●warning
「先日のサイキックハーツ大戦、君達の大勝利だったな。これでようやく世界は変わった! 俺からも感謝する。本当に有難う」
いつになく素直に礼を述べたあと、だがひとつ困った事態が発覚したのだと鷹神・豊(エクスブレイン・dn0052)は語る。
サイキックハーツの力によって本来より大幅に強化されていたサイキックアブソーバーが、負荷のかかりすぎで限界を迎えてしまったようなのだ。
「もはや校長の超機械創造でも制御不能らしい。このまま放っておけば、サイキックアブソーバーはいずれ完全にぶっ壊れちまうだろうな……だが、アブソーバー内部のエネルギーを消費すれば暴走を食い止める事は可能だ。という訳で、一仕事頼まれてほしい」
学園は、灼滅者がサイキックアブソーバーの力を一時的に吸収し、その力を消費・発散してしまう事が最も有効な対策であると考えた。
そうすれば総エネルギー量が低下し、暴走の危険性が下がり、制御可能な状態に戻るだろうと期待されている。
「力を吸収すると一時的に身体が闇堕ち状態になるだろうが、灼滅者の意識は保たれたままだ。それに戦闘不能になるか、戦闘開始から18分間が経過すると自動的に解除される。安心しろ」
闇堕ち状態で戦闘を行う事で、力を消費・発散する事が可能となる。
『極限の状態で激戦を繰り広げる』ほど、エネルギーの消費量は多くなるだろう。
「まあ、本来であれば仲間同士で殺り合うのはあまり推奨したくないがな……手加減すれば消費できるエネルギーもそれなりだ。それでは間に合わないかもしれん」
全てのダークネス組織が滅した今、サイキックアブソーバーの役割は既に終わっているのかもしれない。
だが、今後まだ何かの役に立つ可能性も高い。いま破壊を阻止するに越したことはないだろうと鷹神は言う。
「……しっかし、闇堕ちをこんな風に活用する日が来るとはな。闇堕ち灼滅者同士の全力の戦いか……リスクが無いなら君達も案外望む所なんじゃないか? ま、もう外敵が攻めてくる可能性も無かろうし、たまには情け無用の手合わせを楽しんでくるといい。これも君達の勝ち取った未来の一端なのだからな」
出来ることなら俺も参加したかったなとエクスブレインらしからぬ事を言いつつ、鷹神は灼滅者たちを見送るのだった。
参加者 | |
---|---|
杉下・彰(祈星・d00361) |
宮瀬・冬人(イノセントキラー・d01830) |
一・葉(デッドロック・d02409) |
楯守・盾衛(シールドスパイカ・d03757) |
桜田・紋次郎(懶・d04712) |
天宮・黒斗(黒の残滓・d10986) |
朝川・穂純(瑞穂詠・d17898) |
風峰・静(サイトハウンド・d28020) |
●1
某日、臨時ライブハウスとなった学園内の某教室にて。
「ストレス発散・悪霊退散・お日サマ燦々お疲れサンッてな。いざッて時の切り札的なアレをこンな風に使う事になるとはねィ」
「やるからには全力で。この衝動、たっぷり発散させてもらうね」
楯守・盾衛(シールドスパイカ・d03757)と宮瀬・冬人(イノセントキラー・d01830)が挨拶に殺気を滲ませる傍ら、一・葉(デッドロック・d02409)は杉下・彰(祈星・d00361)の相棒であり【猫チーム】のリーダーゆずさんを掲げ、手をふりふりさせた。
「犬チームには負けねぇぞー」
対する【犬チーム】リーダー、朝川・穂純(瑞穂詠・d17898)の相棒かのこが鳴き返す。桜田・紋次郎(懶・d04712)が心なしか二匹に熱視線を送っている気がする。
「……僕の中のスサノオが、役に立つ日が来るとはねぇ」
「闇堕ちする事はないと思ってたからびっくりだよう」
風峰・静(サイトハウンド・d28020)と穂純の会話が耳に入り、天宮・黒斗(黒の残滓・d10986)は微かに胸が軋んだ。学園に来る前の最悪の記憶――だが、もう闇を恐れる必要はない。
「さあ、思う存分、楽しんで戦おうぜ」
黒斗の言葉を皮切りに、世界が裏返った。
●2
ノイズが溢れ、教室の一角が褪せたモノクロに染まる。何時かと違い、その男の顔に笑みが無い事は彼が『葉』である何よりの証だった。
葉の掌を離れたノイズの影虫が狙う先は、真紅の薔薇を象ったドレスに身を包む妖艶な鬼の薔薇姫。玉肌を喰らう蟲を物ともせず、姫はノイズの奥に護られたねじれた角の少女めがけ突っ込んだ。
「美脚キック!」
強烈な蹴り上げで、少女――彰の黒曜石の腕がわずかに欠ける。視界の端で、白い帯がはらりと地に落ちるのが見えた。
――風峰さん?
あれは静がいつも首に巻いていた包帯だ。彰は咄嗟に腕を振り回した。白装束の獣人が上から飛びかかってくる。白黒が反転しているが、静の面影は濃い。
白炎を噴き上げる喉の傷痕が痛々しく、彰はぎゅっと目を瞑る。
狼の爪と羅刹の腕がぶつかり合い、一瞬、白い火花が飛ぶ。
薔薇姫は何かに魅入られたようにその攻防を眺めていた。腕から滴る血が薔薇の花弁となり、はらりと床に落ちる。
「……すごい。みんな、すごい迫力!」
容姿は大人びても、興奮して無邪気に跳ねる姿はやはり穂純だ。そんな中、突然わざとらしい叫び声が響いた。
「クッ、鎮まれオレの右くるぶしよー」
盾衛が棒読みで何か言いながら震えている。こっちも相変わらずだなと皆思っていると、盾衛の足下から影の猟犬が群れを成して生えてきた。
「マジか……」
強ち冗談でもなかったらしい。驚いた静が声をあげようとし、ごふりと咳き込む。喉奥から溢れる白炎が止まらない。
「風峰、もしや声が」
「!!!」
静がそれは後、と前を指す。武器を構えた盾衛と冬人が犬チームを襲いにきた。分割延長した【七曲】の鎖の中央を握り、両端の刃を激しく旋回させる盾衛は『ホンモノ』ではと疑う凶悪さだ。一方、冬人はあまり変化がなく見えるが……。
「掻っ喰らえ」
迎え撃つ紋次郎の全身を炎が包む。鮮血から青へ、黄昏の空にも似た色を映す火が一瞬にして蒼く染まり、やがて晴れた視界の中で紋次郎は己の世界が一変した事を意識する。
――姿が変われど、意識其の儘とは……随分と不思議な感覚、だ。
仲間の姿は今や紋次郎の眼下にある。白く艶やかな長毛に覆われた身体。宝石のような角を持つ気高き大虎は静かに敵を見据え、足下から蒼炎を噴き上げながら駆けた。
「受け止めて、溢れ出すオレ臭!」
盾衛がにたりと嗤う。彼は一度低く跳躍すると七曲を放り出し、二段飛びで紋次郎の目と鼻の先まで迫る。フェイクだ。
「負けないもん。いくよ、犬チームアタック!」
すっかり女ボス気分の穂純がびしっと指をさす。
了解、とばかりに静は敬礼を返すと、巨大化したかのこに飛び乗り、盾衛に突進した。
「やったあ! いいよ、かのこ!」
「甘いよ」
どこからか冬人の笑い声がする。至近距離から二重の殺気に包囲され、かのこが静ごとどんと倒れ伏す。
「そっちもな」
燕尾服に包まれた細身の身体。被弾を免れた紋次郎の背に立っているのは、男性と見紛うばかりの端麗な白皙の吸血鬼――黒斗だ。
黒斗はそのまま天井近くまで跳んだ。黒いコートが翼のようにばさりと広がり、一瞬照明を遮る。上空から乱れ飛ぶ足止めの結界符を、葉のノイズが次々に喰うが凌ぎ切れない。
虚を突かれた彰の華奢な身体は、容赦なく大虎の下に踏み潰された。
「彰!」
獣達の影に身を隠していた冬人が彰を助けようと駆け寄る。何とか這い出た彼女は、弱々しく微笑み冬人の手を取った。
けして戦いを好まぬ温厚な娘である彰が、何を想い招集に応えたのか。冬人は気にかけてくれているらしい。まだ元気です、と彰はほにゃりと笑む。
「私が私でいられるのなら、たとえ姿は変わろうと、やることは同じです。ささ、ゆずさんっ。リーダーさんは伊達じゃないって、お見せくださいっ」
守りたい、支えたい。
ただ、それだけなのです――ゆずさんの力も借り、傷を癒して再び護りに入る彰を見て、冬人は頷く。その笑顔がいつもの『優しい先輩』と少し違う事に、彰だけが気づいていた。
●3
実力は伯仲し、両者共に盾役から崩す作戦だ。攻撃は自然に穂純と彰へ集中していく。
主人を庇おうと動くかのこが葉に喰らいつき、身体を引きずり回す。噛みついた傷口からノイズが流れこみ、雑音が溢れた。
暴れるかのこの顎を掴んでがっと開き、葉は喉奥まで拳をねじ込んだ。一気に体内を侵食するノイズの煩さに耐えかね、かのこが野獣の如き咆哮をあげる。葉の姿はそのままノイズの中にかき消されていった。
「あり得ない攻撃が来る……とは思ってたけど、これは酷いだろ」
黒斗がやれやれと頭をかく。気づけば犬チームは影のノイズと鎖と犬に囲まれ、部屋の中央に追い込まれていた。猫とは名ばかり、相手は殺人鬼軍団。殺る気だと改めて思う。
「風峰さん平気? 大変だよう」
静がこくこく頷く。闇堕ちすると声が出なくなる事は本人も知らなかったようだ。せっかくだしこれも楽しんでみるよと狼耳をぴこぴこさせてアピールする静を、紋次郎がじっと見ていた。
「??」
「……や、気にすんな。アレやるぞ」
紋次郎がグル、と低く唸る。静は耳をぴんと立て、力を解き放ってスサノオに変身した。静が四肢を踏み鳴らせば、部屋が大きく揺れ、ノイズが歪む。その向こうに彰のねじれた角が見えた。
紋次郎の纏う炎が一際深い青を映し、冷たくも激しい紺碧の爆炎が教室の一角を焼き尽くした。致命的な痛打を受け、焼け焦げた彰の身体が大きく傾ぐ。
彰と穂純、二人の羅刹が吹かせる優しい風と薔薇色の風がぶつかり、花弁と甘い香りが教室を満たす。
私はこの力が怖かった。
これは、傷付ける力。
これは……傷付けた、力。
許せる訳では無い。許されるとも思わない。それでも、守りたいものを守れるのなら、私は――。
「鬼の手が火を吹くよ!」
攻撃が飛び交う中、穂純が赤いドレスを翻して彰へ向かってくる。応えるように彰は忌まわしい両腕を肥大化させ、仲間を護るため立ち塞がった。
激しい攻防の隙をつき、冬人が手にしたナイフを穂純の背に突き立てる。急所を一突きされ、穂純が止まった。
仲間として共に戦った事もある少女を刺す感触。血の花弁を撒き散らし、眼前でゆっくりと倒れゆく薔薇姫。その倒錯感に溺れそうになりながら、冬人は冷静に罪を意識する。もし本当に堕ちていたらきっと今、愉快すぎて笑いだしてしまった。
彰を仕留めようとする静をゆずさんが引っかき、止める。
「彰が俺たちを守ってくれるように、彰を守りたい人もいるんだよ」
かのこに騎乗し、騎士さながらとなった黒斗の一閃がすれ違いざまに彰を薙ぐ。
知っている。優しい言葉をくれる冬人も、ずっと黙ってさり気なく庇ってくれた葉も、彰の何より失くしたくないものだから。
「うぅ……ふわもふアタック、厳しかったです……」
「寝ろ、アホ杉下」
相変わらず捻くれた葉へ、困ったように笑い返す彰の顔に狡猾な羅刹の影はない。倒れた『普通』の娘を、影の鎖と蟲が支えた。
痛い。
けど、楽しい。
それは『私』だから。『私達』だから。
辛うじて意識を繋ぎとめた穂純は最後の力を振り絞り、無防備な葉の背を狙って幻惑の薔薇を投げつけた。とたんに激しい睡魔が葉を襲い、ノイズが砂嵐のように乱れる。
止めを刺され、暗闇に沈む意識の中で、穂純はもう一人の自分と戦う夢を見た。
真紅の裾を翻し、優雅に微笑む鬼の薔薇姫。
――この子は本当はどんな性格だったのかなあ。
きっとトラウマが見せた幻覚なのだろう。鮮烈な紅のドレスは穂純の目をくらませ、どれだけ腕を振るっても、届かない。
――分からないよね。さよなら、もう一人の私。
じゃあね、と言うように姫は穂純を一瞥する。そのまま彼女は闇の彼方へ走り去っていった。
獣化した顎で獲物を仕留めた静が、動かなくなったゆずさんを隅へぶん投げる。
……厭な眠気だ。先程から回復を試みているが、背中に刺さった薔薇がどうしても抜けない。五年前の呪いみてぇだと思いながら、葉は眼を擦り、黒に染まった刀を抜く。
あの『痛み』は、瘡蓋だ。剥がせば鮮烈な血が流れ出る。
三体の巨獣に囲まれた葉は冬人の張った血色の鎖を足場に逃げ回り、ノイズの煙幕を作りながら隙を伺う。物言わぬ盾と化した静の額めがけて刀を打ち下ろし、まず一撃。跳び上がって胸に二発目。頂点で更に空を蹴り、顎をも斬り上げた。
静が声なき咆哮をあげ、自らが吐いた白炎を喰らって傷を癒そうとする。
影虫が騒めく。静寂と喧騒が、ぶつかり合う。
最後は紋次郎の前脚に蹴り飛ばされ、葉は壁に激しく全身をぶつけた。身体に色が戻ってくるとともに、朧げな記憶が蘇る。
往復ビンタ、ドロップキック、顎フック……痛かった。あの痛みに比べればこれ位、と思う。今の彼女に傷んだナノナノ大福ごとどつかれたのだけは――イイ想い出、かもしれない。
「……まあ、こんな気楽な闇堕ちってのもねぇがなあ」
眠気に身を任せ、葉は少しだけ瞼を閉じる。気づけば薔薇は散っていた。
●4
開始10分。
攻撃重視の猫チームと、回復重視の犬チームに差が表れた。猫チームの壁は崩壊したが、犬チームは静とかのこがまだ立っている。
鋭い牙を見せ、ふふんと得意気に笑った静は動こうとした。
その時、全身が急に硬直した。……先程ゆずさんに引っかかれた時、麻痺が回っていたのだ。
「鳴けない狼はタダのワン公だァ、ギャフンと鳴けオラァ!!」
盾衛はすかさず七曲の両端に込めた魔力と術式を解放し、全力で鎖を振り回した。旋回する刃先から次々と魔力の矢が飛び出し、ありえない軌道を描きながらロケット花火のように部屋中を跳ね回る。
「無くて七曲・当たれば八卦、殺ッて魅せたら御喝采ッてなァ!!」
「何じゃありゃ……やっぱ暑さでやられちまったか?」
「止めて冬人、味方だろ」
「ごめん、俺にも無理です」
何とか退避した黒斗達三人は、逃げ遅れた静が花火の的になっているのを眺め、夏だなぁと戦慄した。とりあえず拍手。
「ぎゃふん!! あ、声が……!」
変化が解けた静は命からがら見学席へ転がりこむ。喉はまだ灼けるように熱く、包帯を巻き直す余力も無い。
色々驚いた。でも楽しかったなぁと笑い、そのまま彼は真の静寂へ溺れていった。
ともあれ戦闘再開だ。残ったかのこは健気に瞳を輝かせ、仲間を護るべく吼えかかる。二匹の獣の影に隠れながら、黒斗と冬人、盾衛が刃の打ち合いを繰り返す。
黒斗は獣達の背を身軽に飛び移りながら、予測不能な軌道でかのこを狙う盾衛の七曲を持ち前の反射神経で叩き落とす。その間に冬人の姿を捉えた紋次郎は緩く首をひねり、紺碧の火球を次々と吐き出した。
その熱にまた、滾りそうになる。
「……これを使うのは、今の俺が『俺』自身である証拠」
冬人は深く息を吸い、魔法の吹雪で紋次郎の炎を相殺する。厳かに吹き荒れる青の嵐は融け合って霧散し、冬人は主人を葬ったナイフでかのこの喉を掻っ切った。
縮んでいくかのこを眺め、冬人はふと安心したように笑う。どこか享楽的な色はすっかり失せていた。
後は純粋に、殺り合うのみだ。
まだ猫チームの方が分が悪い。狙われた冬人は回避に集中し、その間に盾衛が紋次郎へ魔矢を撃ちこみ続ける。
紋次郎が額の角で冬人を乱れ突きにするたび、影の鎖が折れ、崩れた。最後は冬人自体を串刺しにし、突き上げる。まるで速贄だと、冬人は他人事のように思った。だが。
「俺は『おれ』に……勝てたよ」
そのまま力尽きた冬人をそっと寝かせ、紋次郎は盾衛に向き直る。
手負いの虎は炎も、矢も恐れず、青く美しい炎を全身から噴き上げ、襲い来る影の犬を蹴散らし、威風堂々と駆けた。決死の突進を喰らった盾衛は勢いを殺せず、教室の外まで吹き飛ぶ。
そこで紋次郎も力尽き、倒れ伏す。どう、と重い地響きが部屋を揺らし、一瞬の静寂が訪れる。
一人残された黒斗は神経を研ぎ澄ました。
――まだ体力は残ってるはずだ。どこから来る……?
不意に飛んできた七曲の柄尻が壁に突き刺さる。
間一髪で見切った黒斗は慎重に柄尻を掴み、光剣を構え一気に鎖を引く。だが、盾衛の手応えがない。
「ヘイ吸血鬼=サン、コッチだYO!」
後頭部に何かがごり、と当たった。銃だ。
断続的な凄まじい熱と衝撃が黒斗の脳をがくがくと揺さぶる。吐き気と共に過去の映像が目の前をちらつき、それでも死ねない身体に感謝した。
「……悪いな。こっちも奥の手があるんだ」
黒斗の腰部から一対の黒翼が生えた。
いや、コートの下に隠していただけだ。最初から――盾衛がそうと気付いた時には、蝙蝠の翼が彼を左右から挟み込んでいた。
動けば動くほど、刃状になった翼の縁が食いこむ。この瀬戸際で使おうとしていた最後の秘策、紅蓮斬だ。滴る血を浴び、傷を癒した黒斗はにやりと笑う。
「逆転。もらったぜ」
――時間切れを告げるアラームの音と共に、二人の変身が解けた。
惜しくも引き分けという結果を犬チームは悔しがり、逃げ切った猫チームはハイタッチで喜び合う。だがこれが最良だ。
「って、痛……」
そして全員仲良く悶絶した。傷が完治するまで、まだ少しかかりそうだ。
「お疲れさん。皆無事で何より。……楽しかった、有難さん、な」
「皆強かったねぇ、味方で良かったよ、ホント」
応急手当をしていた静は、かのことゆずさんを大事に抱えている紋次郎を見て、熱視線の意味に気づく。
「……もふもふ、好き?」
「意外か」
紋次郎が真顔で言い放つ。その後、もふもふ懇親会が始まったのは言うまでもなかった。
作者:日暮ひかり |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2018年7月26日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 4/感動した 0/素敵だった 1/キャラが大事にされていた 3
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