼しくてそう感じたのかも知れないのだ。さて、見つけた責任もあるし、私が囮になるぞ」
     雪緒の寒気を温度変化が理由と見た梨乃は宣言するなり一歩前に進み出た。このまま突入するつもりなのだろう、Tシャツの上にブラウス、その上にカーディガン、さらにその上にジャケットとオーバーなどかなりの厚着をしており。
    「本当に薄暗いわね。こんな事も有ろうかとアンジェラはLEDライトを準備してきたわ。一応、お皿とか器とかスプーンとかも人数分。食べるにも手づかみじゃ汚れるだろうし……」
    「ぜ、前者は助かるが、後者は――」
    「ボクも胃腸薬を用意して来ましたよ。食べる方が何人かいらっしゃいますし」
     得意げ食器までに取り出した新堂・アンジェラ(業火の魔法つかい・d35803)へ顔を引きつらせると空煌が追い打ちをかけた。そう、一同の中には味見も入れれば食べる気漫々の灼滅者が数名存在したのだ。
    「梨乃ちゃん、携帯持った? 通話状態にしててね。音聞こえるからすぐ駆け付けるよ」
    「あ、ああ。都市伝説が出てきたら頼むのだ」
     首を縦に振った梨乃は口元の強ばりが残ったまま、それでも笑むと再び歩き出し。
    「さ、こっちも準備しとかないとね」
     淡々と話しつつも鎗輔はスレイヤーカードを取り出した。同じ部活の仲間が囮なのだ。何かあればすぐ駆けつけられる様にと言うことか。
    「何もないと良いですけど」
    「おっーほっほっほっほっほ、心配は無用でしてよ。囮に獲物がかかったらすぐに助けに行きますわ」
     心配そうに去りゆく背を見つめる空煌の横で静夜は自信たっぷりに言い放った。

    ●遭遇
    「こう、薄気味悪いな。いかにもと言った雰囲気なのだ」
     一人路地を進みながら梨乃がぎゅっと携帯電話を握り締める。それは駆けつけてくれる仲間達との繋がりであり、物質化した外付けの勇気だったかも知れない。
    「ん?」
     そして、最初に違和感を覚えたのは右足。アスファルトとは違う柔らかな感触のそれは花が咲いた様に広がると梨乃の右足を呑み込み、這い登り出す。
    「みんな、スライムが」
     出たと携帯電話へ続ける前に手を振ってウイングキャットのミケに避難する様指示を出し。
    「むぐ!」
     騒がれると拙いと見たのか、肩までのぼってきた都市伝説の先端が更に伸びて口を塞ぐ。この時梨乃の下半身は半ば呑み込まれており。
    「おっと」
     不定型のそれが全てを取り込むより早く、伸ばした鎗輔の手が梨乃の手首を掴んだ。
    「間に合ったね。リディア達に、お任せ!」
     続いてもう一方の手首をリディアが両手で掴み。
    「明らかに現行犯だよね! 悪いスライムならスライム髑髏としてお仕置きするよ!」
     なんか、スライムVSスライムな戦いも始まろうとしていた。
    「で、何で水羊羹? もっと、こうさ、色々有ると思わない? 豚の八角煮のゼラチン部分とか、ストローで飲めるゼリーのスーパーハードなのとかさ」
     まぁ実際には始まらなかった訳だが。梨乃を引っ張りつつも鎗輔は水羊羹の様な色合いのスライムをじっと見つめ。
    「こしあんの水羊羹みたいなのよね。食べられるのかな?」
     こちらも都市伝説を観察していたアンジェラが涎を啜る。
    「ああ、やっぱりそう言う方面で気になるのだな……と、そんなことを気にしている場合じゃなかったのだ。このっ」
     引っ張って貰っているとは言え、下半身には都市伝説がへばりつきまさに綱引き状態の梨乃は我に返ると、何とか脱出しようともがき。
    「わっ」
     引っこ抜かれた梨乃の身体が水羊羹スライムから抜け出る、そう、スカートや短パンを都市伝説の内部に残して。
    「ぷっ」
     そのまま空煌が下敷きになる形で押し倒されたのは、持ち合わせた体質故か。
    「ひ! 何故下だけ脱げるのだ。非科学的だぞ」
    「物理法則的にはおかしくないんじゃないかな?」
     下が水着だけと言う展開は予想外だったのだろうパニックに至った犠牲者の言い分に雪緒はタブレットへはてなマークを浮かべ。
    「ギルティクロスで攻撃」
     樹彦は出現したんだからやっちゃっても良いよねとばかりにギルティクロスっていた。ひょっとしたら危うくお尻を出した子になるところだった誰かのハプニングから現実逃避してのことかもしれない。
    「甘かったら嬉しいよね~はむっ」
     一方でリディアは仲間を引き抜こうとした時絡み付いてきた都市伝説の一部をためらいなく口に含んだ。
    「先を越されちゃったね、微妙に夏にぴったりなのが腹が立つ。とりあえず、味見しておこう」
    「へ」
     倣う鎗輔を見て自分のおかれた状況も忘れて一歩退く、梨乃。
    「出来れば、こっちを見ないで欲しいのだ」
     そして思い出した様に恥じらい。
    「本当に見た目は水羊羹ですわね、あの大きさは食べ応えありそうですわ」
     既に口に入れてる仲間が居るのだ、静夜もまた都市伝説を食べられるモノと見なしたらしい。
    「いや、確かに味は水羊羹そのものだったが、自由意思で動き回るのだぞ?」
    「あっちょっと逃げちゃ駄目なの」
     考え直す様遠回りで言う側からリディアの口にはいるのを免れた水羊羹スライムの欠片が服の中に逃げ込み。
    「力を貸してっ!」
     お尻の下から抜け出せた空煌がスレイヤーカードの封印を解けば。
    「おーっほっほっほ! 夏らしい水羊羹も私が手に入れて見せますわ! とぉおおうっ!」
     妖の槍を一振りした静夜は高笑いと共に都市伝説に向かって突撃し、捻りをくわえた突きで水羊羹スライムな身体を貫いた。
    「ふふっ、避けることも出来なかったみたいで――」
     だが、勝ち誇り最後まで言い切る間を与えず、突きの衝撃で広がった様に見えた都市伝説は静夜へと傾ぎ覆い被さる。
    「おーっほっほっほ! 一筋縄ではいかないと、なかなかやりますわね」
     絡み付こうとする水羊羹スライムともみ合って大きな胸をむにゅっと持ち上げられながらも静夜は空いた手で都市伝説を押さえつけ顔の近くまで伸びてきた触手を一口。
    「味はけっこう美味しいですわね、これなら」
     思い人も食べられそうだと口元を綻ばせ。
    「食べようとしたり攻撃すると抵抗するのね。なら」
    「ええええ?!」
     絡み付かれることを厭わなければ食べられると判断したアンジェラがスプーンを握り締め、ダークネス形態の時はふざけた態度がデフォにもかかわらず、雪緒は声を上げていた。
    「こんなとこにべっちゃり落ちててばっちくない?」
    「上の方だけだから大丈夫だよー! 時々服の中に逃げ込むけど」
    「いや、それは明らかにアウトだと思うのだ」
     続く問題提議にも別方向から答えが返ってきて、元気なリディアに梨乃の顔が引きつる。
    「そう、なら問題ないわ」
    「「ないの?!」」
    「他の人は食べてるもの、アンジェラも食べたいわ!」
     ハモる声に笑顔を返し、こうして水羊羹スライム(こしあん)躍り食いの参加者がまた一人。
    「ギルティクロスで攻撃」
     何とも言えない空気の中、樹彦はただギルティクロスっていた。逆十字に引き裂かれた水羊羹飛沫を散らせ都市伝説へ地味にダメージを蓄積させていたのだ。

    ●食べた人と食べない人と
    「ギルティクロスで攻撃」
     樹彦はただギルティクロスっていた。木像を彫る修行僧がノミで一彫り一彫り淡々と木材を削る様に、けしからん意味で罪深い水羊羹スライム(こしあん)を裁いていたのだ。
    「甘くて優しい味ね」
     そう言って笑顔を浮かべるアンジェラのタンクトップは水羊羹の容器を開けた時希に零れる液体の様なモノに濡れて肌にピッチリ貼り付いており、艶めかしく。
    「成る程、ずぶ濡れか。エクスブレインの言ってた予測を上回る能力ってのがきっとこれなんだね……って、予想を上回るってそっち方面?!」
     敵じゃない方の骸骨つきスライム(触手)がツッコんだ。
    「まぁ、色々あったけどこんな微エロス発生マッシーンはさっさと倒してしまおう。本当のエロスを狙いたいなら、無味無臭のドロっとした液体を実態させなきゃね」
    「無味無臭? これ甘いよー?」
    「そうね、甘いわよ?」
     不穏なことを口にする鎗輔へ手の甲を舐めたリディアとアンジェラは首を傾げ。
    「うん、マジレスされるのは想定外だったよ」
     視線で突き刺されながら鎗輔は断裁靴で地面を蹴る。空中で作るのは跳び蹴りの姿勢。有言実行、既に攻撃している仲間に続こうというのだろう。
    「ヒャッハー! 悪いスライムは灼滅だー!」
     雪緒も髑髏の眼下を光らせて叫び。
    「そうか、漸くまともな戦いになるのだな……」
     謎の安心感を覚えながら梨乃も顔を上げた。
    「これまでよくもやってくれたな。欠片も残さず消してくれるぞ」
     それは、逆襲の始まり。反撃の開始。
    「スライムなんて、ぺっちゃんこだー!!」
     縛霊手が握り拳を作りながら振りかぶられれば、リディアもお尻からぶつかって行く様な姿勢で飛び出していた。
    「ナノ~」
     もう食べるのは止めたからヒップアタックしても問題ないということなのか。攻撃を繰り出す主を見て鳴いたナノナノのふかふかナノちゃんはハートで傷ついた味方を癒す。
    「静夜」
    「おーっほっほっほっほ、感謝ですわ。ならば、次は――」
     更に空煌から癒やされた静夜が語り出したのは、触手の生えたエビフライの怪談。
    「都市伝説には都市伝説! 触手には触手ですわ!」
    「エビィィィ」
    「うわぁ」
     味噌煮込みうどんと水羊羹二つの触手が絡み合う様を第三の触手勢である骸骨つきスライムは見ていた。
    「これで切り裂いてやるわ!」
     そしてアンジェラが龍砕斧で刈り取り、宙を舞う触手。出現する逆十字。
    「ま、まともな戦い……まともな戦いとは何なのだ?!」
    「みぃ」
     あまりにカオスな戦闘風景に混乱する主人を見たミケは一鳴きしてから攻撃の輪に加わった。
    「一方的」
    「相手が単体なのにこっちはサーヴァントまで複数居るからね」
     散発的な反撃が偶に混じるものの戦いはもう一方的であり。
    「わうっ」
     散発的な反撃の一つを霊犬のわんこすけが自身を盾にする形で受け止め。
    「スライムって直接手で殴った感触どーなんだろ?」
    「アンジェラは燃やしたらどうなるのか気になるわ」
     半ば実験にもなりつつあった。
    「総てを焼き尽くす紅蓮よ!」
     炎を宿した龍砕斧が叩き付けられると一部気化したのか甘いにおいが周囲に広がり。
    「サンタさんご一行様、今がチャンスですわ!」
     だいぶ体積を減らした水羊羹スライムは静夜の怪談が引き起こした怪奇現象に巻き込まれぐにょりと力を失った。
    「何とかなりましたわね」
     そのまましゃがみ込んだ静夜が都市伝説の一部を掴んで胸元に持って行けば、重力を無視しごぼごぼと水羊羹スライムが静夜の胸の谷間に流れ込んでゆく。吸収されているのだろう。つまり、戦いは終わったのだ。

    ●帰路につく前に
    「おーっほっほっほ! これで新しい都市伝説を確保ですわ! え?」
     高笑いした直後、静夜の服が胸の部分からはち切れた。激しく動いたからか、最近胸が大きくなったからか、それとも別の理由でかは分からない。
    「わっ」
     胃腸薬を渡そうと近寄って来ていた空煌は驚いてバランスを崩し。
    「うわぁっ」
    「きゃあっ」
    「きゃんっ」
     近くに居た女性陣を巻き込んで転倒する。これも体質のなせる業か。
    「痛たた……」
    「ご、ごめんなさいです」
    「大丈夫?」
     縺れ合う仲間達の姿を見た樹彦は駆け寄るとギルテじゃなかった手を差し伸べ。
    「クリーニングを準備してきて色々と正解だったのだ。並んでくれ、綺麗にするぞ」
     苦笑した梨乃は助け起こすのを手伝うと一列になった仲間へ順にESPを行使して行く。
    「ありがとう。あとはこの辺りをアンジェラ達で片付けるだけね」
    「そうだねー、けど都市伝説が吸収されちゃったからかあんまり散らかってないよ」
    「確かに、元々落ちてたゴミとか小石とかがちょっと動いてるだけだね」
     それでも戦闘の影響であることは違いない。
    「こんな所かな?」
     リディアは落ちてたゴミを拾うと乱れていた着衣を整え。
    「ところで、都市伝説食べた人は居たけど大丈夫? お腹痛くない?」
    「胃腸薬要りますか?」
     思い出した様に問う雪緒に便乗する形で空煌も薬を手に周囲を見回すが、今のところ不調を訴える者はおらず。
    「けど、悪くない味だったわね」
    「え、えーと、まだ水羊羹食べたいならお茶屋さん行こうよ! 和菓子も置いてあるよ!」
     都市伝説の味を思い出した誰かの独り言を聞いた雪緒は話題を変えるべく提案し。
    「甘いのは好きだし、行くならついてくよー」
    「アンジェラも行くわ」
     幾人かが賛成に回る中、服の応急処置をし終えた静夜もまたそれもよろしいですわねと賛意を示し、寄り道を決めた一同は薄暗い路地をあとにする。なんの変哲もない場所に戻った路地を。

    作者:聖山葵 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2017年7月20日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
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