DIY六六六人衆掃討作戦~くらい屋敷

    作者:陵かなめ

    ●くらい屋敷
     もともと、その屋敷は不良たちのたまり場になっていたらしい。表通りから外れた裏道の奥と言う立地。しかし繁華街にも近く、利便性はそこそこ。
     今も血の臭いのする者たちが出入りしているようだが、少しばかり様子が違うようだ。
    「おら、俺はカツ丼が食べてーんだ! 今すぐ、お前が、買って来い!!」
     眼光鋭い男が大声を上げた。手には巨大なドライバーを持っている。
     部屋の隅に控えていた若い男が身体を震わせて弱弱しく返事をし、びくびくと部屋を出て行った。
     その光景を見ていた男たちが笑う。
    「ぎゃはは。お前、そのドライバー見た目もいい感じじゃん」
     大声で笑った男が手にした金づちを振り回した。
    「お前こそ、金づちの扱いは一級品じゃないか。見てみろよ、一般人が怯えて何でも言うことを聞くぜ」
    「本当、六六六人衆ってサイコーじゃん! サイキョーじゃん!」
     それぞれ武器を構えた男たちが笑いあう。
    「あーあ、殺人者って楽でいいわー。こんな屋敷で楽しく暮らすのも、良いよな?」
    「サイコーってこと! あはは。あー、でも、殺したらもっと楽しいだろうなー♪」
     一般人が部屋の隅で顔を下に向けて震えた。
     古い屋敷の薄暗い部屋で、彼らは自堕落的な生活を続けていた。

    ●依頼
     サイキックアブソーバーの予知によって、グラン・ギニョール戦争で逃走したジョン・スミスが、ナミダ姫の陣営に加わった事が判明した。
     千歳緑・太郎(高校生エクスブレイン・dn0146)がそのように説明を始めた。
    「ジョン・スミスは、DIY殺人事件により多くの六六六人衆を生み出したんだけど、その六六六人衆たちがちっとも殺し合わない事に業を煮やしたんだろうね」
     六六六人衆は序列をめぐって殺し合う習性があり、生み出された六六六人衆達も多数の殺し合いを経て、一人前の六六六人衆に成長する筈だったのだろう。
     しかし、ランキングマンが灼滅され六六六人衆同士で殺し合うというシステムが崩壊、新たに生まれた六六六人衆達は同じ境遇の仲間としてチームを組み、自堕落に暮らし始めてしまったようだ。
     10人程度のチームを組んだ六六六人衆達は、一昔前の暴走族や不良グループのように、一般人を支配下において命令、金銭を調達したり、殺しても良さそうな人間を連れてこさせて、戯れに殺してしまうといったことを行っている。
    「ジョン・スミスがスサノオ勢力に加わった事で、末端である彼らもスサノオ勢力となったから、予知によって彼らの活動拠点や状況が判明したんだよ」
     彼らは、六六六人衆以外のダークネスの存在も、灼滅者の存在も知らず、自分達は特別な力を与えられた特別な存在なのだと思い込んでいるようだ。
     辛うじて自分達と同じ立場の六六六人衆が他にもいる事は理解しており、目立ちすぎる行動は避けているが、既に何人もの人間が殺害されるなどの被害を被っている。
    「みんなにはこの隙を突いて、彼らのチームを壊滅させ全ての六六六人衆の灼滅をして欲しいんだ」
     そして、可能なら被害にあっている一般人の救出もと太郎は言った。
    「みんなに相手をしてもらいたいのは、町のはずれにある古い屋敷を占拠している六六六人衆のチームだよ」
     太郎の話によると、六六六人衆達は古い屋敷を占拠して、もともとその場所にたむろしていた町の不良学生たちを脅して使い走りにしているようだ。
     六六六人衆達は、DIYに使用するようなツール、金づちやドライバーを使用しているが、ダークネスとしての戦闘能力は低く、敵1人を相手に灼滅者2人で戦えば勝利可能な程度の戦闘力だ。
    「もしかしたら、一対一でも勝利の可能性もあるかも。もちろん、状況によるけどね」
     また、彼らは灼滅者の存在も知らない。灼滅者を見ても『自分よりも弱い六六六人衆』であるとしか認識できないのだ。
    「つまり、これをうまく利用すれば、内部から攻撃する事も可能かもしれないよね」
     ジョン・スミスは、灼滅者の襲撃により自力で生き延びたもののみを六六六人衆として認めて配下に加えるつもりだ。外部からの援軍などはないと言う。
    「屋敷に居る六六六人衆は全部で9人。正面から戦えば、敵の数が多いよね。バラバラに逃走されれば全員を倒しきるのは難しいかもしれない」
     けれど、と、太郎は信頼の目を皆に向ける。
    「相手は闇堕ちしたばかりの知識のないダークネスでしかないとも言えるよね。百戦錬磨のみんななら、きっと全滅も難しくないと思うんだ」
     そう言って、話を終えた。


    参加者
    無道・律(タナトスの鋏・d01795)
    殺雨・音音(Love Beat!・d02611)
    楯守・盾衛(シールドスパイカ・d03757)
    柳瀬・高明(スパロウホーク・d04232)
    シャロン・ルナージュ(孤高の文学少女・d17850)
    榎本・彗樹(のーみん・d32627)
    四軒家・綴(二十四時間ヘルメット着用・d37571)
    神無日・隅也(鉄仮面の技巧派・d37654)

    ■リプレイ

    ●屋敷外1
     屋敷に仲間たちを送り出した後、灼滅者たちは身を潜めて周辺を窺っていた。
     ひとまずは、屋敷内部から仲間たちが六六六人衆を誘い出すのを待つことになりそうだ。
     柳瀬・高明(スパロウホーク・d04232)は、軽く肩をすくめてこう言った。
    「同士討ちしてくれてた方がまだなんぼか緊張感あったのかもしんねえな」
     序列制度が無くなろうが六六六人衆は六六六人衆と言う事だろうと。
     殺雨・音音(Love Beat!・d02611)が、けもみみをぴこぴこさせながら頷いた。
    「ん~、六六六人衆ちゃんってやっぱり、ど~しよ~もないね~☆」
    「だよな? わかってるねー音音ちゃん」
     高明は親指を持ち上げて音音に笑顔を向ける。
     軽口を叩きながらも、内心では殺しを楽しむ六六六人衆に対して嫌悪感しかないのだが。
     今はまだ仲間からの連絡はない。
     榎本・彗樹(のーみん・d32627)も、周辺を警戒しながら言った。
    「今回の敵、被害が拡大する前に始末しておこうか……」
     その言葉を聞いて、神無日・隅也(鉄仮面の技巧派・d37654)が頷く。
     今回の敵に関しては、まず潰すべきだと断定している隅也にとって、仲間の言葉には賛成だった。
    「……野放しに、する気はない」
     言葉少なく語り、同意を示す。
     ウイングキャットのサファイアをなでていたシャロン・ルナージュ(孤高の文学少女・d17850)が顔を上げた。
    「そうよね。この場でしっかりと引導を渡しておかないとね」
     六六六人衆は、私の宿敵でもある訳だから、と。
     ここで一時会話が途切れる。
     そろそろ潜入した仲間が行動を起こす頃だろうか。
     屋敷の外で待機する灼滅者たちは、その時のために息を殺して身を潜めた。

    ●屋敷内1
     さて、表通りから外れた裏道の奥にある屋敷に、三人の訪問者があった。
     玄関で巨大スパナを構えて睨みを効かせる男に対して臆することなく、むしろ親密な口調でぐいぐい距離を詰める。
     四軒家・綴(二十四時間ヘルメット着用・d37571)は、普段のヒーロースーツにヒーローメット姿ではなく、一般的な装いだ。
    「うぃーす! ちょっと人間やめて来たんすよ~、仲間に入れて貰えません~?」
     など、チャラい男を演じつつ潜入のタイミングを窺っている。
    「僕も友達も最近六六六人衆になったんすよ。マジ卍な先輩達が居るーって噂聞いて、仲間に入りたくて来ちゃいました♪」
     無道・律(タナトスの鋏・d01795)はにこやかに六六六人衆にアピールした。
     巨大スパナを構えた六六六人衆は理解のある振りをしながらも、大物ぶってこう切り出す。
    「へぇ? でも、ウチは厳しいよ? キョーアクでサイキョーなヤツらばっかだしな!」
     屋敷を訪れた三人は顔を見合わせ、頷きあった。
     代表して楯守・盾衛(シールドスパイカ・d03757)が拳を握り締める。
    「カッキー! そのスパナのカッコ良ィとこ見して見してー!」
    「ふふん。そうだろう、そうだろう。お前ら見所あるじゃねーか! まあ、ちょっとばかり弱い六六六人衆だが、いいだろ。ほら、入れよ」
     こうして褒められて上機嫌になった六六六人衆により、三人は屋敷に招き入れられた。

     屋敷内はひどい有様だった。
     六六六人衆たちが好き勝手に食べ、喚き、武器を自慢して素振りを繰り返す。
     部屋の隅では、適度に痛めつけられた一般人が肩を寄せ合って震えていた。
     そんな一般人の様子を見て綴は心の中で呟く。
    (「……早いとこ解放してあげてぇけど……」)
     ぐっと堪えて、他の二人と共に部屋中に散らばっている六六六人衆たちの元へと歩いた。
     作戦では、このうち4~5人くらいは屋敷の外に連れ出して闇討ちしたいところだ。
    「おら、俺はカツ丼が食べてーんだ! 今すぐ、お前が、買って来い!!」
     部屋の真ん中で、ドライバーを手にしている男が大声を上げた。名指しされた一般人が肩を震わせて立ち上がり弱弱しく返事をする。
     それを見て、律が興味を持った風を装って一般人に近づいた。
     まじまじと一般人の顔を覗き込み、六六六人衆に見えない角度で何かを耳打ちする。
     一般人は一瞬表情を崩し、そそくさと部屋を出て行った。
    「あ?」
    「あはは。今のパシリビビッて泣いちゃいそうでしたよ? 流石先輩サイコーっすね」
     首を傾げた六六六人衆に、律がすかさずフォローを入れる。
    「サイキョーっす、なあ!」
     同意を求めると、盾衛が力強くうなずいた。
    「おう! おもしれぇゼ!」
    「お、おう。スゲーだろ? お前ら、一般人を脅して使うのはじめて見るわけ? それじゃあ、立派な六六六人衆を名乗れねぇよ?」
     煽てられた六六六人衆がドライバーを振り回し、通ぶってそう言った。
     部屋にいた他の六六六人衆たちも手を叩いて喜んでいるようだ。
     調子に乗り始めたドライバー六六六人衆には、盾衛が畳み掛ける。
    「センパイ、追加のパシリ攫ッて来ねェ?」
    「おっと。そう来るか。いいけどな! 一般人なんて、ちょっと脅せばちょろいよ」
     ドライバーは笑顔を浮かべて立ち上がった。
    「先輩、カッコイイー! 僕も見てみてーっす」
     すぐに律も盾衛と六六六人衆を追いかける。
    「それじゃあ、僕たち行ってくるっす!」
     まずは自分たち二人と敵一人だと、暗に綴へ告げた。
     綴も部屋にいる他の六六六人衆と調子を合わせながら手を振り返す。
     律と盾衛、そしてドライバーを持つ六六六人衆が屋敷の外へ出た。

    ●屋敷外2
     屋敷の外で待機していた灼滅者たちが屋敷から出た一般人を見つけた。すぐに音音が声をかける。
    「やっほー! 逃げてきた一般人ちゃん? 怖かっただろうけど、ネオン達が来たからには、もう大丈夫~v」
     言いながら一般人の手を引き、大通りまでを指差す。
    「ここから一人で逃げれるかな~?」
    「屋敷の新入りに、もう戻ってくるなって言われて、俺」
    「……行くなら、早くしたほうが良い……」
     そこに、隅也も加わった。
     見たところ、この一般人は一人で走って逃げることができそうだ。潜入班の誰かに、逃げるように言われてきたらしい。後ろから敵の追撃もない。二人は安全を確認しながら一般人を大きな通りに逃がした。
     逃げていく一般人の背を見送っていると、シャロンが二人を呼ぶこえがする。
    「来たわ。うまく一人だけおびき出したようよ」
     見ると、屋敷のほうからドライバーを振り回す男が意気揚々と歩いてくる。そして、それを挟むように律と盾衛が両脇についていた。
     屋敷から十分離れた場所で、灼滅者たちが一斉に行動を起こす。
     ジョン・スミスの企みがあろうがなかろうが、大した覚悟も無く自堕落に殺しを楽しむ連中を野放しにはしておけない。
    「また何処かで誰かを傷つけ殺める前に仕留める」
     普段の様子とは違う。六六六人衆を見る高明の瞳は冷酷そのものだ。ライドキャリバーのガゼルをディフェンダーに走らせ、自身は高速の動きで敵の死角に回り込んだ。
     そのまま、相手の反応も待たずに武器を振るう。
    「え……?」
     何が起こったのか理解できない。
     ドライバー六六六人衆は飛び散った自分の血を見て口をパクパクと動かした。
     敵の様子を見た律が、槍を回転させて突撃を食らわせる。六六六人衆の屋敷にいた時のような親しげな様子など、ない。
    「今日は君の順番だったというだけさ。さようなら、先輩」
    「がはっ?!」
     六六六人衆の身体が吹き飛ぶ。
     続けてシャロンがどす黒い殺気を吐き出した。
    「私の殺気からは逃れられないわよ、これからじわじわと蝕んであげるからね」
     無尽蔵に放出された殺気が敵を覆いダメージを与えていく。
     攻撃の手は止まない。
     灼滅者たちが次々に攻撃を繰り出し、六六六人衆へ総攻撃を仕掛けた。
     いきなりの攻撃を食らってまともに反撃もできない敵を見て、彗樹は光の刃を放つ。
    「平穏を脅かす輩は完膚なきまでに叩きのめす。お前はもう消えろ」
     打ち出された刃は正確に敵の身体を斬り裂き、その存在を消し去った。
     灼滅者2人で戦えば勝利可能な程度の戦闘力の敵を相手に、それ以上の戦力をぶつけ一気に叩きのめす。
     かっちりと予定通りに敵を仕留め、律と盾衛は再び屋敷に戻っていった。
    「次は四軒家あたりが敵を連れてくるだろうな」
     気を抜かずに持ち場に戻ろうと彗樹が言うと、灼滅者たちは再び待機場所へ身を潜めた。

    ●内から外へ
     再び屋敷内部。
     戻ってきた二人に話しを合わせるように綴が金づちを持った六六六人衆に声をかけた。
    「テンション上がったみたいで一狩り行ってくるって言ってたらしいですよー!」
    「マジかよ! まあ、殺しはサイコーだからなー!」
     金づち六六六人衆は特に疑いもなくそれを受け入れたようだ。
     ふらりと屋敷を出て人を殺すなど日常茶飯事なのかもしれない。
     色々感じる感情を内に押し込め、綴が軽い感じで金づちに言った。
    「俺たちも行っちゃいません?」
    「ほう?」
    「ちょっと、それいいっすね! 僕、今度は先輩のカッコイイ殺し見てみてーっす」
     一人の敵に対して二人以上を徹底するかのように律がそれに乗っかる。
     屋敷に帰ってきて調子良く雑談をする振りをしている盾衛を残し、二人は金づちの六六六人衆を屋敷の外に連れ出した。

     この六六六人衆も先ほどと同じように仲間で囲み、逃げないようさっさと処理してしまった。
     さらに作戦は続行される。
     六六六人衆たちは、一緒に行動する習慣がないのか、一人一人の対応となったが、戦力を考えるとかえって有難いぐらいだった。
     灼滅者たちはうまく立ち回り、同じ手順で5人の六六六人衆の闇討ちに成功した。屋敷内に残る一般人も、もう居ない。
     そろそろだろうか。
     屋敷の外で待機していた灼滅者たちがそんな風に思っていると、仲間から連絡が届いた。
    「ちょうど、連絡だ。じゃあ、いっちょ合流と行こうぜ」
     高明が皆に呼びかけると、灼滅者たちは頷き合い次の行動に移った。

    ●屋敷内2
     屋敷に複数の灼滅者が踏み込むんだ時、4人の六六六人衆は気分良く潜入班の3人に褒められていた。
     油断しきっているのか、律たちが携帯を触っていても特に気にしていないようだ。
     灼滅者が踏み込んできても、首を傾げるばかり。
    「は? お前ら、誰? えーと、玄関の当番って誰だっけ?」
    「あー、ほら、スパナのアイツだよ。まだ戻ってねぇのかよ!」
     六六六人衆が盾衛を見て、顎を突き出し指示を出した。
    「おい、新入り。ちょっとこいつら追い出すか殺すかしちゃって? ほら、一応この屋敷、隠れ家的なアレだし」
     言われた盾衛は武器を取り出し、迷いなく指示を出した六六六人衆の急所を斬った。
    「あ?」
    「ホラ、俺らみてェなのを狙う灼滅何とかッてのが居るらしィゼって話、さっきしてたよな?」
     盾衛は武器を引き抜き、敵の身体を蹴り上げた。
    「ドーモ、オレらが灼滅者デス!」
    「あぁ?! 何を……」
     異変に気づいた六六六人衆がそれぞれ工具のような武器を構え始める。
     その目の前に綴が立ちはだかった。
    「スンマセンけど……『騙して悪いが』という奴だ」
     そう言うと、いきなり大鋏で敵を挟んで投げ飛ばす。
    「アイヴィー……ダイナミックッ!!」
     床に叩きつけられた敵がうめき声を上げた。
     突入してきた仲間たちはそれぞれ敵を包囲しつつ逃げられることのないように目を光らせる。
    「人間を捨てちゃっても楽しいのかにゃ~?」
     音音はくるくると槍を回しながら小首を傾げた。
     敵の一人がイラついたように音音を睨み付ける。
    「あ? 俺たちはサイキョーになった存在だし! てめぇら、いい度胸だな」
     きゃ~、こわ~い! と、はしゃぐような声を上げながら音音が床を蹴った。
    「ど~しよ~もないキミ達は、ネオン達が懲らしめちゃうぞ♪」
     一気に傷を負った敵の懐に飛び込み、槍を突き立てた。
    「あ、あ……ぁ」
    「六六六人衆ちゃんってやっぱり分かんにゃ~い! ぷんぷん☆」
     螺旋の如き捻りを加えて更に槍を突き出す。
     敵がくぐもった声を漏らすのを見て、ようやく槍を引き抜いた。
     よろよろと覚束ない足取りで敵が後ろに下がる。
     それをシャロンが許さなかった。
    「遅いわよ、その防具ごと、切り裂いてあげるわ」
     高速の動きで回り込んできたかと思うと、敵の守りごと斬り裂いて見せた。
     ちらりとサファイアを見る。
    「仲間の回復に専念してね」
     シャロンの言葉通りに、サファイアには回復に専念させている。かなり優位に戦っているが、油断はできない。
    「ここでしっかりと引導を渡すわよ」
     言って再び走り出した。
     されるがままだった六六六人衆たちが怒りの表情で反撃に出るのが見える。
     シャロンが声を上げる前に、彗樹が頷いた。
    「分かっている。落ち着いて対処すればいける筈だ」
     この戦力なら十分戦いきる事ができる。
     彗樹は戦い慣れていない敵を見て確信した。
     ダイダロスベルトの帯を噴出し、傷を負っている敵に狙いを定める。相手が動き出す前に一気に帯を伸ばし、敵の身体を貫いた。
    「な、んだよ、これぇ?!」
     自分の身体を貫いた帯を見て、敵が半ばパニックになる。
    「今だ」
     彗樹がすぐに動ける仲間を見た。
    「よし、行くぜ?」
     武器を構えた高明が隣の隅也に合図を送る。
     頷いた隅也は七不思議の怪談を語り始めた。
    「……あんた達は、あらゆる意味で、是に値しない……」
     その瞳には一切の慈悲を与える気がない決意が浮かんでいる。
     不可思議な毒に苦しみ出す敵を見て、高明がクロスグレイブの銃口を敵に向けた。
    「まさに、その通りだぜ」
     言って放ったのは光の砲弾。
     高明の黙示録砲が敵を撃ち抜くと、六六六人衆の一人が消え去った。
     好き勝手に暮らしていたとは言え、目の前で仲間を消され六六六人衆が激昂する。
    「この、弱っちいくせによお!!」
     糸鋸を構えた敵がいきり立って前衛の仲間へ突っ込んできた。
     その間に律がするりと身体を滑り込ませる。
    「させないよ」
     仲間を庇い、傷を引き受けた。
    「サファイアを行かせるわ」
     急いでシャロンがサファイアを呼び、傷を回復させる。
    「うん。ありがとう。これくらいの傷なら平気だよ」
     治療を受けながら律自身も回復のサイキックで傷をふさいだ。
     動ける者たちはすぐに反撃に出る。敵を逃がさぬよう出入り口を塞ぐ布陣に、六六六人衆たちは逃げ場を失って右往左往するしかないようだ。
     一人、二人と六六六人衆を落とし、最後の一人に隅也が迫る。
    「……ここで、潰す……」
     炎を纏った激しい蹴りが敵の身体を貫くと、あっけなく敵は崩れ落ちた。
     けもみみをぴこぴこ動かしながら音音が屋敷内部を確認する。
    「うん☆ 灼滅完了~♪」
     これも、屋敷から誘い出し、敵の半数以上を最初に潰しておいたからだと思う。
     皆も作戦の成功を感じながら武器をしまった。
     屋敷に囲われていた一般人も逃がし、六六六人衆も全て灼滅し、作戦の成功を感じながら灼滅者たちは帰還した。

    作者:陵かなめ 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2017年11月28日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 3/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 0
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