DIY六六六人衆掃討作戦~ジョン・スミスの誤算

    作者:彩乃鳩


    「きゃははははは!」
    「おら、ツマミが足りねえぞっ」
    「殺されてえのか!? さっさとしろ!!」
     とあるクラブ。
     アウトロー達が集まることで有名な盛り場で、この世の春を謳歌しているのは人ならざる者達だった。彼らが……六六六人衆がそれぞれ大工道具のようなものを手にしている。
     見る者が見ればそれらはジョン・スミスを想起させる得物だと分かる。
     そう、彼らは六六六人衆ジョン・スミスの影響によって人間からダークネスへと堕ちた者達であり。
     そして、それぞれの武器は既にドス黒い血に塗れていた。
    「いやー、これを手にしてから力があふれてくるぜ」
    「そんで殺したい奴ら殺してすっきりするし」
    「そういや、俺達みたいなチームが他にも結構あるみたいだぜ」
    「なら、負けてらんねーな。もっと人数を増やして、もっと殺していかないと」
     物騒な会話をする六六六人衆の足元には誰のものとも分からない死体が転がっている。
     そこらで殺してきた罪のない一般人の骸だ。このダークネス達はチームを組んで狩りをするように殺して回る。気紛れに見目麗しい美人をさらっては、脅しつけて言う事をきかせていた。
    「しっかし、死体ってのは臭いなー」
    「おら、そこのお前! これ持ってって処理しとけよ!」
     六六六人衆に名指しされた少女は、びくりと震える。
     彼女もここに連れ込まれた一般人の一人であり。その仕事はダークネス達に給仕をしたり、雑事をこなすこと……その中には死体の片付けも含まれていた。
    「は、はい……ただいま……」
     本当は嫌で嫌でたまらない。
     だが、命令を聞かなければ自分が殺される。あどけない少女は震える手で、血だらけの死体を引きずっていった……。

    「サイキックアブソーバーの予知によって、グラン・ギニョール戦争で逃走したジョン・スミスが、ナミダ姫の陣営に加わった事が判明しました」
     五十嵐・姫子(大学生エクスブレイン・dn0001)が灼滅者達に説明を始める。
    「ジョン・スミスは、DIY殺人事件により多くの六六六人衆を生み出したのですが、その六六六人衆たちがちっとも殺し合わない事に業を煮やして行動したようです。六六六人衆は序列をめぐって殺し合う習性があり、生み出された六六六人衆達も多数の殺し合いを経て、一人前の六六六人衆に成長する筈だったのでしょう」
     しかし、ランキングマンが灼滅された為、六六六人衆同士で殺し合うというシステムが崩壊、新たに生まれた六六六人衆達は同じ境遇の仲間としてチームを組み、自堕落に暮らし始めてしまったようだ。
    「10人程度のチームを組んだ六六六人衆達は、一昔前の暴走族や不良グループのように、一般人を支配下において命令、金銭を調達したり、殺しても良さそうな人間を連れてこさせて、戯れに殺してしまうといった行動を行っています。ジョン・スミスがスサノオ勢力に加わった事で、末端である彼らもスサノオ勢力となった為、予知によって彼らの活動拠点及び状況が判明する事になりました」
     彼らは、六六六人衆以外のダークネスの存在も、灼滅者の存在も知らず、自分達は特別な力を与えられた特別な存在なのだと思い込んでいる。
     辛うじて、自分達と同じ立場の六六六人衆が他にもいる事は理解しており、目立ちすぎる行動は避けているようですが、既に何人もの人間が殺害されるなどの被害を被っている。
    「この隙をつき、彼らのチームを壊滅させ全ての六六六人衆の灼滅を行ってください。また、可能であれば、被害に遭っている一般人の救出もお願いします」
     六六六人衆達は、DIYに使用するようなツールを武器として使っていますが、ダークネスとしての戦闘力は低く、敵1人を相手に灼滅者2人で戦えば勝利可能な程度の戦闘力だ。
    「また、彼らは灼滅者の存在も知らない為、灼滅者を見ても『自分よりも弱い六六六人衆』であるとしか認識できないので、これをうまく利用すれば、チームに加わって内部から攻撃する事も可能かもしれません」
     今回相手をすることになる連中は、とあるクラブを根城にしている。一般人を連れ込んで脅迫して雑事をさせていたりもするらしく、やりたい放題をしている。
     ジョン・スミスは、灼滅者の襲撃により自力で生き延びたもののみを六六六人衆として認めて配下に加えるつもりなので、外部からの援軍などはない。
    「ジョン・スミスは、六六六人衆の育成のために灼滅者を利用しようとしているようですが、それならば、全員を不合格にして灼滅してしまえば良いだけです。皆さん、よろしくお願いしますね」


    参加者
    結島・静菜(清濁のそよぎ・d02781)
    刻野・晶(大学生サウンドソルジャー・d02884)
    四刻・悠花(棒術師・d24781)
    迦具土・炎次郎(神の炎と歩む者・d24801)
    富士川・見桜(響き渡る声・d31550)
    楯無・聖羅(冷厳たる魔刃・d33961)
    月影・木乃葉(レッドフード・d34599)
    アリス・フラグメント(零れた欠片・d37020)

    ■リプレイ


    「(RB赤ずきん…リア充が憎くリア充を狙い惨殺する六六六という設定です……設定です!)」
     月影・木乃葉(レッドフード・d34599)の準備は万端だ。
     見た目を利用。弱い六六六の振りをして、強い六六六の先輩に弟子入りにきたという感じで潜入するのが今回の作戦だ。用心しながらも、問題の場所となる廃ビルへの階段を昇った。
    「ランキングシステムがなくなった弊害、ね。いっても仕方ないのだけども」
     刻野・晶(大学生サウンドソルジャー・d02884)は無人フロアの暗がりに身を潜めている。他の者達もそれぞれ隠密行動をしており……アリス・フラグメント(零れた欠片・d37020)も迎撃の準備をしていた。
    「(溜まり場でたむろして好き勝手してる姿は本当に六六六人衆なのですか? もはや六六六人衆というダークネスではなく単なるチンピラ集団ですね)」
     常に左目を閉じ右目に片眼鏡。
     アリスは無愛想な表情を崩さず、ジト目のへの字口のままであるものの。その耳には六六六人衆達の嬌声が届いているかのようだ。
    「たとえ強制的にダークネスにされたのだとしても、人を殺してそれに溺れるなど、許されていいはずがありません。絶対に止めてみせます」
     潜入班とは事前に打ち合わせをしてある。
     四刻・悠花(棒術師・d24781)は待ち伏せ場所でサウンドシャッターを発動させて待機している。此度の流れとしては潜入した仲間が数名ずつ敵を誘き出し、各個撃破をしかけて数を減らしてゆくという段取りになっている。
     隠密性とスピードが勝負だ。
    「(これで気付かれなければ、奴らは無能だな)」
     蛇変身で物陰に隠れ敵の目を欺いるのは、楯無・聖羅(冷厳たる魔刃・d33961)だ。結島・静菜(清濁のそよぎ・d02781)は、いつでも釣り出した敵を取り囲めるように布陣することに心を砕いていた。
    「――全ては潜入班の人にかかっていますね」
     静菜達はそっとひとりごちる。
     迦具土・炎次郎(神の炎と歩む者・d24801)は、先を行く木乃葉に続く用意をして。富士川・見桜(響き渡る声・d31550)はそんな二人を陰からサポートできるように、物音を立てないように気を使いながら死角から様子をうかがっていた。


    「先輩、強い! 格好良い!」
    「ははは! そうか、そうか!」
     灼滅者のヨイショに、六六六人衆達は気持ち良さそうに笑う。
     仲間に入れて欲しいと木乃葉、炎次郎が順に訪ねていくと、ダークネスの集団はさして疑いもせずにこちらを招き入れた。今ではすっかり溶け込んでしまっている。
    「(迦具土先輩、何とか潜入成功ですね)」
    「(いまのところ怪しまれていないようや)」
    「(あ、あそこに一般人の女の人達がいます)」
     木乃葉と炎次郎は接触テレパスで情報を交換し合う。
     雑用のために控えている一般人達が、部屋の隅で震えているのが見えてとれた。二人は頷き合って、作戦を次の段階に移した。
    「先輩、近くに良い獲物がいるっス!」
    「あん?」
     木乃葉の言葉に六六六人衆達の注目が集まる。
     ここが芝居のしどころだ。
    「でもオイラ一人じゃ逃がしそうっス! 先輩達にも手伝って欲しいっス! 先輩達の華麗な殺人を是非勉強したいっス!」
    「いきなり1人に任せるのは無粋やから格の違いを見せつけたらどうや?」
     炎次郎もフォローを巧みに入れる。
     ただでさえ戦意が高揚していた集団は、見事に灼滅者達の掌で躍り出した。
    「よっしゃ、行ってやろうじゃねーか!」
    「俺らの力を後輩に見せてやるとするかっ」
     各々工具のような得物を手にして、ダークネス達は意気揚々と身支度をする。
    「そこの女共。俺のコートを持ってこい!」
    「おらっ、給仕っ。モタモタしていると殺すぞ!」
     怒鳴られた一般人達が、上着だのなんだのを急いで持って来て……先導する木乃葉がこっそりとすれ違いざまに触れた。
    「(絶対助けます)」
     少しでも安心できたら……その想いでの接触テレパスが通じたかどうか。
     触れられた一般人の女性は、いきなりのことで驚いたのかキョロキョロと忙しなく視線をさまよわせた。
    「先輩、早く行くっス!」
     一般人達に害が及ばないように木乃葉が、六六六人衆達をせかす。
     一方、そんな様子を建物の隙間から気付かれないように覗いていた見桜は仲間へと連絡を始めた。
    「上手くいったみたい。月影くんが、そちらに三人連れていく」
    「了解です」
     連絡を受けた静菜は、自分もサウンドシャッターを使っておく。
     さして時を待たずして、幾人かの気配が伝わってくる。灼滅者達は各々、暗がりのなか無人のエアポケットのような空間で緊張感を高める。
    「先輩、こっちっス」
    「くくく! 腕が鳴るぜ」
     まずは木乃葉が姿を現す。
     次に無警戒な六六六人衆が三人、ぞろぞろとついて来て……蛇変身を解いた聖羅が先陣を切る。
    「まんまと騙されてくれるとは、三流以下だな。所詮はチンピラどもか」
    「!」
     突如、蛇から人となり。
     まったく予期していなかったところからのティアーズリッパー。最後尾にいた六六六人衆がその一撃をまともに受けて吹き飛ぶ。聖羅の策は、効果覿面だった。
    「な、どういうことだっ」
    「敵!?」
     ダークネス達が色めき立つ。
     続けざまに悠花が飛び込み、相手に立ち直る隙を与えない。
    「(おびき出された敵に対しては時間をかけるわけにはいきません)」
     スターゲイザーによる流星の煌めきと重力を宿した飛び蹴り。
     それがクリーンヒットして敵の機動力を奪った。今回の敵は数が多く、戦いも変則的だ。スピードと効率性がものを言う。
    「(一斉攻撃を仕掛けて数を減らしていきます)」
     静菜の初撃はレイザースラストだ。
     仲間の攻勢に合わせて、帯を射出し敵を貫き。攻撃の精度を上昇させる。
    「六六六人衆のランキングがなくなったとたんこれ、ね」
     晶は百億の星で敵列を狙い撃つ。
     矢が次から次へと降り注ぎ、ビハインドは敵を牽制するように動いた。
    「防御を固めます」
     常に閉じている左目を開き。
     アリスはソーサルガーダーによるシールドを味方にも与える。注意深く敵の癖や動きを観察し的確に後方支援をする構えだ。
    「おいおい、これって!」
    「待ち伏せされてるじゃねーかっ」
    「どういうことだ、新入り!」
     わめき始めた六六六人衆は、木乃葉に詰め寄ろうとするが。
     既に仲間を装っていた灼滅者は赤ずきん服を脱ぎ捨てている。僧服に笠、錫杖姿の戦闘態勢だ。
    「それは、こういうことです先輩……いや、六六六人衆!」
     手にした長物が唸りをあげる。
     木乃葉は、六六六人衆が大っ嫌いだ。その罪こいつらの命で償わせてやると内心煮えくり返っている。想いを乗せたサイキックが敵を蹴散らした。


    「なかなか帰って来ない……何かトラブルがあったかもしれんからどなたか2~3人ついて来てくれません? きっと俺1人やと力不足や」
     待ち伏せ班である晶からの合図。
     持参した携帯が一度鳴ったことを確認して、炎次郎が切り出す。
    「確かにおせーな」
    「しゃーね、行くか」
    「おおきに。助かりますわ。後でお礼に酒を買ってきまっせ」
     立ち上がる六六六人衆達のご機嫌をとって。
     炎次郎はダークネス達を連れ出す。その様子は見桜によって再び中継され、待ち伏せ班は身構える。そこからの流れは一度目と全く同じだ。二つだけ違うのは、誘導されたダークネス達が始めに見たのが力尽きて地に伏した仲間の姿だったということ。
     そして、待ち受ける灼滅者のなかに木乃葉の姿もあったということだ。
    「テメーはっ!?」
    「ちっ。罠だったてのか!」
    「やっちまえ!」
     強襲を受けたダークネス達が凶悪化した工具を振り回す。
     炎次郎は仲間と挟み撃ちをする形を瞬時に作った。
    「てめえは俺が刀しか使えへん脳筋やと思っとるやろ? 甘いな。俺は呪術も使えるんやで!」
     除霊結界を発動。
     祝詞を詠唱する。
    「火を生み給ひて 御保止を所焼坐しき 如是時に吾が名の命の吾を見給ふなと申す」
     力ある言葉。
     祭壇を展開し、霊的因子を強制停止させる結界を構築。六六六人衆達は前から後ろから砲火に晒されて成す術もない。
    「一気に決めます」
    「殲滅する」
     悠花は魔力を込めた突きを繰り出す。度重なる攻撃に機動力を奪われた相手は、それを躱すことはできず。内部から爆発して四散する。更に聖羅のバスタービームが直撃して、受けた相手は灰と化した。
    「こいつらやたら強いぞ……っ」
     最後に残った六六六人衆はふらふらしつつ。
     敵わないと悟ったのか一目散に逃げようとしたが、そこに晶が挑発混じりで立ち塞がる。
    「流石は三下、ね」
    「あん、もういっぺん言ってみろ!?」
    「違った。格下にすら勝てないのだから三下以下、かしら?」
     ほんの一瞬。
     六六六人衆の足が止まる。晶にはそれで充分であった。ディーヴァズメロディが相手の身体を貫き、ダークネスは二度と足を動かすことはできず倒れた。
    「終わりましたね」
    「では――」
    「行きましょう」
     これで倒したダークネスの数は六人。
     残りは四人。
     全員共に否はなく、灼滅者達は最後の戦いへと赴く。
    「では、私も最後の仕掛けをするとしようか」
     ずっと潜んでいた見桜は、仲間の戦闘が終了したのを確認すると件のクラブに通じる壁の前に立つ。そして、タイミングを合わせて思い切り大きな物音を立てて壁を破壊した。
    「な、なんだ!?」
     中にいた六六人衆達が呆然とし。
     間髪入れずに他の灼滅者達が、今度は入口から雪崩れ込んだ。
    「外に出ていった仲間は片付けました。次はあなた達の番です」
     静菜はすぐさま一般人を背に敵との間に入り、ダイダロスベルトを振るう。攻撃の手を休めずに気を引き避難の時間を作る。
    「ちっ。カチコミだ野郎共! 返り討ちにしてやれ!」
    「本当の殺し合いがどんなものか、教えてやろうか?」
     殺気立つ六六六人衆に、聖羅は極めて冷徹に対する。
     妖冷弾で敵を凍りつかせかと思えば、螺穿槍で一点破壊する。捻りを加えた突き出しが容赦なく対象を穿つ。
    「こ、こいつら! 女共を逃がしてるぞ!」
     灼滅者達が戦闘の傍ら、見桜の作った穴から一般人達を退避させていることにダークネス達が気付く。それを阻止せんと向かってくる一人の六六六人衆をアリスが止めた。六六六人衆の工具と灼滅者のシールドがぶつかり合う。
    「薄汚い笑顔ですね。まぁ、チンピラにはお似合いですけど」
    「一般人を手にかけるその所業……絶対に許しません!」
     怒り心頭の木乃葉も黙っていない。
     一般人に近付く敵には容赦せず。次々と敵を叩き伏せ、斬り伏せ、押し戻す。獅子奮迅の活躍であった。
    「元来お前たち『も』刈られる側だけど……違った、今は私達に刈られる側、ね。確かに私達一人一人は弱いけれど、経験そのものがお前たちと段違い。お前たちよりも、はるかに強い相手と戦って生き残ってきたのだから」
     晶はディフェンダーに移った仮面と一緒に、攻撃と防御のバランスをとる。
     体力や状態異常を鑑みてヒールとキュアをし、必要ならば攻防にも参加して戦線を支えた。これも経験がなせる技だ。
    「てめぇらでは力不足だ」
    「ここは通しません」
     炎次郎と悠花は文字通り壁となって戦線を支えた。
     執拗な敵の攻撃を幾度となく受けては跳ね返し、影喰らいやレーヴァテイン、シールドバッシュで敵を引きつける。居合斬りの一閃は、敵の一体の首をはね。霊犬のミナカタもメディックとして良く働いた。
    「くっ、おい。どうするんだよ」
    「知るか! とにかく、やるんだよ」
    「六六六人衆から規律がなくなったら、角がないだけの羅刹と変わりませんよ。不本意ながらも厳しい試験官、務めさせていただきましょう」
     無様に狼狽する六六六人衆に、静菜が鬼神変で裁定を下す。
     この厳しい試験に、合格出来る者は誰もおらず。ダークネス達は瓦解の一途をたどっていた。
    「(因果応報。力で我を通す人間は力に倒される。そう言うこと心に留めないといけない)」
     すぐに逃げろと、避難指示をしていた見桜も。
     あらかた仕事を終えて、最前線へと立つ。
    「(私は誰かを守るために戦ってる。でもその途中で相手を倒している。忘れちゃいけない)」
     戦場はいつでも血生臭い。
     相手は必死に武器たる工具を振るい、こちらは剣でそれを砕く。
    「勝利の法則がわかりました」
     アリスから見桜へ。
     防護符の支援。防御を固めた身体は敵の刃など通じない。
    「せめてひと思いに葬る」
    「っ!」
    「意識してるかはともかく、何かを奪うなら奪われることがある。残念だけど次はあなたの番。覚悟がなくても大丈夫一瞬で切り伏せるから」
     残り一人となっていた六六六人衆の最後に聞いた台詞がそれだった。
     力任せに振り下ろされた剣は、相手を叩き切り。何もかもを奪ってきたダークネスは、今度は全てを奪われ……絶命した。


    「さて他に監禁されている人がいないか、一応見ておこうか」
    「必要なら吸血捕食で記憶処理もしておきましょう」
     戦闘後。
     晶や悠花達は、ビル内を見回っていくことにする。アリスは最後尾で、しばし佇んだ。
    「十川兄妹の絆を踏みにじり妹から兄を奪ったあなたをわたしは絶対に許しません」
     それは一見、普段と変わらない様子。
     だがジョン・スミスに対しての明確な怒り。
     ポケットの中で握りしめられた拳は、決して開くことはなかった。

    作者:彩乃鳩 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2017年11月28日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 2/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 1
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