●DIY六六六人衆掃討作戦~力に溺れ、力に塗れ
「ヘヘヘ……ったく、最初っから従っておけばいいものを、ガチャガチャうっせえなぁ!」
にたぁ、と笑みを浮かべた男達。
彼らの手には剣……ではなく、ノコギリやら、カットソー、電動ドリル等が握られており、そしてその目の前には、10~20歳位の、男達によって殺された、不良少年達の姿。
……無論、その工具で殺したのだろう。それを示すが如く、男達の工具は血が滴る。
そして、彼らの根城としていた、繁華街の裏路地にある、ほぼ廃墟の廃ビルの中は、彼らの根城となりはてている。
そして。
「ま、一般人達ぁ脅せば言う事を聞く筈だ。これからも、ドンドン脅して、聞かねえ奴ぁちゃっちゃと殺しちまおうぜぇ!」
「ああ。その方が面白ぇからな!! 俺達に適う奴等は、ま、同じような事してる馬鹿達だけだもんなぁ!!」
と、男達……六六六人衆は、奪い去った根城で大笑いするのであった。
「みんな、集まってくれたかな? それじゃ、早速だけど説明させて貰うね!」
と、まりんは集まった灼滅者へ。
「今回、サイキックアブソーバーの予知によって、グラン・ギニョール戦争で逃走した一人、ジョン・スミスがナミダ姫の陣営に加わってしまったみたいなんだ」
「ジョン・スミスDIY殺人事件によって、多くの六六六人衆を産み出したんだけど、その六六六人衆達がちっとも殺し合わない事に、業を煮やして行動を始めた様なんだね」
「六六六人衆は、序列を廻り殺し合う習性があるんだけど、その六六六人衆達も多数の殺し合いを経て、一人前の六六六人衆へ成長させる筈だったのかもしれないね」
「でも、ランキング万が灼滅された為、六六六人衆同士で殺し合うというシステムが崩壊し、一般人を支配下に置き命令や金銭を調達したり、殺してもよさそうな人間を連れて来させて、戯れに殺して仕舞うといった行動を行っている様なんだ」
「ジョン・スミスがスサノオ勢力に加わった事により、末端の彼らもスサノオ勢力になって仕舞った。結果、予知によって彼らの活動拠点や状況が判断出来るようになったんだ!」
「彼らは、六六六人衆以外のダークネスの存在も、灼滅者の存在も知らず、自分達は特別な力を与えられた特別な存在だ、と思い込んでるみたい。辛うじて自分達と同じような立場の六六六人衆が他にも居る事は理解している様で、目立ちすぎる行動だけは避けているみたいだけど……既に、何人もの人間が殺害されてしまうなどの被害を被って仕舞っているんだ」
「そこで皆には、この隙を突いて、彼らのチームを壊滅させ、全ての六六六人衆を灼滅してきて欲しいんだ。可能なら、被害に逢っている一般人の救出もお願いするね!」
と、そこまで言うとマリンは更に、詳しい戦況についての説明を続ける。
「この六六六人衆達の群れは10人で徒党を組んでいるみたいだね。幸い、六六六人衆としては弱い部類に入るから、敵一人を相手に灼滅者2人で闘えば充分に勝利出来る可能性があるんだ」
「また、彼らは灼滅者の存在も知らないので、候補者を見たとしても『自分より弱い六六六人衆』である、としか認識出来ないみたい。これを上手く利用する事で、チームに加わり内部から攻撃する事も可能かもしれないね?」
「ジョン・スミスは灼滅者の襲撃により、自力で生き延びたもののみを六六六人衆として認め、配下に加えるつもりだから、外部からの援軍は無いよ」
「後、彼らの拠点は新宿の歌舞伎町の奥にある、既に人には使われなくなってしまった廃ビル。そこを利用していた不良連中を殺して仕舞い、一部生き残った不良の仲間達を命令出来る配下として利用しているみたい」
「ちなみに彼らの武器は、カットソーやノコギリ、電動ドリルに電動カッター、後はトンカチという、DIYに使えそうな武器を持ったのが二人ずつ居るみたいだよ」
そして、まりんは最後に。
「ジョン・スミスは六六六人衆育成の為、灼滅者を利用しようとしているみたいだけど、それなら全員を不合格にして、灼滅すればいい筈。だからみんなの力で、壊滅させてきて欲しいんだ。宜しく頼むね!」
と、拳を振り上げるまりんなのであった。
参加者 | |
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佐津・仁貴(厨二病殺刃鬼・d06044) |
戸森・若葉(のんびり戦巫女・d06049) |
龍統・光明(千変万化の九頭龍神・d07159) |
ヘイズ・フォルク(夜鷹の夢・d31821) |
カーリー・エルミール(元気歌姫・d34266) |
●その手で作るは
DIY六六六人衆の動き。
須藤・まりんからその話を聞いた灼滅者達は、彼らの根城である新宿は歌舞伎町の繁華街の裏路地にある、ほぼ廃墟となってしまっている廃ビルへと向かう。
「うーん……DIY六六六人衆かぁ。いろいろな戦力が出てきたね。これもジョン・スミスの匿っていた戦力の一つみたいだけど、どの位の数を匿っていたんだろうね?」
とカーリー・エルミール(元気歌姫・d34266)が小首を傾げると、それにヘイズ・フォルク(夜鷹の夢・d31821)が。
「んー……まぁ、俺達相手にするだけでも10人は居るって話しだし、全部ひっくるめれば百人単位は下らねえだろ。本当は、敵全員の殲滅を狙いたかった所だが……人数がなぁ……流石に無理をすれば斃せるかもしれんが、な」
「ん、そうだね。取り合えずは、ボク達はボク達で出来る事を頑張って行こうか」
カーリーとヘイズの会話に対し、戸森・若葉(のんびり戦巫女・d06049)が。
「そういえば、以前……羅刹になったばかりの子と戦った事があるのですが……身体能力はダークネスなだけに、上回られて居たんですけど、経験の差で互角の勝負を挑むことが出来たんですよね。今回も相手が相手だけに、油断もありそうですから、そこに付け込む隙はありそうですが」
と言うと、佐津・仁貴(厨二病殺刃鬼・d06044)は。
「そうだな。強大な力を身につけたばかりで、騙った挙げ句に六六六人衆を名乗っている奴等だ。そんな奴等に痛い目を見せてやろう……とは思っていたのだが……」
周囲を見渡し、目を瞑る……でも、気を取り直すが如く、首を振って。
「まぁいい。しかしジョンは灼滅者を利用する……と考えて居た見たいだが、一般人を支配するような考えの連中……よりも、文字通り徒党を組んでの戦闘チーム、あるいはかつての六六六人衆と同様の意識の持ち主……そういった者を、ジョンは認めるのだろうな……」
空を仰ぎ見る仁貴、と龍統・光明(千変万化の九頭龍神・d07159)は。
「まぁ、何にせよ傍迷惑な連中であるのは間違い無いな……ともあれこの場からはさっさと退場願おうか」
と言いつつ、其の手に灯る灯り……燐煌珠の光を確認。
淡い灯りを袋の中に納めつつ、灼滅者達は……廃ビルの入口へ到着。
「さて、と……ここの様ですね」
とまりんから聞いた住所と、廃ビルの住所を照らし合わせて確認し、立ち止るヘイズ。
そして……改めて確認する様に。
「では、下手な欲はかかずに、少数撃破。その後速やかに離脱し、生存優先という事で……よろしいですね?」
作戦を照らし合わせると、カーリーが。
「そうだね。まりんさんの言うには、2対1で倒せる相手だって言うから、纏めて二体程度がリミットかな? それより多く出て来たら、隠れてやり過ごそうか」
「そうだな」
頷くヘイズに、他の皆も頷き合う。
そして、灼滅者達は……ビルの傍らに身を隠しつつ。
「それでは……蒼炎、宜しく頼みますね」
と抱えていた霊犬、蒼炎を離す。
蒼炎はワン、と一声啼いた後、廃ビルの前で……ワンワンと啼き始めるのであった。
●その力を
『……んん? 何だか犬がウルセエなぁ……?』
『ああ。ここってそんな犬って居たかぁ? 居ねえ筈だよなぁ……なぁ、どうなんだよ?』
『は、はいっ……そ、そうですね。余り、居る何て話しを聞いたこと、無い、です……』
ノコギリやカットソー、電動ドリルなどを持つDIY六六六人衆の言葉に、付き従う言葉で従順に振る舞う不良少年達。
まだ年端も行かない彼らにとっては、DIY六六六人衆によって殺された仲間の姿は、何よりも強力なトラウマとなって彼らの心に刻まれてしまった。
……でも、それを突入し、対処するには戦力も少ない……だから、今はじっと耐える仕事をせざるを得ない。
そして霊犬がわんわんと啼き続けつつ、周りのゴミ箱を倒して大きな音を立てたり……中に居る六六六人衆の注意を惹きつける様な行動を続けていく。
と……程なく。
『ったく、うるせえなぁ……おい、そこのお前』
『は、はいっ!?』
『ちょっと見てこい。状況確認だ』
電動カッターをちらつかせながら、ニヤリと笑みを浮かべる六六六人衆……ちらりと、殺された仲間にそのカッターを当てて……。
『わ、判りましたっ!?』
この上無い恐怖を覚え、脱兎の如く偵察に、廃ビルを後にする彼。
……出て来た彼を見て、光明が音も無く、背後から接近し。
「……動くな」
と、静かな一言で立ち止らせる。
今迄の恐怖を更に上回る恐怖……足はガクガク、腰が抜けて、其の場に座り込んでしまう少年。
「……お前、六六六人衆じゃないな?」
と仁貴が問いかけると、彼は。
『な、何なんですかぁ……六六六人衆ってぇ……』
と、最早涙目。
「そうか、すまんな。大丈夫だ、俺達はお前達を救いに来た者だ」
仁貴の言葉にええっ、と表情を僅かに明るくさせる。
そして、更に。
「自分達が奴等をどうにかする。だからお前は個々から一端逃げろ」
『で、でも……戻ってこないと、あいつらに殺される!!』
心底まで恐怖に染まっている彼……それに若葉が柔和な笑みで。
「大丈夫ですよぉ、私達を信じて下さい~」
何処か、ほんわかとした言葉を敢て投げかける彼女。
……そして、そんな言葉に頷き、少年は。
『わ、わかったよ。た、頼むな。仲間達、助けてくれよ!!』
と、懇願する様にその腕を握り……そして、其の場から逃げていく。
そして、又も姿を隠す灼滅者達……偵察に行かせた少年が戻ってこない事に。
『ちっ。何だよ、あいつ……絶対ぶっ殺してやる……』
ブツブツと呟きながら、ビルから続けて出てくるのは……カットソーを手にしたDIY六六六人衆。
無論、彼らが出てくる時には、灼滅者は姿を隠し……不意を突く。
正面で蒼炎が暴れ、音を上げている所に近づいていくのを待って……仁貴がサウンドシャッターを展開。
静寂の檻に包まれた瞬間。
「ほらほら、正面ばっかに気を取られんなよっ!」
とヘイズが先手に、黒死斬を背後から叩き込む。
不意打ち気味に喰らったその一撃。慌てて後方のヘイズの方に振り返るが。
「……斬り刻め、九頭龍……龍翔刃」
と、更に前方に飛び出してきて、黒死斬の一撃を放つ光明。
流れる様に、仁貴も高命中の黒死斬で連携し、大ダメージを叩き込んで行く。
不意打ちに喰らったその二撃に、片腕吹っ飛ぶ六六六人衆。
『ぐぅお!? な、何だよお前達はよぉ!!』
と怒りの声を上げる六六六人衆だが、カーリーが。
「ほらほら、どうしたのかな? 六六六人衆の実力、そんな物なのかな?」
と、敢て挑発の言葉をまた背後の方から掛けて、紅蓮斬の一撃。
更に若葉も。
「そうですね。やっぱり油断してしたね? ……油断大敵、ですよ」
と、レイザースラスト。
後ろ、前、後ろ、前と代わる代わるに攻撃が仕掛けられ、注意を一方に向けることが出来ない六六六人衆。
流石に1対5という人数差はかなり大きい。
ただ、当然無様に死ぬなんて真似はしたくない六六六人衆……その手のカットソーを大きく振り回して、攻撃してくる。
しかしその攻撃を、身を呈して庇うカーリー。
服の一部、斬れて露わになるが、気にする事無く、次の刻。
「さぁ、一気に仕留めるよっ!」
元気に仲間達を鼓舞し、更なる攻撃の手を強める灼滅者達。
光明が。
「煉獄の焔で焼かれろ、閃刃流・火貫」
と足に龍気を集め蹴り抜くグラインドファイアに続き、仁貴のティアーズリッパー。
そしてヘイズが。
「手短に済ませる。エルミール。龍統先輩の直衛でアシストっ!」
とカーリーに声を掛け、カーリーは頷いて後方から更に紅蓮斬で攻撃。
又ヘイズも連携し、雲櫂剣。
そして……仲間達の体力状況を見据えた上で、神薙刃で攻撃していく。
……流石にそこまでの連続攻撃を受けた六六六人衆は、対抗する事も出来ずに……崩れ墜ちる。
「ふぅ……取りあえず、先ずは一匹か」
汗を軽く拭う光明に、若葉が。
「そうですねぇ……後9人ですかぁ……出来る限り、個々で対処していきたい所ですが……」
「そればかりは、待つしか無いな……」
と、溜息をつきつつ、また灼滅者達は身を隠し、次なる六六六人衆が現れるのを待ち構えるであった。
●慢心せずとも
そして……その後、幾度となく六六六人衆を個々に倒して行く灼滅者達。
流石に、一体一体の戦力はそこまで高くはないと言えども……時間は掛かる。
又、六六六人衆も、仲間が戻ってこないことを、次第に不審がり……一人だけではなく、二人、三人と仕向ける事も……。
「三人か……皆、隠れろ」
と、最初に打ち合わせた通り、最初から三人以上は相手にせず、身を隠してやり過ごす。
そして、違った所で蒼炎に騒ぎを起こして貰い、同じ所だけでなく、色んな所で戦闘する事での攪乱を行う。
……姿を隠してから、数時間。
軽く空が白じんで来る頃……最後の六六六人衆の塊、二体を相手に。
「さぁ、其の業創破よ喰らい尽くせ、始終技・魂現」
と、2龍巨大化し蹴り放つ光明の黒死斬。
襲いかかる龍が、一匹の身体を貫き、連携した仁貴がクルセイドスラッシュでの一閃で、頭を吹き飛ばす。
よろめく彼らへ、更にヘイズが。
「これで終わりだ、蒼刃一閃ッ!」
と、渾身の雲櫂剣で斬り穿ち……最後の一体を、どうにか仕留める。
……かなりの時間が掛かったものの、どうにか10体の六六六人衆を倒した灼滅者。
「……ふぅ……どうにか終われた様だな。皆、お疲れ様だ」
と息を吐きつつ、皆を労う光明……それに仁貴が。
「そうだな……でも、本当に恐ろしいのは、こういう奴等じゃないんだろうな……」
と瞑目。
ただ……余り其の場で会話している時間もなく。
「騒ぎを聞いて他のが来る前に、退きますよ」
とヘイズの提案に皆も頷き、灼滅者達は早々に、其の場を後にするのであった。
作者:幾夜緋琉 |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2017年11月28日
難度:普通
参加:5人
結果:成功!
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得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 1
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