●とある調理学部生の決意
とある春の日の、武蔵坂学園の調理室。
「私も、この春で調理学部の4年になる。――そろそろ、私が食欲だけを磨いていた訳ではないと、調理技術も磨いていたのだと、皆に見せつけておこうかと思うんだ」
「……ええと」
何故か包丁ではなく刀を持ってそうのたまった上泉・摩利矢(大学生神薙使い・dn0161)を、夏月・柊子(大学生エクスブレイン・dn0090)が珈琲片手に、この人はまた何を言い出すんだろう、的な目で眺めていた。
「と言うか、食欲も磨いてたのね?」
「まあ……それはそれとしてだ」
あ、さておいた。
「調理技術を示すなら、やはり料理だろう」
ですね。
「と言うわけで、食材を貰って、弁当にしてみせようと思う」
「つまり、こう言う事? ご飯かパンは用意するから、おかず用に1人1品以上食材を持ってきて貰って、提供者には翌日お弁当にして届ける、と」
「そうそう」
色々抜けてた言葉を補足した柊子の言葉に、頷く摩利矢。
「食材によっては、下拵えに時間がかかる事もあるからな」
ならいっそ、翌日の弁当にする事にした方が、調理もし易い。
「しばらく天気も良さそうだし、まだ花見が出来る場所もあるだろう。花見弁当にでもなれば、と思ってな。別にただの昼食でも、夜食にして貰っても、何でもいいさ」
「わかった。そう言う事なら、食材集めてる事は私からも伝えておくわ」
摩利矢に1つ頷いて、柊子は席を立つ。
最初は何を言い出すかと思ったが、悪くない。
ただ1つ気になるのは、現時点ではどんな食材を使うのか不明だという、ある意味、闇鍋的な要素。
「変わった食材ばかり集まって、頭抱える事にならないといいけど」
「大丈夫だろう。皆、私より常識的だぞ」
摩利矢の言葉が、いわゆるフラグにならない事を、祈るばかりの柊子であった。
●集まりしもの
「摩利矢は、何か得意料理はできたのかしら?」
「焼くか揚げるのかな。時間とか量をきっちり計るのは苦手だ。でも、菜の花もふきのとうも大根も、昔、里でも見慣れてる」
刻野・晶(サウンドソルジャー・d02884)と刻野・渡里(殺人鬼・d02814)が持ってきた食材を見比べながら、摩利矢が晶に返す。
「タコ焼きプレートってあります?」
「ああ、確かあったと……これ?」
朝倉・くしな(初代鬼っ娘魔法少女プアオーガ・d10889)の問いに、摩利矢が調理室の中から屋台にも使えそうな大型のタコ焼きプレートを引っ張り出す。
「それですっ。あとはこの材料セットさえあれば、他の具材なんでもタコ焼きが、可能! 使い方判ります?」
簡単にタコ焼きプレートのレクチャーをしたくしなと入れ替わりに、茨木・一正(己と向き合う鬼面像・d33875)が入って来る。
「僕ら2人の分は、上泉の姉御にお任せするですや」
一正はベーコンとアスパラガスを置いてそう言い残すと、廊下で待っていたくしなと連れ立って去っていった。
「ところで、そちらは材料何を持ち込みました?」
「私はですね――」
2人の声が遠ざかる。
「エビなのです! エビフライでもエビチリでも美味しいんですよね♪」
羽柴・陽桜(ねがいうた・d01490)が持ってきたのは、バナメイエビ。クルマエビに近い種である。
「お弁当作りのお手伝いもしたいのですけど、良いですか?」
「構わないよ。でも、参考にはならないかもしれないぞ?」
弁当作りの様子を見て勉強したいという陽桜を中に促す。
次に、糸括の3人が食材を持って来た。
「あたしはね、椎茸と納豆と――じゃーん! 生ナマコっ!」
久成・杏子(いっぱいがんばるっ・d17363)が開けたクーラーボックスの中には、赤黒く細長い生物が。
「最近おぼえたのっ。酢の物にしなくってのね、とってもおいしいの! でも調理方法はまりや先輩におまかせなの」
「……俺それパス」
笑顔で説明する杏子の横で、木元・明莉(楽天日和・d14267)がドン引きしていた。
「むー。じゃあ、あかりん部長は何を持ってきたなの?」
「なると金時とうずらと鶏の卵とたまねぎ」
小さく頬を膨らませる杏子に、明莉が食材を広げる。
「普通なの」
「普通ですわね」
「普通だな」
「敢えて普通のモノ揃えてみたから狙い通り」
摩利矢を含め普通の評価に、笑って返す明莉。
「ざんしょ先輩は?」
「わたくしはウィンナーを持ってきまわしたわ!」
杏子の問いに小向・残暑(絵本の魔法・d36555)が広げたウィンナーを見た摩利矢の目がキラリと輝く。
「杏子様のナマコと、大体お仲間ですわね!」
タコとナマコだから。
「タコさんウィンナーをいっぱい作って、お弁当を埋め尽くすですわ!」
「ざんしょ先輩、お料理は得意なの?」
「お料理は全く得意ではありませんが、きっとこれくらいは出来ますわ!」
「んじゃ、俺も手伝いをば。それなりに出来るぞ」
そんな会話をしながら、エプロン片手に奥に入っていく糸括の3人。
「……もう少し、肉が欲しいな」
先ほど目を輝かせていたが、足りないらしい。
「なら丁度良いですね。ローストポークでどうぞ」
そこに現れた皇・銀静(陰月・d03673)が持ち込んだのは、無菌豚のブロック肉。
「これはいい肉だな……!」
摩利矢の目がギラリと輝く。
「あと、ついでにこれもどうぞ」
「稲荷寿司か。頂こう」
「いえ、卵巾着煮ですが」
銀静が言い終わる前に、油揚げの包みものは1つ胃袋に消えた。
色々と食材が集まって来た中で、十全・了(赤と黒の夢・d37421)が、ちょっと異彩を放つものを持って現れた。
「本当はチョコの方が好きだけど、お弁当にはどうかと思って。あ、差し入れどうぞ」
「ああ、ありがとう。しかし、これはおかずか? おかずなのか……?」
差し入れのおはぎを早速パクつきながら、摩利矢は容器にみっちりたっぷりの、つぶあんとこしあんに、困惑の視線を向ける。
「ごはんにあんこ乗せただけとかでも、美味しく食べられる自信ありますよ」
「いや、白飯に甘いものは合わないだろ……?」
後ろに立っていた茶倉・紫月(影縫い・d35017)が、思わず了にツッコミ。
「白飯は塩味に限ると思う。というわけで、これ」
紫月が袋から出した食材は、紅鮭の切り身だ。
「こないだ電波塔周りで熊の都市伝説と戦ってから、どうも鮭咥えた熊が頭から離れなくてだな」
そんな説明をする紫月の、鮭を出した袋から、製菓用のミントリキュールとチョコチップが零れ落ちた。
「……。セルフ生産してるわけじゃないから。気のせいだから」
そう言い残し、紫月は了を引きずって出ていった。
何はともあれ、食材は揃った。
調理開始だ。
●調理場は戦場
「まとめて刀の錆にしてやるぞ」
徐に、刀をスラリと抜く摩利矢。
「それ、包丁代わり?」
大根の皮を剥きながら、晶が思わず問いかける。
「そのつもりだ。あとは、こっちも使う」
豚のブロック肉を全て2つに斬り分けた刃を鞘に納め、代わりに握るのは解体ナイフ。
「……まぁ、どっちも切れ味は良いと思うけど」
胸中で溜息をこぼした晶に、横で菜の花を茹でていた渡里が諦めろと無言で告げる。
ちなみに、武蔵坂学園の調理学部は『サイキックを調理に活用する方法を研究する学部』である。調理に殲術道具を持ち込む学生は、他にもいるかもしれない。
閑話休題。
「殻剥き、上手じゃないか」
「お母さんに教わってますので」
陽桜も殻をむいたエビの半分は、尾の先を落として腹側に切り込みを入れて伸ばしフライ用に。残りは尾も落としてぶつ切りに。
鮭の切り身も半分をグリルに入れて、お次は――タコ。
「多い方が良いだろうな」
言うなり、塩を一袋、ボールに全部開ける摩利矢。
タコをぐにぐにと塩もみして、水洗い。空いたボールには生ナマコを投入して、やっぱりぐにぐに塩もみ。
ナマコは洗って置いておいて、タコを沸騰した大鍋に。数分茹でて、真っ赤に茹で上がったタコはぶつ切りにし、茹で汁はタコ飯用に取っておく。
「焼き鮭は身をほぐすんですね?」
「うん、頼むよ。皮と中骨はこっちに貰うから」
焼き鮭を陽桜に任せ、摩利矢は焼き鮭から取った皮と中骨をエビの殻と共に、フライパンに投入。弱火で炒ったら袋に入れて、調理台へ。
「やるか」
そして摩利矢は、また刀を掴むと今度は鞘に納めたまま、ガンッと音を立てて袋の上に振り下ろした。
ガンガンガンッ!
鈍い音が、しばらく調理室に響き続ける。
「やっと……上手くできましたわ!」
糸括の3人のいる調理台で、残暑が歓喜の声を上げる。
茹でてる内に足が折れちゃったりとか、向きを間違えて頭が足になったりとか、色々な苦労があったのだ。
「明莉様を見てると、簡単そうに見えたのですが。難しいものですわね」
「あかりん部長、やっぱり上手なの」
「まあ、大抵は自炊してるからなぁ……」
残暑と杏子からの賞賛に、遠い目で答える明莉。
(「ウチは母さんが料理出来ない人だから……」)
「慣れてるのか。なら、頼みがある」
胸中で呟く明莉の肩をポンと叩いて、摩利矢が渡したのは玉ねぎ。
「みじん切り、よろしく!」
「ちょっ!?」
「私は肉に取り掛かる。ああ、それと――」
「?」
「今日は3人とも、うさ耳つけてないんだな?」
「それ覚えてたのかよ!」
謎の記憶力を発揮した摩利矢に、明莉が思わずツッコミを入れる。
「ざんしょ先輩、あっちでタコさんもっと作ろ!」
「そうですわね!」
その間に、杏子と残暑は隣の調理台へ移動していた。
既に摩利矢も別の調理台で、ズドドドドッと音を立ててナイフを振り回し豚肉を細切れにしているし、他の皆も、何かしら作業している。
どうやら、玉ねぎに挑む道しか今の明莉にはないようだった。
塩とニンニクをすり込んだブロック肉を、フライパンで全面に焼き目を着ける。
弱火で軽く熱を通したらラップとアルミで包んで、肉を休ませる。
『ほぼ』伝えた手順通りにこなす摩利矢を見ながら、銀静はひとつ気になっている点があった。
(「時間や量を、一切計ってないみたいですが」)
「んー……少し水っぽいか」
天ぷらの衣らしき液体に、袋から直に小麦粉を足していく摩利矢を横から眺め、銀静は胸中で独り言ちた。
その後もズドンッだのドカンッだの、調理にあるまじき音が調理室から度々鳴り響きつつ、時間は過ぎていき――翌日。
桜の下を歩く、灼滅者達の姿があった。
●花と弁当
「あまおと。エビフライ食べますか?」
陽桜の問いに、霊犬あまおとの尻尾が左右に揺れる。
「今日のエビフライは、ちょっと特別です」
そう言いながら、陽桜も同じものを口に運ぶと、いつものエビフライとは違う香りが口の中に広がった。
香りと同時に思い出すのは、鞘ごと刀を振り回していた摩利矢の姿。
炒って叩いて粉々に。それを3回ほど繰り返し、粉末にしたエビの殻と鮭の皮と骨。
このエビフライの衣には、その粉末とパン粉を混ぜ合わせたものを使われていた。
「今度、お家でもやってみるです。……フードプロセッサーで」
桜紅茶を飲みながら、陽桜はぽつりと呟いた。
「いやぁ、折良く良い天気になりましたやなぁ。くしなさん」
「そうですね!」
桜の下を並んで歩く――とはならず、舞い散る桜の中をはしゃぎ回るくしなの姿を、眩しそうに見つめる一正。
(「デートのつもりだったんですが……伝わってるのかどうか。まあ、楽しそうだし、良しとするですや」)
「早くお弁当食べたいですっ!」
そんな一正の内心に気づく風もなく、くしなは花より団子。
広げたゴザの上に2人で座り、くしなが蓋を開けると、ぎっしり詰まったタコ焼きが現れた。
「幾つか仕切りがあるですやな? そちらのはソースがないですや」
「本当ですね。何でしょう?」
覗き込んだ一正が気づいたソースのないタコ焼きに、箸を伸ばすくしな。
「んんっ!? これ、甘いですっ! ほらっ」
目を白黒させつつ、タコ焼き(?)を差し出すくしな。あーん、の様な形にドギマギしつつ一正が口に入ったそれを噛みしめると、餡子の甘みが広がった。
「ああ……こしあんですや。今川焼きみたいですやな」
それが持ち込まれた時にはいなかった2人には、少々驚きだったか。
「これはアスパラとウィンナーですね! こっちは……ベーコンと、うずらの卵?」
一正が持ち込んだ食材も、タコ焼きの具の1つになったらしい。
中身の違うタコ焼きにころころと表情を変えるくしなの横顔を眺めつつ、一正はそのくしなが持ち込んだタコを使ったであろうタコ飯のおにぎりを口に運ぶ。
「一正さん、一正さん」
と、袖をくいと引かれ。
「さっきタコ焼きあげましたので、代わりに一口下さいなっ!」
その行為の意味が判っているのかいないのか。一正が何か言う間もなく、くしなが彼の手を取っておにぎりをパクリ。
さらにその後、誰彼構わずトレードに突撃しようとするくしなに一正が振り回されることになるのは、また別の話である。
「え……まじか、キョン」
「タコご飯にナマコ、きっと入ってるの! 摩利矢さんと、昨日相談したから!」
小麦粉と卵と納豆を混ぜて焼いたものに箸を伸ばしつつ杏子が口にした言葉に、金時たっぷりのサツマイモご飯のおにぎりを手にしたまま固まる明莉。
既にタコ飯おにぎりを完食してしまってだけに、今更ドン引きも出来ない。
そして、タコと言えば。
「大タコですわ!」
残暑の弁当箱の中には、頑張って大量に作ったタコさんウィンナーの中に、一際でかくて丸い頭を持つタコが混ざっていた。
タコ焼きにタコウィンナーを挿してから、二度揚げしてあるのだ。
「椎茸の肉詰めもおいしいの!」
「ハンバーグに、わたくしのウィンナーも使ったそうですわよ」
「俺の涙の結晶でもあるぞー」
明莉の声に、杏子と残暑は顔を見合わせ笑った。
同じ頃、銀静も同じものを口にしていた。
(「無菌豚をミンチにしていたのは見ていましたが、成程。刻んだベーコンとウィンナーと玉ねぎを軽く炒めてから混ぜ合わせたタネですか」)
「……何時も自分で作るのとは違いますが、悪くはない」
呟いて、他のものにも箸を伸ばす。
「……」
黙々と食べて、1つ1つ冷静に分析していく。
(「悪くはないですが、下味がやや不均等。揚げ物と焼き物が多い……まあこれは集まった食材が偏っていたと言えなくも……」)
遠方に届けに向かった摩利矢に、鬼の美食家と化した銀静の容赦ないコメントが届くのは少し後の事である。
「なぁ……」
いつも通りの、眠たげな紫月の声。
「何が悲しゅうて野郎と弁当なのか……」
「いいじゃないですか。先輩とお弁当とか、中々ないし良い機会」
紫月と了が、並んで座って弁当を広げていた。
「まあ、先輩は? 誘いたい人がいますよね?」
「のーこめんと」
2人の弁当は、他とはちょっと違った。全てサンドウィッチだ。
「パンで来るとは、思ってなかったな」
了がパクリといったのは、紫月が持ち込んだ鮭のフライにワサビマヨネーズを和えたサンド。他にも、ぶつ切りのエビとほぐした鮭とゆで卵をマヨネーズで和えたタルタル風や、ローストポークとアスパラガスのサンドなど、具材は多彩だ。
「お前のつぶあんとこしあんじゃね? パンしかなかったんじゃね?」
そのつぶあんのサンドをぱくつきながら、紫月がぼやく。こしあんの方は、賽の目に切って蒸したなると金時を混ぜて芋餡風になっている。
実際、悩みました。
「……それはさておいて。先輩って、チョコミントアイス以外も食べるんですね?」
「いや、俺だって普通にチョコミント以外食うし。お前は俺を何だと思ってるんだ」
弁当を食べ終えた灼滅者達の前に残されたのは、同封されていた小さな容器。
『失敗作だが、折角だからつけてみた。食べるなら覚悟してくれ』
そんなメモが添えられている。
「何だと思います? あまおと」
「不穏ですやな?」
「でも逆に気になりますっ!」
「あかりん部長、どうぞなのっ」
「ですわ!」
「ちょ!?」
「……」
「あんこ絡みだったら、お前食えよ」
「良いですよ?」
そして口に運んだ者は、大体、同じ感想を抱いたそうな。
――これはない、と。
●夜桜
正規の登山道から外れた、山陰の隠れた盆地。
そこに咲く山桜の下にゴザを広げて、夜桜とお茶を楽しんでいた渡里と晶の元に、弁当を持った摩利矢が現れた。
「ちょこっと山の中だが、良い穴場だろ?」
「ちょこっと? 結構な山奥だと思うけど?」
「そうか? このくらいの山なら、なんてことないぞ」
渡里に渋い顔をする晶に、摩利矢がこともなげに返す。さすが山育ち。
「配達はここで最後か?」
「一緒に花見をしていかない?」
「構わないよ。他の皆には、昼間の内に渡せた」
2人の誘いに頷きつつ、ランプの明かりの中、弁当が差し出される。
蓋を開ければ、だし巻きに、炊いた大根とこんにゃくの田楽。菜の花のおひたし、ふきのとうの天ぷら。自分達で作ったもの以外も色々入っているが――どれも普通そうだ。
「あまり、怪しい出来上がりにはならなかったみたい、だな」
「思いの外、カオスになってない、ね」
「カオスなもの? あるぞ」
渡里と晶のホッとした様子に気づかず、摩利矢が取り出したのは小さな容器。
昼間、これはない、の評価に至ったアレだ。
その中身は――。
「かき揚げ?」
「でも、お弁当にも入って……待って、何か色が」
晶が気づいてランプの光量を上げようとする。
「まあ、食べてみればわかるだろ」
その前に渡里が箸を伸ばしてしまったので、続けて晶も口にして――2人の口の中に甘さと苦味が同時に広がった。
「菜の花とふきのとう、どちらも苦味があるだろう? つぶあんとこしあんの甘さで苦味が消えないかと」
菜の花とふきのとうとアスパラと玉ねぎのかき揚げに、つぶあんこしあん、混ぜてみちゃったらしい。
「私、菓子は苦手なんだよな」
「それは先に言っておけ……!」
今更な摩利矢の呟きに、渡里がいつかも思った気がするような言葉を返す。
「……お茶飲んで口直ししましょ。摩利矢は、どれが良い?」
「ほうじ茶」
そんなこんなで、春の夜は更けていく。
作者:泰月 |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2018年4月16日
難度:簡単
参加:11人
結果:成功!
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