慈眼城のナミダ姫~俺が来た、話を聞け

    作者:空白革命

     慈眼城の直下、天王山トンネル内部。
     トンネルの両端を封鎖したスサノオにより、交通の途絶えた天王山トンネル内で、スサノオの姫・ナミダと、有力なスサノオ達が、儀式の準備を進めていた。
    「慈眼城のスサノオ化が成功すれば、我らの戦力は大幅に増強されるであろう」
    「それだけではない。この儀式が成功すれば、数多のブレイズゲートの全てのスサノオ化も可能になる。そうなれば、爵位級ヴァンパイアをも凌駕する事だろう」
    「だが、心配なのは灼滅者よな。この儀式には多くの力を結集してしまう。儀式の最中に、灼滅者の横槍が入れば、姫をお守りする事ができるかどうか……」
     スサノオ達が、儀式の意義と、そして懸念を示すなか、ナミダ姫は大丈夫であると言い切った。
    「灼滅者は、一般人を苦しめ殺すような行為を嫌うが、この儀式による一般人への被害は皆無なのだ。それどころか、ブレイズゲートが消失する事は、地域の安全にも繋がる。灼滅者が我らを邪魔する理由は無いだろう」
     その言葉に頷く、スサノオ達。
    「灼滅者達は、アンブレイカブルを合流させた六六六人衆との決戦を控えている。その上で、我らを敵に回すような愚挙は行わないであろう」
     その言葉に納得したのか、スサノオ達は会話を止め、無言で儀式の準備を進め始めるのだった。

    ●大いなるスサノオ
     所変わって武蔵坂学園空き教室。大爆寺・ニトロ(大学生エクスブレイン・dn0028)は灼滅者を集めて状況を説明していた。
    「みんな、慈眼城直下にある天王山トンネルが通行止めになっているって話は聞いたか? その件なんだが……」
     通行止めを不審に思った高野・妃那(d09435)が持ち帰った情報によると、スサノオの姫ナミダと配下のスサノオたちがブレイズゲート慈眼城を喰らってスサノオ化する儀式を進めている、ということが分かったのだ。
     これはエリノア・テルメッツ(d26318)や漣・静佳(d10904)も予見していたことだ。
    「スサノオ大神の力を得た連中が慈眼城を利用する。こいつは、思ったよりもオオゴトになりそうだぜ」

     現時点でスサノオ勢力はあるていどの友好関係があり、六六六人衆との決戦時にも協力が見込まれている。
    「つっても仲良しこよしってわけじゃない。スサノオは全員許せないって考えの奴もいるだろう。まあ、どれが正解とも言えないっつーか、どう動いても確実に世界が動いちまう。俺たちはそれくらい、デカい存在になってるってことだ」
     スサノオによるブレイズゲート吸収を阻止するか、否か。
     どちらにせよ無関係では居られない。現場に赴く必要は、少なからずあるだろう。
    「現場に駆けつけて『どう』するか。それは皆が決めてくれ。皆が決めなきゃなんねえ。もう俺たちは、それだけの存在になってるんだ」

     強いて選択肢があるとすればこうだ。
     『ナミダ姫の灼滅を狙う』
     『慈眼城の攻略を狙う』
     『儀式を座視する』
     の三つだ。
     順に解説していこう。

     『ナミダ姫の灼滅を狙う』場合……。
    「儀式中はスサノオたちの力が儀式に注ぎ込まれてるらしいから、ナミダ姫の灼滅も可能らしい。
     これまでの交流はあるが、ダークネス組織の強大化を見過ごせないって考えもあるだろうな。
     もしナミダ姫を灼滅できたなら、スサノオ勢力は壊滅状態にできるだろう。けどもし失敗したら修復不可能な関係になっちまう。
     つまり、攻撃するなら関係を完全に破棄するつもりでいけってことだな」

     『慈眼城の攻略を狙う』場合は……。
    「いつも通りの攻略ってわけにはいかん。儀式の影響なのか大幅に強化された『壬生狼士』や『壬生狼魂』が内部に出現してる。こいつらを撃破することで、無礼図ゲートを喰って得られる力を減少させることができるはずだ。
     要するに、儀式の価値そのものを下落させるってことだな。
     まあ当然スサノオたちとの関係は悪化するんだが、ブレイズゲート探索は俺らの日課みたいなもんだ。そう言い張れば……うーん、まあ、あるいは、大丈夫かもな。少なくとも急にブチキレて殺しにかかってくるようなことはないだろう」

     『儀式を座視する』ならば……。
    「邪魔せずに座視するってだけで恩を売ったり、ないしは友好を深めることも可能だろう。そういうチャンスだって見方もある。
     いっそブレイズゲートの探索とスサノオとの交渉を同時に行なうことで戦力強化をおさえつつ関係悪化を留めるってパターンもあるが……これはかなりムズいぞ。交渉ってよくわっかんねーもんな」

     ともかく……。
    「いくつかのダークネス組織が壊滅してる中、スサノオは今や無視できねー組織だ。関係が今後どう変わるか、それが皆の選択にかかってるし、どう転ぶかもわからん。
     けどこれだけは言えるぞ。
     どんな選択をしても、俺は皆を信じてるし、全力で肯定する。気持ちよくやってきてくれ!」


    参加者
    明石・瑞穂(ブラッドバス・d02578)
    姫条・セカイ(黎明の響き・d03014)
    風真・和弥(風牙・d03497)
    椎葉・武流(ファイアフォージャー・d08137)
    紅羽・流希(挑戦者・d10975)
    アイリス・アレイオン(光の魔法使い・d18724)
    七瀬・悠里(トゥマーンクルィーサ・d23155)
    立花・誘(神薙の魔女・d37519)

    ■リプレイ

    ●交渉と言論
     回想。
     これは天王山トンネルに至る前。具体的には突入中の話である。
    「今回は随分苦労したみたいねぇ」
     そう語るのは、トンネルの壁や風景を見てぼんやり呟く明石・瑞穂(ブラッドバス・d02578)である。
     熟練者らしい余裕というべきか、それとも瑞穂特有のペースゆえか。
     一方の姫条・セカイ(黎明の響き・d03014)はどこか緊張した様子だった。
    「ナミダ姫との邂逅……ですか」
     降ってわいたような事態に気持ちを落ち着けようとしているのか、セカイは自分の方針をしっかりと自分の中に固めようとしているようだった。
     それは風真・和弥(風牙・d03497)も同じだったようで……。
    「もしかしたらナミダ姫灼滅の大チャンスだったのかもしれないけど、なんだかそういうのはちょっと、な……お前はどう思ってるんだ?」
    「私は……」
     和弥に問いかけられて、セカイは一旦言葉を選んだ。
    「わたくしは……武力にて相手を討ち滅ぼすだけでは、野蛮なダークネスとなんら変わらないと、思います」
    「だよなあ」
     そのダークネスでさえ、日頃から交渉ごとを行なっているという。中にはよかれと思って人類を支配している者や、人様にできるだけ迷惑をかけないように生きている連中だっていると聞く。
     そんな中でこちらがダークネス即殺の鬼と化してしまうのは、あまりに危険な気がしていたのだ。
    「俺なんかカシオリ持ってきたぜ! カシオリ!」
     椎葉・武流(ファイアフォージャー・d08137)がここぞとばかりに東京名物のあの……なんて言ったらいいかな、バナナみたいな形のやつ、あれを掲げて見せた。
    「俺たちだって今や力のある存在なんだし、理由もなしに敵対して殴りかかるのはヤなんだよな、俺も」
    「…………」
     沈黙のまま周りの灼滅者たちを見つめる紅羽・流希(挑戦者・d10975)。
     心配ごとがあまりにも多すぎるのだ。
     スサノオ勢力がサイキックハーツに至る可能性や、ブレイズゲートで分裂存在化したダークネスが解き放たれる危険など、大小数え切れない。
     とはいえ、話し合うことでそれらの疑問が解け、場合によっては危険そのものを回避できることも事実だった。
     エクスブレインを介さずに事件を解決したり、人々の避難誘導を実施したり、戦争を止めたり……。
     昨今の武蔵坂は、サイキックを使わなくとも世界を動かすだけの力を持っているように思えた。
     世界を動かす力というのは、もしかしたらそういうものなのかもしれない、とも。
    「これがソロモン連中だったら悪即斬でボコってたんだけどねぇ」
     雰囲気を変えるように、アイリス・アレイオン(光の魔法使い・d18724)がからからと笑って言った。
    「まあスサノオやナミダ姫に対しては? ほかよりはまだ悪感情少なめだしねえ」
     スサノオ勢力が人類に対してやってきたことは、アイリス視点から見ればあまり酷いものではなかった。強いて言えばヤンチャする個体があったかなあくらいの認識である。急に戦争起こして虐殺を始める連中とはかなりの差があるのだ。
    「俺もスサノオ連中はよくわからねえ。話せる分だけまだマシってところかな」
     七瀬・悠里(トゥマーンクルィーサ・d23155)も似たような意見だったようだ。
    「ただでさえ他の勢力同士の同名とか許しちまってるんだし、協力できるんならしたいよな。ってことで、俺たちの方針はほぼほぼ交渉。あと何チームかはブレイズゲートの攻略って感じでいいんだよな? 暗殺するチームとかいたか?」
    「事前の打ち合わせではいなかったと思います。この期に及んで単独行動はないでしょうし、仮にあっても身内で押さえつけるでしょう」
     立花・誘(神薙の魔女・d37519)は小さく息をついた。武蔵坂学園は学園とはいいつつも民主主義な組織だ。個人ごとに思想の違いはあれど、最終的には多数派が前に出る。ゆえに大規模な話し合いの結果を、個人行動でひっくり返すことはできないのだ。
    「それにしても、ややこしくなってきましたね。『ダークネスは敵』で話が片付かなくなったといいますか……私たちの敵って、本当はなんなんでしょう」

    ●高尚なる交渉術
     話には順序というものがあって、乱すと話が進まなくなるものである。
     情報にあった通り、ナミダ姫とスサノオ幹部たちが儀式の準備をしているところに五十人規模の灼滅者の大集団が現われるという事態を、まず誰かが収める必要があった。勿論武流や流希も挨拶の文句を考えていたし準備もしていたが、誰もが勝手に挨拶しまくっていては混乱するのみである。たださえ、険悪なムードになりつつあるのだ。
    「――灼滅者か」
    「何をしに来た!」
     そんな中でトップバッターを務めたのは別チームの月影・木乃葉(深窓の令嬢・d34599)だった。
    「こちらに交戦の意思はありません! 何らかの大きな力が動いた事を確認したので、様子を見に来たんです」
     このチームのメンバーが後に続くように事情を説明していく。
     それは充分に理にかなったものであったようで、ナミダ姫は……。
    「……この者達は敵では無い」
     と、スサノオたちを収めてくれた。
    「話は、班毎に纏まって、順番に行わせて頂きます」
     かくして、二つの組織をまたいだ大規模な『話し合い』が進むこととなる。

     それから、少しばかり時は過ぎて。

     いくつか危なげな所はあったものの、両者の話し合いは話し合いの体を守ったまま、順調に続いている。
     逆に言えば、お菓子を配ったり気軽に問いかけたりといったフレンドリーな交わりが出来る空気ではなかった。ないならないで、気を引き締めるだけである。
     改めて考えることがあるとすれば……。
    「私たちのしようとしていた質問が、既に成されていますね」
     流希は、セカイと武流に向き直った。
    「順番は順番だししょーがねえよ」
     二番目のチームだっただろうか。彼らのチーム目標は『ナミダ姫の最終目標を聞き出すこと』だった。
     流希とセカイの目的にそのまま被っているので、二人はその話を横から聞く形になった。
    「ナミダ姫の目的は、サイキックハーツに至ることでは無かったのですね」
    「正直それを心配していたので、主目的でなかったことには一旦安心しましたよ」
    「……ん?」
     流希の言い方に、武流はかくんと首を傾げた。
    「なんか言い方ひっかからないか?」
    「はい。姫の目的は『ガイオウガに押さえつけられていたスサノオの力を全て取り戻すこと』でした。しかし……」
     小さく目を伏せるセカイ。
    「スサノオが全盛期のガイオウガと同等の力を持てば、新たなサイキックハーツの引き金になりかねません」
    「そもそもナミダ姫はサイキックハーツのことを知らなかったし、俺たちも説明してないっていうか……まー信じないだろうし、大丈夫じゃねーの?」
    「どうでしょうね。少なくとも、放置できる案件ではありません。放置できることがあるとすれば、ブレイズゲートに取り込まれたダークネスの解放問題くらいでしょう」
     流希が心配していたのは、ブレイズゲートが消えたら分裂存在になっていたダークネスが解き放たれてしまうのではという問題だったが……。
    「たしか四番目のチームだったかな」
    「はい、ダークネスに戻すことも不可能ではないですが、この儀式でスサノオ化させた場合は内部のダークネスは全て死亡するということでしたね」
     セカイも、それは一安心ですといった様子で語った。
    「…………」
     その一方で、誘の仕様としていた質問も別の形で答えが出ていた。
     これもまた四番目のチームだったか、古の畏れによって出た一般人被害についての話だ。
    「ナミダ姫は、一般人を助ける方向で動いていましたね」
     古の畏れのメカニズムについてはそちらで詳しく述べるとして、別に触る必要も無い木屑のようなものだと思っていた古の畏れが一般人を襲うことになってしまったようだと話し、今後はスサノオ大神の力を切り離す際に発生した古の畏れを滅ぼしてから去るようにすると約束してくれた。
     なんというか、サーファーが海のゴミ拾いをして帰っていくような、かなり善良な行ないであるように見えた。
    「そういや、俺もナミダ姫にして欲しいことがあるなら言ってくれって、言うつもりだったんだった」
     はたと思いついたように言う武流。
     誘はこくりと頷いた。
    「これは五番目のチームでしたね。ブレイズゲートに対する儀式をこれからも行なっていくから、探索を控えるようにして欲しいと……」
     その話の中では、スサノオは武蔵坂学園を『有力なダークネス組織のひとつ』として認識していることが分かった。
     そもそも灼滅者というものが組織化することも、ダークネス並の力をもつことも無かったので、ダークネス視点からはそういう扱いになるのだろう、とも。
     そこまで話した所で、自分たちの番が来た。

    「まずはお初目にかかります。紅羽と申します。武装はしておりますが、自衛の為ですので。私は危害を加えるつもりは一切ありません。そして、仲間が何か粗相をした時、この身をもってお守りしますので」
    「儀式の邪魔はしないから安心しなって。こんだけ大袈裟な儀式やる以上はそっちも派手な喧嘩控えてるんだろうしな」
     流希と武流がそのように前置きをした。
     加えて。
    「この数年で己が正義を絶対と信じ、ダークネスの全てを悪と断じるほど無知ではなくなったつもりです。でも、だからこそわたくし達は知らねばなりません。貴女のこれまでを。想いを。その存在の全てを受け止めさせては戴けませんか」
     セカイがそのように述べた。
     誘も何か言うべきかと視線を泳がせたが、これ以上言うべきことは無いように思えた。少なくともこの場では、余計なことになってしまうと判断したためである。
    「前の話から変わっちまうけど……じゃ、早速俺たちの話を始めようかな。俺たちが言いたいのは、『他のダークネス組織と協力しないで欲しい』ってことなんだ」
     悠里が前に出て、ナミダ姫に訴えかけた。
     言いたいことは悠里とアイリス、そして瑞穂と和弥で共通していた。なにもせーので同じ言葉を合唱する必要もないので、四人それぞれの意見をぶつける形で話をすることになったのだ。
    「ふむ……」
     ナミダ姫は一度考えてから悠里を見た。
    「言外に述べたようだが、『武蔵坂学園を覗く全てのダークネス組織との協力の停止を要求する』ということだな?」
    「そうなるかな」
     アイリスが代わって答えた。
    「だめ?」
    「我々は受けた恩を返し続けることで信頼を得てきた。一度裏切ってしまえば二度と信頼を得ることはできなくなるだろう」
     やんわりと断わろうとするナミダ姫に、流希が念を押した。
    「武蔵坂学園の戦力だけでは不満ということでしょうか?」
     本来スサノオをこれ以上強くする必要があるのか? という問いのために用意した言葉だが、そもそも自分の本来の力を取り戻しているだけという事実が分かった今無用になりつつあった言葉である。要するに言論の再利用だ。
    「……武蔵坂学園からより大きな恩を受けているならば、武蔵坂学園に敵対するダークネス組織の協力を断わる理由にもなるだろう。結果的に見れば、我々の理念にも反することはない」
     そう言われて、悠里がくるりと振り向いた。
    「つまりどういうこと?」
    「妥協案をくれたってこと」
     アイリスが小声でフォローする。
    「お金で例えたら分かりやすいかな。スサノオが各方面からお金貰ってるとするでしょ? そんな中で、武蔵坂が桁違いのスポンサー料を払ったら他を断わって一本化できるの」
    「汚い話になってないか?」
    「お金は人類最古にして最短の約束事よ?」
     さておき。
    「ダークネスはお金で解決できないからな。俺たちみたいのが必要になる」
     うっしと気合いを入れる和弥。
    「他のと言ったが、特に六六六人衆とアンブレイカブルには不干渉を貫いて欲しい」
    「でもって、決戦の時にはこっちに加勢してもらえるかしら?」
     瑞穂がここぞとばかりに追加注文を入れてきた。
     彼女としては高い額をふっかけたつもりだが……。
    「そんな戦いは、起こらない方がずっとよいのだが」
     ナミダ姫は念を押すようにふまえたあと。
    「今回『偶然にも』探索中の灼滅者がいたため、多くのスサノオが生まれること無く消滅してしまった。儀式に大きな欠損が出たこともまた、悲しい偶然である。仕方の無いことではあるが、このような偶然が今後おこらないように取りはからってくれるのであれば、その恩に報いるのはスサノオとして当然のことだろう」
     と、返した。
    「ふーん……」
     目を細める瑞穂。
     満額以上の注文に対して追加料金を要求した形である。
     更に言えば、払えない料金ではない。
    「そうだな。偶然とはいえ悲しいことだ」
     和弥は言葉を選んで言った。
    「こういう偶然は、可能な限り起こらないように配慮したいな」
     こくんと頷き、そして次のチームにバトンを渡すために目配せをして下がった。

     この後、武蔵坂学園に見送られる形でナミダ姫たちが撤収していった。
     交渉は結果として……。
     スサノオは儀式を行う前に、武蔵坂学園に告知する。
     武蔵坂学園は可能な範囲で、探索を控えるなどして儀式を邪魔しない。
     それが守られるのならば、六六六人衆とアンブレイカブルとの決戦時には、スサノオは武蔵坂学園に協力する。
     ガイオウガの尾をスサノオに引き渡した場合、スサノオは、ブレイズゲートの半数を武蔵坂学園が管理する事を認める。
     ……の四つの約束事を取り付けることで終了した。
    「儂は汝等を敵に回したいとは考えておらぬ。願わくば、汝等もまた同じ思いであるとよいのだが」
     ナミダ姫の残した去り際の言葉に、瑞穂たちは沈黙をもって応えた。
     最後に残ったトンネルの静寂を、噛みしめるように。

    作者:空白革命 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2017年8月1日
    難度:やや難
    参加:8人
    結果:成功!
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