【民間活動】精神防衛戦~彼女が目覚めるために

    作者:雪神あゆた

     学園の教室で。五十嵐・姫子(大学生エクスブレイン・dn0001)は皆に報告する。
    「報告します。タタリガミとの戦いは武蔵坂学園の完全勝利に終わりました。タタリガミ勢力は壊滅状態となった筈です」
     だが、姫子の顔は決して明るいものではない。姫子は表情を引き締めたまま、『事件』の説明を始める。
    「このタタリガミの壊滅が原因かは分りませんが、ソウルボードの動きを注視していた、白石・明日香(教団広報室長補佐・d31470)さんや、槌屋・康也(荒野の獣は内に在り・d02877)さんから重要な情報がもたらされました。
     ソウルボードに異変の兆候があり、それに呼応するように、民間活動によって武蔵坂学園を支持してくれるようになった一般人達が、次々と意識不明で倒れ、病院に搬送される事件が起こったのです。
     その中には、以前学園の生徒がご当地怪人の事件で接触した、金沢市の主婦の方も含まれます。
     彼らは、病院で検査しても原因不明のまま、意識が戻っていません。
     本来ならば大ニュースになる筈の、集団意識不明事件。にもかかわらず情報操作をするまでも無く、一般に広まらない不自然な状況なのです。
     これは、明らかにダークネス事件で、意識不明となった原因が、彼らのソウルボードの内部にある事は明白です。
     残念ながら、現時点では、これ以上の情報はありません。
     ここにいる皆さんには、石川県の病院に向かい、意識不明となった人にソウルアクセスを行って、原因の究明を行ってください」
     姫子は深々と頭を下げた。顔をあげ、懸命な声で言う。
    「ソウルアクセスした先に、今回の異変の原因が待っているでしょう。その敵を撃破できれば、一般人の方はきっと目を覚ましてくれるはず……どうか事件の解決を!」

     灼滅者たちは、病院のベッドに眠る中年女性の前にいた。灼滅者が来ても目を開け
    ることがない彼女へ、ソウルアクセスを実行。
     荒野めいたソウルボードの地面に降りたってすぐ、御神・白焔(死ヲ語ル双ツ月・
    d03806)は一点を目で示した。何かの足音が聞こえたのだ。こちらに近づいてきてい
    る。
    「来るぞ。だが、この気配は……最大限に警戒を、恐らく只者ではない」
     その言葉から数秒経たず、黒きダークネスが姿を現す。
     獣の顔。腰には長い尾。体毛を生やした身に包帯と金の装飾具を付けていた。
     黎明寺・空凛(此花咲耶・d12208)は、額に大粒の汗を浮かべ、
    「この感覚、まるで戦争で有力敵と向かい合ったような……間違いなく強敵です。皆
    さん、気を付けてください」
     そう、ダークネスの体からは圧倒的強者が持つ存在感。はたして、ダークネスは牙
    を剥きだし笑った。
    「カカッ、灼滅者よ、案ずるな。ご当地怪人が一柱たるミイラアヌビス怪人は、今は
    機嫌が良い」
     ミイラアヌビス怪人は手で文字を書くような仕草をした。
    「故にくれてやる、包帯に包まれるが如き安らかな敗北を!」
     灼滅者の眼前に巨大な火の玉が発生。火球は膨張し、破裂。
     神秘の力持つ爆風と炎に、前衛の灼滅者が巻き込まれた。激痛。足をふらつかせ、
    今にも膝をつきそうな者も。
     それでも灼滅者は武器を構える。己を強化し、武器を振る。だが、
    「カカッ、それが限界か?」
     ミイラアヌビス怪人は余裕の表情
    、消耗はほとんどないと言わんばかり。
     戦力の差は圧倒的。その時、
    「灼滅者の皆ー!」
     中年女性の、金沢訛りのある、声。
    「辛くて大変だと思う。けど頑張って! 負けないで! 応援してる!!
     私だけじゃない、灼滅者の皆が助けた沢山の人が、祈ってる。『頑張って』って。
    『勝って』って。その気持ちと願いを届けるわ!」
     途端、灼滅者の心に力が満ちた。
     かつて金沢で民間活動をしたアリス・ドール(絶刀・d32721)と七六名・鞠音(戦
    闘妖精・d10504)は視線を交わす。
    「……鞠音……さっきの声……聞こえた……?」
    「ええ。民間活動でわたし達を応援してくれるようになった主婦の方――わたし達が
    ソウルアクセスした方ですよね。彼女の想いと力、確かに受け取りました」
     壱越・双調(倭建命・d14063)は己に注がれた力を確認し、仲間へ叫ぶ。
    「この力なら、敵の首魁とだって戦えます。行きますよ、皆さん!」
     全員が頷き、そして動く。怪人を倒し、応援してくれる人を助けるために!


    参加者
    御神・白焔(死ヲ語ル双ツ月・d03806)
    赤星・緋色(朱に交わる赤・d05996)
    七六名・鞠音(戦闘妖精・d10504)
    黎明寺・空凛(此花咲耶・d12208)
    壱越・双調(倭建命・d14063)
    アリス・ドール(絶刀・d32721)
    貴夏・葉月(勝利の盾携えし希望の華槍イヴ・d34472)
    沢渡・千歌(世紀末救世歌手・d37314)

    ■リプレイ

    ●応援と奮闘
     灼滅者八人の前には、獣面のミイラアヌビス怪人が依然として牙をむき出していた。怪人から漂う圧倒的殺気。
     殺気を受けつつも、赤星・緋色(朱に交わる赤・d05996)は明るい表情を崩さない。沢渡・千歌(世紀末救世歌手・d37314)も自分の頬をぱんっと張った。
    「みんなの応援も祈りも届いてるよ! ちゃんと私たちの力になってる。だから応援もがんばってよろしくね」
    「あいつやっつけて、皆の事ぜーったい助けて見せるんで! 応援ヨロシクっす!」
     手をメガホン代わりに、ソウルボードの主たちへ呼びかける緋色。千歌(世紀末救世歌手・d37314)は自分で叩いた頬を赤くしたまま、大声で訴える。
     二人の体に、力が満ちる。応援してくれる者達の力が流れ込んできたのだ。
     二人は敵へ跳躍。緋色は足裏を敵の腹に抉り込む。千歌は膝で顎を打つ。緋色と千歌のスターゲイザーは敵の体を揺らした。
     一方、アリス・ドール(絶刀・d32721)と七六名・鞠音(戦闘妖精・d10504)はソウルボードの天を見上げていた。
    「……ありがとう……今度は一緒に……ダークネスを倒そう……」
    「お久しぶりです。貴方の力、借り受けます」
     御神・白焔(死ヲ語ル双ツ月・d03806)は鞠音の隣に並び、誠実な口調で、
    「鞠音のお知り合いと伺っている。彼女と共に戦うのに、御助勢を願いたい」
     黎明寺・空凛(此花咲耶・d12208)と壱越・双調(倭建命・d14063)も声の限りとばかりに訴えかける。
    「貴方達の事は義弟の朔夜から聞いています。信じてくれて、とても嬉しかったとか。貴方達の応援で何倍もの力が出せる気がします!」
    「義弟の朔夜を更に私たちを、信じ応援してくださる。それに応えないのはご当地ヒーローとして失格です。3人分の恩義を返す為、全力を尽くしましょう!!」
     空凛は自分たちにも力が入ってくるのを感じた。義弟から聞いた金沢の人々を思い出しつつ勝利を誓い、そして駆ける。
     真紅の薔薇が絡みついた漆黒の十字架を、空凛は振る。ミイラアヌビス怪人の脇腹を強打。
     双調は青の瞳の目を細め、ミイラアヌビス怪人を観察。
     怪人は空凛を払いのけんと腕を持ち上げた。双調はすかさずその手を指さす。嵌めた瑠璃色の指輪を輝かせ、制約の弾丸!
     他の仲間やサーヴァントも次々攻撃を命中させる。だが、カカッ、ミイラアヌビス怪人は嗤う。
    「何倍もの力か、ピラミッドを建造したこともない者がほざくものだな!」
     宙に文字の形をした光が浮かび上がり、そして爆発。
     後衛を狙った爆発――だが、鞠音が仲間の前に立つ。爆発を己の体で止める鞠音。千歌のナノ山さん、ポメラニアン姿の空凛の絆、葉月の菫さんも鞠音に並び、防御に努めた。
    「菫はそのまま防御を」
     貴夏・葉月(勝利の盾携えし希望の華槍イヴ・d34472)は痒みを堪えるような顔をしていたが、いつもの表情に戻る。交通標識を手際よく掲げ、イエローサイン。
     一分後には、鞠音がミイラアヌビス怪人の蹴りを受け止めた。彼女が衝撃に膝をつく寸前、葉月が手を前に突き出す。葉月は紫の羽衣を軽やかに巻き付け、鞠音から痛みを取り除く。
    「攻撃は相変わらず強力ですが、しかし、足運びに乱れがでています。攻撃を続けてください」
     葉月の言葉を聞いて、鞠音はチェーンソー剣を横凪に払う。蹴りを放ったばかりの怪人の足を切り体勢をより崩させる。
     次の瞬間にはアリスと白焔が敵の左右に。
     アリスの絶刀「Alice the Ripper」が敵の防御を損傷させ、白焔の封焔戒装“滅”が顎を下からかちあげる。
     ミイラアヌビス怪人の体毛が、血が、地面に零れ落ちた。確実に傷ついている。が、
    「カカッ! 確かに何倍というのも本当のようだ。ならばその力、ねじ伏せて見せよう。エジプトの叡智とグローバルジャスティス様への忠誠でなッ!」
     今まで以上に目を見開き、闘志を燃やす怪人。

    ●強さとは
     鞠音はサーヴァントらと共に、戦いの最前線に立ち続けた。
     鞠音は漆黒の髪を靡かせ戦場を駆ける。仲間を狙った魔術カオスペインに己の体をぶつけ、仲間を護る。鞠音は痛みを顔に出さず、
    「攻撃は、きいていませんよ? グローバルジャスティスも、その程度ですか?」
     挑発、そして脇構えからのズタズタラッシュッ! 鞠音の刃が赤く染まった。
     菫は霊撃で加勢。ナノ山さんはふわふわハートで治療を担当。絆は浄霊眼を輝かせて鞠音に並ぶ。彼らも治りきらない傷を負っていた。けれど、主らのため必死に動いている。
     鞠音たちの雄姿に、
    「ここまで粘るとは……砂漠を生きる民でもあるまいに……」
     ミイラアヌビス怪人は気をとられていた。アリスは小太刀の如き煌刀「Fang of conviction」を確と握り、間合いを詰める。
    「……人の凄さを少しも理解していないんだね……託された思いを力にする……それが人の強さ……だから……斬り裂く……」
     アリスはしなやかに体を捻る。身を護ろうとする怪人の腕を払いのけ、胴へ渾身の斬撃。
     バックステップで下がるミイラアヌビス怪人。緋色は怪人を追いかける。
    「それだけじゃないよ、ご当地怪人。そっちの使ってくる攻撃は大体予測できてるよ。対策もできてるんだから。だから、小江戸の緋色が帰り討ちにしてやるのだ!」
     余裕の声で言いながら緋色はナイフを突き立てる。アリスや皆がつけた敵の傷を抉り、消耗を加速させる。

     続く戦いの中、葉月は戦況を確認。
     最初の一分で応援の力を借り、足止めを中心に敵の体勢を崩すという戦略が功を奏していた。バランスを崩した敵に、灼滅者は次々に攻撃を当て続けている。
    「(だが、やはり強き敵。策と全力を尽くせど――容易にはいかぬか)」
     そう、灼滅者の猛攻を受けてなお、敵の攻撃は強大。ディフェンダー、特にサーヴァントたちの消耗は大きい。
     そのサーヴァントたちを、ミイラアヌビス怪人の爆発が襲う。
     菫さん、絆、ナノ山さんは爆風の中、懸命に立ち続けているが、限界は近づいてきている。
     葉月はディフェンダーたちにイエローサインを施しつつ、冷静な声で言う。
    「猶予はさしてありません。急いでください」
     千歌は葉月の指示をうけ、口を大きく開けた。八重歯を覗かせ怪人へ、
    「くぅーっ、ナノ山さん達をここまで追い詰めるなんてやっぱ強いっすねぇアンタ! でも! だけど! 燃えてきた! ……負けねーっすよ!!」
     戦場を我武者羅に走り、敵の懐へ。鳩尾にクロスグレイブの砲門を押し付ける。零距離からの黙示録砲!
    「ガァ……ッ……強がりをぬかすなあっ」
     ミイラアヌビス怪人は顔を引きつらせつつも、一分後には腕を振り回してくる。その手が空を切った。麻痺しているがゆえの失敗。
     白焔は静かな声で告げる。
    「強がり、本当にそう思うのか?」
     次の瞬間には白焔は敵の側面をとっていた。一足で間合いを詰めたのだ。敵が構えなおす間を白焔は与えない。封焔烈装“訣”の杭を回転させて敵を撃つ!
     がくり、怪人の足が震えた。
     空凛は片足を前へ。
    「強がりではありません。必ず助ける、必ず勝つ、そう決めたんです」
     空凛の足元、藍色の影の中で七色の星が瞬いた。それは影業『Arco iris en la oscuridad』。
    『Arco iris en la oscuridad』は空凛の意に応じ、立体化。ミイラアヌビス怪人を切り上げる。
     ふらつく怪人へ、
    「ええ、勝ちます。ヒーローは応援してくれる人がいると強くなるものですから」
     双調の声。声には、断固たる決意。
     双調は不意にしゃがむ。敵の膝へ"Dig Me No Grave"を叩きつける!

    ●怪人の雄叫びと灼滅者の意志
     一進一退の攻防は続く。そして応援の力が消えるときが近づいてきていた。
     鞠音は傷だらけ。彼女の隣のアリスも無傷ではない。
     しかし鞠音は走る。血を地面に流しながら。アリスも荒い息を抑え続いた。
    「妖刀――」「――鞠娃」
     次の瞬間には、敵の腹と背から血が噴き出した。鞠音が振る純白の刀身と、アリスが操る硝子の如く透けた刃が、敵を斬り裂いたのだ。
     怪人の口から呻き声。しかしミイラアヌビス怪人は倒れない。
    「……驚きはした。効きはした。力と策と、見事。貴様らならエジプトの砂漠も越えられるやもしれん……が、そこまでだ。オオオオオオオオッッ!」
     雄叫びを響かせるミイラアヌビス怪人。彼の肌の出血が止まり、崩してきた姿勢が元に戻っていく。
     緋色はちっちっちと指を顔の前で振る。千歌は大きく息を吸い込んだ。
     そして再び、応援してくれる者へ、
    「ほら、最後の一押し。強敵だけどみんなの後押しがあれば倒せるよ! 悔いが残らないように全力をぶつけていこー!」
    「あと一撃、あいつに届かせたいっす! 皆! あたしに力をかしてくれーっ!」
     空凛と双調も言葉を重ねる。空凛は普段はおっとりした口調を今は懸命なものに変え、双調は胸に手を当て誓うように、
    「どうかもう一度応援を……必ず勝ちます! 信じて待っていてください!!」
    「貴方達が愛する金沢で元の日常が送れるように、全力を尽くしましょう!」
     四人の中で今まで以上の力が溢れる。
    「チィ、最後まで……ッ」
     苛立つミイラアヌビス怪人へ、双調が白色の帯『黎明の安らぎ』をするすると伸ばす。空凛は桜色の銃『綺羅星』の銃口を怪人の顔へ。
     千歌は息を止め走り、天高くジャンプ。緋色は槍の穂先に氷の塊を召喚。
     葉月は、
    (「サイキックハーツに至る結末なぞ面白くない。画一化など刺激が足りぬよ」)
     口の中で言い皆に呼応、『紫縁』を操りレイザースラスト。
     双調の帯が、敵の右胸を貫き、空凛の弾丸が左胸を射抜く。千歌の蹴りが頭頂部を打ち、緋色の氷が敵全身を凍らせた。葉月の『紫縁』も敵腹部へ直撃。
     双調、空凛、千歌、緋色、葉月の、息をつかせぬ波状攻撃。
    「ば、ばかな……? こ、この我が……ッ、だが、まだ……ッ」
     はたして、ミイラアヌビス怪人は両膝をついた。だが、まだ戦闘不能にはなっていない。手をつき、なお立とうとしている。
     その背後に、
    「いいや、もう終わりだ」
     白焔が回り込んでいた。立ち上がる猶予など与えぬといわんばかりに。白焔は封焔戒装“滅”で敵の背を打つ。脊髄を断たんばかりの強さで。
     ミイラアヌビス怪人は、
    「お主らの顔、ピラミッドの壁画の如く確と、我が記憶に刻みつけたぞ、灼滅者ァァッ」
     叫び、どさり、うつ伏せに倒れた。そして消滅していく。

    「敵はソウルボードから消滅……終わったな」
    「ええ、白焔さん。ソウルボードは無事、奪還できた、ようですね」
     白焔と鞠音は、敵がいなくなったこと、他に敵がいないことを確認。共に息を吐く。
     そう、灼滅者たちはソウルボードを奪還することができたのだ。自身の力とこれまでの活動で得た応援者達の力、そしてその力を十二分に活かす戦術とで。
    「救うことができましたね」
    「ええ、これで良い報告ができそうですね」
     双調と空凛は顔を見合わせ微笑みあう。
    「みんなの応援のおかげだよー! ありがとねー!」
     底抜けに明るい声で、ソウルボードの空へ手を振って見せる緋色。
     荒く呼吸をしていた千歌も、笑顔を作り、
    「皆さんのおかげっす! ありがとうっす!」
     葉月は肌をさすっていたが、皆に顔を向けた。
    「いきましょう、皆さん」
     ソウルボードを出るべく動き出す葉月。
     アリスは敵が消え去ったほうを見つめていた。
    「……次は本物を斬り裂きにいくよ……またね……ダークネス……」
     両手をそれぞれ、ぎゅっと握るアリス。
     灼滅者はソウルボードを出る。
     ある者は勝利を喜びつつ。ある者はソウルボードの主たちに感謝しつつ。ある者は何も言わず。ある者は再戦への闘志を燃やして。

    作者:雪神あゆた 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2018年5月28日
    難度:やや難
    参加:8人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 3/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 1
     あなたが購入した「複数ピンナップ(複数バトルピンナップ)」を、このシナリオの挿絵にして貰うよう、担当マスターに申請できます。
     シナリオの通常参加者は、掲載されている「自分の顔アイコン」を変更できます。
    ページトップへ