龍脈封印儀式~理由と決意と

    作者:聖山葵

    「スサノオ勢力が滅び、スサノオ大神の力は失われた」
     これ自体は悪いことではないのだがねと続けたサンタ服の座本・はるひ(大学生エクスブレイン・dn0088)は、だが少しばかり問題が発生しているのだよと明かす。
    「ガイオウガ及びスサノオ大神の力の源は、龍脈と呼ばれる大地の力だった」
     龍脈の力は『フォッサマグナ』とも呼ばれ、日本を真っ二つに引き裂く程の力を秘めているのだとか。
    「この力を支配した『ガイオウガ』が、旧世代の勝者となり『サイキックハーツ』を引き起こしたのは――」
     ある種の必然であったのやもしれない。
    「さて、この『龍脈』は現在スサノオの姫ナミダが奪ったブレイズゲートのエネルギーによって活性化されている」
     それがこのまま誰も制御も使用もせずに放置すれば、自然現象として暴発してしまう危険性が出てきたのだとか。
    「だが、この事態に武蔵坂学園で保護していた『ガイオウガの尾』が龍脈の鎮静化と封印を行いたいと申し出てくれたのだよ」
     まさに渡りに船と言うべきかと評したエクスブレインは、ただと続け。
    「彼らの力だけでは封印の儀式は行えないそうでね」
     儀式を手伝って欲しいとの要望から君達は声をかけられたのだ。
    「説明を続けよう。儀式の行われる場所は愛知県の山間部にひっそりと佇むとある神社だ」
     自然豊かな地にあるこの神社へと君達は足を運び、龍脈の流れを見て適切なタイミングで儀式を行うとのこと。
    「流れとしては、余裕を持って現地近くへ赴き、タイミングを見計らい神社へ移動、その後に儀式を行う訳だが、儀式の内容は所謂初詣のそれでね」
     儀式が成功すると神社近隣で天然温泉が湧出し、同行するイフリート化したガイオウガの尾とこの温泉に入りつつイフリートが大地の力と合一するように補助するのが君達の役目だ。
    「他にあげるとすれば一般人が迷い込まないようにESPで対策を施したり大地の力を狙ったダークネスの襲撃に対して警戒することも挙げられるが――」
     当然、エクスブレインとは言えど一般人のはるひはこの時点でお留守番が確定である。同行するのは、イフリート化したガイオウガの尾。
    「チャシマ」
     そう誰かが名を呼べば、イフリートの少女は複雑そうな表情をしたことだろう。
    「みぃ……すれいやー、アリガトウ」
     かつてチャシマと呼ばれたイフリートの少女そのものの姿をしたガイオウガの尾は、ガイオウガの力を喰らったスサノオを滅ぼしてくれた灼滅者達へと礼の言葉を口にする。
    「今、ココニ居ル、キット、コノ為」
     助けて貰えた理由をこれから行う儀式の為として静かにそれで居て熱意を讃えた瞳を真っ直ぐに少女は向けた。
    「儀式終ワル、大地の力護ル、ソレカラ……すれいやー達見守ル、ズット」
     儀式が終われば大地の力がダークネス組織に利用される事が無いようにしつつも末永く君達を見守っていきたい、チャシマを思わせる言い回しでそう告げた少女は、乞う。
    「力、貸ス欲シイ」
     と。


    ■リプレイ

    ●詣でにいたり
    「誰も……いないな、よし!」
     陽光で溶けた雪がとさと音を立て落ちる中、殺気を放ち人除けをし周囲を見回した綴は跨っていたライドキャリバーを発進させる。
    「二礼、二拍手、一礼……ふむふむ、なの」
     唸る美海がじっと見るのは、一冊の本。
    「神社への参拝に来られた皆様に、神道の末端に関わる者として、正しい参拝の仕方をご教授しましょう」
     そう前置きして紅緋は解説を始め、忍魔はそちらをちらりと一瞥してから視線を周囲に巡らせ、年のため周囲を警戒する。
    「基本の礼拝方式は、神前に立っての『二拝二拍手一拝』。これはご存じの方も多いでしょうね――」 周囲を見回し紅緋が語る中、初詣とはまったく別の事を考える灼滅者も居り。
    (「灼滅者としての俺たちと、俺たちのなかのダークネスを切り離せるような方法があれば、或いは……それが出来なければルイス・フロイスのようにではないにせよ、ダークネスと共存していく必要がある…………」)
     ビハインドの月代を傍らに、碧は警戒のため物影を確認していた視線を木々の切れ間から見える空へ向けた。むろん、そこに考え事の解決策があるわけではない。ただ、見つからないからこそ空を、差し込む陽光の様な希望を求めたのかも知れない。
    「ちゃんとお正月だもんね! 作法はしっかりやらないと……」
     自分に言い聞かせる様に呟き、立ち止まったカーリーが鳥居の前で立ち止まり、軽い会釈をする。
    「一応、地元だからね。噂程度には聞いてたけど、本当にあるとは思ってなかったよ。で、皆で初詣に来た訳だけど、流石に寒いね。デブにもきつい寒さだよ」
     鳥居を見上げた鎗輔は淡々と語りつつ身震いしてから自分以外の【TG研】の面々の方を振り返る。
    「正直、先の戦争や、ガイオウガが暴れたり、去年は大変な一年でしたが……。こうやって、また、一年を皆さんと過ごせるのは、幸運のたまものなのかもしれませんねぇ……」
     自身の言葉に頷く流希がまず視界に入り。
    「チャシマさん、お久しぶりですね」
    『みぃ、久シブリ』
     続いてガイオウガの尾の少女に挨拶する清美が見え、その向こうには姉の清美とは色違いで青を主体にした晴れ着姿の梨乃が居る。
    「特撮などでは こういった儀式を邪魔する人が居て、怪獣が暴れ出したりするのが定番ですが……。流石に居ませんよね」
     変な動きをする人が居ないか念のため警戒するジェフが周囲を見回し。
    「とりあえずお腹が減ったので血を飲ませてほしい」
    「に?」
     以前の失敗に懲りない詩稲は変な動きをする人の範疇か否か。
    「大丈夫、今回は秘策がある。名付けて気合で熱に耐える作戦!」
     精神論ですかそうですか。
    「うはーい、それじゃ今度こ熱っ! 何だかまへひょりあふひっ!」
     元のチャシマより熱いイフリートが混ざったのかも知れないが、ある意味予想通りというか。一通り見ていたジェフは微妙な表情でツッコミ用の獲物をしまい。
    「人払いは他にもしてくれてる人が居るみたいだけど、うーん」
     ハプニングはスルーしつつ登が見るのは鳥居の向こうに見える石段、ライドキャリバーを伴っているからこそ気になったのだろうが。
    「山間部の神社ですし」
    「いずれにしても、戦争をせずに、儀式だけで後始末が出来るなら良いですね」
     行きましょうかと柔道着姿の良太は促し。
    「いよいよだな。ガイオウガの尾、復活したんだ。協力出来るなら何でもするぜ!」
     石段を登るイヴは袴羽織で視線だけ一足先に最上段へ到達する。そのイヴが初詣と聞いて頭を抱えるなり着物は嫌だと凶暴化し、威嚇していたのを知る玲子は少しだけ遠くを見ると、何でもないなりと頭を振る。
    「わぁ、ガイオウガの尾さんが目覚めたのですね。儀式に参加できるなら協力をさせて頂きますです♪」
     と話を聞くなり驚きつつもイヴ同様に助力を表明した南桜もピンクの着物姿でイヴの少し後ろを社に向かって歩いており。
    「とりあえず、異常はなさそうなのです」
     何をやるべきかわからなかった聖也はひとまず周囲を警戒しようと周囲を見回してから脇を通り抜けて行く他の灼滅者を視線で追う。足の早い者は既に社に到達している頃合いか。裏付けする様に石段の上から鈴の鳴らされる音がしたのは、直後のことだった。

    ●願いを込めて
    「さて。えーっと、道の真ん中を歩かず、二拝二拍手一拝、賽銭45円に……あ、その前に手を清めるのだっけ。でもまずは心持ちよね。礼儀も作法も清い心で挑めるようにってことだろうし……あ」
     復活したらしい詩稲が視線をやれば、そこには既に参拝者の列があり。
    「ふむ……ここまでもだったけど、手順が多いね……千影、一緒にやるよ」
     手元のメモから顔を上げた文は手水舎で手を洗って若干かじかむ手でメモを畳むと傍らの千影に呼びかけ、率先して軽く一礼しお賽銭を箱に入れ、鈴緒を引く。
    「文ねぇ、これでいーの?」
     見よう見まねで後に続く千影へ文が小さく頷きで応じ。
    「今年一年の飛躍も込めてお願いしないといけませんね」
    「そうだね……今年一年……健康に……過ごしたいし……」
     見知った顔から視線を恋人にやった蒼香へ水色の振袖を着た零桜奈は同意すると蒼香と共に参拝の列に並ぶ。
    「初詣は家族で行ったことはあるけど、やり方が慣れないです」
    「そうなりか、任せるね! お姉ちゃんがおしえるね」
     後ろから聞こえるやりとりは、漸く石段を登り切った南桜と玲子のものか。
    「チャシマちゃんたちイフリートのためにも、きっちり儀式の助けはしないとね!」
    「そうですね」
     何処か緊張した面持ちで社の前に進み出るジヴェアの横で紗里亜は優しく微笑み。
    (「私はチャシマさんと直接の縁はありませんでしたが、絆を深めてきてくれた人たちのおかげで、今こうしていられるんでしょうね」)
     前方に向き直ると社へと頭を下げる。
    「さて、今年も又、一年、良い年であり、皆さんで楽しく過ごせるよう、神様にお願いしておきましょう……」
    「確か、一礼一拝だっけ? 自信が無いや」
    「えーと、ふざけたりすると儀式が上手くいかない可能性もあるんだよね。真面目にやろう……ん?」
     そんな様子をちらりと見て流希が宣言すれば、鎗輔は作法のチェックにかスマホを操作し、神妙な面持ちになった登はくるりと近くにいたガイオウガの尾の少女に振り返る。
    「み?」
    「チャシマさん、ど」
    『他ノすれいやー、一緒、イイ』
     首を傾げた少女は登は作法がわからないと誤解したのだろう、だが。初詣の作法と同じで良いというのだから、そう言うことなのだろう。
    「あ、寒いでしょうから、紅茶を淹れてきましたので、どうぞ、飲んでくださいねぇ……。熱いので、注意して飲んでください……よろしければチャシマさんも」
    『にぃ、アリガトウ』
     思い出した様に流希が紅茶を振る舞えば、順番待ちはあっという間に過ぎ去り。
    「ふむ、ここはやはり大地の力が収まるのを祈るのが良いのだろうな」
     梨乃の呟きにそうですねと応じたのは元よりそのつもりだったジェフ。ただ、梨乃には他にも願いがあり。
    「皆さんと無事に過ごせるように」
    「大災害が起きませんように」
    「今年も皆さんと無事に過ごせますように」
    「中君と何時迄も一緒に居られますように」
    「今年も、学園祭もしたいし、マラソン大会も、芸術発表会もしたいよね。その他にも沢山のイベントがしたいよ」
     欲張った願いに他の【TG研】の面々も祈る。
    「零桜奈くんは何を願いましたか?」
    「ん……蒼香と……これからも……一緒に……いられますように……かな……」
     少し離れた場所で恋人の顔を覗き込む蒼香の帯にどどんとのった豊かな何かを見て誰かが祈りごとを追加したなんてことはきっとない。
    「それじゃ一緒ですね。二人分ですしきっと効果がありますよ♪」
    「そうだね……きっと……効果あると思う……」
     微笑み合う一組のカップル。
    「梨乃、顔色が悪いですが大丈夫ですか?」
    「大丈夫なのだ。……体は」
     梨乃は案じる姉にとても真剣な表情で答え、体はと清美が首を傾げる中、後ろに並んでいた参拝者が前に出る。
    「大人だ……しっかりとしているぜ♪」
    「ふんふん、こうすればいいのか?」
     感心した様子でイヴと南桜が見つめる中。
    「此処が重要……御願いは108の煩悩の数だけ素早く高速に願う! パーリーピーポーな! ごふ」
     カッと目を見開いた不穏の芽は嫌な予感のしたイヴによって刈り取られる。
    「あれ? 玲子先輩……くの時に。大丈夫ですか?」
    「大丈夫よ、さっきのは冗談ね。今年は、皆が元気に。希望の学科に行けますようにと……」
     涙目で南桜に答えた玲子は今度こそ祈りを捧げ。
    「八代目こわしやとして兄ちゃんに負けないように頑張る。あと、はるひ先輩がもう少し落ち着き持って欲しい! 鳥井先輩に安息を……以上だ」
     イヴの祈りに何処かで誰かが視線を逸らしたり口元を引きつらせたりした気がしたのは気のせいだろうか。
    「何か灼滅者関係で新発見がありますように、なの。あ」
    「久しぶり……チャシマ……か?」
    「みぃ」
     続く、美海が祈り終えて振り向くとそこにはチャシマの姿をした少女に声をかける忍魔や何か言いたげなわんこの姿だった。

    ●儀式の行方
    「はじめまして。チャシマさん、とお呼びしてよろしいですか?」
     参拝を終えた紗里亜がジヴェアを伴いやって来たのは、直後のこと。
    『すれいやー、ソウ呼ビタイナラ』
     少女としては構わないと言うことなのだろう。
    「この度は龍脈の鎮静化と封印の申し出、ありがとうございました」
     少女に儀式への感謝を述べ、さりげなく紗里亜はジヴェアの背を押す。
    「は、初めまして」
     自己紹介に始まり。
    「チャシマちゃんたちみんなが頑張ってくれたから、ジヴェアたちも頑張れたし、今この世界にちゃんといると思うんだ」
    『チャシマ達、出来ルコト、シタダケ。すれいやー達、協力シテクレタカラ――』
     口をついて出た思いに少女は頭を振ると一声鳴く。呼応する様に温泉が湧き出し、ただの窪地が湧き出したお湯で湯船へと変わって行く。
    『儀式、成功シタ』
     それは見まがいようのない事実。
    「皆さん、遠慮なく召し上がってください。チャシマさんもどうぞ」
     儀式の成功を見届けた清美はおはぎを振る舞い。
    「温泉なのです!」
     これが楽しみだったのですと嬉々として聖也は入浴準備のため物影へ引っ込む。
    「さて、入りましょうか、え?」
     水色のスカート付きビキニを着たいちごは傍らのビハインドとさらに向こうにいるビアンカ、ミラの方を振り返るとそのまま固まった。
    「混浴だから水着……って、ミラちゃん!?」
    「水着? ノーノー、温泉に水着なんて日本文化に失礼デス!」
     声を上げるビアンカに立つ人差し指を振るミラは水着を付けてなかったのだ。流石にタオルは巻いていたけど。
    「ま、まあ……いっか」
     タオルがあるのでセーフなのだろう。
    「……いえ、いいですけどね。それじゃ――」
     結局いちごもその空気に流されてしまい、気を取り直すと湯気のたゆたう温泉へと歩き出し。
    「あ、足滑りますから、気を付けてくださいね」
     思い出した様に口にした忠告はフラグだったのだと思ふ。
    「わぁっ、あ」
     足を滑らせたいちごがビアンカの水着に手を引っかけ。
    「セ、センパイまた!?」
    「す、すみませ」
     謝罪を言い切るよりも早く突き飛ばされたのだ。
    「なんていうかイチゴはいつも騒ぎを起こしますネ」
     とミラがにやけて眺めている間もない。オゥと驚きの声を上げつつも倒れ込んできたいちごの身体を受け止め。
    「わざとデスネ、きっとソウデス。 ミラのもっちあを鏡開きしてくれるのデスカ?」
    「わざととか鏡開きとか違くて……」
     あわあわするいちごを抱きしめたまま言う。
    「儀式の仕上げには『できるだけリラックスして幸せな気分で楽しむ』必要がありマース。だからいちごもリラックスするネ」
     と。
    「うぅ、彼に顔向けできない……」
     約一名、水面を見つめて若干へ込んでいたがそれはそれ。
    「はふ……温いの……もふもふとはまた違う……良い感じ、なの」
    「いい湯だ。こんな湯に入ると幸せだな」
     視界の端で起こったことは見なかったことにして、美海に倣いほぅとと息を吐いた忍魔は記憶にあるチャシマそのままの姿の少女の方に向き直り。
    「チャシマも入らないか? あ」
     声をかけてから、気づく。
    「み」
    「いや、待て……そう言う意味じゃなくてだな、早まるな! 服を脱」
     まるであの時の繰り返しの様だという懐かしさとそれどころではないという焦りと。
    「みぃっ」
     服を全て脱ぎ終えたと思われた瞬間、少女は大きな炎の猫に変じる。
    「色々有ったともふもふしてた日のことを思い出していたら、もふもふがすぐそこにいたの」
    「に」
     首を傾げる炎の猫に近づくと、美海はかの日のように不思議な毛皮の感触を味わい。
    「うんまあ、なんだか混じりけがあるとかいうけど人の心だって混じって作られてくからチャシマちゃんだ」
     ある意味で変わらない行動にどこか自分の中で答えを出したのであろう詩稲はわんこや美海、忍魔たちチャシマと面識のある灼滅者達の輪に近寄って行く。
    「チャシマちゃん」
    「み?」
    「狗ヶ原詩稲。私の名前。名乗ってなかった気がするから今名乗るね。友達だしずっと覚えていてほしいな」
    「みぃ」
     名乗りに炎の猫は頷きを返す。
    「チャシマ、次に会うまでに、灼滅者もダークネスも関係の無い世界にしてみせる!」
     そして、チャシマの名を呼んだ忍魔も言葉を続けた。
    「だから、また会えた時は友達同士、いっぱい笑って、遊んで、楽しもう……!!」
    「にぃ」
     てしと忍魔の肩に炎猫の前足がのる。
    「ジヴェアの思い過ごしだったらごめんね。チャシマちゃんたちとこうして向き合って言葉を交わせるのはこれが最後かもしれないから、寂しいんだけど言っておくね。『ありがとう』」
    「チャシマと逢えて良かったの。これからも見守って欲しいの」
     割り込んできたジヴェアの言葉を挟んで、美海が口を開けば。
    『チャシマ達モ、すれいやー達逢エテ、良カッタ』
     湯気に霞む中、少女に戻ったガイオウガの尾は微笑んだ。

    ●それぞれの
    「新年の温泉っていうのもいいですね、芯まで温まりますし効能もありそうですね♪」
    「う、うん……そうだね……」
     入浴の時間はまだ終わらない。恋人に胸を押しつけられ何処か焦りつつも零桜奈はからかわれるだけで終わるまいと柔らかな膨らみに手を伸ばし。
    「文ねぇはいいの?」
    「願い事のこと? ……千影、貴女にあげるわ 貴女のやりたいことを助けてあげる」
    「……んー、だったら、知り合いとこれからも楽しく過ごしたい」
     自身の両手を持ったまま浸かる文に千影は微笑み。
    「イヴちゃんのお゛」
     お兄さんに報告とまで言えず誰かがツッコミに沈む。
    「あぁ、眠気が……う、うーむ、ここで寝たら……」
     一方で聖也は船をこぎ始め。肌を刺す外気に湯気が踊る中、そは大地の力と合一するのだった。

    作者:聖山葵 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2018年1月11日
    難度:簡単
    参加:28人
    結果:成功!
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