うずめ様の予知~夜の暗がり追い詰められて

    作者:陵かなめ

    ●襲撃
     覚束ない足取りで、スーツを着た男性が必死に逃げている。
     暗い夜道だということを差し引いても、その歩みは弱く、今にも崩れ落ちそうだった。
    「はあ、は……ぁ、はぁ」
     息が上がる。
     しかし、彼は止まることができなかった。
     チラリと振り向く。
    「!」
     そのすぐ後ろに、巨大な躯体が迫っていた。
    「おいおいおいおい! 弱っちいなぁ! ほら、もうお終いかい?」
     体の半分にデモノイド寄生体を纏ったソレが笑う。
     男を追っているのは、嫌な笑いを口元に浮かべたデモノイドロードだ。
    「そらよぉ! これは痛いぜぇ!!」
    「ひっ?!」
     デモノイドロードが腕を振るい、男のわき腹を殴りつけた。
     スーツの男性が悲鳴をあげ、そして意外なことに、地面を蹴ってひらりと塀に飛び上がる。
    「良く跳ぶ。だがよぉ! 逃がすか!!」
     デモノイドロードの声に従うように、道の端からデモノイドが3体飛び出して男に襲いかかった。
    「あー、やっぱ、ひ弱な見た目通り弱ぇなぁ。こいつ、本当に灼滅者なのか?」
     もはや体中ぼろぼろの男を眺め、デモノイドロードは首を傾げた。

    ●依頼
    「行方がわからなくなっていた、刺青羅刹の『うずめ様』の動きが判明したんだよ」
     千歳緑・太郎(高校生エクスブレイン・dn0146)が話し始めた。
     うずめ様は、九形・皆無や、レイ・アステネスが危惧していたように、爵位級ヴァンパイアの勢力に加わっていたようだ。
     そして、今回の事件は、うずめ様の予知を元に、デモノイドロードが灼滅者を襲うと言うのだ。
    「襲われる灼滅者は、武蔵坂の灼滅者では無いし、闇堕ちした一般人でも、ヴァンパイアの闇堕ちによって灼滅者になった血族でも無い、突然灼滅者になった一般人なんだよ」
     太郎の言葉に、灼滅者たちが顔を見合わせる。
     今までに無い事件のようだ。
    「咬山・千尋さんや、七瀬・麗治さんが警戒してくれていたのも、事件を察知できた理由の一つだよ」
     突然灼滅者になった一般人は、戦闘力はほとんど無く、デモノイド達に追い立てられ命の危機に追い込まれているという。
    「デモノイドの目的は、この灼滅者を闇堕ちさせる事だと思うけど、その理由はよく分からないんだ」
     しかし、理由は分からないとは言え、灼滅者がデモノイドに追い詰められている状況を見逃す事はできない。
     急ぎ救援に向かってほしいと太郎は言った。
    「今回みんなに救出してほしい人は、夜道を襲われているサラリーマンのおじさんだよ」
     男性が逃げてくる場所は分かっているので、できるだけ敵に気づかれないよう待ち構えていれば良いだろう。
    「おじさんは、戦力としてはまったく当てにならないけど、デモノイドの目的も灼滅者の殺害では無いんだ。だから、武蔵坂の灼滅者が救出に来れば、みんなとの戦いを優先すると思う」
     そうなれば、戦闘終了後に救出することができるだろう。
     彼は、特別身軽にジャンプできるようなので、戦いに巻き込まれないよう避難して貰うだけで十分だということだ。
    「襲っているデモノイドは、デモノイドロードが1体、デモノイドが3体だよ。それぞれデモノイドヒューマン相当のサイキックを持っているようだね」
     配下のデモノイドをデモノイドロードが率いているようだ。
     デモノイドロードはそこそこ強い。デモノイドに関しては、1体に対してこちらが2人で当たればじゅうぶん勝てる。
    「デモノイドロードもデモノイドも、強敵とは言えないけど、数はそこそこ多いよね。油断だけはしないでね」
     それから、と太郎がこう付け足した。
    「救出した灼滅者のおじさんは、戦う力はなさそうなんだ。だから、事情を話して連れてきてね。そのままにしておくと、また襲われるかもしれないから」
     そして、よろしくと頭を下げ、説明を終えた。


    参加者
    神凪・陽和(天照・d02848)
    蜂・敬厳(エンジェルフレア・d03965)
    山田・透流(自称雷神の生まれ変わり・d17836)
    セレス・ホークウィンド(白楽天・d25000)
    シエナ・デヴィアトレ(治療魔で被虐嗜好な大食い娘・d33905)
    貴夏・葉月(勝利の盾携えし希望の華槍イヴ・d34472)
    七夕・紅音(倖花守の大狼少女・d34540)
    篠崎・伊織(鬼太鼓・d36261)

    ■リプレイ

    ●01
     暗い夜道。
     予定通りの場所に身を潜め、灼滅者たちはその時を待っていた。
     ヘッドライトを調整しながら山田・透流(自称雷神の生まれ変わり・d17836)が言う。
    「味方になってくれる人がいない状況でダークネスさんに襲われる恐怖は、私たち灼滅者が誰よりも知っているから……新しく灼滅者になった、おじさんを助けないと」
    「ええ、そうですね」
     隣で神凪・陽和(天照・d02848)が頷いた。
    「それに、神凪の家は平安の昔より、社会の陰より一般人を護って来た一族です。今回の灼滅者になった方だって、つい最近は一般人だったんですから、保護して護るのは当然です」
     今回突然灼滅者になったという一般人は、神凪家の一員である陽和にとって間違いなく守るべき対象である。
     周辺の地図を確認していたセレス・ホークウィンド(白楽天・d25000)は、おじさんの逃走ルートから見えない場所を見つけ、腰を落ち着けた。
    「灼滅者になった、か。今までにない現象だがそこに何かのヒントがあるようにも見えるが……」
     これがラジオウェーブのやりたかった事なのだろうか。
     繋がりそうで繋がらない。ややもどかしい気もするが、今は目の前の事件だ。
     地図や明かりを確認していた者たちも、全員が配置についた。
     そろそろ指定された時間が来る。
     シエナ・デヴィアトレ(治療魔で被虐嗜好な大食い娘・d33905)が確認するように仲間たちを見た。
    「それでは、わたしとヴァグノでおじさんを避難させますの」
     その傍らにはライドキャリバーのヴァグノジャルムがある。
     ビハインドの菫さんを傍においた貴夏・葉月(勝利の盾携えし希望の華槍イヴ・d34472)が表情を変えずに頷いた。
    「はい。私たちで敵の気を引きます」
    「ええ、シエナさんはおじさんの避難に集中してくれて問題ないわ」
     デモノイド達は任せて欲しいと七夕・紅音(倖花守の大狼少女・d34540)も言う。
     傍に居る霊犬の蒼生も、すでに準備が整っているようだ。
     蜂・敬厳(エンジェルフレア・d03965)が腰のランプに手をかけた。遠くの街灯の明かりは、この付近には届かない。
    「さて、そろそろ時間のようです」
     敬厳がそう言うと、仲間たちはいつでも飛び出すことができるよう、腰を浮かせた。
     遠くから、乱れた足音が近づいてきた。男性が必死に逃げているのだろう。
     そのスピードは、遅い。
     わざと追い詰めて、いたぶっているのだ。
     篠崎・伊織(鬼太鼓・d36261)が顔を隠すように赤鬼のお面の位置を変えた。
     息も絶え絶えに、男性が灼滅者の前を通り過ぎる。
     その背後の闇から声が聞こえた。
    「おいおいおいおい! 弱っちいなぁ! ほら、もうお終いかい?」
     デモノイドロードが腕を振り上げるのが見える。
     一般人にも見えるような、緩やかなスピードだ。
     だから、その間に割り込むことなど造作も無い。
     伊織が飛び出し、デモノイドロードを見据えた。
    「これ以上、被害を出すならこちらはお主ら全員纏めて灼滅行きだ!」
    「?! オマエたちは!!」
     敵が戸惑いの声を上げる。
     その間に、灼滅者たちが次々に戦場に躍り出、戦いが始まった。

    ●02
     攻撃を阻害されたデモノイドロードも、すぐにデモノイドを呼んだ。
    「あ、ああ?! 君たちは?!」
     スーツの男性が怯えるような目を向ける。その様子を見て、シエナがすぐに手を伸ばした。
    「わたしと一緒に避難するですの」
    「避難?!」
     男性が戸惑いの声を上げる。
     男性を庇うように位置取りながら、紅音がシールドを構えた。
    「詳しい説明は後よ、今は殺されないように逃げなさい!」
     そう言うと、男性を狙って飛び掛ってきたデモノイドを殴りつける。
    「!!!!!」
     デモノイドが吹き飛び、道ができた。
    「さあ、ひとまず傷が痛まないようにしましたの。逃げますのよ」
     その隙を見て、シエナが男性に走るよう促す。
    「あ、ああ。そうか、逃げないとな」
     吹き飛んだデモノイドをぼんやりと見ていた男性は、我を取り戻したように頷き、シエナのあとを追った。
     逃げていく男性を見て、デモノイドが吼える。
     だが、追わせるわけには行かない。
    「行かせませんっ」
     片腕を半獣化させた陽和が、地面を蹴った。
     目の前のデモノイドに銀爪を付き立て、容赦なく引き裂く。
    「あぁあああ!!」
     傷を負ったデモノイドが恨めしげな咆哮を上げ飛び退いた。
     続けて敬厳が両手にオーラを集中させる。
    「どこを向いておる。貴様らの相手は、ここじゃ」
     言葉と共に、真珠色のオーラがデモノイドの身体を撃ち抜いた。
     敬厳はチラリと敵方後方で腕組みをしているデモノイドロードを見る。こちらの出方を窺っているようにも見えた。
     膝をついたデモノイドに代わり、次のデモノイドが飛び出そうとする。
     そんな敵の様子を透流のヘッドライトが照らした。その手には槍を構えている。
    「スーツのおじさんは、攻撃させない」
     言って、一番傷を負っているデモノイド目掛けて螺穿槍を放った。
     槍が敵の身体を穿ち抉る。
     その後ろから、デモノイドロードが叫び声を上げた。
    「くそ、どうあっても、オマエたちの相手をしろってか!!」
     見ると、腕が巨大な砲台に変化している。
    「攻撃が来るぞ、備えろ」
     セレスが仲間に注意を促した。
     程なく、死の光線が後衛の灼滅者へ発射される。
    「下がって!」
     紅音が走り、葉月を庇って攻撃を受け止めた。
    「紅?! 傷は……大丈夫なのか?」
     葉月はすぐに紅音の傷を確認する。
     2人の姿を見ながらセレスが帯を射出した。
    「回復を急げ!」
     帯がぐんと伸び、弱っているデモノイドの身体を貫く。
     畳み掛けるように伊織が攻撃を繰り出した。
    「邪魔はさせない。お主ら、覚悟はできたのだろうな」
     雷に変換した闘気を拳に宿し、敵の懐に飛び込む。雷がバチバチと音を立て手元で弾ける。そのまま拳を突き上げるように飛び上がり、強烈なアッパーカットを叩き込む。
     デモノイドはきりもみしながら宙を舞い、地面に叩きつけられた。
     紅音はその間に蒼生を呼ぶ。治療のサイキックで傷はすぐに塞がった。どうやら、深刻なダメージではなかったようだ。
    「これ以上、好きにはさせません」
     その様子を見て葉月は小さく息を吐き、自分の周辺に護符を飛ばした。
     菫は、走りこみ敵を攻撃する。
     敵の後方で舌打ちが聞こえた。
     デモノイドロードは、すでに意識を灼滅者に向けている。
     互いに敵を認識し戦いは続いた。

    ●03
     スーツの男性に安全な場所で待つことを言い含め、シエナとヴァグノジャルムも戦いに参加していた。
     ヴァグノジャルムは常に男性を守れる位置を取り、備えている。
     シエナは仲間の様子を見ながら回復に努めていた。
    「皆さんの命は、わたしが守りますの」
     仲間を庇う前衛の皆の傷が積み重なっている。
     シエナは蝋燭に黒い炎を灯した。
     蝋燭から黒煙が立ち昇り、前衛の仲間を包み込む。
    「ありがとうございます。足りない分は、私がお手伝いをします」
     陽和は周辺を見回し、剣に刻まれた『祝福の言葉』を風に変換した。開放した風が近くにいる仲間を癒していく。回復に専念するシエナに加え、陽和のフォローもあり、仲間たちは誰も沈まず戦っている。
     仲間の状態を確認し、敬厳は目を細めた。
    「わしが回復に回る必要はなさそうじゃの。なれば」
     そう言って、弱っている一体に狙いを定めリングスラッシャーを飛ばす。
    「合わせる。一気に落とすぞ」
     同時に、セレスが流星の煌めきと重力を宿した飛び蹴りを炸裂させた。
     よろめいたデモノイドにリングスラッシャーが命中する。
    「一体ずつ確実に倒さねばの」
     敬厳が頷き、デモノイドが崩れ落ちた。
    「ぉおおおおお!!」
     残る2体のデモノイドが叫び、攻撃を繰り出してくる。だが、その攻撃は単調で、一つ一つ対処していけば、そこまで脅威ではなかった。
    「相手は同じような攻撃で多様性がないから、集団戦では私たちが有利なはず」
     透流の言葉通り、この戦場では戦い方を知っている灼滅者たちが一歩先を行っている。
     ただ、敵の数がそれなりに多いので、油断はできない。
     灼滅者たちは敵の動きを見ながら1体ずつ確実に仕留めるように動いた。
     透流の飛ばした妖冷弾が1体のデモノイドを捕らえ、冷気のつららが敵の身体を貫く。続けて攻撃するよう透流は仲間に合図する。
     葉月は静かに頷き、紅音を見た。
    「紅、行けるだろう?」
    「ええ勿論よ」
     紅音はファイティングポーズを取り、一気に敵との距離を詰める。
     その両端から影で作った触手が追い越していった。葉月の影縛りが、逃げようとするデモノイドを絡め取り、縛り付ける。
    「さ、沈んでね」
     逃げようともがく敵に、紅音が痛烈な連打を叩き込んだ。
    「!!!」
     デモノイドが悲鳴を上げる。
     そして、拳に打ち砕かれた身体が崩れ去った。
     灼滅者たちは残る1体に攻撃を集中させる。
     数度攻撃を打ち込めば、デモノイドの動きが鈍った。
     それでもどうにか抵抗しようとしていた敵に、伊織が狙いを定める。
     よろめくデモノイドの死角に回り込み、素早く斬り付けた。
    「お主も終わりだな」
    「っ!!」
     相手の言葉を待たず、一気に武器を突き立て敵を砕く。
     小さく一度息を吐き出したかと思ったら、デモノイドは崩れて消えた。
     一息つきたいところだが、残る敵の姿を見て灼滅者たちは一斉にその場を飛び退く。
     強酸性の液体が飛んできたのだ。
    「やってくれたな。だが、まだオレがいるぜぇ!!」
     たしかに、と。それぞれが思った。
     後方で様子を見ながら攻撃を飛ばしていたデモノイドロードが残っている。
     皆、敵の位置を確認し走った。
     伊織が後方から狙いをつける。
    「油断無く、速やかにだな」
    「ああ、攻撃を集中させよう」
     セレスが答えるように走りこんでいった。
     仲間もその後に続く。
     残るデモノイドロードに向けて、灼滅者たちは攻撃を叩き込んだ。

    ●04
     デモノイドロードは、数回攻撃を叩き込んだだけでは沈まなかった。
    「簡単にはやられねぇぞ!!」
     傷を負いながらも、キャノンを繰り出してくる。敵の攻撃が後衛の仲間へ真っ直ぐ向かった。
     しかし、命中する直前に陽和が両手を広げ仲間を守る。
    「させませんよ」
     『死の光線』を浴びながらも、陽和は崩れることなく敵を真っ直ぐ見据えた。
     そのすぐ後ろでシエナがダイダロスベルトを展開し回復の準備をする。
    「すぐに癒しますの。心配はいりませんの!」
     傷は大きいが、このラビリンスアーマーならばある程度回復できるはずだ。
     そう計算し、シエナは帯で陽和を癒した。続けて蒼生も回復行動を取る。
    「ええ、ありがとうございます。これしきのことで、崩れるわけにはいきません」
     礼を言い、陽和が敵に攻撃を叩き込む。
     どうやら大丈夫な様子だ。様子を気にしていた仲間たちも頷き、攻撃を続けた。
    「続くぞい」
     敬厳は影の先端を鋭い刃に変え、敵を斬る。
     葉月と紅音も息を合わせて畳み掛けた。
     次々に仲間の攻撃が命中する。
    「さて、そろそろ仕舞いだな」
     伊織が抗雷撃を繰り出しデモノイドロードの身体を宙へと飛ばした。
    「あと一息」
     透流の螺穿槍が敵の身体を貫く。
    「ぐ、ぁ、くそっ」
     自分の身体を貫いた槍を忌々しげに眺め、敵が血反吐を吐き出す。
    「お前達の真意がどこにあるかは知らないが、ダークネスが人を傷つけるのであればそれを止めるのが当然だろう?」
     セレスはそう言い、スターゲイザーを炸裂させた。
     その飛び蹴りは敵の身体を砕き、沈める。
     何か言葉にする前に、デモノイドロードは息絶えた。

     安全を確認し、周辺を片付けながら灼滅者たちはスーツの男性に簡単に事情を話して聞かせた。
     こじれるようならばどこか落ち着いた場所へ移動しても、と考えていたのだが、男性は真摯に敬厳たちの説明に耳を傾けた。
    「いつ力に目覚めたのでしょう? 何らかの自覚症状はありましたか?」
     葉月の問いに、男性は少し考えてから返答する。
    「うーむ。いつと言うか、ついさっきかなぁ? 自覚症状……うーん、ちょっと分からないな。自分があんなに軽々跳べるなんて驚きだよ」
     目の前で戦いを見せ付けられた男性は、灼滅者たちの語ることが本当のことだと納得しているようだ。
     だが、何か変わったことや夢見の有無など、心当たりは無いと言う。
     他に力に目覚めた者に心当たりがあるか聞いてみたが、それも無いとのことだ。
    「武蔵坂学園へ一緒に来て欲しいですの」
     シエナが学園へと切り出した。
    「安全確保のため、というわけだ」
    「保護を考えています」
     人型になったセレス、そして陽和が補足するように説明する。
    「このまま日常生活に戻っても、またあの青いヤツらみたいなのが襲ってくる。生き延びるには、私達の学園に来るしかないと思うわ」
    「ふむ。確かに、一人でいる時に襲われたら……、次は無いかもしれないな」
     紅音が言うと、男はもっともだと頷いた。
     周辺を警戒していた伊織から、安全を知らされる。
     移動するなら今だと判断し、仲間たちは男性を伴い学園へ足を向けた。
     皆に促され歩き出した男性の背中を、透流が見る。
    (「新しい灼滅者さんが誕生したのなら、新しいダークネスさんも誕生してるのかな? ダークネスさんたちを絶滅させ過ぎたせいで、世界がバランスを取ろうとしている? それとも、民間活動のせい……?」)
     どうなのだろうか。疑問は尽きない。しかし、今は目の前の男性を学園まで案内しなければ。
     辺りは暗く、仲間の持つ明かりが道を照らす。
     灼滅者たちはデモノイドたちを打ち倒し、男性を連れて学園へ帰還した。

    作者:陵かなめ 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2018年5月1日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
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