ソウルボードの異変~謎の電波塔に導かれ

    作者:J九郎

     民間活動の結果でソウルボードに影響が出ていないか、調査を行いたい。
     クレンド・シュヴァリエ(サクリファイスシールド・d32295)の提言で行われた灼滅者有志によるソウルボード探索だったが、想定以上の成果を出す事となった。
    「かつてのソウルボードには無かった感覚を感じますね」
    「えぇ、灼滅者に対して好意的な意思というのでしょうか? それを感じます」
     この時期に灼滅者がソウルボードに入った場合の影響を図ろうとした、九形・皆無(黒炎夜叉・d25213)と、民間活動の成果がソウルボードに影響を及ぼすのではと予測していた、黒嬢・白雛(天翔黒凰シロビナ・d26809)の両名が、ソウルボードの微かな異変を感じ取ったのだ。
     これが民間活動の成果だとすると……と前置きして、異叢・流人(白烏・d13451)が、一つの仮説を提唱する。
    「ソウルボードは種の進化を促し、動物の魂に干渉する存在であるのは確かだな。そうであるならば、動物の……この場合は人間だな、その魂がソウルボードに影響を与えたとしても不思議ではない……」
     民間活動により、多くの一般人が灼滅者の存在を知り、そして、灼滅者に好意的な気持ちをもってくれた。
     それが、ソウルボードに影響を与えたと考えれば、確かに説明はつくかもしれない。
     外道・黒武(お調子者なんちゃって魔法使い・d13527)や、神原・燐(冥天・d18065)は、流人とは違う持論を持っていたが、しかし、この現象が民間活動の成果である事については、不思議と納得できていた。
    「うむ、こっちに何かあるのですか?」
     ソウルボードからの意思に耳を傾けていた皆無が、その意思が示す方向へと進む事を提案する。
     調査隊の面々にも異論は無く、導かれるままにソウルボードの奥に進み続ける事とする。
     ソウルボードを導かれるままに進む事数時間。突然、羽柴・陽桜(ねがいうた・d01490)の所持していた携帯が音をたてる。
    「えっ、どうしたんですか??」
     ソウルボードで携帯が鳴るという、ありえない現象に驚く陽桜。
     しかし、驚くのはこれだけではなかった。携帯から流れてきた放送は……。
    「この放送は……、ラジオウェーブのラジオ放送です!」
     陽桜の言葉に、調査隊は大いに驚いたのだった。

    「……羽柴・陽桜さん達が有志で行っていたソウルボードの探索だけど、重大な発見があったみたい」
     集まった灼滅者達に、神堂・妖(目隠れエクスブレイン・dn0137)はやや高揚した声でそう告げた。
    「……まず、ソウルボード内で『灼滅者に好意的な意思』のようなものを感じたみたい。……これは多分、民間活動の成果だと思うんだけど、その意思に導かれた先で、陽桜さん達は『ラジオウェーブの電波塔』を発見したんだって」
     ソウルボード内に何故、そのようなものがあるのかは分からない。だが、調査隊が所持していた携帯電話がラジオウェーブのラジオ放送を受信した為、この電波塔がラジオウェーブに関係するものであることは確実のようだ。
    「……バベルの鎖で伝播しない筈の都市伝説に関する情報が『ラジオウェーブのラジオ放送』だけ特別に伝わるのは、多分この電波塔が原因だと思う」
     或いは逆に、灼滅者の民間活動と同様に、多くの一般人にラジオ放送を聞かせた事で、このような施設を建設する事ができたのかもしれないが、現時点では特定する事はできない。
    「……どちらにしても、ラジオウェーブにとって重要な施設である事は間違いないから、破壊できるのならば、破壊してしまった方がいい」
     ラジオウェーブの放送が行われている電波塔は、『奇怪で歪な形状』をした45m程の塔だが、左右に触腕のような突起、塔の上部に直径20m近くの頭部があり、その頭部がアンテナのような形で電波を発しているようだ。
    「……その形状から、塔自体が戦闘力を持つ都市伝説のような存在じゃないかと思うんだけど、調査隊の報告では外見以上の情報を得る事はできなかった」
     それというのも、塔に近づこうとすると、塔から発せられるラジオ放送によって周囲のソウルボードが都市伝説に変化して塔を防衛しようとする為、近づく事ができなかったのだという。
    「……一気に多数の都市伝説を撃破すれば、数分間の間敵の圧力が減るから、その隙に距離を詰められるはず」
     都市伝説は数分後には再生して襲い掛かってくるため、電波塔に接触後は、電波塔を攻撃する灼滅者と、再生した都市伝説を迎撃する灼滅者に分かれて、対処する必要がある。
    「……電波塔さえ破壊できれば、それ以上、都市伝説が再生する事は無いと思うから、迎撃側は、それまで耐え抜かなきゃいけない」
     そこで、と妖は話を続ける。
    「……みんなに担当してもらいたいのは『夜中に動き回る銅像の都市伝説』。……具体的には、二宮金次郎、初代校長、半ズボンの男の子の銅像になる」
     この都市伝説は銅像だけにとにかく固いが、戦闘能力はそれほど高くはない。
    「……ただ、他のチームとタイミングを合わせて、できるだけ同時に止めを刺すためには、それなりに戦い方を工夫しなくちゃだめだと思う」
     なお、銅像達はクラッシャー2体、ディフェンダー1体のフォーメーションを取ってくるようだ。
    「……有志による調査で、ラジオウェーブの秘密の一端が解明されようとしてる。調査を行ってくれた皆の努力に報いる為にも、電波塔の撃破を成功させてきてほしい」
     妖はそう言って、灼滅者達に頭を下げたのだった。


    参加者
    色射・緋頼(色即是緋・d01617)
    卜部・泰孝(大正浪漫・d03626)
    柳瀬・高明(スパロウホーク・d04232)
    東雲・悠(龍魂天志・d10024)
    七六名・鞠音(戦闘妖精・d10504)
    備傘・鎗輔(極楽本屋・d12663)
    ラススヴィ・ビェールィ(皓い暁・d25877)
    加持・陽司(暖かな陽射しを胸に抱いて・d36254)

    ■リプレイ

    ●異変のソウルボード
    「まさか、もう一度、此処に来るはめになるとは、ね」
     ソウルボードに降り立った備傘・鎗輔(極楽本屋・d12663)は、周囲を見渡しそう独りごちた。ここに来るのはそう、贖罪のオルフェウスを仕留めた時以来になる。どこかに彼女の意思が残っているのではと、思わず周囲を見回すが、目に飛び込んでくるのは彼方に見える奇怪な電波塔のみだ。
    「ソウルボードに電波塔かあ。皆と繋がっていると言われてるただでさえ謎の多い精神世界で、これ以上不気味なオブジェ増やされちゃたまらんぜ」
     柳瀬・高明(スパロウホーク・d04232)が、緊張を紛らわすようにそんな軽口を叩けば、
    「どうせ建てるなら、もっと別な建物の方が良かったなー。ソウルボードにコンビニとかあったら楽しそうな気がするぜ」
     東雲・悠(龍魂天志・d10024)も殊更に明るく、そう言ってニッと笑った。
    「おしゃべりはそこまでだ。来るぞ」
     ラススヴィ・ビェールィ(皓い暁・d25877)がそう警告を発したのと、ソウルボードが不規則に蠢きだしたのは、ほぼ同時だった。
     蠢いていたソウルボードはたちまちのうちに3つの塊を生み出し、やがてその塊は銅像へとその形状を変えていく。
     薪を背負い歩きながら本を読む二宮金次郎、ステッキを持った恰幅の良い初代校長、そして半ズボンを履いた裸足の男の子。
     3体の銅像は形を成すと同時に、さっそく灼滅者に襲い掛かってきた。まずは男の子の銅像が、その小柄な体からは想像のできない跳躍力で飛び上がると、裸足の飛び蹴りを繰り出す。
    「私の役目を果たすのみです」
     その蹴りを、色射・緋頼(色即是緋・d01617)は緋緋色金刃で受け流し、攻撃を逸らした。
    「泰孝さん、10手詰めです。見えた手を逃すほど甘くないと、示しましょう」
     七六名・鞠音(戦闘妖精・d10504)が、走り来る二宮金次郎像を迎え撃つように大太刀を構えれば、
    「詰めるは10手、されどより速くに王手とするも悪くは無かろうて?」
     卜部・泰孝(大正浪漫・d03626)はそう応じつつ包帯を巻きなおすと、マテリアルロッドを振り上げ竜巻を巻き起こした。そして、竜巻に巻き込まれた3体の銅像の動きが一瞬だけ止まった隙を、加持・陽司(暖かな陽射しを胸に抱いて・d36254)は逃さない。
    「まずは露払いさせてもらいましょうか!」
     構えたクロスグレイブから無数の光線が放たれ、銅像達を飲み込んでいく。
     だが、
    「うわ、ほとんど傷ついてないですね!」
     光線の雨が止んだ時、陽司達が見たのはほぼ無傷の銅像達の姿だった。

    ●不変の銅像達
     二宮金次郎像の持つ本が赤く輝いたかと思うと、炎となって迸り、後衛に控える灼滅者達に襲い掛かった。霊犬のわんこすけやライドキャリバーのガゼルとキツネユリが咄嗟に防御に入る間に、初代校長像はステッキを槍のように振るい、強烈な突きを鎗輔に叩き込んだ。
    「なんだこいつら、全く狙いが読めないぜ」
     『証明の楔』から光弾を放って二宮金次郎に反撃しながら、高明が毒づく。
    「この者らは正に無念無想。故にその挙動、読み難しと見た」
     泰孝は自説を披露しつつ、霊力の塊を撃ち出し、鎗輔の傷を癒していった。
    「要するに、何も考えてないってことだね」
     鎗輔は、断裁靴で初代校長像を迎撃しつつ、泰孝の言葉をそう解釈する。その言葉を裏付けるように、男の子の像が突如ラススヴィ目掛け、重い回し蹴りを放った。
    「予測がつかないならば、動きを封じるまで」
     その蹴りを耐えきったラススヴィは、瞬時に銅像の構造上の弱点を見出し、切り裂かんとする。だが、男の子の像は意外な俊敏さでそれを回避してしまった。
    「硬いだけじゃなくて思ったより動きも機敏ですね。ちょっと厄介かも知れません」
     陽司のダイダロスベルトがラススヴィに巻き付き、その傷を癒すと同時に鎧と化してその護りを固める。
     その間にも、初代校長像がステッキの突きを緋頼に放つが、緋頼は身に纏った『Thousand-Daybreak』でその一撃を受け止めつつ、逆に振りかぶった緋緋色金刃を校長像目掛け一文字に振り下ろしていた。
    「!! この硬さ、銅なんてレベルではありませんね」
     普通の銅像であれば、真っ二つに割れていてもおかしくはない一撃。だが、校長像はわずかに欠けただけで、大したダメージを負ったようには見えない。
    「きっと、この都市伝説を生み出した人達が、銅はとにかく硬いというイメージを、持っていたのでしょうね」
     鞠音は冷静にそう分析しつつ、虚空から無数の刃を召喚し、3体の銅像をまとめて切り刻んでいく。
    「いくら硬くても、やることは一緒さ。とにかくダメージを積み重ねていけば、いつかは壊せる!」
     悠は高く飛び上がると、槍の先端から放ったつららを降らせて初代校長像を凍り付かせたのだった。

    ●迫るリミット
     戦場に、3つのアラームが同時に響き渡った。緋頼、ラススヴィ、陽司がそれぞれセットしていたアラームだ。それは、戦闘開始から9分が経過したことを意味する。
    「時間がありません! 約束の時間まで、後2分!」
     陽司の声には、焦りが混じっていた。他のチームと示し合わせた突破のタイミングは、戦闘開始から10分後。できればその時間に、3体の銅像を同時に撃破したいところだ。
     陽司は味方の攻撃を少しでも支援すべく、ダイダロスベルトを四方へと伸ばし、銅像達の移動範囲を狭めんとする。
    「未だ王手に至らずとは。少々相手を過小評価していたか」
     それまで仲間の回復を優先していた泰孝も、攻めに転じた。腕に巻かれた包帯が解けると、その下から縛霊手が現れ、展開していく。そして瞬時に構築された結界が、銅像達の動きを封じていった。が、
    「む。一体逃したか」
     3体の銅像のうち、男の子の像が結界を逃れ、走り回りつつ強烈なスライディングキックを、鞠音に放った。
    「鞠音にはこの後やるべきことがあります。邪魔はさせません」
     そこに割り込んだのは、緋頼だった。緋頼は足に纏った『薄凍・手毬針』でスライディングキックを受け止めると、『Thousand-Raywing』を男の子の像に絡みつけ、その身に刻まれていた細かい傷を広げていく。
    「緋頼、その子は任せます。これより私は抜き身。雪風の示す敵を討ちます」
     鞠音は手にした魔剣『雪風・礼伏』を構えると大きく踏み込み、結界に囚われた初代校長像との距離を一気に詰める。そして、非実体化した刃を、像の心臓部目掛けて突き刺した。初代校長像はその渾身の一撃でよろめくが、破壊しきるには、まだ足りない。
    「思ってたより硬い相手だったけど、まだ時間はある!」
     銅像達の攻撃が完全にランダムなおかげで、仲間達の中で一番受けているダメージの少ない悠は、捻りを加えた妖の槍を銅像の中で一番傷の浅い二宮金次郎像に突き刺した。こちらも完全に破壊するには至らなかったが、全身に走るヒビが大きく広がる。
    「まだ慌てるような時間じゃないって訳だな!」
     高明も、威力に重点を置いて黙示録砲で逃げ回る男の子の像を狙い撃った。だが、その攻撃は結界を振り切った初代校長像に阻まれてしまう。
    「うまくダメージコントロールするのも、難しいね。わんこすけも、攻撃に回すよ」
     鎗輔は、自らも拳の連打を放ちつつ、霊犬にも攻撃に転じるよう指示を出した。
    「俺達だけ電波塔との決戦に遅れるわけにはいかないからな」
     ラススヴィの放った咎人の大鎌の狙い澄ました一撃が、駆け回る男の子の像の足首を、深く切り裂く。男の子の像が勢い余って転倒した時。
     最後の1分を告げるアラートが、周囲に木霊したのだった。

    ●決死の突破者
    「時は満ちたり。されど、条件は未達と言うべきか」
     泰孝の包帯に覆われた顔に、汗が滲む。だが、最早できることをやるのみと気持ちを切り替え、縛霊手で初代校長像を殴りつけた。泰孝が今繰り出せる中で最大の威力を持った一撃だったが、それでも校長像を完全に砕くには至らない。
    「最悪、誰か一人でも突破させられればいいんだ。まだやれる!」
     高明は内心の不安を押し隠して、気安くそう請け負う。だが一方でその目は冷静に戦場全体を観察しており、
    「砕け散れ!」
     転倒していた男の子の像へ、容赦なく解体ナイフを突き立てていた。
    「これで、まとめて砕けば、みんなを送り出せるよね!」
     そこへ、断裁鉞を構えた鎗輔が飛び込む。全身を竜巻の如く回転させ、3体の銅像を同時に砕くべく、渾身の一撃を放つ。
     だが、反射的に初代校長像が男の子の像を庇いに入り、そのダメージを一身に受け止めた。結果、最も全身の傷が激しかった校長像はとうとう砕け散ったものの、庇われた男の子の像と、これまでの傷の浅い二宮金次郎像までは、倒しきることはできなかった。
     霊犬のわんこすけやライドキャリバーのガゼルとキツネユリも、鎗輔が仕留めきれなかった2体に一斉攻撃するが、それでも削りきるには至らない。
     次の瞬間、転倒していた男の子の像が、跳ね上がるように立ち上がると、最後の力を振り絞るように天高く跳び上がった。そして空中でその身を反転させると、その身そのものを弾丸にしたかのような鋭い飛び蹴りを、ラススヴィ目掛けて放っていた。
    「くっ……、避けきれなかったか。だが」
     自らの受けたダメージと、相手の残りの耐久力を考え合わせて、ラススヴィは決断を下す。本当であればこの戦いの後、電波塔との決戦に赴くつもりでいたが、ここはあきらめざるを得ないだろう。だが、仲間は送り出さなくては。
    「せめてお前はここで仕留めさせてもらう」
     ラススヴィは狼のものと化している腕を振るい、着地した直後の男の子の像を鋭い爪で切り裂いた。既に限界まで傷を受けていた男の子の像は、その一撃を受けボロボロと崩れ去っていった。
    「先へ行く人がいるなら、道を作る人も必要ですからね! 気張りましょうか!」
     陽司が最後の一体になった二宮金次郎像に、炎を纏わせたダイダロスベルトを放った。たちまち炎に包まれる二宮金次郎像。
    「今よ! 鞠音、待ってるから、好きにやりなさい」
     緋頼は、鞠音の進路を切り開くべく、緋緋色金刃に己の持てる力の全てを込めて振り下ろした。その一撃は、二宮金次郎像に食い込みその身を半分まで切り裂く。
     だが、それでも二宮金次郎像は動きを止めなかった。
    「!! 仕留め、切れなかった!?」
     緋頼が唇をかむ隣で、鞠音は手にした魔剣にチラッと目を向け、そして瞬時に今すべきことを判断する。
    「雪風が、敵だと言っている」
     そして振るわれた『雪風・礼伏』は、崩壊寸前だった二宮金次郎像を完全に切り裂いたのだった。
    「みんなの分まで、俺が電波塔をガッツリ破壊してくるぜ! 後は任せた!!」
     仲間達が切り開いた道を、悠が駆け抜けていく。
    「この先に何があるのかは気になりますが、それぞれ役割ってもんがある! さあ行って! ファイトです!」
     全員を代表して、陽司が声援を送った。
     決戦に向かった悠も、残された灼滅者達も、戦いはまだまだ終わらない。
     電波塔を破壊し、都市伝説の発生を止めるまでは。

    ●集う灼滅者達
     電波塔に向かって駆ける悠は、他のチームからも1名ないし2名の灼滅者が都市伝説の守りを突破し、同じように塔を目指しているのを目にした。幸い、全てのチームから突破者はいるようだ。その数、総勢25名。
     彼らの目指す先にあるのは、全高45メートルはあるだろう、奇怪な電波塔だ。
    「あら、随分素敵な塔なの、ね」
     漣・静佳(黒水晶・d10904)が、塔を見上げつつそんな呟きを漏らした。
    「ラジオウェーブの電波塔か。七不思議使いとして興味深い。が、人に害をなすならば滅ぼさねばならぬ」
     御伽・百々(人造百鬼夜行・d33264)が、さっそく電波塔に攻撃を仕掛けようとするが、
    「ちょっと待って。今のうちに隊形を整えておきたいな」
     祟部・彦麻呂(快刀乱麻・d14003)が、勇む百々を留める。そして合流した25人で調整の上、彦摩呂を始め野乃・御伽(アクロファイア・d15646)、三蔵・渚緒(天つ凪風・d17115)、ルフィア・エリアル(廻り廻る・d23671)の4人が不足していたディフェンダーに移った。
    「そんじゃ改めて行くか。よくもまぁ、こんな堂々としたもん建ててくれてよ。撤去作業も楽じゃねーんだぞ」
     御伽が軽口を叩きつつもニヤリと口角を上げる。
    「やけに既視感のある建物だが、そんなことはどうでもいいか。さあ、ヒーロータイムだ!」
     天方・矜人(疾走する魂・d01499)が、帯電した拳を電波塔の根本に叩きつけたのを皮切りに、灼滅者達の一斉攻撃が開始された。
    「……斬り裂く」
     アリス・ドール(絶刀・d32721)が絶刀『Alice the Ripper』を振るって塔の基部に深い傷をつければ、
    「ソウルボードに穢い物を……。ここはシャドウのものでも、お前達のものでもない!! ここは、人の、拠り所だ!!」」
     聖刀・忍魔(雨が滴る黒き正義・d11863)は怒りを込めた【鋸引鬼】斬魔の戦艦斬りを塔の壁面に叩き込み、
    「色々と思うところはあるが、まずはこいつを破壊しないとな」
     白石・明日香(教団広報室長補佐・d31470)は『縛鎖グレイプニル』を伸ばして遥か上方で蠢く触腕のような突起に突き立てる。
    「民間活動を通して得た一般の人達との確かな交流。一つ一つ結んだその絆がここへ導いてくれたというのなら」
     鈍・脇差(ある雨の日の暗殺者・d17382)が怪談蝋燭から炎の花を飛ばせば、
    「ここまで導いてくれた思いの為にも、此処でしっかり片付けないとな」
     天宮・黒斗(黒の残滓・d10986)は、電波塔の壁面をローラーダッシュで駆け上りながらその摩擦熱で炎を発生させ、塔自体を焼いていった。
    「ソウルボードには、コルネリウスの慈愛の心も残っているはず。そのソウルボードを、好きにはさせない」
     文月・直哉(着ぐるみ探偵・d06712)も、ウロボロスブレイドに炎を宿らせ、電波塔に火を燃え移らせていく。
     一斉攻撃を受け、電波塔が苦しむようにその巨体を身じろぎさせる。そして塔の上部に備え付けられたアンテナのような頭部が、下を覗き込むように動いた。その頭部にある、抽象画のような目が、カッと見開かれる。
    「……気をつけて下さい。何か、仕掛けてきます」
     電波塔の動きを注視していた奇白・烏芥(ガラクタ・d01148)が、警告の声を挙げつつ前に出た刹那。
     電波塔の“目”から怪光線が放たれ、攻め寄せる灼滅者達を薙ぎ払っていった。
    「ラジオ放送だけじゃなくて、電波塔まで人を襲うのか!」
     ビハインドのカルラと共に仲間達の盾になりつつ、渚緒が叫ぶ。
    「なんにせよ、不穏な物は壊してしまえば関係ないさ」
     ルフィアは背中に光る羽を展開させて、バリアのように怪光線を防ぐと、お返しとばかりに黙示録砲を撃ち放った。
    「さすがにこの人数ですと、光線が拡散して本来の威力を発揮できていないようですね」
     怪光線が止んだ隙に、黒乃・璃羽(ただそこに在る影・d03447)が傷ついた仲間をイエローサインで癒していく。
    「ラジオウェーブめ、私たちの家を荒らすなんて許せない…っ! その醜い鉄塊をぶっ壊して、そしてお前の首を絞めてやるわ!」
     同じく仲間達を癒すべく駆け回りつつも、そう憤慨するのは今井・紅葉(蜜色金糸雀・d01605)だ。
    「この戦い、決して負けられません! たとえ電波塔の力が無限であっても、その無限倍私達は強い!」
     志穂崎・藍(蒼天の瞳・d22880)は怪光線が止まったと同時に塔に駆け寄り、跳び上がりつつ電波塔を殴りつけた。多くの人の力を借りてここまで来たのだから、その期待に応えるためにも前に進まなくてはならない。
    「送り出してくれた仲間の、信じてくれた普通の人たちの、信頼には応えたいから」
     居木・久良(ロケットハート・d18214)も背負っているものは同じ。久良は『454ウィスラー』から焼夷弾を、
    「そしてできるなら、このまま主を釣り上げたいね」
     久良と同じ戦場を潜り抜けてきた外道・黒武(お調子者なんちゃって魔法使い・d13527)は指の先から漆黒の弾丸を撃ちだし、電波塔への反撃を開始する。
     そして電波塔に対し、思わぬアプローチをみせたのは鹿島・狭霧(漆黒の鋭刃・d01181)だ。狭霧は電波塔の壁を蹴って高く跳び上がると、小さく短冊状に切ったアルミホイルの束を周辺にばら撒いた。チャフ替わりに用い、少しでも電波を妨害できればという意図からだ。
    「電波の放送を阻止するとまで言わない、敵の都市伝説達を攪乱できれば御の字よ」
     ラジオウェーブの特殊な電波が、こういった方法で本当に阻害できるかどうかは分からないが、やってみなければ無駄かどうかも判断できない。
     と、ブゥンと空気を裂く音を伴って、電波塔の触腕のような突起が、突如鞭のように伸びて狭霧に絡みついてきた。触腕は、狭霧の体を引き裂かんとするかのように強く締め上げてくる。
    「元より形のないもの。疾く雑音に返るが良い」
     突如、御神・白焔(死ヲ語ル双ツ月・d03806)の声が頭上から響いた。いつの間に塔を駆け上っていたものか、白焔は触腕の付け根に、的確にバベルブレイカーを打ち込む。
     触腕の締め付ける力が弱まった隙に振りほどいて脱出した狭霧の落下を受け止めるように、四月一日・いろは(百魔絢爛・d03805)が殺戮帯【血染白雪】を伸ばした。
    「どっかに入り口がないかと思って塔に近づいてて正解だったね」
     【血染白雪】で落下速度を相殺させたいろはが、安堵の声を漏らす。
     同じように、紅羽・流希(挑戦者・d10975)も入り口を探して、塔の外周を巡っていた。
    「コルネリウスが消えた場所で、また、戦ってるとは、な。彼女との約束、俺達は守れたんだろうか……」
     一年前、コルネリウスを看取った経験から、そんな感慨を口にする流希。
    「それにしても、このソウルボードは誰由来なんだろうな」
     疑問を抱えて戦っているのは、新沢・冬舞(夢綴・d12822)も同じだ。冬舞はダイダロスベルトを伸ばして電波塔の触腕を牽制しつつ、少しでも情報になるものはないかと周囲に注意を向けるのだった。

    ●ラジオウェーブの目的
     戦闘が続いていても、塔から発する電波は、途切れることがなかった。
    「あの電波は、都市伝説を蘇らせているわけでは無さそうだな」
     御伽が、鞭のように振るわれる右触腕を阿修羅で受け止めつつそう呟けば、
    「そうだの。蘇らせるというより、同じ都市伝説を新たに作っておるように見える」
     触腕を手術のような精密さで切り裂いた百々が、そう応じる。
    「ってことは、電波塔はソウルボードのエネルギーを利用して、都市伝説を製造する工場みたいなものってこと? 無限に都市伝説を生み出し続けるなんて厄介だよね」
     未だに塔への侵入口を発見できずにいるいろはが、うんざりした表情を浮かべると、
    「……無限というわけじゃないと思う。……多分、維持する事ができる上限が……決まってる」
     アリスが輝光『Area of gold wolf」を抜き放ちつつ、自身の推測を口にした。
    「つまり、破壊されて上限に空きができるまで、次の都市伝説が作れないということか」
     ルフィアは影の先端を刃に変え、触腕に斬りつける。
    「ってことは、逆に言えばこんな電波塔が次々に建設されてしまえば……無限の都市伝説という悪夢のような軍勢の出来上がりってこと?」
     狭霧は顔をしかめると、触腕を足場に塔を駆け上がり始めた。やはり、電波を止めるにはアンテナ状の頭部を破壊するしかないと、そう考えたのだ。

    「ラジオウェーブは何故此処にこんなものを建てた? ソウルボードを中継にして都市伝説を広めているのか?」
     忍魔は、憤りのままに狼のそれと化した爪を縦横に振るい、電波塔の本体に着実にダメージを与えていった。
    「それは違うでしょう。シャドウが支配していた頃に、このような建造物があったとは思えません。こんな妙な塔、誰かが作ったのか人の無意識が自然と造り上げたのか、想像もつきませんが」
     璃羽が淡々と、だが的確にそう言葉を返す。
    「シャドウが滅んで、戦力の空白地帯となったソウルボードを侵略したってことじゃないのか? ま、電波塔を建てたのは、どうせ都市伝説を作り出すためとかのロクでも無い理由だろうけどな!」
     高くジャンプして槍の先端から氷塊をアンテナ部分目掛けて放っていた悠目掛けて、塔の各所の極彩色の模様から、虹色の光線が降り注ぐ。璃羽は、空中で逃げ場もないまま直撃を受けて落下してきた悠を癒しながら、
    「もしかしたら、考え方が反対なのかもしれません」
     ふとそんなことを呟いた。
    「逆? ラジオウェーブは、都市伝説を生み出す為じゃなく、ソウルボードに拠点を作る為に、都市伝説事件を起こしていたというのか?」
     忍魔が愕然とそう聞き返す。だが、ここにいる誰もが、その仮説を証明する手段も情報も持ち合わせてはいなかった。

    「でもまあ、ソウルボードがこんな風に変わるとは思ってなかったぜ。ラジオウェーブがソウルボードに、こんな影響力を持っている理由も気になるな」
     黒斗はハサミ状に変形した左触手を『Black Widow Pulsar』で迎撃しつつ、そんな疑問を放ってみた。
    「それは、シャドウがいなくなり、戦力の空白地帯になったからだろう?」
     冬舞は、自身の複雑な思いを押し隠しつつ、そう答えた。闇堕ちしていた頃にオルフェウスの配下だった冬舞にとって、オルフェウスの溶け込んだソウルボードは、やはり特別な場所だ。
    「そいつは理由にはならないな。それじゃ、他のダークネス組織や俺達灼滅者が、ソウルボードを自分の戦力にできないことの説明がつかないだろ?」
     矜人は、触腕のハサミに鋼鉄のように固めた拳を打ち付けると、改めて周囲に広がるソウルボードに目を向ける。
    「他のダークネスとラジオウェーブの違い……、都市伝説の存在、か?」
     白焔は前触れも見せずにガトリングガンを取り出すと、精密にハサミの付け根に銃弾を集中して浴びせ掛け、ついでのように自らの推測を口にした。
    「都市伝説だけなら、ラジオウェーブが現れる以前にも存在してたよ! って、わわっ!?」
     七不思議使いの彦麻呂が自信を持ってそう言った瞬間、触腕のハサミが銃弾を掻い潜って彦麻呂を挟み込んだ。彦麻呂を助け出すべく皆が攻撃をハサミに集中させる中、彦麻呂の脳裏をよぎったのは……、
    「あ! ラジオ放送っ!!」
     バベルブレイカーの杭打ち機構を利用してなんとかハサミをこじ開けつつ、彦摩呂がそう叫ぶ。その瞬間、冬舞が先ほどまでの銃撃で弱っていたハサミの付け根を解体ナイフで切り裂いた。ハサミの一方の刃がドウッという重たい音と共に地面に落下し、彦麻呂が解放される。
    「そうか。本来バベルの鎖によって伝播しない情報を、ラジオ放送によって伝播させる力。その力と、今回の電波塔事件は、似てるってことか」
     矜人の出した結論に、その場にいた全員が頷いた。

    「やはり、コルネリウスの意志は感じないな」
     流希は塔への侵入を諦め、周囲にこの塔を作り上げた存在がいないか調査しつつ、独りコルネリウスの気配を探っていた。もちろん、敵の攻撃には充分注意を向けた上でのことだ。
    「けれど、コルネリウスの意志が消えても、慈愛の心がある限り、ソウルボードをラジオウェーブに汚させは、しない」
     そう決意を固めた時。殺気にも似た何かを感じ、流希は頭上を振り仰いだ。そこには、アンテナ状の奇怪な頭部があり……、その頭部がニヤッと笑うように歪んだのを、流希は見た。次の瞬間、塔から放たれた集束された怪光線が、流希に直撃する。
     突破するまでの戦いでも傷を負っていたこともあり、流希の意識は一瞬で闇に飲まれていった。

    ●ソウルボードの謎
     戦いは続く。既に塔はあちこちがひび割れ、両の触腕もかなりの損傷を受けていたが、灼滅者側も少なくないダメージを受けていた。
    「ガイオウガの知識によれば、全ての知的生命体にはソウルボードの力が宿っている。その一般人が闇堕ちした時にダークネスとなる為の力も、ソウルボードにはある」
     明日香は右触腕の大地を抉るような攻撃を紙一重で回避しながら、そう独り言ちる。だからこそ、人類を管理する者が必要なのだと、密かにそんなことを思いながら。
    「なら、ラジオの放送を通じて一般人に働きかける事で、ラジオウェーブは『その一般人に繋がりのあるソウルボードの力』を利用できるようにしているの?」
     耳聡く明日香の呟きを聞きつけた紅葉は、怪談蝋燭から煙幕のように黒煙を立ち昇らせながら、そう尋ねた。
    「……その可能性はあるのか? ……いや、良く分からないな」
     烏芥はそう答えつつ、意識をすぐに触腕へと切り替える。ビハインドの揺籃と同時に、日本刀を全力で振り下ろし、深い傷を刻み込んでいった。猛攻から逃れるように、触腕が大きく跳ね上がろうとした時。
    「逃がさないぜ!」
     明日香が『不死者殺しクルースニク』を構えて跳び上がり、右触腕を半ばから斬り落としたのだった。

    「ソウルボードは一般人にも繋がっている。だからもしかしたら、一般人がソウルボードに影響を与えるというのも、本当にあることなのかもしれない」
     久良は塔本体を駆け上り、頭部を目指していた。そんな久良を頭部には至らせまいとするかのように、本体に刻まれた奇怪な模様から放たれた七色の光線が彼を狙う。だが、させじと渚緒が割り込み、光線を代わりに受け止めていた。
    「確かにソウルボードの中には、僕たちに友好的な気配を感じるね。これが民間活動の成果なら、頑張ってきた人の分まで僕も頑張る。みんなに後を託されたなら負けられないよ」
     光線に焼かれ、ボロボロになりながらも渚緒は決して挫けない。清めの風を吹かせて、自分と仲間達の傷を癒していく。
    「ラジオウェーブだけがバベルの鎖を超えることができる理由がこの電波塔にあるのだとしたら、私達の民間活動も、ソウルボードを使用することで伝えることができるかも」
     藍は虹色の光線が止んだ隙をついて、本体に向けて拳の連打を浴びせかけた。相手は大きすぎて容易に砕けるとは思えないけれど、希望は常に胸の中にある。
    「いえ、もしかしたら民間活動を続けていれば、私達もソウルボードを利用できるようになるのかな?」
     そんな可能性を確かめるためにも、ここが頑張りどころだった。

     脇差は、欠けたハサミで突き刺そうとしてくる左触腕の攻撃を敢えて受け、腹を貫かれながらも動きの止まったハサミ目掛けて何度も拳を叩きつけていった。
    「ラジオウェーブがソウルボードを利用した方法も気になるけど、そもそも、ソウルボードって何なんだろうな?」
     そんな言葉が口をついて出たのは、脇差なりの強がりだろうか。
    「それは、難しい問い、ね。生物に、どうして、意志があるのか? というのと、同じ問い、だもの」
     問いに答えつつ静佳の放った光条が、全快とまではいかないまでも脇差の傷を癒していき、
    「哲学問題だね。でも、ソウルボードとは何かが分かれば、多くの謎が解明されるような気がするよ」
     黒武の放った魔力の弾丸が、遂に左触腕のハサミを粉々に粉砕したのだった。

    ●砕け散る電波塔
     両の触腕を失い、電波塔の防衛機能は大幅に低下していた。だが、灼滅者側もまた、多大なダメージを負い、戦闘継続が不可能な者も何名か出ている。烏芥のビハインドである揺籃も、既に消滅してしまっていた。
    「……」
     それでも、烏芥は無言で刀を振るい続ける。傷付く事も死も恐れずに、全力で。
    「知れ! 人は闇に敗けたりはしないと!!」
     忍魔も、全身に傷を負いながらもなお、【鋸引鬼】斬魔で塔に深い傷を刻み込んでいった。
    「ぶっちゃけ、塔を全壊させなくてもアンテナ部分である頭部を破壊すれば、それで一時的に放送は出来なくなるハズ」
     そんな中、塔の上部に到達していた狭霧は、迷いなく頭部に攻撃を集中させていた。
    「……最速で……斬り裂く」
     狭霧と共に塔を昇ってきたアリスも、神速の居合斬りでアンテナを斬り裂いていく。
    「この目が弱点と見たが、さて」
     百々が巨大な目にマテリアルロッドを突きつけると、頭部が悶絶したように大きく振り回された。その衝撃で、頭部に取り付いていた灼滅者達は一気に眼下の地面まで吹き飛ばされる。さらに追い打ちをかけるように放たれた怪光線が、灼滅者達を薙ぎ払っていった。落下時の衝撃も合わさって、狭霧が力尽きたように倒れる。
    「それ以上は撃たせない」
     次の瞬間、いつの間にか塔を駆け上っていた白焔が、頭部の巨大な目にバベルブレイカーの杭を打ち込んだ。既に百々の一撃で深く傷ついていた目が、その一撃で完全に潰される。
     そして、
    「一気に行くぜ!」
    「どこまでも真っ直ぐに!」
     白焔の後に続いて塔を駆け上っていた悠と久良が、同時に宙へ跳んだ。
     二人を迎撃すべく塔本体に刻まれた模様から七色の光線が放たれようとするが、
    「ここで邪魔はさせないぜ」
     それよりも速く放たれた黒武の魔法弾が出鼻を挫き、光線の発射をわずかに遅らせる。
     その一瞬に悠は空中で反転すると、妖の槍に限界まで回転を加え、落下の速度も威力に変えて、アンテナを刺し貫いた。
     そして久良は、構えたモーニング・グロウのロケットに点火すると、一気に真っ赤になったハンマーをアンテナに全力で振り下ろした。その2連撃を受け、アンテナが真っ二つに割れていく。
     轟音と共に2つに割れたアンテナが地面に落下し、同時に電波塔はその動きを完全に停止した。
    「人を襲うラジオ放送もここで放送終了、かな」
     渚緒が安堵の息を漏らす。これで都市伝説の再生も打ち止めになるだろう。
     こうしてソウルボードでの戦いは、ひとまずの終わりを迎えたのだった。

    作者:J九郎 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2018年3月6日
    難度:やや難
    参加:8人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 15/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 0
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