カボチャマスク、現る

    ●都内某所
     この時期になると、噂される都市伝説がある。
     その都市伝説は、カボチャマスクと呼ばれる怪人について語られたもので、カボチャ頭にシルクハットを被り、マントを翻して颯爽と現れると人々を襲い、自分が現れた証拠としてパンプキンマスクを被らせていくらしい。
     どうやら、カボチャマスクの目的は、ハロウィンを終わらせないために人々を襲って、自分の存在をアピールする事。
     その噂から生まれたのが、今回の都市伝説である。

    「このまま放っておけば、ハロウィンの季節が過ぎても現れ、そのうちトナカイに乗って現れるようになるかも知れない」
     険しい表情を浮かべながら、神崎・ヤマトが今回の依頼を説明し始めた。

     今回倒すべき相手は、カボチャ頭の変態野郎。
     コイツは無駄にすばしっこく、カボチャの種を飛ばして攻撃を仕掛けてくる。
     しかも、カボチャマスクを被らせた相手を自由に操る事が出来るらしく、罪もない一般市民が操り人形と化して辺りを彷徨っているようだ。
     まずは、操られて一般市民を助け出し、カボチャマスクを倒してくれ。


    参加者
    風巻・雛(ナッハヴェーラー・d00113)
    東雲・夜好(ホワイトエンジェル・d00152)
    影道・惡人(シャドウアクト・d00898)
    橘・散里(夏ノ君・d01560)
    新城・七波(藍弦の討ち手・d01815)
    黒水・蓮(無貌の蒼闇・d02187)
    ディーン・ブラフォード(バッドムーン・d03180)
    天月・一葉(自称萌えの探求者見習い二号・d06508)

    ■リプレイ

    ●カボチャの季節
    「南瓜なんて……、例えハロウィンだって生かしておけないのに、もっと留まろうとするなんて、サイッテー!」
     不機嫌な表情を浮かべながら、東雲・夜好(ホワイトエンジェル・d00152)が都市伝説の確認された場所に向かう。
     巷では既にハロウィンが終わっている。
     それこそ、ハロウィングッズがワゴンに並んで、半額以下で売られている始末。
     そんな状態であるにも関わらず、出しゃばろうとする都市伝説が許せない。
    「まあ、個人的には見たいんですけどね、トナカイに乗るカボチャ頭さん」
     何故かキョンシーの格好をしつつ、橘・散里(夏ノ君・d01560)が答えを返す。
     だからと言って、被害が増える事を容認する事は出来ない。
     放っておけば、被害は拡大していくばかり。
     それこそ、街にはカボチャマスクを被った一団が闊歩し、クリスマスどころではなくなるかも知れないのだから……。
     そんな事を考えていると、噂の一団がチラリ。
     先頭にいるのは、都市伝説。
     まるでハーメルンの笛吹きの如く、操った一般人を誘導する様は、滑稽。
     操られた一般人達もゾンビの如く唸り声を響かせ、次の獲物を探しているようである。
    「皆さん、もうハロウィンは終わりですよ。あちらへ移動してください」
     一般人達を射程範囲内に捉え、新城・七波(藍弦の討ち手・d01815)が改心の光を使う。
     しかし、一般人達はただ操られているで、悪人と言う訳ではない。
     本人の意思に反して、身体が動いているようだった。
    「祭りは終わるからこそ楽しいのだ。お菓子を貰ったら、とっとと元の世界へ帰るのが道理だぞ、ジャックランタン」
     魔女の格好にして都市伝説と対峙し、黒水・蓮(無貌の蒼闇・d02187)が言い放つ。
     だが、都市伝説は余裕な態度で笑い声を響かせ、蓮達がいる方向とは逆方向に逃げていく。
    「さてさて、ハロウィン最後の追いかけっことしゃれ込みますか!」
     自分自身に気合を入れ、風巻・雛(ナッハヴェーラー・d00113)が走り出す。
     それに気づいた一般人が唸り声を響かせ、すぐさま雛達の行く手を阻む。
    「カボチャさんが沢山いますねぇ! 残念ながらハロウィンは終了ですよっ。目を覚まして下さーい!」
     ハロウィン気分が抜けぬまま、天月・一葉(自称萌えの探求者見習い二号・d06508) がネコミミと尻尾を付けた状態で、一般人に語りかける。
     しかし、一般人達は全く躊躇う事なく、頭を揺らして迫ってきた。
    「……たくっ! 面倒臭ぇな。大人しく倒されてりゃいいのに……」
     鬱陶しそうにしながら、影道・惡人(シャドウアクト・d00898)が操られている一般人達をジロリと睨む。
     おそらく、一般人達も自分の意志に反して、行動をしているのだろう。
     その動きにはほんの少しだけ躊躇いが感じられた。
    「邪魔だ……、失せろ!」
     イライラとした様子で、ディーン・ブラフォード(バッドムーン・d03180)が警告する。
     だが、一般人達はその警告を無視して、ディーン達に襲いかかってきた。

    ●一般人
    「ちょっと痛い目に遭うかも知れないが、不幸な事故に遭ったと諦めろ」
     念のため、一般人に対して警告した後、ディーンが殺界形成を使う。
     先程と比べて都市伝説が離れたせいか、一般人達も動揺している様子。
     それでも、催眠効果が効いているため、強引に体を動かして攻撃を仕掛けているように見えた。
    「怪我をする前に止めた方が身のためですよ」
     セクシーメイド服姿でほんのり色気を漂わせ、一葉が一般人達をギリギリまで引きつけてラブフェロモンを使う。
     その途端、一般人達の中で煩悩が膨れ上がり、都市伝説の催眠パワーを退けた。
    「何とか、落ち着いたようですね。さて、他の人達も……ふふ、ふふふふふ……」
     含みのある笑みを浮かべながら、散里が両手をワシャワシャさせて、一般人に迫っていく。
     それに気づいた一般人が『ひ、ひぃ!』と叫んで首を振ったが、再び操られても困るため、容赦なくカボチャマスクを剥ぎ取った。
     おそらく、一般人達は今日の出来事を悪い夢だと思って処理する事だろう。
     そっと目を閉じれば、散里の不気味な笑顔が浮かぶ。
     その間に都市伝説はどんどん遠くに……。
    「逃げる奴を切り刻む趣味はないけど、操るだけ操ってケツまくるのはかっこわりーんじゃね」
     一般人の頭を踏み台にして飛び上がり、雛が家の屋根に上って一気に距離を縮めていく。
    「おい、こら! 待ちやがれ! 正直さ、飽きちゃってんだよ。カボチャ飾った景色。そろそろ消えてくれねーか?」
     続いて惡人がライドキャリバーのザウエルに乗ったまま、都市伝説めがけてガトリング連射。
     それでも、都市伝説は立ち止まる事無く、マントをバサッと翻して、そのまま走り去っていこうとする。
    「逃がしませんよ」
     都市伝説の前に陣取り、七波が都市伝説に斬影刃を放つ。
     その一撃を食らって都市伝説がバランスを崩し、傷ついた身体を庇いつつ、口から大量にガボチャの種を吐いて反撃をした。
     すぐさま、夜好のナノナノがカボチャの種を素早く避けたが、それが原因で背後にいた夜好の顔に全弾命中!
    「いたたっ、タネなんて飛ばしてきて、うざったらしいったらないわ! どうせ食べれない南瓜なんだから、粉々になっちゃえばいいのよ!」
     ムッとした表情を浮かべ、夜好がギルティクロスを放つ。
     その後ろでナノナノが申し訳なさそうにしているが、怒りの矛先は都市伝説に向いている様子。
     しかし、都市伝説は口から長い舌をペロッと出し、夜好を挑発するようにして笑い声を響かせた。
    「そうやって笑っていられるのも、今だけだ」
     都市伝説の背後に回り込み、蓮が影縛りを仕掛ける。
     それに気づいた都市伝説が即座に回避し、再び逃げようとしたが、その時には他の仲間達が既に追いついた後だった。

    ●都市伝説
    「オラオラ、さっきまでの威勢はどうしたっ!? この状況でも逃げられると思うのなら、やってみやがれ」
     都市伝説を挑発しながら、惡人がホーミングバレットを撃ち込んだ。
     それでも、都市伝説は必死に逃げようとしていたが、どの道も塞がれて身動きが取れない。
    「ぼいんじゃない都市伝説なんて恐るるに足らず!! まぁ、ぼいんでも負けませんけどね! ……気持ちだけは」
     何となく悔しい気持ちになりつつ、一葉が都市伝説にティアーズリッパーを炸裂させる。
     そのため、都市伝説も覚悟を決めた様子で、カボチャの種を飛ばして反撃をした。
    「まさか種を飛ばしたくらいで、私達が怯むとでも思っているのか!?」
     カボチャの種を消し去る勢いで、蓮がデッドブラスターを発動させる。
     それに合わせて、散里が都市伝説めがけて、ジャッジメントレイを放つ。
    「ハロウィンは終わった。あとは冬至まで大人しくしていろ」
     続け様に攻撃を食らって怯んだ都市伝説の懐に潜り込み、ディーンが近距離から紅蓮撃を叩き込む。
     その一撃を食らって都市伝説の体が炎に包まれ、辺りにカボチャの焦げた臭いがもわんと漂った。
    「カボチャは終了です」
     反射的に片手で口元を押さえつつ、七波が影縛りを仕掛ける。
     それと同時に都市伝説の動きが封じられ、その口から吐きかけの種がボトボトと零れ落ちていく。
    「アンタはハロウィン専用。クリスマスはサンタやトナカイに任せときな。今年の悪霊達の夜はおしまいだ。また来年きな」
     都市伝説に別れを告げ、雛がギルティクロスを放つ。
     次の瞬間、都市伝説が『嫌だァ!』と叫び、辺りに弾け飛ぶようにして消滅した。
    「ふふんっ、悪は滅びたわ! まだスイカマスクだったら、手加減してあげない事もなかったんだけどね~♪」
     都市伝説が消滅した事を確認し、夜好が勝ち誇った様子でフンと鼻を鳴らす。
     ……とは言え、顔中種だらけ。
     しかも、微妙にカボチャ臭い。
     おそらく、洗えば大丈夫だとは思うのだが、その間も脳裏に不安が駆け巡る。
     とにかく早めに顔を洗って嫌な事からオサラバしたいと言うのが、本音。
    「トリックオアトリート!」
     そう言って散里が一般人達のいるところまで戻り、大量のお菓子をバラ撒いていく。
     それを見た夜好がクスッと笑って、その場を後にするのであった。

    作者:ゆうきつかさ 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2012年11月5日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 4/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 1
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