恋のキューピッドなんかに負けたりしない!

    ●都内某所
     白臼・早苗(静寂なるアコースティック・d27160)が調査した結果、とある繁華街で都市伝説の存在が確認された。
     都市伝説は恋のキューピッド風で、ふわふわと飛びながら、愛の矢を放って同性同士をくっつけているようだ。
     そのため、都市伝説が確認された地域では、同性同士のカップルばかりいるらしく、色々な意味でカオスな状況と化しているようだ。
     そんな状況をこれ以上、拡大させないため、早苗がその場に仲間達を集めた。
     都市伝説は辺りを飛び回っているものの、あまり高くは飛ぶ事が出来ないらしい。
     そのため、叩き落とす事は可能だが、対になった愛の矢を食らうと、大変な事になるので注意が必要だろう。
    「たぶん……大丈夫……」
     そう言って、早苗が何となくフラグを立て、仲間達に対して協力を求めるのであった。


    参加者
    ミルドレッド・ウェルズ(吸血殲姫・d01019)
    日野森・翠(緩瀬の守り巫女・d03366)
    銀・ゆのか(銀屋の若女将・d04387)
    東雲・蔓(求める兎・d07465)
    黒岩・りんご(凛と咲く姫神・d13538)
    白臼・早苗(静寂なるアコースティック・d27160)
    不知火・桂花(幻双鏡・d32619)

    ■リプレイ

    ●都内某所
    「ふぅん、恋のキューピッドねえ。上手く行けば、りんごをメロメロにできるかしら……♪」
     不知火・桂花(幻双鏡・d32619)は苦笑いを浮かべながら、仲間達と共に都市伝説が確認された繁華街に向かっていた。
     都市伝説は恋のキューピッド風で、ふわふわと飛びながら、愛の矢を放って同性同士をくっつけているようだ。
     そのため、都市伝説が確認された地域では、同性同士のカップルばかりいるらしく、色々な意味でカオスな状況と化しているようだ。
    「そういえば、どこかの神話ではキューピッドの矢が原因で、色々トラブル発生した話とかもありましたね~。もしかすると、そうした一種の伝説なんかも組み込まれちゃったのかしら、ね……?」
     銀・ゆのか(銀屋の若女将・d04387)が似たような噂を聞いた事を思い出す。
     その噂と今回の都市伝説に関係があるのか分からないが、何らかの形で影響を及ぼしている可能性も高かった。
    「まあ、無理やり恋に落とすってのは……その、まだ理解できるんだけど……。ど、同性限定……って……その……ヤな予感しかしない……」
     フィヒティミト・メーベルナッハ(媚熱煽姫・d16950)が、気まずい様子で汗を流す。
     しかも、振り返って仲間達を見れば、全員女性。
     そう言った意味でも、トラブルは必至である。
    「キューピッドなんかいなくたって、ボクと翠はらぶらぶなんだけどねー? とりあえず矢に当たらなきゃいいんだし、簡単、簡単。ある意味、楽勝だよね、今回の依頼……」
     そんな中、ミルドレッド・ウェルズ(吸血殲姫・d01019)が、のほほんとした表情を浮かべた。
     その拍子に、何らかのフラグが元気よくピコンと立ったものの、ミルドレッド自身は全く気付いていないようである。
    「まあ、いまさら矢に当たったりしなくても……ん?」
     日野森・翠(緩瀬の守り巫女・d03366)が、ハッと表情を浮かべた。
     都市伝説の力がホンモノならば、矢に当てられる事によって、もっとラブラブになる事が出来るかも知れない。
    「まあ……、無理矢理くっつけなくても、花園の女の子なら誰でもOKですしね」
     黒岩・りんご(凛と咲く姫神・d13538)が、含みのある笑みを浮かべる。
     どちらにしても、まわりにいるみんなが好きなので、例え矢が当たったとしても大きな変化が起きるという事はないだろう。
    「花園にとっちゃ、この都市伝説……割と問題ないんじゃないかな? 何というか、いつもの事だし……」
     東雲・蔓(求める兎・d07465)も、苦笑いを浮かべた。
     ある意味、矢を受けたところで、平常運転。
     何のデメリットもないため、都市伝説の攻撃がまったく効かないと言っても、大袈裟ではない。
    「で、でも、心から思ってない人と、その、いちゃいちゃするなんて、……よくないよ! それだけは駄目! 絶対に……駄目だから!」
     そう言って白臼・早苗(静寂なるアコースティック・d27160)が、顔を真っ赤にするのであった。

    ●繁華街
    「ま、まさか、ここまで被害が広がっていたなんて……。と、とにかく、これは速攻で倒さないと……」
     繁華街に足を踏み入れたフィヒティミトは危機感を覚え、慌てた様子で都市伝説を探し始めた。
     都市伝説が放った矢によって、まわりでは同性同士で愛し合っており、むせ返るほど濃厚なニオイに包まれていた。
     そのニオイを掻き分けるようにして、どんどん奥に進んでいくと、都市伝説と思しき恋のキューピッドに出くわした。
    「……あれ? あれれ? まだ矢が刺さっていないヒト達がいたの? 駄目だなァ……、せっかくみんな楽しんでいるのに……。そんなヒトがいたら、興ざめしちゃうよ。みんな、仲良く楽しもう♪」
     都市伝説が胡散臭い笑みを浮かべ、灼滅者達に狙いを定める。
    「……!?」
     それに気づいた早苗が身の危険を感じて、都市伝説から背を向けた。
    「恥ずかしがり屋の君には、スペシャルな矢をプレゼントだ♪」
     すぐさま、都市伝説が早苗めがけて矢を放ち、他の灼滅者達にも容赦なく矢を放っていく。
     しかも、その矢は百発百中。
     灼滅者達が避ける隙すら与えず、容赦なく心臓を突き刺した。
     心臓に突き刺さった矢は、まるで飴のように溶けていき、そのまま灼滅者達の身体に吸い込まれた。
    「ゆのか……好きだよ。大好き……だよ」
     その途端、ミルドレッドがトロンとした表情を浮かべ、ゆのかに抱き着くようにして押し倒し、はだけた着物から露出した胸を感情の赴くまま揉んで、艶めかしく舌を這わせた。
    「……って、あれ、ミリーさん? 別の人との矢とか当たっちゃってますー!? う、浮気は甲斐性ともいいますですし、ここはぐっと耐えるのです! た、耐えないと駄目なのです……!」
     翠がミルドレッドに視線を送り、自分自身に言い聞かせる。
     その気持ちに反して、いつの間にか右手が局部に滑り込み、自らを慰める事に没頭した。
    「あら、あらあらあら~……? どうして、こんなにドキドキ……って、わ、わわ、積極的過ぎます~。う、う、嬉しいですけど……お宿じゃないんですから、ここで積極的なのは……」
     ゆのかも驚いた様子で目をパチクリさせたが、とある男の娘とイメージがダブってしまい、その行為に抵抗する事が出来ず、胸の谷間に顔を埋めて、いつものように奉仕し始めた。
    「だ、だ、だ、だんなさまのうわ、わ、わ、わ、きを許容するののも、も、も、も、も、い、い、いいつまのじょ、じょうけんなので、で、で、です」
     それを目の当たりにした翠が、ぎこちない笑みを浮かべ、自分自身に言い聞かせる。
    「……ねぇ、矢が刺さったところ、痛くない? 大丈夫?」
     一方、桂花は催淫状態に陥り、りんごと愛し合っていた。
    「痛みが早く引くように、気持ち良くさせてあげないとねー」
     蔓も何やら察した様子で、りんごの唇を奪い、胸を揉み解すと、局部に手を伸ばした。
    「へへ……、こういうの、どぉ……?」
     早苗もその仲間に加わって、りんごを天国に誘っていく。
    「わたくしなら大丈夫……皆さん、ずいぶんと積極的ですのね? でも、受けばかりでは性に合いません。今度は皆さんを天国に逝かせてあげますね♪」
     りんごも次々と彼女達の唇を奪うと、胸を愛撫して局部に手を伸ばした。
    「ん、ふぁんっ! はぷ、んぁぅっ♪ りんご、だぁいすき……」
     桂花がりんごにしがみつき、幸せそうな表情を浮かべた。
    「桂花さんの胸……形もよくて大きくて……足も綺麗で……素敵ですわ。早苗さんも反応可愛いから好きですわ……。胸、また育ちました? 蔓さんもたっぷり愛して差し上げますから、覚悟してくださいね♪」
     りんごが仲間達を愛しながら、妖艶な笑みを浮かべる。
     フィヒティミトが蔓に甘え、貪るようにして舌を這わせた。
    「……いや、まって、ボクの好きな人はこんなぎるてぃな胸だったかな? 何か違う気が……。ん? んんん? やっぱり……違う、ボクの好きな人は、もっと慎ましい胸をしてるはず……」
     そんな中、ミルドレッドが違和感を覚えつつ、ゆのかの胸を揉み始めた。
    「こ、これは都市伝説の力が原因で……そ、その……ご、ご、ご、ごめんなさーい!?」
     ゆのかも我に返って、慌ててふたりに謝った。
    「ごめん、翠。油断してたっ! ほ、本当に……その……誤解だから……!」
     ミルドレッドも我に返って、申し訳なさそうにしながら、翠に『ごめんなさい』のキス。
     それに応えるようにして、翠が酸欠になる勢いで、ミルドレッドの唇を求めるのであった。

    ●都市伝説
    「んー……何だか、みんな楽しんでない? いや、別にいいんだけどさぁ。何と言うか、もっと戸惑って欲しいと言うか、イケナイ気持ちになって欲しいと言うか……。とにかく、ちょっと物足りないんだよねぇ……。だから、これは僕からのプレゼント。ねぇ、みんなァ……この子達を可愛がってあげて!」
     都市伝説が少し考えた後、まわりにいた一般人達に、次々と矢を放っていく。
     その途端、一般人達が虚ろな表情を浮かべ、ジリジリと距離を縮めてきた。
    「もー、邪魔しないでよ。鏡華、相手してやって」
     桂花がムッとした表情を浮かべ、霊犬の鏡華に指示を出す。
    「わふー!?(訳:久しぶりですね、この流れ!?)」
     その指示に従って、鏡華が瞳をランランと輝かせ、一般人達に襲い掛かった。
    「抵抗したって、無駄だよ!」
     都市伝説がムッとした表情を浮かべ、灼滅者達に再び弓矢を放つ。
    「もうその矢は……届かせませんっ……!」
     それに気づいたゆのかが、神薙刃で弓矢を弾く。
    「う~! なんで邪魔をするのっ! せっかく、みんなで楽しませてあげようと思ったのに……!」
     都市伝説が大きく頬を膨らませ、灼滅者達を激しく非難した。
     おそらく、都市伝説的には『良かれ!』と思って、すべてやっている事なのだろう。
    「その能力で一時惑わせることができたとしても、真実の愛に勝るものは無いんだよ!」
     次の瞬間、ミルドレッドが大鎌をギュッと握り締め、容赦なく都市伝説の首を刎ねた。
     そのため、都市伝説は悲鳴すら上げる事が出来ず、首と胴体が離れて弾け飛ぶようにして消滅した。
    「……あれ? 都市伝説、消えてるの? ……まっ、いっか」
     蔓がハッとした表情を浮かべた後、何事もなかった様子でさらりと流す。
    「忘れて……! お願いだから忘れて……!」
     早苗も我に返ってスパッツが無くなった事に気づき、顔を真っ赤にしながら叫び声を響かせた。
    「でも、まだ疼きが収まらないから……ホテルか何処かで続きがしたい、な……」
     それとは対照的に、フィヒティミトが潤んだ瞳で、仲間達に視線を送る。
    「浮気のあとは、5倍返し、なのですよ? 明日いっぱいは寝かさないのです」
     翠もミルドレッドを見つめて、ニッコリと微笑んだ。
    「わたくし達の本番はこれからですよね?」
     そう言って、りんごが仲間達を見つめ、思わせぶりにクスッと笑うのだった。

    作者:ゆうきつかさ 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2017年8月8日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 2
     あなたが購入した「複数ピンナップ(複数バトルピンナップ)」を、このシナリオの挿絵にして貰うよう、担当マスターに申請できます。
     シナリオの通常参加者は、掲載されている「自分の顔アイコン」を変更できます。
    ページトップへ