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彼はバーテンダーであった。格好の良いイメージもあるが、要するに水商売、夜の仕事の人間である。故に帰るのは遅く昼夜逆転した生活が日常であった。
そんな彼が店を出て目をこすり己の疲れを疑ったのは無理はない。目の前にはよく分からない、人型のような大きな何かがあったのだから。
最初はなにかのモニュメントかと思ったのだろう。恐る恐る近づくがそれは動かない。ほっと彼が息を吐き帰途に戻ろうと振り返った時、背後から重い何かが動く音がする。ゆっくりと男は首を捻り視線を音の方向へ向ける、そこにはその大きな手を今まさに自分に振り下ろさんとする巨体があったのだから。
考えるよりも先に体が逃げ始めていた。男の口から今まで出したこともないような悲鳴が上がる。振り返れば巨体は彼を追ってきている。男がT字路に差し掛かった時、どちらに逃げようか判断した所でまた別の巨体が右側から現れる。それからも逃れ、あるいは誘われるように男は建築資材置き場へと追い込まれる。
吐息は荒い。何が起こっているのか分からない男の前に人間と思わしき、いや違う。そいつからは巨体と同じような材質の何かが体のあちこちからはみ出している。
「ようこそ、灼滅者。いや、すぐに闇堕ちするから関係ないか。……とりあえず、少しばかり痛い目に遭ってもらおうか。死にたくなければ本気を出すんだな」
そして男は理由も分からぬままに、嬲られ、死に至る……。
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「行方が分からなくなってた、刺青羅刹の『うずめ様』の動きが掴めたんだ」
有明・クロエ(大学生エクスブレイン・dn0027)が説明する。
「九形・皆無(黒炎夜叉・d25213)さんや、レイ・アステネス(小学生・d03162)さんが気にしてたみたいに、爵位級ヴァンパイアの勢力に入ってたみたい。で、そのうずめ様の予知を元に、デモノイドロードが灼滅者を襲う事件をみんなに止めてほしいんだ」
灼滅者、と小さく声が上がるがクロエが一つ指を立てる。
「灼滅者と言っても武蔵坂のみんなでもないし、闇落ちした一般人でもなくて、ヴァンパイアの闇堕ちによって引きずられたのでもないよ。突然、何の前触れもなく灼滅者になった一般人達なんだ」
今までにないケースであり、それに関わる敵の動きもよく分からない。
「デモノイドに関してはそこにいる咬山・千尋(夜を征く者・d07814)さんや七瀬・麗治(悪魔騎士・d19825)さんが気にしてたから察知できたんだ」
少しだけ他人行儀なのを気にしつつも彼女は言葉を続ける。
「デモノイドの目的は、この灼滅者を闇落ちさせることだと思うけど理由はよく分からない。それでも灼滅者がデモノイドに襲われてるのは見過ごせないから助けに行ってあげてほしいんだよ」
彼女は敵のファイルを取り出して説明を続ける。
「とりあえず助ける相手の灼滅者は戦闘力がないんだ。普通の怪我ではダメージをうけないくらい。一応ESPも使えるけど戦いの役には立たないよ」
なおそのESPは酔い覚ましらしい。どうしようもない。ただ、デモノイドロード達は武蔵坂の灼滅者が現れればそちらとの戦闘を優先するので、戦闘中に巻き込まれないところにいてもらえば終了後に救出できるはずと彼女は言う。
「デモノイド側の戦力は、デモノイドロード一体とデモノイドが3体。デモノイドロードがクラッシャーで、デモノイドがディフェンダーだね。基本としてデモノイドヒューマンと同じサイキックを使うんだ。それに加えてデモノイドロードはロケットハンマーの、デモノイドのうちの2体はWOKシールドの、もう一体は龍砕斧のサイキックを使うよ。一体一体は今のみんなならそこまで苦戦しないけど、これだけ集まってると油断できないから気をつけてね」
そこまで説明するとクロエは灼滅者たちを送り出す。
「救出した灼滅者は戦う力がないから、事情を説明して学園に連れてきてね。そのままにしておくとまた襲われるかもしれないし。それじゃ、行ってらっしゃい!」
参加者 | |
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刻野・晶(サウンドソルジャー・d02884) |
神凪・朔夜(月読・d02935) |
咬山・千尋(夜を征く者・d07814) |
久成・杏子(いっぱいがんばるっ・d17363) |
師走崎・徒(流星ランナー・d25006) |
荒谷・耀(一耀・d31795) |
松原・愛莉(大学生ダンピール・d37170) |
オリヴィア・ローゼンタール(蹴撃のクルースニク・d37448) |
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深夜。めっきり春めいた時期になってきたこの頃だが、夜になると時折肌寒い日もある。街の中を走る武蔵坂の灼滅者達を包むのはそんな空気であった。
「ダークネスを狩るにはいい夜ですね」
オリヴィア・ローゼンタール(蹴撃のクルースニク・d37448)が穏やかに呟くが、その内容は剣呑だ。彼女らが向かうその場所にいるのは、謎の多い「新しい灼滅者」とそれを狙うデモノイド達。だがその本人の意識はただの一般人のままだ。これが何を意味するとしてもダークネスを討つ灼滅者として彼らを助けに行く。
(「神凪家は平安の昔より社会の陰に隠れて一般人を護って来た。今回灼滅者になった方だって護るべき対象なのは変わらない。だって、つい先日まで、一般人として日常を過ごしてきたんだから」)
胸の中で神凪・朔夜(月読・d02935)は今回も自らのすべきことを確認する。その彼は友人の松原・愛莉(大学生ダンピール・d37170)の顔を見る。彼女も今は一心に現場へ向かうことに集中している。今の所、朔夜が気にしている彼女の性質は表には出てはいない。
「こっちだ」
刻野・晶(サウンドソルジャー・d02884)が地図を見、自分達の位置を確認して次の角を曲がる。迷うことなく彼らが走っていると視界にデモノイド達と灼滅者がいると思われる建築資材置き場が入る。
「あそこだね!」
「雑魚が3、ロード1……そこそこの量ね」
久成・杏子(いっぱいがんばるっ・d17363)が声を出して、周りの仲間達に意識を向かせる。敵の姿を確認した荒谷・耀(一耀・d31795)が自らの癒やしの対象の数を数える。だが気をつけねば狩る側と狩られる側は容易に逆転する。
「よし、急ごうぜ!」
師走崎・徒(流星ランナー・d25006)は足に力を込めてより速く戦場へと急ぐ、彼を追うように咬山・千尋(夜を征く者・d07814)もペースを上げ、そしてデモノイドロードの元へと辿り着く。
●
五線譜の引かれた帯がデモノイドロードの背中へと突き刺さろうと伸びる。だがその斜線上にデモノイドの巨体が入り込み弾かれる。杏子は武器をたぐり戻す。
「……来たか」
追い詰めた新しい灼滅者を背にし、デモノイドロードは振り返る。
「ここにいては都合の悪いことでも?」
「答える必要があるとは思えないが?」
オリヴィアの大剣をかわしながらデモノイドロードは視線をわずかに後ろにやる。愛莉がバーテンダーの手を引いているのを見るが意には介していない。おそらく戦いの後で命令をこなすことを考えているのだろう。武蔵坂の目的が彼の救助ではなく保護であると判断した結果だ。
「私たちがこの化け物たちの相手をするわ。お兄さんは私のほうに来て!」
「え、あ、ああ」
いまいち事態の飲み込めていない彼を戦場から引き離して物陰に避難させる。
「聞きたいことはたくさんあると思うわ。後で詳しく説明するから、しばらくここで隠れていて」
彼女が戦場からバーテンダーを離している間にも、互いに牽制しあうような戦いが始まっていた。その彼に「私達が声をかけるまで隠れているように」と晶が声を遠くからかける。
「同胞を守りたいと言う判断は分からなくもないが、正直お前達が出張るほどの相手か?」
「守りたい、助けたいと思うのは、いけませんか?」
彼女が黒き波を呼びデモノイドロードたちを押し流そうとするが、スクラムを組んだ配下のデモノイド達がロードへの防波堤となる。
「突然力を与えられる理不尽さは知っている。でもそのために殺されるのは、もっと理不尽だ!」
徒は吠えながら腕を鬼のものに変えてロードを殴りつけるが、それもまた阻まれる。配下のデモノイドの壁は厚い。繰り返せば3度に1度は届くかもしれないが、相手も棒立ちではないので難しいだろう。
「殺す? なるほどな。まあいい、それはそれで暇つぶしになる」
「目的は殺すことじゃないだろう」
朔夜もまた同じ技を用いて手近なデモノイドを攻撃する。
「あの外様の言うことなど最初からそれほど当てにしてはいない。半分は暇つぶしみたいなものだ」
「その程度でもここに来たって事は、それなりに価値があるって判断だ。だったら引き下がるわけには行かない!」
千尋は冬の古木をねじり込むように放って突き立てる。穂先は青い身体に刺さるが貫くまでには至らない。
「話は終わった? で、どいつから私達の癒しになってくれるの?」
耀は和綴の書を開いて禁呪をなぞる。同時にデモノイド達の体表が弾けて臭いを上げる。
「御託が短いのは良い事だ。結果は違うものになるだろうがな」
ロードは拳を地面に打ち付けて衝撃波を放つ。それは灼滅者達の後衛に向けて放たれる。地面を伝ったそれらを受けたもの達はそのダメージを最小限にする、あるいは守り手たちに庇われ、個々のダメージとしては大きくはない。だが総体としては決して小さなものではない。
「……あの白くて小さいのを狙え」
「なのっ!?」
ロードは愛莉の代わりに戦場へ残っていたなのちゃんを標的にせよと、デモノイド達に酸の弾丸を撃たせる。前衛をすり抜けて届く攻撃は多いわけではないが、当たればサーヴァントである以上撃破するのは簡単だ。回復役ならなおさら重要だ。
「させません!」
オリヴィアがそうはさせまいと龍翼飛翔を放ち攻撃のいくつかを自らに寄せる。向けられた攻撃の痛みに顔をしかめながら、オリヴィアは相手を見定める。
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「中々楽しませてくれるじゃないか」
ロードは嗤いながら灼滅者達の苦闘を眺めている。そう言ったロードの身体には小さな傷はあるものの大した物ではない、配下のデモノイド達も健在だ。逆に灼滅者達の方はまだかろうじて誰も倒れていないと言った所だ。愛莉が戦線に復帰してもそれは変わらない。
理由はいくつかある、一つは火力の集中がしっかりと出来ていないと言う事だ。複数をまとめて攻撃すると言うのは総威力の上昇という観点で見れば有効な手段である。だがそれを活かすための単体を狙う攻撃の基準が揃えきれていない。具体的にはどのデモノイドから狙うかを定めている者が少ない。
もう一つはバーテンダー――新しい灼滅者の事に気を取られすぎていて、戦うべき相手であるデモノイドロード達への意識が全体的に薄くなっている事だ。無論、この状況が特殊な状態であり世界の有り様に繋がる可能性もある戦いである。だがその為になすべき事は彼の救出と敵の撃破だ。それに集中出来ている者の割合が少ない。
それでも戦線が崩れていないのは晶が相手の攻撃力を押し止め、オリヴィアが攻撃を引き受ける動きをしているのが功を奏しているからだろう。それも紙一重ではあり、戦闘が長引いていけばおそらくこの均衡は破れるだろう。
「ダメージは与えられてる! あの斧手を狙うんだ!」
徒が相手の戦力を見、最も傷の多い相手を指し示す。彼がはっきりと標的を定めることで分散し勝ちだった火力が収束されていく。
「わかった!」
朔夜が肉薄していた盾持ちのデモノイドから離れ、即座に標的の前に立つ。そして月光色の剣を月光そのものとして相手の防御ごと切り裂く。
「回復を集中しろ」
ロードは短く言いつつ、本人は変わらず灼滅者達の後衛を狙う。互いのバランスが少しでも崩れたらそのまま勝敗が決するような戦い。
「あたしの歌よとどけっ!」
「にゃっ!」
杏子が空色のギターを弾き歌い、サーヴァントのねこさんが魔法を放つ。青い巨壁が互いにかばうものの、それはロードを守る時よりは薄い。壁そのものを狙っているからだ。
「……そろそろね」
耀が左の手甲から取り出した苦無を投げきってから呟いた。
「頃合い、ね」
傷の多いオリヴィアを、なのちゃんと一緒に癒やしていた愛莉も同意した。その妙な自信にロードが眉をひそめる。
「何を知ったか分からんが、このまま蹴散らしてくれる!」
ロードは構わずに戦法を変えずに戦いを続ける。だがその戦況の中で違和感を覚える。
「……こいつらの動きが鈍い?」
「毒が回ってきたのよ。……まさか広げた盾だけで私の攻撃を防ぎきれると思った?」
耀が微笑みを浮かべる。続いて千尋が指を立てる。
「私も合間合間に砕いて置いたからね。攻撃に集中していて気付いていなかった?」
概ね当たりどころが良い場合を除いて、かばう場合はかばう主体が倒れない限り動かないものだ。にも変わらず動かないとするのならば既に息も絶え絶えだということだ。
「何……!」
長期戦の思考をしていたのはロードだけではない、灼滅者側もだ。バッドステータスへの耐性は直接治すのに比べれば効果の大きいものではない、範囲が広ければさらに分散する。その上でその効果を破壊し、ジャマーである耀と晶が積み重ねてきたものが勝り効果が結実するタイミングが来たのだ。即座に仮面が動きレイピアに霊気を乗せてデモノイドの一体を斬り捨てた。それを皮切りに次々とデモノイドを倒していく。
「くっ……」
「私達に倒される前に聞きたいことがある」
オリヴィアが剣を赤く染めて斬りかかる。
「貴様も予知を元に動いているようだが、その内容はいったい何だ。彼らが闇堕ちしないのは彼らに問題があるのではなく、その予知自体が偽りなのではないか?」
「答える必要はない……!」
当たり前といえば当たり前の返答をロードは返す。
「デモノイドの在庫処分をする口実ではないのか?」
「その減らず口を閉じろ!」
続いて問いかけたオリヴィアに、怒りを込めた斬撃を放つ。元より戦いに集中しきれていなかった事、そして誰よりも攻撃を引き受けていた事。それらにより元々削られていた活力を根こそぎ奪われる。
「こうなれば一人でも多く八つ裂きにしてやる」
傷だらけの灼滅者とは違い、ロードは一体と言えども傷は深くない。先程デモノイドを倒した仮面を弧を描く一撃で消滅させ、灼滅者から防御を奪っていく。そして我が身を省みない攻撃が灼滅者達に向けられ、次々とサーヴァント達は消え去る。無論ロードの側にも無視できない傷が増えていく。
「回復が間に合わない!」
「私も手伝おう」
サーヴァントを失った愛莉だけでは回復が間に合わず、晶が回復に加わる。彼女も同じ様に半身が消失しており、お世辞にも万全とは言えない。それでも少しでも戦える時間を伸ばさねば勝利はおぼつかない。
「そろそろ終わってくれない?」
手にした苦無を死角からロードに突き立てる耀。敵は呻くもののその目から殺意は絶えていない。未だ倒れない相手を見て杏子と徒は視線を一瞬だけ交わす。それぞれの足の星と虹が炎を纏いロードを蹴り抜く。
「邪魔だ!」
攻撃のために接近してきた杏子に酸の弾丸を接射し追い払う。だがロードの足元はふらついている。ここで決めねば相当に危険だろう。飛び退いてバランスを崩しそうになった杏子を両手で受け止めて、千尋はロードに近づく。
「もらった……!」
「させるものか!」
無手から千尋は一気に居合を放ち、防御のために構えたロードの両腕を深々と斬りつける。しかし、それは本体までは届かないのを見てロードはニヤリと笑う。
「……これで終わりだよ」
ロードの背後から朔夜の事ともに衝撃が叩きつけられる。その勢いに押されたロードの身体は千尋の持つ剣に自ら飛び込むように真っ二つとなり消失していった。
●
戦いが終わったとその場に立っていた灼滅者達がはっきりと認識したのは、ロードが消失してから十秒程。倒れたオリヴィアを耀が介抱している間に、他の灼滅者達は隠れていたバーテンダーを呼ぶ。
「もう大丈夫ですよ」
愛莉の声に反応して彼がひょっこりとプレハブの向こうから顔を覗かせる。恐る恐るバーテンダーは彼らの前に現れる。その辺りにいるような普通の中年と言ったところか。
「ああ、えっと、あんた達は……」
「あたし達は、東京の武蔵坂学園から来ました」
「見ての通り、僕たちには常識では測れない力があるんだ」
千尋が所属を名乗り、徒が自分達がどういうものかを端的に説明する。
「映画とかゲームみたいな……。あ、いや、現実なのか」
周りの建築資材が戦いの余波でバラバラになっているのを見てバーテンダーは首を振る。
「僕たちは武蔵坂学園の灼滅者。ああいう怪物から人々を守るために戦っている」
「シャクメツシャ……? あの青いのもそう言ってたが」
「戦うだけじゃなくて、あたし達はこういう能力も使えます」
徒の言葉を聞いている男に、千尋はその他の力を見せる。無造作に転がった鉄骨を、怪力無双で軽く持ち上げたのだ。
「……俺にもこういうのができるのか?」
「ううん、バーテンダーさんの使えるのはお酒の酔いを覚ます能力だって」
杏子が彼の疑問に答える。
「……ええ……? あ、確かにちょっと深酒はしていたが酔ってはいないな」
「便利だけど、飲み過ぎはよくないのよ? あんまりつかっちゃダメなの」
娘ほどの年齢の少女に指摘されて割と困っている男の姿を見て、愛莉の脳裏に疑問が浮かぶ。
(「新しい灼滅者のESPがその人にとっての「便利スキル」になってるのよね……」)
鎖を破壊した結果人と灼滅者の境界線が揺らいでいることであろうか。少なくともこの場では結論は出なさそうである。
「兄さん災難だったね。こうなるって虫の知らせとか無かったの?」
「さあ、あったかなかったかも分からない。灼滅者って言うのはそういうのもあるのか?」
「あ、いや、わからないんならいいんだ」
そんなやり取りをしていると周りの片づけをしていた朔夜が一つの提案をする。
「今後もあなたが襲われるかもしれない。武蔵坂で保護したいんだけど、考えてくれないかな」
「少なくとも、身を守る術はあったほうがいい」
晶も男を誘う。彼の作るカクテルに興味がある、というだけではなく闇堕ちを経ずに灼滅者になった彼らにも興味はある。本当に闇堕ちするのだろうか。
「学園に来るのは、無理強いはしないよ」
そう言った杏子の言葉を男は制して口を開いた。
「わかった。俺を保護してくれ。君達みたいに強くはないだろうし、痛い目に遭うのはこれ以上はゴメンだ」
あっさりと男は申し出に答える。元々エクスブレインからは保護して連れ帰って欲しいという依頼だったので問題はないだろう。彼を連れて武蔵坂へ帰る道すがら杏子が男に自己紹介をする。それは彼女にとって大切な友人との約束。
「あたしは、キョン。久成杏子。あなたのお名前は?」
「ああ、確かに言ってなかったな。俺の名前は……」
複数の意味で新しい灼滅者を迎えた武蔵坂学園。その存在の持つ意味が何をもたらすのか。真実は近づいてきている――。
作者:西灰三 |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2018年5月2日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 6/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 0
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