民間活動~体育館、僕の、ピアノ

    作者:聖山葵

    「じゃあ、次俺っすか。んー、どうすっかなー」
     考え込む少年に著作権関係はやっめとけよとヤジが飛び。
    「いや、著作権関係って何? 丸パクリってことすか?」
    「だってこいつの怪談どっかで聞いたことあってさー」
    「あー」
     ツッコまれた少年が指さしたのは別の少年。どうやら仲間内で怪談話をして盛り上がっているらしい。
    「じゃあ、『それはお前のパンツだ』はやめといた方が良さそうっすね」
    「パンツぅ?! いや、むしろそれ気にな」
    「じゃあ、始めるっすよー」
     食いつきかけた仲間の声をスルーして話し始めたのは、割と何処にでもありそうな怪談であった。
    「……勝手に鳴り出すピアノね。こう、何というかありがちだよな」
    「まぁ、そーっすね。卒業式間近で事故で死んだ生徒が以前居て、そいつが卒業式の時ピアノを弾くことになってたんだとか何とか」
     その為か、真夜中の体育館から時折ピアノの演奏が聞こえて来るという。
    「何だよ何だよ、ここまでのに比べればどうってこと無いじゃねぇか」
    「いや、じゃあ何で震えてンすか?」
    「は? こ、これはあれだ。まだ寒ぃからだ。この間雪降ったろ?」
     からかわれ反論しつつもその少年の顔は体育館の方を向くのを頑なに避けていた。

    「サイキック・リベレイター投票により、民間活動を行う事になったのは聞いていますわよね?」
     首をかしげたエクスブレインの少女は君達を見回すと、それでサイキック・リベレイターを使用しなかった為、予知が行えるようになりましたのと続けた。
    「この結果、判ったことがいくつか。例えば、タタリガミ達は、エクスブレインに予知されない事を利用して、学校の七不思議の都市伝説化を推し進めていたようですの」
     閉鎖社会である学校内でのみ語られる学校の七不思議は予知以外の方法で察知する事が難しく、もう既にかなりの都市伝説が生み出されてしまっているのだとか。
    「この七不思議についてはこちらも可能な限り予知を行って虱潰しに駆除して行くことになると思いますから、灼滅者の皆さんにもご協力頂きたくて今回お呼びした所存ですの」
     ぺこりと頭を下げ、ちらりと少女が横目で見た先にいたのは、情報提供者の白河・凪(雪月花の誓い・d34230)。卒業式間近で事故で死んだ高校生の霊の都市伝説を捜していたところ、今回の都市伝説の元となる噂を耳にしたのだとか。
    「件の都市伝説との接触方法は至極単純、放課後完全に人気が途絶えたあとで体育館に足を踏み入れれば、独りでに鳴っているピアノを目撃する事になりますの」
     不思議に思いそこで更にピアノに近づくと、半透明のピアノを弾く少年が現れる。
    「少年はただ一心にピアノを弾くだけで一見無害にも思えるのですけれど」
     ピアノを弾く邪魔をした場合、血塗れの亡霊の姿に変貌し襲いかかって来るという。
    「邪魔をするのは心苦しいですけれど、タタリガミ達の企みを阻止するにも放置は出来ませんわ」
     それに放置すれば肝試しで要らぬちょっかいをかけて襲われる学生も出てしまうかもしれない。
    「戦闘になった場合、都市伝説はバイオレンスギターのサイキックに似た効果を持つ攻撃で応戦してきますの」
     ギターの音波ではなくピアノの音色を使った攻撃とギターで殴るのではなく見えざる何かではねとばす攻撃にピアノを奏でて状態異常を回復する範囲回復。回復に至っては都市伝説が単体のため、何とかの持ち腐れになっている気もするが、それはそれ。
    「持ち腐れの辺りを加味しなくても、多くの激戦をくぐり抜けてきた皆さんの敵では無いと思いますけれど……だからこそ、周囲に被害が出ない範囲で『より多くの生徒・学生に事件を目撃』させる作戦を行う余地がありますわ」
     バベルの鎖によって都市伝説やダークネス事件は『過剰に伝播しない』という特性があるものの、直接目にした人間にはバベルの鎖の効果はない。
    「目撃者が他人に話しても信じてくれなくとも、直接事件を目にした関係者はそれを事実として認識してくれますの」
     一般人の多くが都市伝説やダークネス事件を直接目撃する事で一般人の認識を変えていくのが『民間活動』の主軸だ。もっとも、民間活動は義務ではない。
    「行うかどうか、どれだけの人を集めるかは皆さん次第ですの」
     大勢連れて来すぎてフォロー出来ず都市伝説の攻撃の巻き添えになり被害が出ては本末転倒だ。
    「体育館に人気が無くても校内に残っている学生はいるかも知れませんし、少なくとも職員はまだ残っていると思いますの」
     教師ならば何らかの口実で体育館に呼び出すことはそう難しくないだろう。
    「男女一着ずつですけれど、問題の高校の制服を用意しておきましたわ。必要があれば役立ててくださいの」
     言いつつ紙袋を君達の前に押し出した少女は、それではよろしくお願いしますわねと頭を下げたのだった。


    参加者
    古海・真琴(占術魔少女・d00740)
    三神・悠水(清流の戦士・d17405)
    高階・桃子(追憶の桃・d26690)
    白河・凪(雪月花の誓い・d34230)

    ■リプレイ

    ●いざ潜入
    「学校にピアノの音、ですか」
     抑揚のない調子で呟いた高階・桃子(追憶の桃・d26690)は良くある学校の怖い話みたいな感じですかねと無表情に首を傾げた。地に近づき赤みを増した太陽が校舎も校門も目につくモノ全てを鮮やかなオレンジ色に彩る中、灼滅者達は件の高校の前にいた。
    「高校卒業して2年も経ってると、高校生に紛れるのはちょっと厳しいかな。教育実習ももう半年後なら、もう少し辻褄もあったでしょうが……」
     自分の身体に視線を落とした古海・真琴(占術魔少女・d00740)がどことなく複雑そうな表情をしてから視線を向けた先には今から下校するのか校門をくぐるこの高校の生徒らしき少女の姿があった。先方にそんな意図がなくても比較対象となってしまうのは無理もなく。
    「さぁ、民間活動ですね、皆さん頑張って行きましょう」
     生じた微妙な空気は珍しく口を開いた三神・悠水(清流の戦士・d17405)の言葉によって霧散する。そう、灼滅者達は目的があってこの高校へと足を運んだのだから。
    「民間活動か」
     悠水の口にした単語を反芻しつつ、制服姿の白河・凪(雪月花の誓い・d34230)は思う、こう言う事は初めてだから慎重に行わないとねと。
    「おかしな所はないはずだけど」
     目をやった制服はエクスブレインが提供した眼前の高校のモノ。男女一着ずつしかなかったそれを桃子と凪で着用し。
    「真琴さん、教師たちの誘導、任せますね」
     そう言ってからEPCを行使した悠水は共にいるものの闇纏いによって一般人の目には留まらず。
    「職員室はどっちかな?」
     唯一一般人の目に映る制服姿でない真琴は、教育実習のうち合わせと言う名目で潜入するつもりだった。
    「え? ああ、それなら――」
     プラチナチケット併用していることもあり通りかかった学生は疑うことなく職員室の方向を示して見せ。校内に潜入することが第一段階ならば、職員室に居るであろう教師と話し、体育館を下見する許可を取り付けた上で同行して貰うまでが第二段階だ。
    「今は教育学部に在籍してて、体育科の免許取得を目指しています。元々サッカークラブのユースにいた事もありまして、専門は球技ですので――」
    「成る程、我が校にもサッカー部はあります。生憎と今日は部活動の時間も終わり、グラウンドにはおりませんが」
     体育館の下見をお願いしたいと言う真琴の言葉に納得しつつ、初老の教師はグラウンドも案内致しましょうと続けた。おそらくは真琴の言葉を真に受けた上で好意から申し出たことなのだろう。
    「ありがとうございます」
     礼を言いつつもグラウンドの案内をされることはないであろうことを真琴は知っていた。
    「良い学校だな」
     快く職員室の方向を教えてくれた学生に、話を聞き目的以外の施設の案内まで申し出てくれた教師。
    「そうですね」
     仲間と教師のやりとりを少し離れた場所から眺めていた凪に桃香が同意する。相変わらず姿を認識されぬ様にしたままの悠水だけが無言で、三人は教師を伴った真琴がやって来るのを待つ。
    「ただ一つ、気になることがあるとしたら同行して下さるのが一人と言うことですね」
    「あ」
     民間活動ならば目撃者は多い方が良い。桃香の指摘に凪が声を上げた。

    ●体育館の都市伝説
    「教師たちに都市伝説を目撃させ、教師たちの無事の上で都市伝説を倒す」
     と複数の教師に目撃させる事を目的としていた桃子からするとギャラリーはもう少し欲しかったのであろう。
    「体育館の鍵はもってますな?」
    「はい、白沢先生」
     同行する教師が二人に増えたのは、プラチナチケットの効果だと思われる。体育館を使う部活の顧問に話を聞きたいとか具体的に同行者を増やす理由を考えていれば同行者は更に増やせたかも知れないが。
    「増えたら増えたで問題もあるからね」
     ギャラリーとなる教師陣が増えれば、彼らを守らなければならない灼滅者達への負担も増す。斜陽の指す窓から床と壁に跨って歪んだ四角にオレンジで染められた廊下に出た凪がちらりと振り返り。
    「おおよそ順調、ですかね」
     僅かな齟齬も解消され、後はこのまま体育館へ向かうのみ。未だ闇纏いを継続する悠水が声は発さず桃子へ頷いて見せ。
    「うん?」
     体育館の入り口が見え始めたところで教師の一人が声を上げた。
    「白沢先生、体育館には誰も居ないはずでしたよね?」
    「ええ」
     首肯しつつも初老の教師が困惑する理由は一つ。誰も居ないはずの体育館からピアノの旋律が聞こえてくる為だ。
    「確かに、聞こえますね」
    「生徒さんがいらっしゃるのでしょうか?」
     灼滅者達はその理由を既に知るため、驚きはない。それでも不自然にはならない程度に驚きの演技をしてから体育館へ立ち寄る理由のある一人が、行ってみましょうと教師達を促す。
    「そう、ですな。勝手にピアノを使っているなら注意せねばなりませんし」
    「しかし、この曲はどこか聞き覚えが……」
     同意した初老の教師の後ろでもう一人の教師は首を傾げつつも先を行く真琴の後に続き。
    「な」
    「これは……」
     やがて体育館の入り口に辿り着いて絶句する。入り口は閉じられ、鍵ががかっていたのだから。
    「施錠された体育館の中から?」
    「まさか、誰かが閉じこめられ、気づいて欲しくてピアノを? 兎に角、開けましょう」
    「は、はい」
     初老の教師の声に従ったもう一人の教師が頷くがはやいか、鍵穴に鍵を差し込んで回し、扉はすぐに開け放たれた。
    「鍵は開けたぞ、もう大」
     扉を開けるなり、体育館へと飛び込んだ教師が言葉を失う。ピアノはまだ鳴っていた。だが、ピアノの側には誰もおらず、まるで誰かが弾いているかの様に鍵盤とペダルだけが上下していたのだ。
    「皆さん、危険です。我々の後ろに隠れておいて下さい」
    「へ? ちょっと待ちたまえ、君!」
     一瞬呆けつつも脇を通り抜けた凪を立ちつくす教師は呼び止めようとしたが、凪は止まらず、ピアノの方へと近寄って行く。
    「は?」
     灼滅者達は聞かされていたモノのまさに説明通りだった。凪が一定の距離までピアノに近寄ったところで椅子に座り鍵盤を奏でる半透明の少年が出現し。
    「そう言えば、誰が邪魔するかは決めてなかったな」
     驚く教師を置き去りにしたまま凪は振り返り。姿を現した悠水が横に並び、追い越す。
    「あのままですと、都市伝説と同じ扱いにされかねませんし……」
    「さぁ、行くわよ桃香。サポートは任せましたからね」
     静かにピアノへ近づいて行く様子を見て察した桃子がビハインドに呼びかける。
    「あ」
     きっかけは、悠水の指が鍵盤を押し込んで鳴らせた一音。
    「僕の、僕のピアノ……ぴあ、のを……」
     突然演奏を止めた少年が血にまみれたおぞましい亡霊へと変貌しつつ虚ろな目に敵意を宿して悠水を睨み。
    「じゃまずるなぁぁぁぁ!」
     体育館に絶叫を響かせた。

    ●民間活動
    「あ、あぁ……」
     非日常との遭遇。ひとりでにピアノが鳴っていたかと思えば透き通った少年が現れ、血みどろの姿に変貌し吼える。それだけのことが連続して起こればついて行けなくても無理はない、まして。
    「があッ?!」
     ピアノを鳴らした少女へ向ける視線から何らかの凶行に及ぶと思われたソレが逆に悲鳴をあげて仰け反ったのが次に見た光景ともなれば尚のこと。
    「ちょっと注意散漫かな」
     都市伝説を斬り裂いた断斬鋏を振るって真琴が付着した血を払い。
    「ペンタクルス」
    「にゃあ」
     主の声に応じたウイングキャットが猫魔法を放つ。
    「ね、猫に翼?! は、ははは……」
    「俺のベルトは、どんどん学習していくよ、これでも食らえ!」
     現実離れした光景に乾いた笑いしか出てこない教師の片割れを横目に凪がホワイトスノウを射出する。
    「ぎッ」
     予期せぬ先制連係攻撃を受けた都市伝説の身体にベルトは突き立ち。
    「う、あ……」
     よたよたと傷口を押さえ後ずさった亡霊の背がピアノに当たる。
    「ぐぞっ、ぐ――」
     顔を歪め都市伝説はピアノに貼り付き、演奏を始めようとするもそこに何かが飛来し。
    「っ」
     頬をかすめた悠水のダイダロスベルトが壇上の闇を虚しく貫く。
    「外れてしまいましたか」
     亡霊からすればたまたまだろうが、直前に受けたのと全く同じ攻撃だったのだ。だが、それでも牽制として考えるならば、充分であり。
    「がッ」
     悠水に注意の逸れた都市伝説をいつの間にか肉迫したビハインドの桃香が至近距離から霊撃を叩き込むことで僅かに宙へ浮かす。
    「それでは避けられませんね?」
     追撃は、桃子が指輪から放った魔法弾。宙に浮き回避不能な亡霊の身体を追いかけたそれはピアノのある壇上の床に都市伝説が背中で着地する前に命中し。
    「ぐ、あ、あ゛あぁあ゛あぁあッ!」
    「っ、く」
     悲鳴をあげながらも向けた手の先で見えない何かのぶちかましを喰らった真琴がたたらを踏みながら短く息をもらし。
    「この程度っ」
     ぐっとこらえて床を蹴るとWOKシールドを構え、そのまま肉迫する。不自然な怒りに囚われ特定の灼滅者を狙う、結構なことだった。
    (「まだこの場にいるギャラリーに被害が出ていないのですから」)
     そも、狙われるのを前提に守りに重きを置いた戦い方をする者を狙うというのは、植え付けられた怒りに強いられた者とは言え亡霊にとっては失敗だった。
    「ぐげッ」
    「ペンタクルス」
    「にゃ」
     都市伝説の強さが民間活動が可能と断ぜられる程度のモノであるからか、まだ回復を要求する程ではない。主の言いたい事を察したウイングキャットはWOKシールドを叩き付けられ顔面を片手で押さえる亡霊目掛け飛びかかった。
    「大丈夫そうか、なら」
     やりとりを目撃していた凪もまた回復ではなく攻撃に回った。観察は一瞬、肉迫するなり振るった白冷桜斧は正確無比な斬撃を都市伝説に刻み込み。
    「うぐッ」
    「この死角からの一撃、避けられますか?」
    「な、ぎッ」
     傾ぐ血塗れの亡霊が振り返れば、身体を身を守るものごと斬り裂かれた痛みをまず感じ、ついで悠水の姿が視界に入る。仲間達が連係攻撃を繰り出している間に悠水は死角に回り込んでいたのだ。
    「反撃を全く許さない訳ではないにしても、優勢ですかね?」
     今のところ回復を必要とする程の手傷を負わされた仲間も居らず、それで居て都市伝説は幾つも傷を付けられていた。
    「ああも血塗れだとどれが付けた傷かわかりづらいけどね」
     無表情のままの桃子の呟きに応じたのは誰だったか。戦いは、続く。
    「その傷口、更に広げてあげますよ!」
    「忌まわしき力ですけど、今はその力、貸して下さい」
     チェンソー部分を稼働させたままダイヤモンドダストを悠水が振り上げ斬りかかれば、桃子は契約の指輪を媒介に己の魂の奥底に眠るソレの力をもってここまで敢えて狙われ、攻撃を受けていた味方を癒す。
    「う、く……」
     満身創痍の都市伝説は新たにつけられた傷をおさえつつ、片膝をつく。
    「邪魔は、させな゛、い……ぼぐ、の……」
     そして、立ち上がりすらしないままにピアノの椅子に片手をついて支えとするともう一方の手を鍵盤へと伸ばし。
    「この一撃で、全てを断つ!」
     指先が鍵盤に触れるより早く、亡霊の背後で声が生じた。だが、都市伝説は振り返らない。
    「僕の……」
     白と黒の二色で構成されたそれしかもはや見えぬのか。
    「ぼっ」
     ただ、ただ指を伸ばす血塗れの亡霊は、振り下ろされた強烈な斧の一撃を背に受け、崩れ落ちるとそのまま消滅し始めたのだった。

    ●世界の真実を
    「あの都市伝説は、何を思ってピアノを弾いていたのでしょうかね……?」
     亡霊の消滅した体育館で、桃子は変わらず無表情のままピアノに視線を向けて口を開いた。
    「俺達は灼滅者」
    「ああ言った人に害を為す者達を――」
     背後ではまだ事態へ完全に理解が追いついていない二人の教師へ凪が告げ、悠水が補足して説明している真っ最中である。
    「私達の出番はもう少し先かな?」
    「にゃあ」
     猫が苦手でなければ教師達を含むギャラリーへとペンタクルスに友好アピールをお願いするつもりだった真琴も、事情の説明が終わり、だいたいのことを教師達に理解して貰わねばどうしようもなく。
    「灼滅者、武蔵坂学園ですか……にわかには信じがたい、いえ……目にした以上は真実なのでしょうな。私一人ならばともかく……」
     初老の教師はかすれた声で未だ衝撃から立ち直っていない同僚を見る。
    「おおよそのお話は、理解しました。あのままでは生徒達が襲われるかもしれなかったでしょうし、感謝します」
    「いえいえ」
    「もともとそう言う目的で足を運びましたからね」
     頭を下げる教師の片割れに誰かが頭を振れば桃子も言外に気にしない様言い。
    「あ、今回は都市伝説の退治に来ましたが、教育学部に在籍していることも体育科の免許取得を目指しているのも本当ですよ? それはそれとして、ペンタクルス」
     思い出した様に補足した真琴は猫が苦手じゃありませんでしたらと前置きすると抱き上げていたウィングキャットを差し出すのだった。

    作者:聖山葵 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2018年2月27日
    難度:普通
    参加:4人
    結果:成功!
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