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「大分落ち着いて来た様だけれど……まだ、発散が足りないみたいだね」
視察旅行に行かず、経過観察を続けていた北条・優希斗(思索するエクスブレイン・dn0230)がそっと溜息を一つ。
発散が足りない、と言うのは、サイキックアブソーバーの限界についてだ。
既に多数の闇堕ち状態での灼滅者達の戦いによってサイキックアブソーバーに蓄積されていたエネルギーは確実に消耗され、大分落ち着いてきている様にも見えるが、どうやらまだ暴走状態が続く程度にはエネルギーが残っているらしい。
「と言う訳で、皆にはサイキックアブソーバーの暴走による破壊を止める為に、もうひと働きして欲しい。どうかよろしく頼む」
そう告げる優希斗の表情は、少しだけ沈痛そうだった。
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「さて、サイキックアブソーバーの現在の状態については皆もある程度知っていると思う」
優希斗が言っているのは、大まかに言えば下記の事だ。
本来の性能を大きく超えた力を発揮していたサイキックアブソーバーが校長の超機械創造でも制御が不可能になっていると言う事実。
そしてその状態からサイキックアブソーバーを脱させるために最も有効な対策が、灼滅者達がサイキックアブソーバーの力を一時的に吸収、闇堕ち状態となり、その力を発散・消費してしまうことにある事。
「と言う訳で、既に説明は不要かも知れないが、皆には『闇堕ち状態』で2班に分かれて戦って欲しい」
この闇堕ち状態の時は、あくまでも灼滅者の意識状態。
故に、説得などは不要となる。
「闇堕ち状態は、戦闘不能になるか、戦闘開始後18分間が経過すると解除される。そして、消費する為には、『極限の状態で激戦を繰り広げる事』で戦うことが重要になる」
故に、灼滅者達の本分である連携を重視した戦いが肝となる。
手加減しながら戦ってしまえば、消費・発散するエネルギーがそれだけ少なくなるのでそれだけ本気の本気で戦う必要があると言う事だ。
「舞台はすでに用意してある。すまないが皆、どうかこのサイキックアブソーバーの状態を解消する為の戦いに手を貸してくれないだろうか?」
優希斗の言葉に灼滅者達が其々の表情で返事を返した。
「今、今後、皆が何処に所属するか、その中でこの武蔵坂学園を如何して行くか等についての話し合いも始まっている状況にある。それらの話し合いの皆の結論の結果、本当は不要なのかもしれないが、もしかしたらサイキックアブソーバーが何らかの形で必要になる未来が生まれてくる可能性もある。その時は、俺達の予知も何らかの理由で必要となるかも知れない。この未来の選択肢を無駄に潰さない為にもどうか皆協力して欲しい」
優希斗の言葉に背を押され、灼滅者達は静かにその場を後にした。
参加者 | |
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ポンパドール・ガレット(火翼の王・d00268) |
レイ・アステネス(大学生シャドウハンター・d03162) |
文月・咲哉(ある雨の日の殺人鬼・d05076) |
藤堂・夢麓(夢に誘う・d20803) |
師走崎・徒(流星ランナー・d25006) |
白石・明日香(教団広報室長補佐・d31470) |
有城・雄哉(蒼穹の守護者・d31751) |
氷上・天音(拳が打ち砕くのは悲しみの氷壁・d37381) |
●
(「この姿になるのも二度目なんだな」)
その瞳を赤く変色させながら文月・咲哉(ある雨の日の殺人鬼・d05076)はふと思う。
当時を思い出し、親友の形見である【十六夜】を慰撫する様に撫でる。
(「もう二度となるまいと思っていたが、状況は変わるものだな」)
でも、其れが必要であるのならば、存分に使わせて貰う。
奪うのではなく、護る為の力として。
(「アブソーバーの力を使わなくなる日が来るなら一番幸せだけど……」)
それが胸元のガーネットのブローチに触れて瞑目する、氷上・天音(拳が打ち砕くのは悲しみの氷壁・d37381)の願い。
――けれども。
(「でも……100%確実に来るとは限らないから」)
だから今やれる事を全力でやる。
「色々あったけど……まっ、いいや。雄哉、覚悟しろよ♪」
「師走崎か。いいぜ」
師走崎・徒(流星ランナー・d25006)の言葉に、瞳を金にした有城・雄哉(蒼穹の守護者・d31751)が鱶の笑み。
繰り返せば繰り返すほど自身の本性である“戦闘狂”が馴染むのを感じている彼をレイ・アステネス(大学生シャドウハンター・d03162)が見やる。
「有城と同じ班になるのはこれが初めてだな。さてこの先には何があるのか……」
機会があればミゼンの振りでもしてみるか、と悪戯心が疼いた。
「師走崎や、氷上はかなり姿が変わるのだな」
燕をモチーフとし黒曜石の角を額から嘴の様に生やした何処かダークヒーロー風な姿と化した徒と、髪を結っていたシュシュを外し、背に蒼水晶で出来た二対の翼が生え、踏め騎士風の甲冑にミニスカート、そして蒼水晶のチャームが付いたニーハイブーツ姿の天音を見るレイは愉快そうだ。
「汝等の力、どれ程のものか確かめさせて貰おうか」
「おれ、ツノが生えるのがちょっと痛いんだよネ。まあ、でも人生初のジャマ―だし、楽しみ、楽しみ!」
漆黒の一対の翼を背に生やす白石・明日香(教団広報室長補佐・d31470)尊大な口調で話しかけるのに対し、ポンパドール・ガレット(火翼の王・d00268)がその頭から生えてくる二本の角を指差し笑う。
緊張からか、軽く肩が強張るが虎班への信頼故か不安は無い。
(「闇堕ち状態ね……滅多に使うことの無かった能力だからこういう時には思いっきり発揮すべきだと思うわ」)
「皆、手加減は無しだからね」
その瞳を真紅に変えながら、藤堂・夢麓(夢に誘う・d20803)が語り掛ける。
「藤堂とは初めてだな。よろしく頼む」
「ええ。同じ班同士だものね。お願いするわ」
レイに頷き返し、夢麓がポンパドール達虎班を見る。
「わるいけどおれ、全力でいくからネ!」
ポンパドールの宣言に、レイはの口元に悪戯めいた笑みが浮かび両手を仰々しく開く。
「私達の戦いは龍虎相打つとなるのでしょうか? はたまたどちらかが倒れる戦いとなるのでしょうか? それでは……」
「始めましょうか。最高の戦いを、闘争を今此処に!」
ミゼンっぽく前口上を述べるレイに笑い、雄哉が大仰に宣言した。
●
「それでは参りますよ」
蒼眼となり足元から噴き出し全身に纏わりつく闇で拳を鋼鉄化させた雄哉が徒に正拳突き。
割り込んだのは咲哉。
「今回の戦いはチーム戦だ。目指すは最大限の激戦。遠慮なんて無用、だろ?」
「行くよ、雄哉!」
咲哉の背から飛び出しながら、徒が手首から燕の翼の様な細い布を解き放つ。
燕の様に舞うそれが雄哉の闇を喰らおうとするがその時には夢麓が前に飛び出していた。
「そうねこれはチーム戦。私も介入させて貰うわよ」
「やれやれ、仕方ありませんね」
雄哉が溜息をつくのも気にせず夢麓が鋭く目を細めてポンパドールを見る。
「さぁ、貴方は私の殺気に耐えられるかしら?」
刺す様な刃となった殺気がポンパドールへの身を射抜く間に明日香が空を駆け。
「行くぞ!」
不死者殺しクルースニクに緋色のオーラを這わせた明日香の斬撃を咲哉が【十六夜】で受け流す。
「ポンパドール、行くぜ!」
「サクヤ、まかせてネ!」
翼を羽搏かせ離脱しようとする明日香に追いついた咲哉が【十六夜】を下段から撥ね上げ明日香の軸足を斬り裂くと同時にポンパドールが明日香の懐に潜り、炎を纏った拳を叩きつける。
「考えることは同じか」
明日香の全身に回る火傷を確認したレイが帯を射出し回復。
「行くわよ、もう一人の【あたし】」
――それは、夢で見たことのあるもう一人の自分。
影ながら何時も自分を支えてくれていた大切な者。
祈りながら天音が放った黄色い光条が咲哉の傷を癒し、徒を黄色の結界で覆った。
「初手は貴方方に一日の長がありましたか。ですが、この程度では足りませんよ」
「それが昇華された今の雄哉なんだね! ならば、全力で叩きのめす!」
徒が燕の翼の様な細い布を靡かせて無数の風の刃を解き放ち雄哉も又、応じる様に無数の闇黒の拳を狂気の笑みを浮かべながら放っていた。
●
「行くよ!」
徒が戦場を疾駆し、細柄の片手用ハンマーに弧を描かせ雄哉を襲う。
夢麓が盾となってその攻撃を受け止めた。
「私の影よ、相手を包み込みなさい!」
夢麓の叫びと共に、彼女の影がポンパドールを包み込もうとするが、咲哉が割込み【十六夜】で影の一部を斬り捨て上空から急襲を掛けようとする明日香へと肉薄。
「行くぜ!」
「汝のその技、既に見切っておるわ!」
【十六夜】で薙ぎ払う咲哉の技を明日香は不死者殺しクルースニクで受け流そうとするが、咲哉は身を屈め、右腰に差していたクルセイドソードを抜剣下段から撥ね上げて魂を斬り裂く斬撃を放つ。
「こいつは忘れていたみたいだな、明日香!」
魂を斬り裂かれレイから放たれた加護が失われ傾ぐ明日香へとポンパドールが肉薄、左手に構えていた槍の先端から全てを凍てつかせる弾丸を解き放つ。
「これがおれたちのチームワークだよ!」
「ちっ……!」
体を凍てつかせられながら、明日香も絶死槍バルドルの先端から妖冷弾を放ち、咲哉を【十六夜】事凍てつかせるが。
「咲哉君!」
天音が蒼水晶の翼を羽搏かせ、徒達を回復させる清らかな風を吹かせ傷を癒す。
「文月、中々手強いな」
レイが帯を解き放ち明日香を護ると同時に手に持つ杖の先端から輝ける十字架を徒に向けて放つ。
それは雄哉の攻撃を躱し、細杭で正確に死の中心点を狙っていた徒の攻撃を相殺。
「その隙、有難く利用させて頂きます」
雄哉が徒に向けて闇黒の光を解き放つが、まるでその攻撃を予測していたかの様に、全てを凍てつかせる弾丸がその闇とぶつかり合い消滅。
「ゴメンねぇ、おれ、こう見えてけっこう負けずギライなんだ!」
邪気の無い笑顔のポンパドールが明日香に向かい、炎を纏った両手を爪へと変貌させ彼女をジグザグに斬り裂こうとする。
「それは通せないわね」
夢麓が明日香を庇いながら、軽く唇を噛み鮮血を周囲へと漂わせる。
それが真紅の霧となって夢麓と雄哉を覆いその力を蓄えるのを見て天音の帯に覆われた咲哉がクルセイドソードで夢麓の魂を斬り裂き、夢麓の加護を消失させる。
すかさず夢麓に帯を解き放ちその傷を癒しながら防護の加護を与えるレイ。
「ありがとう、レイさん」
「礼には及ばないよ、藤堂」
(「ブレイクした直後に回復か……流石だな、レイ」)
レイを見ながら、咲哉が思う。
現在、戦い始めて凡そ9分が経とうとしていた。
だが、まだ互いに誰一人として戦闘不能者が出ていない。
これ程までに拮抗した戦いに、思わず笑みが零れてしまう。
「おおおっ、雄哉あぁっ!」
燕の様に飛び回りながら徒が細柄の片手用ハンマーを振るう。
「それが貴方の戦法ですか。良いですよ、受けて立ちましょう」
強烈な殴打を左腕で受け止め腕が変な方向に折れる嫌な音を聞いた雄哉は愉快そうに笑い全身に纏わりつく闇を全てを凍てつかせる蒼穹の炎へと変化させ、徒と咲哉を纏めて焼き払った。
「その状態で汝、我が攻撃を受け止められるか?!」
明日香が咲哉に向けて漆黒の緋色の逆十字を放ち眠気を催させるが、その時には天音とポンパドールが同時に帯を咲哉に放っている。
すかさずレイが動いた。
「その隙を見逃すわけには行かないな」
交通標識に深紅の光条を取り込ませ、ポンパドールへ解き放つレイ。
だが、回復された咲哉が【十六夜】でその光条を断ち切り。
「盾として、最後まで立ち続ける!」
叫びながら咲哉がクルセイドソードを明日香に向けて袈裟に振るう。
「あくまでも、我を狙うか!」
「良いようにはさせないわ」
夢麓がその攻撃を受け止めたのに咲哉がニヤリと笑み。
「甘いぜ」
下段から【十六夜】を撥ね上げて明日香の腿を斬り裂く。
「ポンパドール! 天音! 徒!」
「行くよ!」
咲哉の号令に応じてポンパドールが炎を纏った拳を明日香に叩きつけ、天音がミニスカートを靡かせつつ蒼薔薇と水晶の飾りが着いたクルセイドソードを袈裟懸けに振るう。
「チームの勝利の為だし、しょうがないよね!」
(「なるほど。連携に齟齬が出ておりましたか。少し読み違えましたね」)
足元から噴き出す闇を影へと変貌させ徒を喰らおうとしていたその一撃を風の刃で相殺しながら速度を落とす事無く徒が明日香の死の中心点に向けて細杭を解き放ち、その身を貫こうとするが、夢麓が前に飛び出し盾となる。
「こうまで集中砲火されると、厄介ね」
軽く肩で息を切らしながら殺気の矢をポンパドールへと放つ夢麓。
ポンパドールがそれを受けるが、明日香と異なりまだ余裕が在りそうだった。
「だが、此処で負けるわけにもいかないだろう」
レイが黄色い光条を解き放ち夢麓達の傷を癒した。
●
「まだ、我は敗れぬ! 汝等の刃で、我を容易く倒せると思うな!」
明日香が不死者殺しクルースニクに緋色のオーラを這わせて咲哉を斬り裂く。
だが咲哉を守るポンパドールと天音の放った加護により致命傷には至らない。
「サクヤ、たのむネ!」
衣服に着火した炎に苛まれる明日香にポンパドールが接近、鍵爪でその身を引き裂き、氷を拡大、明日香が氷柱の中に取り込まれる。
「これで終わりだ!」
咲哉がクルセイドソードを袈裟懸けに振るう。
咄嗟に夢麓がカバーに回ろうとするが、その時には徒が雄哉に接近、細柄の片手用ハンマーを振るって彼を吹き飛ばそうとしているのに気が付き、やむを得ぬと其方のカバーに回る。
その間に咲哉の袈裟切りが明日香を捉えた。
「くっ……まさか、我が倒されるとはな……」
地面に倒れ伏す明日香を確認しつつレイが杖を振り上げ符を召喚、咲哉を攻撃。
本来であればポンパドールを狙うところだが、天音達、そして彼自身の斬撃による聖戦士化による防御能力の上昇を、これ以上野放しには出来ない。
「あの時、私を倒した方を今度は貴方方が倒しましたか! さあ、もっと戦いを楽しみましょう!」
雄哉が愉快そうに笑いながら右拳に闇の波動を纏わせ無数の殴打を徒に放つ。
咲哉が盾となり、二刀でその攻撃を受け止めた。
「まだ……まだだ……!」
「咲哉君!」
天音が帯を解き放ち咲哉を癒し、ポンパドールが炎を纏った拳で夢麓に殴り掛かる。
「くっ……次は私なのね」
「ぜったいに勝つ覚悟できているからネ! おれたちは負けないよ!」
ポンパドールの叫びに夢麓が地面を軽く蹴る。
「私の影よ、相手を包み込みなさい!」
夢麓の解き放った影がポンパドールを覆いその身を喰らう間に、レイが帯を解き放ち夢麓を回復するが、先の炎のダメージを回復しきれない。
(「これは……流石に厳しいか」)
レイが思いながら、雄哉と徒の戦いの趨勢を見つめる。
「まだだ、まだだよ雄哉!」
徒が再び細柄の片手用ハンマーを振るう。
「やらせないわ」
夢麓が庇いその攻撃を抑えるが、その時には咲哉が【十六夜】で夢麓の足を断ち切り、ほぼ同時にポンパドールの炎を帯びた拳と天音の蒼薔薇と水晶の飾り付きクルセイドソードが夢麓の魂を斬り裂いた。
「ダメね……」
後はよろしくとばかりに倒れる夢麓にレイが頷き、徒にレッドストライク。
「! しまった、レイか!」
徒がよろけたところを見逃さず、雄哉が闇により右拳を鋼鉄化させて徒を殴り倒そうとする。
「これで終わりですよ」
「やらせないぜ!」
その前に傷だらけの咲哉が割込み、二刀を十字にしてその一撃を受け止める。
だが、その一撃の重さに耐えきれず、遂に咲哉がその場に膝をついた。
「咲哉、ありがと! 決着をつけるよ、雄哉あぁっ!」
「望む所ですよ、此処で終わりに致しましょう」
徒の言葉に雄哉が鱶の笑みのまま闇を更に深める。
そして無数の殴打を解き放つのに合わせようとした時。
「ゴメンねぇ、これチーム戦だから!」
「徒達を守るのがあたしの役目!」
ポンパドールと天音が帯を解き放ち徒を守護する結界を張る。
四重の結界に守られた徒が雄哉の殴打を受けて喀血しながらその懐に飛び込んだ。
「凌駕などさせんっ!」
がっしりと雄哉の腰を掴んで上空に飛びそれから頭から地面に突っ込ませた。
耳を劈かんばかりの音が周囲を覆い、それからゆっくりと徒が立ち上がるが。
「そこまでだな」
その隙を見逃さず、レイが杖から符を解き放ち徒に凄まじい眠気を起こさせる。
先の雄哉の一撃で瀕死に近い状態だった徒がそれに耐えきれずに、その場に倒れ込んだ。
――それから2分。
レイがポンパドールと天音の攻撃を受けながらも辛うじて踏み止まったところで、不意に力が失われていくのを感じ、18分の時が過ぎたことを天音達は知るのだった。
●
「レイ先輩」
「分かっている。見事だ。君達の勝ちの様だな」
天音に一つ頷いたレイが天音達の勝利を称賛し、負傷者達の介抱に回る。
そんな中、蒼眼の人間形態に戻っていた雄哉が、自分の中の満足感に恍惚としていた。
「雄哉! お疲れさん!」
天音の手当てを受けた徒が手を差し出してくるのを取り、そのまま立ち上がる。
特に何かを聞いて来るでもない徒の様子に雄哉は少しだけ怪訝に首を傾げていた。
「何も、聞かないんですか?」
「殴り合って色々感じたからね。その闘争心も雄哉なんだろ?」
徒の問いに、雄哉がそうです、と軽く頷く。
「皆お疲れ様! 折角だし、皆でこれ食べよう?」
天音がクーラーボックスから手作りの水羊羹を取り出した。
「おっ、美味そうだな。それと皆、激戦お疲れ様だぜ」
最後まで立っていることは出来なかったけれど。
それでも自分の出来ることはやった。
だから。
「ありがとうな」
咲哉が水羊羹を貰いポンパドール達もそれを食す。
「これで優希斗先輩の気持ちが少しでも軽くなればいいな」
「今回は最後まで戦い抜いたからかなり消耗できた筈だ。北条も少しは気が楽になっただろう」
レイの言葉に天音が頷き水羊羹を食べながら、夢麓が思う。
(「後でアブソーバーの様子、見に行かなきゃね」)
そうして、今回の戦いの幕は閉じた。
作者:長野聖夜 |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2018年8月16日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 5/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 1
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