混戦の群馬密林~三つ巴の行方

    作者:三ノ木咲紀

    「群馬密林を探索しとった灼滅者が、有力な情報を持ってきてくれはってん!」
     集まった灼滅者達に興奮した面持ちで話しかけたくるみは、息を整えると改めて向き合った。
    「群馬密林の地下にな、アガルタの口があってん。そんでな、ご当地怪人のアフリカンパンサーがドーター・マリアに接触しようと配下を送り込んだんや」
     探索していた灼滅者達の活躍で、六六六人衆とご当地怪人が戦闘し、ご当地怪人が敗北して灼滅されている。
     この戦闘の結果、群馬密林ではアフリカンパンサー率いるご当地怪人とドーター・マリア率いる六六六人衆が一触即発の状態で睨みあっているのだ。
    「せやけど、この両者がこのまんま戦うか、いうとそうやない。密林に入ったナミダ姫が、戦いを仲裁して戦いを収めてまうんや」
     その結果、ドーター・マリアはナミダ姫の傘下に入り、ナミダ姫とアフリカンパンサーは協力関係を強くすることになる。
     これを阻止するため、スサノオの調停が始まる前に戦闘に介入する作戦が立てられた。
    「両戦力が全面戦争するような工作したり、戦闘の混乱を利用して有力的の灼滅を狙ったり。できることはいろいろあるはずや」
     ご当地怪人と六六六人衆は互いに睨みあっている状況であるため、130名程度の戦力であれば気付かれずに近づくことが可能となっている。
     灼滅者達が戦場に近づいてからスサノオの軍勢が到着するまで、十二分程度と予想されている。
     スサノオの軍勢の進行方向も判明しているため、スサノオの軍勢を足止めできれば到着を遅らせることも可能だろう。
     当然ながら、正面から戦争に介入して戦うほどの戦力はない。
     どのようにして両戦力の先端を開かせるか。また戦闘を激化させ、スサノオの仲裁を失敗させるかが肝となる。
     最低限、双方の戦力を減らすことができれば作戦は成功となる。
     だが、ドーター・マリアがスサノオの軍勢に加わらない、アフリカンパンサーとスサノオの関係を悪化させる……といった状況を生み出すことができれば、今後の大きなアドバンテージとなるだろう。
     また、作戦の立て方によっては有力的の灼滅も不可能ではない。
     状況が許せば、狙ってみるのも悪くない。
     敵の構成はドーター・マリアの配下は群馬密林の六六六人衆、アフリカンパンサー配下はご当地怪人、ナミダ姫配下は壬生狼組を始めとしたスサノオの軍勢となっている。
    「危険な戦いやけど、有力敵と戦えるかも知れん絶好のチャンスや。難しいかも知れんけど、狙ってみるのもええかも知れへんな。皆、よろしゅうな!」
     くるみはにかっと笑うと、頭を下げた。


    参加者
    無道・律(タナトスの鋏・d01795)
    漣・静佳(黒水晶・d10904)
    木元・明莉(楽天日和・d14267)
    崇田・來鯉(ニシキゴイキッド・d16213)
    三蔵・渚緒(天つ凪風・d17115)
    久成・杏子(いっぱいがんばるっ・d17363)
    山田・透流(自称雷神の生まれ変わり・d17836)
    神無月・優(唯一願の虹薔薇ラファエル・d36383)

    ■リプレイ

     密林と化した群馬の森が、左右に割れて道を開ける。
     仲間を先導する無道・律(タナトスの鋏・d01795)は、前方に感じる殺気に足を止めた。
     鬱蒼としたジャングルは視界を塞ぎ、生い茂る草木は足元を覆いつくす。
     開けない視界の向こうには、密林に似つかわしくない確かな殺気。
     物陰に隠れ様子を伺う律の肩を、木元・明莉(楽天日和・d14267)は軽く叩いた。
     視線を交わし、頷きあった明莉は猫に変身すると殺気のする方へ駆け出した。
     草木の間をすり抜けて、静かに移動することしばし。うっそうとした密林の先にいたのは六六六人衆だった。
     解体ナイフを弄び、鬱陶しそうに木の枝を切り裂く男達を確認した明莉は、急いで仲間の元へと帰った。
    「この先に、六六六人衆がいる。人数は三人。解体ナイフと日本刀を持ってる」
     明莉の報告に頷いた灼滅者達は、発見した六六六人衆に急いで近づいた。
    「あー……。枝じゃなくて人切りてぇ……」
     退屈そうな六六六人衆に、三蔵・渚緒(天つ凪風・d17115)は樹上で待機する久成・杏子(いっぱいがんばるっ・d17363)を見上げた。
     視線を合わせ、同時に頷く。仲間の攻撃準備が整ったのを見極めると、二人は天星弓を構えた。
    「紀州流れ梅!!」
    「さんまの三枚おろしー!」
     掛け声と共に放たれる百億の星に続き、冷気の嵐が吹き荒れた。
    「凍りなさい、な」
     漣・静佳(黒水晶・d10904)が放つフリージングデスの氷嵐を裂き、ビームが解体ナイフの六六六人衆に突き刺さった。
    「必殺! 呉市ビームじゃ!」
     崇田・來鯉(ニシキゴイキッド・d16213)が放つビームが解体ナイフを持った六六六人衆を貫き、追い打ちを掛けるように神無月・優(唯一願の虹薔薇ラファエル・d36383)のBlueRoseCrossが解体ナイフの六六六人衆を切り裂く。
    「ご当地を荒らす六六六人衆は、許せないな」
     眼鏡を外しながら六六六人衆を睨みつける優に、山田・透流(自称雷神の生まれ変わり・d17836)は大きく頷いた。
    「鶴見岳の仇……取らせてもらう!」
     透流が構えたクロスグレイブから放たれる無数の光線が、六六六人衆達を薙いでいく。
    「くっ……誰だ、貴様ら!」
    「お前たちの敵だよ」
     突然の襲撃に態勢を整えようとする解体ナイフの六六六人衆に、明莉は透蛇尾を振りかぶった。
     激しく荒れ狂う神薙の刃が、狙い違わず六六六人衆を裂いて消える。
     そこへ、ダイダロスベルトが舞い上がった。
    「増援が来るまで、足止めしなきゃな!」
     イカロスウイングを殊更派手に舞い上げた律は、六六六人衆を容赦なく捕らえると空中に放り出した。
     地面に叩きつけられた六六六人衆は、即座に立ち上がるとどす黒い殺気を放った。
    「何者だ、貴様ら!」
    「増援だと!?」
     攻撃を受けた六六六人衆が駆け付けた時、そこに灼滅者達の姿はなかった。


     最初の奇襲を成功させた灼滅者達は、その場を離れると別の六六六人衆を探して探索を開始した。
     遠方より攻撃を仕掛けては、即時撤退。ゲリラ戦を繰り広げながらご当地怪人陣営の傍までやってきた灼滅者達は、偵察に出た明莉を待って一息ついていた。
    「ご当地っぽさってこんな感じでいいのかな……?」
    「いいと思うぜ? カルラとお揃いの装束、ってのもいいな!」
     少し不安そうに首を傾げる渚緒に、ご当地ヒーローの來鯉が大きく頷いて請け負うと、渚緒は照れたように自分の装束を見直した。
     ビハインドのカルラと揃いの仮面をつけ、着物に弓を装備した姿は和歌山の弓怪人をイメージしたものだ。
    「もしバレそうになっても、僕たちは和歌山和弓怪人です! で乗り切ろう」
    「あたしも気仙沼怪人です! って言い切るの!」
     故郷気仙沼の怪人装束に身を包んだ杏子は、來鯉の姿に感心した声を上げた。
    「でもね、來鯉くんはさすがなの! ご当地ヒーロー……じゃなかった、ご当地怪人らしさ全開なの!」
    「旧海軍四都市の一角、呉市のヒーローだからな!」
     胸を張る來鯉は、軍服姿の上から戦艦を模した甲冑を纏っている。
     全力でご当地らしさを出した來鯉が胸を張った時、猫変身を解いた明莉が密林の奥を指差しながら駆け寄ってきた。
    「奥に六六六人衆が三体いる。ただ、さっきより警戒が強いみたいだ」
    「他の班も、奇襲しているはずだもの。気をつけましょう」
     静佳の声に頷いた灼滅者達は、静かに移動すると六六六人衆のいる広場へと差し掛かった。
     油断なく周囲を見渡す六六六人衆を確認した來鯉と杏子は、目を見交わすと同時に攻撃に移った。
    「食らえ! 呉市ビーム!」
     ポーズを取った手から放たれる光線が、サングラスの男に突き刺さる。
     追い打ちを掛けるように、彗星が迸った。
    「あたしの故郷、ご当地愛は……」
    「そこか!」
     杏子が放つ彗星撃ちが着弾するのと同時に、氷弾が襲った。
     灼滅者達の奇襲に気づいた妖の槍を持った六六六人衆が放つ氷の礫が、來鯉へと突き刺さる。
    「お前たち、うざいんだよ!」
     赤い帽子の解体ナイフの青年が、一気に駆け寄ると容赦ない斬撃を与える。
     同時に動き出したサングラスの男は、痛みなど感じていないかのようにどす黒い殺気を放った。
    「死ね!」
     容赦ない殺気を乗せた黒い霧状の殺気が、後衛を蝕んでいく。
     死を呼ぶ黒い霧の中から、黄色い光が放たれた。
     静佳が掲げた交通標識から溢れる黄色い光が後衛に纏わりつく霧を払い、耐性を与えていく。
    「神無月さん! 」
    「崇田は任せろ!」
     左腕のほとんどを氷結させた來鯉に、BlueRoseCrossが放たれた。
     腕を中心に、包帯のように巻かれるダイダロスベルトの癒しに、眉間に寄せた皺をほどく。
     來鯉を回復しながら、優は状況を整理した。
     攻撃後すぐに離脱する予定だったが、どうやら敵は何度か奇襲を受けているようだ。怒りと苛立ちで戦意が高い。追撃してくるのは必至だろう。
     敵に見つかり、戦闘になった際の対処は煮詰められていない。ならば、ここは戦って灼滅するのが得策だろう。
     來鯉の霊犬・ミッキーが主の傍へ駆け寄ろうとするが、寸でで思いとどまると遠くから心配そうな視線を投げかけた。
     視線に応え、霊犬をチラリと見た來鯉の隣を、激しく渦巻く風の刃が駆け抜けた。
    「わ、和歌山ブラストー!」
     清浄なる風を生み出した渚緒の神薙刃が、六六六人衆を裂いてく。
     主と同時に木陰から霊障波 を放つカルラをチラリと見た妖の槍の男は、姿を現した渚緒を憎々しげな声で怒鳴りつけた。
    「貴様は何者だ!」
    「和歌山和弓怪人だ!」
     天星弓を高々と掲げる渚緒を、妖の槍の男は鼻先で笑うとビハインドのカルラを指差した。
    「ビハインドを連れたご当地怪人がいるか! お前達灼滅者だろう!」
    「何を勘違いしているの?」
     やれやれ、と肩を竦めた律は、カルラの隣に立つと肩を叩いた。
    「カルラの主は僕ですが、何か?」
     堂々と装う律に、一瞬言葉に詰まった妖の槍の男に渚緒は胸を張った。
    「僕は、和歌山和弓怪人だ!」
    「これがあたし達の個性なのっ!」
     渚緒の隣で胸を張る杏子に小さく笑った明莉は、杏子の肩を軽く叩いた。
    「確かに俺は灼滅者で、お前たちの敵だ」
     刺さった矢を抜きながら睨みつけてくる六六六人衆に対して、渚緒の肩を叩いた律はにっこりと笑った。
    「そして今は、ご当地怪人と協力している」
    「な? 呉市戦艦怪人?」
     振り返りながら手を伸ばす優に、來鯉はにやりと笑った。
    「俺達は同盟を組んだけぇ」
    「和平の使者を殺したあなた達を、ご当地怪人さん達は許さないってことね」
     怒りと共に手裏剣甲を構えた透流が放つ無数の手裏剣が、敵前衛へと突き刺さる。
     透流の言葉に、妖の槍の男は眉間にしわを寄せた。
    「和平の使者……あのモグラ怪人とやらか」
     まだ疑いのそぶりを見せる妖の槍の男に、律は交通標識を構えた。
     杏子も併せて回復するイエローサインをこれ見よがしに示した律は、妖の槍の男の疑いを晴らすように交通標識を掲げた。
    「話し合いを望んだモグラ怪人が君達に殺されているんだ、打倒を望んでいる点で僕等の利害は一致している」
    「そういうこった!」
     大きく振るった明莉の透蛇尾から、渦巻く清浄な風が放たれる。
     引き裂かれる腕を押さえた解体ナイフの男は、憎々しげに來鯉を睨みつけた。


    「てめぇらが誰と手を組もうが、俺の知ったこっちゃねぇ! 俺はお前たちを殺せりゃ、それでいいんだよ!」
     突出したサングラスの男が、來鯉に向けて鋭い刃を振り上げた。
     怒りと共に叩き込まれる刃はしかし、当たることはなかった。
     飛び出した優のビハインド・海里が間に割って入り、攻撃を受け大きく弾かれた海里は優の方へと飛ばされる。
    「海里!」
     ビハインドに声を掛けながらも、優は來鯉へダイダロスベルトを放った。
     回復して欲しそうに甘えてじゃれつく海里をいなしながら放たれたラビリンスアーマーが、來鯉を優しく包み込み癒していく。
     回復をおねだりするように、甘えるようになついてくる海里を、優は邪険に追い払った。
    「じゃれんなワンコ。お前は後回しだ。……行け!」
     優の声を受けた來鯉は、至近距離に迫ったサングラスの男の腹にマテリアルロッドを振りかぶった。
    「おまんらみたいなんが、ご当地を滅ぼすんじゃ!」
     至近距離から放たれたフォースブレイクをまともに受けたサングラスの男に、ねこさんの魔法が炸裂した。
     腹を抱えてうずくまったサングラスの男に、巨大な鬼の腕が迫った。
    「和歌山スマッシュ!」
     強かに打ち付けられる拳にのけぞったところへ、赤い交通標識が貫いた。
    「これが連携だよ」
     冷静な律の声が、戦場に響く。
     黒い霧となって消えたサングラスの男を一瞥した妖の槍の男は、少し考えると解体ナイフの男に指示を出した。
    「引くぞ。連中の情報を、ドーター・マリア様に報告しなければ」
    「殺り足りないけど、りょーかい」
     一つ頷いた解体ナイフの男は、暗い霧を辺り一帯に立ち込めさせる。
     逃げていく敵は追わず、透流はひとつ息を吐いた。
    「だいぶ、ご当地怪人さん達の陣営に近づいたと思うけど……」
    「お、おたすけー!」
     透流の声を遮るように、情けない声が響いた。
     声の方へ駆けつけた透流は、包丁を片手にで密林を駆ける女六六六人衆に追われるお好み焼き怪人に目を見開いた。
     一人でいたところを襲われたのだろう。石につまづいて転んだお好み焼き怪人に、包丁の女が刃を振り上げた。
    「ピザ斬りにしてあげるわ!」
    「せめて格子切りにしてやぁ!」
    「嫌よ!」
     攻撃を仕掛けようとする包丁の女に、透流はクロスグレイブを構えた。
    「伏せて!」
     お好み焼き怪人に声を掛けた透流は、全砲門から放たれる光線を包丁の女の方に向けて放った。
     不意打ちを受けた女の行動が、麻痺したように止まる。
     動けない女に、杏子の縛霊手が迫った。
    「カウンターなの!」
     縛霊撃を放った杏子に合わせ、明莉は拳を構えた。
    「これでどうだ?」
     鋼鉄の硬さを備えた拳が、前のめりの女の首筋に叩き込まれる。
     ぐらりとよろけるナイフの女に向けて、静佳は交通標識を構えた。
    「さようなら」
     冷静な声と共に放たれたレッドストライクの一撃に、女は霧となって消えていった。


     戦闘が終わり、振り返った透流は這うように逃げるお好み焼き怪人を呼び止めた。
    「待って! 話を聞いて欲しいの!」
     真剣な透流の呼びかけに思わず足を止めたお好み焼き怪人が、上ずった声を上げた。
    「ス、灼滅者が、俺になんの用や?」
    「これ」
     変なポーズで警戒するお好み焼き怪人に、透流は菓子折りを差し出した。
    「な、なんやこれ」
    「モグラ怪人さんのお詫び。モグラ怪人さん、私達のせいで殺されることになっちゃったから」
     反射的に受け取ったお好み焼き怪人に、透流は頭を下げた。
    「本当にごめんなさい!」
    「い、いや、その、頭上げやぁ」
     おろおろするお好み焼き怪人に、透流は真剣な表情で訴えた。
    「単刀直入に言うわ。私はあなた達に戦って欲しいの」
     目を丸くするお好み焼き怪人に、透流は続けた。
     以前にもラブリンスターやナミダ姫と協力している事からも分かるように、透流達は全てのダークネスを敵だって思っているわけではない。
     透流達が敵だと思っているのは、一般人や灼滅者に危害を加えようとしているダークネス達だけだ。
     イフリート達の手で鶴見岳が壊滅させられてしまったように、六六六人衆の手で名古屋というご当地や、そこに住むご当地を愛する人達の命が失われてしまうところだった。
    「……アフリカンパンサーさんは、自分の娘であるドーター・マリアさん可愛さに、あなた達をそんな危険な六六六人衆さん達と組ませようとしている。あなた達に自分のご当地を愛する心があるんだったら、今こそ立ち上がらなければならない。私達も、あなた達のご当地に住んでいる人達を守るために協力する」
     透流の訴えに声が出ないお好み焼き怪人に、杏子も続けた。
    「弔い合戦って言葉はね、日本に昔から伝わる「仁義」っていうご当地愛の結晶よ。あたしは、モグラ怪人さんの為にご当地愛、敵に全力でぶつけるよ! あなた達は、見てるだけなのね?」
     二人の訴えに深く考え込んでいたお好み焼き怪人は、静かに口を開いた。
    「……俺は単なる下っ端や。偵察に出て見つかって、あのザマや。せやけどあんたらには、命を救われた恩義があるさかい、この恩は返さなお好み焼き怪人の名が……」
     お好み焼き怪人を遮るように、鬨の声が響いた。
     ご当地怪人の本陣から響く声に、お好み焼き怪人は灼滅者達を遠ざけるように誘導した。
    「隠れや! あれは、突撃を告げる声や!」
     お好み焼き怪人の背後から、ご当地怪人の軍勢が動き出す気配が迫ってきた。
     急いで隠れた灼滅者達から少し離れた密林を、ご当地怪人達が駆け抜ける。
     静かになってしばし。別動隊と思われる部隊が、密林を切り裂きながらこちらに近寄ってきた。
    「なんや? 何が起きたんや?」
     お好み焼き怪人が飛び出すと、別動隊の気を引くように大きな声を上げた。
    「武蔵坂の灼滅者が、アフリカンパンサー様のの暗殺を狙って攻撃してきたんだ」
    「襲撃者は撃退したが、他にも灼滅者が紛れ込んでるかもしれない。お前も捜索を手伝え!」
    「お前、灼滅者を見なかったか?」
    「あ、あっちの方におったで」
     ご当地怪人達の問いに、お好み焼き怪人があさっての方を指差す。
     移動する怪人達を見送った静佳は、状況が大きく動いたのを確認すると仲間を振りかえった。
    「撤退しましょう。これ以上の戦闘は、難しいわ」
     静佳の進言に、全員が頷く。
    「……パンサー、マリア、スサノオ。この混戦はどう転ぶかな?」
     一瞬だけ振り返った渚緒は、小さく呟くと急いでその場を離れた。

    作者:三ノ木咲紀 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2017年12月8日
    難度:やや難
    参加:8人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 4/キャラが大事にされていた 4
     あなたが購入した「複数ピンナップ(複数バトルピンナップ)」を、このシナリオの挿絵にして貰うよう、担当マスターに申請できます。
     シナリオの通常参加者は、掲載されている「自分の顔アイコン」を変更できます。
    ページトップへ