民間活動~無人の放送室

    作者:陵かなめ

    ●放送室には誰も居ない
    「ねえ、そろそろ帰ろうよー!」
    「うーん。もうちょっと遊びたいんだけど」
    「まだ運動場、遊んでる子いるよー?」
     放課後、この小学校では生徒たちにグラウンドを開放している。
     夕日が運動場を照らしているが、まだかなり多くの子供が遊んでいるようだ。
    「でも、でもさ。もし、誰も居ない放送室から放送が流れたら?」
    「何それ?」
    「知らないの? うちの学校の『無人の放送室』」
     その場に居た子供たちが顔を見合わせた。
    「聞いたことあるよ。誰も居ないのに、放送が流れるんでしょ?」
    「そうだよ。放送室には誰も居ないのに、なぜか放送が流れるの」
     しん、と、話を聞いていた子供たちが静まり返る。
    「ねえ、どんな放送……?」
    「知らない。聞いたことないもん。でも」
    「でも?」
    「その放送を聞いちゃったら、一時間以内にみんな殺されるって」

    ●依頼
    「サイキック・リベレイター投票により、民間活動を行うことになった話は、みんな知ってるよね?」
     千歳緑・太郎(高校生エクスブレイン・dn0146)が話し始めた。
     サイキック・リベレイターを使用しなかった事で、エクスブレインの予知が行えるようになったが、これにより、タタリガミ勢力の活動が明るみに出たということ。
    「タタリガミ達は、エクスブレインに予知されない事を利用して、学校の七不思議の都市伝説化を推し進めていたようなんだ」
     閉鎖社会である学校内でのみ語られる学校の七不思議は、予知以外の方法で察知する事が難しく、かなりの数の七不思議が生み出されてしまっているというのだ。
    「この七不思議については、できるかぎり予知をして、虱潰しに撃破していく事になるから、みんなにも協力をお願いするね」
     それから、太郎が今回の事件について説明を始めた。
    「今回みんなに相手をお願いするのは、埼玉県にある小学校の『無人の放送室』なんだ」
     夕暮れ時、放送室には誰も居ないのに、放送がかかると言うこと。そして、その放送を聞いた者めがけて放送室から刃が飛び出し、切り刻んで殺してしまうという都市伝説だ。
    「小学校では、放課後に校庭を開放しているから、生徒たちがまだ沢山遊んでいるんだ」
     これを踏まえた上で、行動してほしいと太郎は言った。
    「都市伝説『無人の放送室』の戦闘能力については、みんなにとっては特に強敵と言うわけではないようだね。夕暮れ時に放送がかかった後、放送室から飛び出る刃が本体になるんだ。刃は4~5本で、手当たり次第、近くの人間を狙うよ。まずは廊下、窓から飛び出して次は校庭と獲物を探すんだ」
     今の灼滅者ならば、生徒たちを庇いながら都市伝説を消滅させることも容易いだろう。
     放送室は2階にある。その前には広い廊下があり、階段、窓と特に変わりない普通の校舎だ。
     放課後は校舎への立ち入りが制限されており、生徒は皆開放された校庭にいる。教師たちは一階の職員室で職員会議をしている。この時間、校舎内を見回っている者は居ない。
    「それから、もう知っている人も居ると思うんだけど、民間活動についてだよ。周囲に被害が出ない範囲で『より多くの生徒に事件を目撃』させる作戦を行って欲しいんだ」
     バベルの鎖によって、都市伝説やダークネス事件は『過剰に伝播しない』という特性はあるけど、直接目にした人間には、バベルの鎖の効果はない。
    「たくさんの一般人が都市伝説やダークネス事件を直接目撃する事で、一般人の認識を変えていくのが『民間活動』の主軸となるんだ。だから、できる範囲で目撃者を増やしていこうね」
     民間活動は義務ではないが、より多くの生徒に事件を目撃させる作戦についても考えたほうが良いとのことだ。
     素早く都市伝説を倒すだけなら、放送室の前で待ち構え攻撃してしまえばよい。
     もし、目撃者を増やすのなら、何か作戦が必要だ。
    「事件を目撃した一般人に、今後、どのような行動をして欲しいかを考えて、呼びかけなどを行うのも良いと思うんだ。みんな、よろしくね」
     そう言って、太郎は説明を終えた。


    参加者
    皇・銀静(陰月・d03673)
    泉・星流(魔術師に星界の狂気を贈ろう・d03734)
    七六名・鞠音(戦闘妖精・d10504)
    鈍・脇差(ある雨の日の暗殺者・d17382)
    琶咲・輝乃(紡ぎし絆を想い守護を誓う者・d24803)
    比良坂・柩(がしゃどくろ・d27049)
    富士川・見桜(響き渡る声・d31550)
    陽乃下・鳳花(流れ者・d33801)

    ■リプレイ

    ●夕暮れ時の校庭
     夕暮れ時の校庭では、子供たちが楽しそうに遊んでいた。
     学校に入り込んだ灼滅者たちは、すでに行動を開始している。
     学校の見取り図を確認し、子供たちをどのように誘導するか熟考した後、皇・銀静(陰月・d03673)は犬に変身して子供たちの間へ走っていった。
     子供たちは突然現れた犬を見てはしゃぎ、銀静を追い掛け回すようにして走り出す。
     その様子を校庭の端で眺めながら琶咲・輝乃(紡ぎし絆を想い守護を誓う者・d24803)は思った。
    (「問答無用で人を傷付ける噂まで都市伝説化させるなんて、ラジオウェーブの力も強まってきたということかな」)
     プラチナチケットを使用し、うまい具合に生徒に紛れ込んでいる。
     生徒たちに見つからないよう行動しているのは泉・星流(魔術師に星界の狂気を贈ろう・d03734)だ。箒で飛びながら、校舎の窓をチェックしている。
    「放課後だし、窓は全部閉まっているようだね」
     校舎への立ち入りが制限されていることもあり、教室の窓はすべて閉まっていた。
     季節柄、職員室の窓もキッチリ閉じているようだ。
     これならば、もし都市伝説の刃が窓ガラスを割って飛び出した瞬間、気づくことができるだろう。
     しかし、放送を聞いた者を切り刻んで殺害するなど、随分と血生臭い逸話の都市伝説だと比良坂・柩(がしゃどくろ・d27049)は思う。
    「とはいえ、子供が傷つけられるのはね」
     柩が言うと陽乃下・鳳花(流れ者・d33801)が頷いた。
    「うん。別に認められたくてやってる訳でもないけどさ、まあ、こういうのも悪くないよって、ボクは思うな」
    「ああ。敵が現れたらさっさと終らせるとしよう」
     柩の言葉を聞き、近くに待機している仲間たちが同意を示す。
     七六名・鞠音(戦闘妖精・d10504)は心の中で思った。
    (「深淵を覗く時、深淵もまたこちらを覗いている。綺羅びやかに飾り立てても、私たちは人々にとって異形に他なりません」)
     真実とは、かくも残酷なものなのだろうか、と。
     じき、誰も居ないはずの放送室から放送が流れるだろう。
     鈍・脇差(ある雨の日の暗殺者・d17382)と富士川・見桜(響き渡る声・d31550)は校舎に入り、職員室の近くで待機していた。
     見桜は思う。
     勇気とか希望とか、誰かに与えられる人になりたいと、そう思って生きてきた。
     今がそのときだ、と。
     その時、ザザ、と、雑音の入り混じった音がスピーカーから聞こえた。
    『――は、――で、ザザ、き、こえ、まず――ザ、ザザッ』
     皆が顔を上げ耳を澄ます。
    『きこえますか。きこえたら、しにましょう』
     ザザ、ザザザ。
     脇差と見桜が顔を見合わせる。
    「準備はいいか?」
    「ええ」
     二人は職員室の扉を開けた。

    ●説明と誘導
     職員会議を開いていた職員たちは、突然入ってきた二人を見て怪訝な表情を浮かべた。
    「君たちは?」
     出入り口近くに居た職員が問いかける。
    「この放送はただの放送じゃない」
     見桜がまっすぐ職員を見てそう切り出した。
     自分は学校が苦手だった。勉強もできなかったし、うまくやることも。
     先生はやはりまだ苦手だけれども、そうも言っていられない。
    「これから命が危険にさらされるようなことが起きる」
     はっきりと声に出し、見桜は言う。
     脇差も言葉を重ねた。
    「生徒達が危険だ、急ぎ校庭へ向かって保護を頼む」
    「しかし」
    「何よりも命が大事、事は急を要する。真偽はその目で直接確かめてくれ」
     戸惑う職員たちに、二人は辛抱強く説得を続ける。
    「校舎の中は危ないからどうか外に出て欲しい」
     見桜が窓の外を見た。
     校庭を駆け回る犬を追いかけ、子供たちははしゃいでいる。
    「何よりも命が大事、事は急を要する。真偽はその目で直接確かめてくれ」
     脇差が念を押すように言った。
     職員たちは顔を見合わせ止っている。
    「そこまで言うのなら、何かあるのでは?」
     一人の職員がそう言うと、年配の男性が立ち上がった。どうやら責任のある立場の者のようだ。
    「分かりました。ひとまず出てみましょう」
     職員室に残っていた職員たちが歩き出した。
     一方、校庭でも子供たちへの声かけ、誘導が始まっていた。
     柩が近くに居る子供たちに話しかけ、状況を説明する。
    「『無人の放送室』って聞いたことあるかな? 今の放送がまさにそれ」
    「聞いたことある」
    「怖いよ! 死ぬって言ってた!!」
    「うん。じきに刃が飛んでくるんだ。でも、大丈夫だよ。ボクたちがやっつけるからね」
    「やっつけるの?」
    「そう、そのために、ここに来たんだよ。さ、どうなるか、あそこで見ていて」
     柩の言うことを素直に受け入れた子供たちは、深刻な顔をしながら指差された場所へ走った。
     犬の姿の銀静は、都市伝説の放送を聞くと同時に子供たちを誘導するように走り始めた。
    「あはは!! すごいかわいい! いぬ」
    「まって、まってー!!」
    (「よし、そのままついて来てください」)
     子供たちが銀静を追い、校庭の一箇所に集まっていく。
     鞠音はラブフェロモンを発動し、大きく声を張り上げた。
    「さあ、さあ。お立ち会い。これより現れるは理性の皮を剥ぎ取る残酷無残な幽世の刃。恨みつらみを携えて、無辜に仇為す狂気の刃」
     校庭の端のほうで固まっていた子供たちが首を傾げて鞠音を見る。
    「しかし皆様ご安心あれ、ここに集うは武蔵坂。世の怪異に心中で、三度名を唱えればたちまち現れる現世の刺客」
     子供たちが鞠音のまわりに集まってきた。
    「おねーちゃん、何言ってるの?」
    「わかんねー!」
    「――之は幽世に非ず、皆様違わぬ、『真実』です」
     鞠音は校庭に大太刀を叩きつけ宣言する。
     子供たちはびっくりしたように大太刀を眺めた。
    「ひゃ?!」
    「なになに? なんですか?」
    「わかんねー! でも、かっこいいなー!」
    「えーと、これからちょっと変ったことが起きるけど、出来たらしっかり見てて欲しいな」
     鳳花が子供たちに声をかける。
    「かわったこと?」
    「そう。きっと忘れられない体験になると思うよ」
    「へー!」
    「ちょっと危ないかもしれないけれど、ボク達が守るからさ」
     鳳花が鞠音を見た。
     鞠音は頷く。
     子供たちは二人を見比べ、一箇所に固まった。
     校舎を警戒していた輝乃が異変に気づく。
    『しにましょう』
     スピーカーからまた声が聞こえた。
     そして、勢い良く窓ガラスが突き破られた。
    「出てきた。行くよ」
     輝乃が力を解放する。勿忘草色と白を織り交ぜた着流しを羽織り、影業『獅吼影牙』を展開した。
    「なにそれ! 格好良い! すごい!!」
     周囲の子供たちが輝乃の姿を見て歓声を上げる。
     輝乃は子供たちを庇うように、前へ出た。
     その時、校庭に飛び出してきた刃をめがけて星流が攻撃を放った。
    「一発必中……一撃必殺っ!!!!」
     魔法の矢が刃にぶつかって火花が飛ぶ。
     子供たちは空中に浮かぶ星流を見て、わっと盛り上がった。

    ●『無人の放送室』との戦い
     職員室にいた職員たちが脇差と見桜に守られながら校庭に出てきた。
     職員たちは飛び出してきた刃や盛り上がっている子供たちの様子を見て、子供たちへと駆け出す。
     子供と職員は一纏まりになって戦いを見た。
     犬変身を解いた銀静は闘気を雷に変換して拳に宿し、走る。
    「また一つ出てきました。叩きます」
     そう言って、窓ガラスを破壊して出てきた刃へ向かい飛び上がった。
    「うそ! あの、いぬ、人だった!」
    「すごい! 変身だー!!」
     子供たちは手を叩いて喜ぶ。
     声援を受けながら銀静は抗雷撃を繰り出した。
     刃は意外と脆く、あと1、2度攻撃したら沈むだろう。
     続けて星流がクロスグレイブを構えた。
    「少し……つきあってもらおうか……」
     箒を器用に操り、空中で旋回して刃の正面に出る。
     十字架先端の銃口を開き、光の弾丸を打ち出した。
     飛んでいた刃の勢いが削がれる。
     更にもう一本の刃が窓を突き破ってきた。
     刃を見て見桜が子供たちの前に立ちはだかる。
    「この子達はやらせないよ」
     そう言って、向かってきた刃へ破邪の白光を放つ強烈な斬撃を繰り出した。
    「ひかったー!」
    「こら、あんまり騒がないの」
     興奮する子供たちを諌めながら、教師も戦う灼滅者をじっと見る。
     クルセイドソードが刃を斬った。
     刃は飛ぶ勢いを無くし、それを見た子供たちが沸きあがる。
     背中で一般人の気配を感じながら見桜は思う。自分の背中には何が映るだろう。憧れてもらえたのなら嬉しいのだけれども。
     鳳花はウイングキャットの猫を自身と同じディフェンダーに置き、シールドを持って走った。勢いが削がれ、それでもなお飛ぼうとする刃を思い切り叩く。
    「よし、一つやった。残りは?」
     鳳花が校舎を見た。
     そこには、勢いを無くした刃がもう一つふらふらと飛んでいる。
     そして、走る柩の姿も。
     もう一本、刃が飛び出してきた。
    「さあ、ボクが癒しを得るための糧となってくれたまえ」
     柩は槍を大きく繰り、回転させて突撃する。槍で二本の刃をなぎ払い蹴散らす。
     一つの刃はそれで消え去り、もう一つはまだ緩やかに進んでいるようだ。
     すぐに輝乃が交通標識を持って走った。
    「一般人には近づかせない」
     赤色標識にスタイルチェンジさせた交通標識を振り上げ、刃を殴り倒す。
     刃は地面擦れ擦れまで落ち、だが、再び飛び上がろうと微妙に揺れた。
     すぐに脇差が断斬鋏で刃を斬る。
    「これでトドメだ。平気か?」
     脇差は輝乃を見た。
    「平気。脇差こそ、よく重傷を負うくせに」
     輝乃は脇差を見上げて、息を吐き出す。
     二人は一度視線を交わし、再び走り始めた。
     さて、鞠音は一対の大太刀を扱い、舞うようにして戦場を駆けていた。
     鞠音が舞うたびに、子供たちから拍手が起こる。
     また一つ、刃が飛び出してきた。
    「大丈夫です、みなさんは呪われていますが、祝われてもいます」
     自分の言葉を伝えることが、真実への足がかりとなるのなら、それは道化にもなろう、巫女として伝わらぬことを伝わるように紡ごう。鞠音は大太刀を振り上げ、勢い良く飛ぶ刃を叩き斬った。

    ●声援と灼滅者たち
     子供たちの声援を背に、灼滅者たちは最後の刃へ攻撃を集中させた。
     派手な攻撃に、子供たちは目を輝かせ拍手を送る。
    「ここから叩き落すよ」
     星流が魔法の矢で刃を打ち抜き、言葉通り刃を叩き落した。
     彼がひらひらと宙を舞うたびに、拍手が起こる。
     子供たちは目の前で繰り広げられる戦いに熱中し、今や都市伝説の恐怖も忘れているようだ。
     影を伸ばした鳳花が、落ちてきた刃をしっかりと見ている。
    「見えてる、行くよ」
     影はまっすぐ刃に向かい、飲み込んで刃を砕いた。

     校内放送は、もう聞こえない。
     灼滅者たちが敵の消滅を確認し、説明のため職員と子供たちに向かった。
    「にーちゃんたち、かっこいーなー!」
    「すげー! たたかってるの?!」
     特に低学年の子供たちは、興味津々と言った感じで灼滅者に走りよる。
     脇差は近づいてきた一般人を一通り確認した。
    「誰も怪我してないか」
    「してないし!」
     子供たちが元気に答える。
     そんな脇差の姿を輝乃が納得のいかない表情で見上げた。
    「守るって決めたのに脇差に守られてばかりなのは、何だか釈然としない」
     妙にもやもやするのは何故だろうか。
    「詳しく説明していいかな?」
     柩は子供たちの数を数えていた教員に近づき、武蔵坂学園の活動と、都市伝説やダークネスについて伝えた。
    「信じられないが、はっきりと見てしまったな」
     教員は両手を挙げて窓ガラスの割れた校舎を見る。
     鳳花も同じように説明しながら、持参したチラシを配った。
     そのチラシには、学園や連絡先、灼滅者理解の為のライブハウス観戦会などが記載されている。
    「こーいうのを利用して危ないものを作り出してる存在がいるっていうのは覚えておいてね」
     猫は子供たちの間で飛び回り、一緒に遊ばせている。
     近くでは再び犬の姿に変身した銀静も子供に構われていた。
     鞠音は近づいてきた子供たちと握手をし、少しでも印象付けようと努力している。
     灼滅者たちは一般人に説明を終えた。
     目の前で戦いを見せつけられた彼らは、ある程度理解し納得したようだ。
     見桜は言う。
    「この世界にはこんな風に普通の人が知らない怪物がいる」
     その表情は晴れやかだ。
    「私は普通の人を守りたい」
     思いと共に、仕事を終えた。

    作者:陵かなめ 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2018年2月24日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
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