闇堕ちライブハウス~闇のゼーレと共に

    作者:篁みゆ

    ●夏の日に
    「やあ、毎日暑いね。中は冷えているよ」
     神童・瀞真(エクスブレイン・dn0069)はそう告げて、灼滅者達を招き入れる。彼の言葉の通り、教室内はクーラーのおかげでとても過ごしやすい。
    「サイキックハーツ大戦に灼滅者が勝利した事で、世界の危機は去ったよ。月並みな言葉だけど……みんな、よく頑張ってきたね」
     そう言って彼は、安堵したように微笑んだ。そして続ける。
    「でもね、従来のキリングリヴァイヴァーの効果がサイキックハーツの力によって強化されていたサイキックアブソーバーが、限界を迎えてしまったんだ」
     本来の性能を大きく超えた力を発揮していたサイキックアブソーバーは、校長の超機械創造では、もはや制御が不可能となっている。
     このままでは遠からず、サイキックアブソーバーは完全破壊されてしまうだろう。
     サイキックアブソーバーの破壊を食い止める為には、サイキックアブソーバー内のエネルギーを消費して、暴走を発生しないようにする対策が必要になったのだと瀞真は告げた。
    「最も有効な対策は、灼滅者がサイキックアブソーバーの力を一時的に吸収し、その力を消費・発散してしまう事だね」
     灼滅者が消費すればするだけサイキックアブソーバーの総エネルギー量が低下し、暴走の危険が下がり、いずれ制御可能な状態に戻る事が期待できるという。
     しかし『闇堕ち』という言葉に不安を隠せない灼滅者ももちろんいる。そんな彼らに瀞真は大丈夫だよ、と告げて。
    「『闇堕ち状態』は、戦闘不能になるか戦闘開始後18分間が経過すると解除されるよ。灼滅者の意識をもっている状態だから、戦闘中の説得なども必要ない――あ、言葉を掛け合うことはできるよ」
     力を消費するには、『極限の状態で激戦を繰り広げる事』が必要だ。
     手加減しながら戦った場合、消費・発散するエネルギーが少なくなってしまうので、本気の本気で戦う必要があるのだという。
    「サイキックアブソーバーの役割は既に終わっているのかもしれない……でも、今後、サイキックアブソーバーが必要になる可能性も十分にあり得る。だから、選択肢を増やす意味としても、破壊は防ぎたい、かな」
     ある意味『安全』な闇堕ちバトル……存分に力を発揮して戦うことが一番の解決策だと言われ、戸惑う者も胸踊らせる者もいるようだ。
    「参加してくれるかい?」
     瀞真はいつもの和綴じのノートを閉じて、灼滅者たちに微笑みかけた。


    参加者
    石弓・矧(狂刃・d00299)
    空井・玉(疵・d03686)
    アリアーン・ジュナ(紫水晶の煌めき・d12111)
    戯・久遠(悠遠の求道者・d12214)
    新沢・冬舞(夢綴・d12822)
    静闇・炉亞(君咲世壊・d13842)
    迦具土・炎次郎(神の炎と歩む者・d24801)
    獅子鳳・天摩(幻夜の銃声・d25098)

    ■リプレイ

    ●序
     ライブハウスを模した教室に集まった灼滅者たち。その間に満ちていくのは、一種異様な空気。ただその異様さは、不思議と灼滅者たち自身には、ある意味身近なものとも感じられる不思議さがあった。
    「まさか、こんな機会があるとはね。まあ、これも一興ですか」
     そう呟く石弓・矧(狂刃・d00299)の周囲の闇が濃くなっていく――異形化した左腕が最も顕著な変化だ。普段浮かべている柔和な笑みが少し陰ったか。
    (「アブソーバーを維持させる為。……まぁ、確かに有用かもしれませんね。生憎、そんな事に興味はこれっぽっちも無いのですよ」)
     燕尾服に似た上品な着衣を着崩し、背中に生やすのは蒼剣の片羽根。
    「……僕は。我"オレ"は。君達と――全力で消し合う為に、此処に居る」
     普段の口調と違い、厳しさや威圧を感じさせるのは静闇・炉亞(君咲世壊・d13842)。
    (「ライブハウスなんて何年ぶりだっけな」)
     そう記憶を手繰りながら、空井・玉(疵・d03686)はもうひとりの自身の力が表に出ようとしているのを感じる。外果のあたりから白き翼が生まれる。ライドキャリバーのクオリアはその体に吸収されたようだ。
    「炎次郎っち、前からキミを一度思いきりブン殴ってみたかったんすよね」
     灰と硝煙のオーラが獅子鳳・天摩(幻夜の銃声・d25098)を包み込む。胸に光るのはスペード。
    「なんてね。ほら、ボケにはツッコミが必要っしょ」
     その軽口とは裏腹に、ライドキャリバーのミドガルドを吸収して彼の姿は真っ黒で無機質なモノへと変貌していく。黒き翼と光るゴーグルが、黒の中にあってなお特徴的だ。
     この四人がA班として行動を共にする。
     対するB班は。
    「掛け値無しに全力を揮える機会か」
     呼気を整える戯・久遠(悠遠の求道者・d12214)は紺青の闘気を纏い、その足元に控える霊犬の風雪は、久遠の風格に劣らぬ威厳を持つ白銀のハスキーだ。
    「最初で最後の儀式と行こうか。……『Color inversion:Red crystal』」
     その横で右手の人差指と親指で挟むような形を作り、左胸に当てるのはアリアーン・ジュナ(紫水晶の煌めき・d12111)。
    (「さあ、楽しいチーム戦だ! 芯から壊し愛(合い)しようぜぇ!!」)
     バトルジャンキーであることを、心の高揚が物語っている。腰まで伸びた髪は首の後で真紅のリボンで結び、浮かべるのは病的な笑み。真ん中だけ留めた真紅のシャツとダメージ加工の入った黒のパンツ――覗くのは病的な肌と首の包帯。
    「それにしても、という形ではあるが、面白い試みだな」
     他の者達の闇堕ち姿を興味深く見ながらも、新沢・冬舞(夢綴・d12822)はもちろんそれだけを楽しみに来たわけではない。
    (「最後まで立ち続けることを優先し、なんとか勝ち抜きたいところだが。さて、どうなるかな」)
     もう一つの姿は意図的に冬舞と似せられているため、一見大きな違いは見当たらないが、退廃的で刹那的な気質は滲み出す殺気に混ざり込んでいて窺える。
    「俺ハ売ラレタ喧嘩ハ買ウ主義ダ……ダガ、ソウ簡単ニヤラレテクレルナヨ? 戦イデハナク、狩リニナッテハツマラナイカラナ!」
     霊犬のミナカタを吸収した迦具土・炎次郎(神の炎と歩む者・d24801)は、獰猛なサーベルタイガーへと姿を変える。纏った炎が意思を持っているように激しく蠢き、天摩を睨めつける。
     さあ、試合開始だ!

    ●戦
    「行こう」
    「いざ尋常に……勝負」
     先手を取ったのは冬舞だ。槍を手に、狙うは矧。その後を追うように久遠が『カゲヨリイズルモノ』を放つ。
    「我流・鬼哭晦冥!」
     影が狙うのは玉だ。だがその攻撃は矧が庇い受ける。風雪も矧を狙う。
    「それならこっちも」
     天摩の『SEブレイドウィップ』は鎖状になった孔雀の尾羽を象っていて。宣言通りに正しく炎次郎を狙う。しかしそれは久遠に庇い受けられて――だが。
    「少し借りるよ、マドカ」
     首の傷から引き出した影が、玉の意思通り『Zillions of』を象る。
    「それじゃ、遠慮なく油断なく容赦なく、派手に行こうか」
     玉はアブソーバーの延命にさほど興味はなく、闇堕ち状態で暴れたいわけでもない。仕事だから来た、という感じではあるが、やる気が無いわけではない。班内で撃破順の認識を統一していなかったことを思い出したが、臨機応変に放たれたその矢は炎次郎に深く突き刺さった。
    「俺ハ神ヤ仏ヤ……ソシテ、ココニイルオマエ達ヲモ超越シタ強サヲ持ッテイル!」
     対する炎次郎は、刺さった矢を意に介する事なく紡ぐ。
    「火ヲ生ミ給イテ、御保止ヲ所焼坐シキ、如是時ニ吾ガ名ノ命ノ吾ヲ見給ウナト申ス!」
     その詠唱によって展開された結界は、矧、炉亞、天摩の足元に広がって。
    「呪術ハ使エナクナッタトデモ思ッタカ?」
    「楽しませてもらえそうだな」
     口調も引きずられたか、矧は異形化した左手から出した杭――四本の刀が合わさってできたそれをアリアーンへと突き出す――惜しくも避けられて。しかしアリアーンがそれを避けた先に迫り来ていたのは、緋色をしたオーラの塊。彼が避けると察知した炉亞が、機動を活かし、射出先を変えていたのだ。
     しかし不意とも言えるその攻撃を受けたアリアーンに驚愕の色はない。むしろその瞳は、愉しげな色を宿して。
    「力だけ借りるぞ、幼く歪んだ憧れの具現にして同一性自己愛を貫く赤き太陽、アリオーソ・ジュナ!!」
     彼の出現させた緋色の逆十字は、一番傷の深い矧へと迫る。その行き先を見届けるより先に、冬舞が逆十字の操り手であるアリアーンへ帯の鎧を与えた。
    「風雪、回復を」
     久遠が告げるよりやや早く、風雪は彼の意図を理解しているとばかりにアリアーンを癒やし清める。その様子を視界の端におさめ、久遠は矧との距離を詰める。A班の盾役は矧ひとり。他への攻撃を庇われる前提で他のメンバーを狙うのも一つの選択肢だ。だが現時点で一番傷の深い矧に狙いを定めれば、早くに相手の数を減らせるかもしれないという思いもあった――もちろん、個人的に拳を交えたい者同士に強制するつもりはない。
    「我流・要散木!」
     超硬度の拳が矧を打つ。直後に放たれた天摩の攻撃――炎次郎を狙ったそれは孔雀の羽模様に出現した眼から発せられる漆黒の光線――間に合わない、久遠がそう感じた刹那、光線を受け止めたのはアリアーン。
    「炎次郎っちになかなか届かないなぁっ」
     それでも天摩はどこか楽しそうだ。元々そう簡単に当てさせてもらえるとは思っていないところもあるのだろう。
    (「どうするのがいいかな」)
     けれども玉の逡巡は一瞬。傷口から引き出した『Category:Shadows』を象ったモノが刃となって炎次郎を狙う――だが今度こそとばかりに、それは久遠がその肉体で受け止めた。
     盾役がいるのはどちらも同じ。その数の差がどう戦局に影響するかは、今はまだわからない。だが、それぞれの選んだ役割、戦法はじわじわと積み上がり、効果を表すだろう。
    「俺ノ足ヲ引ッ張ルナヨ?」
     仲間たちに告げて炎次郎が放つのは影の刃。それはまっすぐに天摩に向かう。だがそれを身体で受けた矧は流れるように久遠との距離を詰め、左手の杭を突き刺す。地を蹴った炉亞は魔を祓う刀『君咲』を振るい、衝撃と共に前衛にかかった加護を打ち消した。アリアーンが構えた銃口から爆炎の魔力が込められた弾丸が無数に放たれる。それは矧へと迫りゆく――。
     皆、通常よりも力が増しているのは感じている。だが相手も同じく力の増した状態。手応えが増したようにも、思ったより手応えが得られなく思うのもどちらも事実。
     それは、両者の力が拮抗している証だ。

    ●動
     どのくらい攻防を繰り返しただろう。少なくとも玉が、機能上必要だったわけではないダークネス人格の外見変化を真似るのが面倒になり、瞳孔の変形や首の傷を介さずに戦闘部位を変形させるほどには時間が経っていた。
    「よし、ツッコミ成功だね」
     天摩が合わせた手から放った黒い光線は、誰に遮られることなく炎次郎の身体に強く当たる。狙い同じく玉の放った矢は、アリアーンによって阻まれた。
    「神ヲモ殺ス……俺ノ炎ヲ止メラレルモノナラ止メテミロ!」
     飛び出した炎次郎の行く先には天摩――燃える牙で彼の肩口に思い切り噛み付く。
    「っ……そうこなくっちゃ」
     再び距離を取るその時にぶつかった視線。互いに与えあった傷が互いを高揚させていく。
    (「さて、できるだけ立っていたいつもりだが」)
     盾役の矧はこれまでに幾度も攻撃を庇い受けていた。それが自身の役目であることはもちろん承知。これまでに数度、背中から出した無数の刃の鍔競る音を風に変換し、自分を含めた前衛を癒やし清めてはいたが、その回復量は多いとはいえない。仲間たちからの回復支援は、様々な理由で望めない。敵は自分を集中的に狙ってくる――癒やしきれぬ傷が蓄積されて重く感じる。
    「静闇」
     視線は敵を捉えたまま、隣の炉亞に小さく告げて、矧は動いた。シューズのローラーから出た無数の小さな刃が鍔競り、その摩擦から生まれた炎を使用した蹴撃を、久遠の腹部に打ち込む。
    「ああ、はい……」
     混ざり気味の口調で返した炉亞は、矧の足が久遠の腹部から離れようとしているその時に、細身の形に似合わぬ威力を内包した漆黒の刀身で、久遠を斬りつけた。
    「そろそろ限界だろう?」
     矧へと迫るのは、アリアーンの顕現させた逆十字。避けられるか、矧が一瞬逡巡したように見えた。
    「その隙、逃さん」
     風雪の回復を受けた久遠が矧の死角から拳を繰り出す――だが、その拳は羽織から出現した刃に受け止められて。
    「なに……!?」
     逆十字は身体で受け止める。死角からの攻撃には常に用心していた方法で防いだ。
     だが。
    「死角を潰したことで、新たな死角が生まれているぞ」
    「!」
     その声とともに矧の身体を襲ったのは斬撃の傷み。ひとりですべての死角をカバーするのは難しい。相手が、同等以上の力を持っているなら尚更。
     声の、斬撃の主は冬舞だ。もしかしたら、元々冷静に状況を分析する彼に、冷静・冷徹・老獪なダークネス人格が見え隠れすることでこの動きに繋がりやすかったのかもしれない。
    「くっ……ここまでか」
     膝を付き、これ以上動けなくなった矧はその身体を床に横たえる。
    「やってくれるね」
     天摩のサイバーゴーグルから放たれた黒い光線が狙うのは、やはり炎次郎。玉が合わせるようにオーラを後衛へ向かわせたが、そちらは久遠に遮られる。
    「肩代ワリノ分、俺ガチカラを振ルッテ見セル……!」
     炎次郎の影の刃が常以上の威力を持って天摩を斬りつける。だが彼はまだ倒れない。満足げに炎次郎の口角が上がった。
    「やられっぱなしと思うなよ……です」
    「まだだ。限界までの力を引き出す」
     緋色のオーラの塊が久遠を殴りつけるようにぶつかる。彼がたたらを踏んだのを、炉亞は見逃さなかった。
    「次は誰だ?」
     青白い顔に浮かぶ笑み。アリアーンのオーラは炉亞を狙って。
    「風雪、アリアーンを」
     回復を命じた久遠は炉亞の懐に入り込む。そして繰り出すのは紺青の闘気を纏った無数の拳。アリアーンと久遠の動きを見、冬舞は炉亞との距離を詰める。そして繰り出される槍の一撃。
     天摩が合わせた手から放った漆黒の光線はもちろん炎次郎を狙っている。それが久遠によって受け止められた時、玉は瞬時に狙いを変えた。それまで天摩と同じく炎次郎を狙っていたが、盾役のどちらかに阻まれるのはもちろん覚悟の上だった。阻まれたことで盾役の傷が増えればそれでいいと思っていた。だが自分の班の盾役である矧が倒れた以上、数的な不利を解決しなければじわじわと追い詰められる可能性が高い。
    「静闇さん」
     後方から声をかけ、炉亞の横を抜けて久遠との距離を詰める玉。すでに『Pseudepigrapha Phase』を模した戦闘部位はその手に。そして――それを振り下ろして接触させることで大量の魔力を流れ込ませる。
    「ぐっ……」
     体内を蹂躙する玉の魔力に小さく呻いた久遠。だがそれとほぼ同時に、接近していた炉亞の『无焉絶断【刻散】』が振り下ろされる!
    「う……」
     大柄の久遠がどす、と床に倒れ伏した。

    ●結
     残りの時間なんて誰も気にしていなかった。時間が来れば強制的にこの力は収まる。
     天摩のゴーグルからの光線を身体に受けつつも、炎次郎は彼我の距離を詰めて天摩へと炎の牙を突き立てる。
    「はは……やるね」
     ギッ……至近距離で視線が火花を散らす。
     冬舞がジグザグの刃を手に炉亞へと迫り、それで切り裂く。炉亞はダークネスに心を傾けてその傷を癒やしたが、冬舞につけられた傷はなかなか回復しづらい。
     玉が炉亞と共に次に狙い続けていたのはアリアーンだ。影の刃で彼を斬りつける。対するアリアーンが放った爆炎の弾丸が炉亞の身体を突き破ろうと食い込む。ふらり、炉亞はふらついた身体を立て直そうと足に力を入れた。風雪は迷ったようだがアリアーンを癒やす。
     孔雀の羽模様に現れた瞳からの黒い光線が炎次郎を狙う。もちろん天摩が放ったものだ。
    「ム……」
     天摩の攻撃はポジション効果もあって一撃一撃が重い。炎次郎に蓄積されているものは多いが、彼はそれをおくびにも出さずに影の刃を放つ。
     冬舞は炉亞の死角から斬りつけ、不浄効果を増やすことで仲間の補助となるよう動いている。玉の放ったオーラはアリアーンの肩を強く打つ。素早くアリアーンとの距離を詰めて、炉亞は細身の漆黒剣で彼を斬りつけて守りを固める。炉亞が距離を取る前にアリアーンがその影で炉亞を飲み込もうとした――その時、それは訪れた。

    ●安
     制限時間の到来に伴い闇堕ち状態は解除された。どちらの班とも倒れたのは一人、倒れる寸前が一人、深めの傷を負った者が一人……細かく見れば多少の誤差はあるとはいえ、ほぼ互角の戦いだった。
    「炎次郎っちを倒せなかったのは残念っすね」
    「その言葉、そっくりそのまま返そか?」
     天摩と炎次郎が互いを称え合う(?)のを壁に寄りかかって見つつ、冬舞は内心安堵していた。闇堕ち経験が多いゆえに、闇堕ち人格を抑えきれなくなるのではと危惧していたからだ。
    「互角の戦い……結局アブソーバーの延命の一助になりましたか」
    「そうだね」
     炉亞と玉、特にアブソーバーの延命に興味のない二人。
    「もう少し時間があれば、決着がついたかもしれないな」
     アリアーンの言う通りかもしれない。
    「楽しかったといえば楽しかったですが、できれば二度と堕ちたくはないですね」
     ふう、と息をつく矧。
    「なかなかに得難い経験だった。皆の奮闘に感謝する」
     呼気を整えながら告げられた久遠の折り目正しい姿に倣って、皆もそれぞれお疲れ様と違いを称え合うのだった。

    作者:篁みゆ 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2018年7月31日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 1/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 1
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