●未来への遺産
「集まってくれてありがとう。早速だけど、サイキックアブソーバーに蓄積したエネルギー消費のために、灼滅者同士の戦いをあなた達にもお願いしたいの」
机上に広げたノートには、既に概要が書き込まれている――もう既に経験した人もいるかもしれないけれどと前置きして、唯月・姫凜(大学生エクスブレイン・dn0070)は彼女にとっては二度目となる今回の依頼の概要を語った。
「一言で言うなら、サイキックアブソーバーの存続危機ね。先の大戦時を含め、従来性能を凌駕して機能していたサイキックアブソーバーが、とうとうその抱えたエネルギーを許容出来なくなってしまったの」
キリングリヴァイヴァーの効果がサイキックハーツの力によって強化されていたサイキックアブソーバー。限界以上に稼働した果てがどうなるかは、想像に難くない。
即ち――エネルギー過多による自壊だ。
「この破壊を食い止める為には、蓄積したエネルギーを消費して、暴走を発生しないようにする必要があるわ。もう既に何度か試みられているけど、あなた達灼滅者がサイキックアブソーバーの力を一時的に吸収し、その力を消費・発散する――つまり」
姫凜はノートの『灼滅者同士で戦う』と書かれた部分を赤いマーカーで囲った。
「そして、エネルギー消費は多いに越したことは無い。一度により多くのエネルギーを使うには、極限下での激しい戦いが望ましいわ。……回りくどいかしら? ならはっきり言う。あなた達には、闇堕ち状態で戦って貰いたいの」
灼滅者がエネルギーを負担し激戦を繰り広げた分、サイキックアブソーバーの総エネルギー量は低下し、暴走の危険は下がる。結果、やがては制御可能な状態に戻る――そのための、闇堕ちバトルを繰り広げて欲しいと姫凜は言っているのだ。
「ダークネスに支配される従来のものとは異なる、戦闘不能、または戦闘開始後18分間で解除される制限付きの闇堕ちよ。灼滅者の意識をもっている状態だから、仲間同士意志の疎通だって出来るわ、その点は安心して大丈夫」
安全だからと語った所で、姫凜は静かにノートを閉じ、思索する。
――サイキックハーツ大戦を経て、危機の去った世界。灼滅者達と世界との関わり方が問われている今、考えることは多くあるだろう。
そんな時だが、サイキックアブソーバーは悲鳴を上げている。……世界の状況を鑑みるに、その役割はとうに終わっているのかもしれないけれど。
「このままだと、待つのは破壊よ。でもきっと、遺すことに意味はあると思うの。未来への備え。あなた達が辿ったこれまでを示す証としてだっていい。……でも、それ以上に」
あなた達と一緒にずっと戦ってきたんだもの、と。
願えど戦い担えぬ姫凜は、続く言葉を胸に秘め、託す様に頭を下げた。
参加者 | |
---|---|
刻野・渡里(殺人鬼・d02814) |
空井・玉(疵・d03686) |
三崎・鮪(タイダルウェイブ・d06900) |
咬山・千尋(夜を征く者・d07814) |
山田・透流(自称雷神の生まれ変わり・d17836) |
ソフィア・アレテイア(さなぎ・d30384) |
蓬野・榛名(陽映り小町・d33560) |
高瀬・丞(エンプティゴースト・d35297) |
●闇に堕つ
「未だに発散し足りないとは、存外に溜め込んでいたのだね。アブソーバーも、私も」
呟く空井・玉(疵・d03686)の視線の先には、教室一面に無数の傷痕。
それは『闇堕ちライブハウス』――勝敗よりも苛烈さが求められる、灼滅者達の戦いの名残だ。
今日こののちも、自分含めた8人の灼滅者達によって新たな傷が刻まれることだろう――激戦の予感の中、参戦者が続々と教室へその姿を見せていた。
「まさか、玉ちゃんと闘う事になるとは……」
苦笑の声に自分の名を聞き玉が見遣れば、そこにはにっこりと笑む高瀬・丞(エンプティゴースト・d35297)。
「いつものヘタレな部長では無いという所を見せなければですね。それに闇堕ちなんて経験、こんな機会でしか出来ませんし」
飄々と佇む丞がこう言ってのけた時、音も控えめに教室の扉が閉まる。
最後の入室者――山田・透流(自称雷神の生まれ変わり・d17836)は閉ざした扉へ背を預けると、光透く金瞳を閉じた。
(「私、ストリートファイターだから、ダークネスさんになっても他のみんなみたいに姿が変わらないのが残念……」)
思えど、体へ流れ来る力に抵抗はしない。
力の奔流へと身を晒せば、爪先から頭頂、艶めく銀髪の1本1本に至るまで、闇がくまなく行き渡る。闇堕ちの外見変化に乏しい透流でも、内から体が作り替えられていく感覚は確かに在って。
浸っていく――ありのままそれを受け入れる咬山・千尋(夜を征く者・d07814)が今思うは、今日の戦いでの自分の在り方。
(「直接話なんて出来ないだろうけど。今までを振り返って、……少しダークネスに寄せてみるか」)
自身の闇を感じながら、この身に眠るダークネスと対話する様に戦おう――心中でそう定める間にも、飽和し体表へ滲み出した妖気が体を少しずつ変質させていた。
橙から紫へ、青み帯びていく瞳で見つめる手は、肌が次第に血色失い灰纏う白へと色褪せる。指先へ力の集合を感じれば、ぐぐ、と長く伸びた爪が先端を刃の様に光らせた。
「憎き敵の姿になるというのは――ああ、言葉に出来ない気持ちだけれど、滅多に出来ない経験ということには違いない!」
同様に野生を感じる鋭い爪へと変化を遂げた指先を見つめ、ソフィア・アレテイア(さなぎ・d30384)が浮かべる笑みは高揚からか。
肌は白く、紅い髪も純白へ。白い豊かな被毛に包まれた耳と尾は自然に生きる狼のそれだが、緩く笑む唇からは、言葉の端に人として、女性としての愛しさが滲んだ。
「愉しむとしようじゃあないか。……いいところを見せてくれよ、ユウ?」
「ああ、見てろよソフィア!」
力強く応じた三崎・鮪(タイダルウェイブ・d06900)の、体表面を包み込んでいた闇の力が霧散した。
そこには、いつもの鮪の戦闘装甲。しかし平時よりも肌覆い厚みを増した暗褐色のそれは、闇の力を内包し鈍い光を放っている――さながら、暗黒騎士のような。
「まさか、またこの姿になる日が来るたァなぁ……」
しかし感慨深げに呟くその内側は鮪のままだ。姿かたちが変わろうとも、漲るダークネスの力は今、完全に鮪のもの。
「俺は何回目かになるけれど、やはり慣れないな。……面白くはあるんだけども」
違和感に苦笑浮かべた刻野・渡里(殺人鬼・d02814)も同様だ。夜を染めた様な藍の髪が今は金。隣に居た霊犬・サフィアの姿も今は無く――代わりに右肩には白狼が佇んでいる。
狩衣姿に烏帽子を乗せ舞扇を持つ、その姿はまるで平安に舞った白拍子か――しかし、そんな優美さの中に在っても、真紅の瞳は殺意が覗く六六六人衆のもの。
それでも、内は渡里のままなのだ。
「サイキックアブソーバー、失うわけにゃいかねえからな。全力で楽しもうぜ、みんなよろしくな!」
「しゃあ、全力の戦闘、始めよう!」
各所準備が整えば、鮪と渡里から彼ららしい気合の声が上がった。
昂り、漲った力を今は抑えて。チーム毎に分かれていく中――蓬野・榛名(陽映り小町・d33560)は胸に手を当て、ふー、と息を吐き出した。
「もうこの姿にはならないと思っていたのですが」
蓬色を濃く淡くと幾重に連ねた十二単に身を包んだ榛名は、思考をかつて闇に堕ち救われた日へと巡らせる。
ご当地怪人・蓬もっちあQ――先ほど変化の最中に目の前へ顕現した大鎌はあの時の。そっと握れば手に馴染んで、意図せず榛名は微笑んだ。
(「この力は、蓬餅を愛するわたしと彼女が共にある証なのです。わたしはそれを、否定しません。……光と闇は、相反しながら共存できると信じていますから」)
瞳を閉じてもう一度、今度は深く息を吸った。
「きっと、今回が最後なのです。だから今日は、この力を貸して下さい…… わたしの中のQさん!」
決意したなら全力で。駆け出す榛名が向かう先はBチーム。渡里、玉、鮪。
対するはAチーム。千尋、透流、ソフィア、そして丞。
「――では、遠慮なく油断なく容赦なく。派手にやろうか」
背をひらりと泳ぐ、空透く色の髪は長くイルカの尾を模して。変化前よりも却って女性的な衣装を纏い、金の瞳には山羊の様な横長の瞳孔を揺らす玉がそう宣言した瞬間。
灼滅者達が、一斉に場に散った。
●攻防
駆ける千尋は、体疼くか愉しそうに笑み浮かべ、対する4人の動きを窺う。
「本気で、行くよ」
届いた声をちら、と見遣れば、逆の壁際を駆ける透流が手に祭壇武器を顕現させた。
(「――今!」)
千尋は、右足で壁を蹴った。
天井際まで浮いた体が、標的――玉の頭上を飛び越える。武器構えた透流に気を取られた一瞬千尋を見失った玉が、此方に気付いたその瞬間。
――スパン! 天井蹴り、急降下中に繰り出した殺人技巧が玉の白肌を切り裂いた。千尋の標的はディフェンダー――防御から切り崩しに掛かる少女の攻勢に、次いで男が刃を握った。
「締まって行きましょう。……時間いっぱいまで粘りたいものです」
声音はじっとりと、闇を孕んで教室を渡る。
顔覆う、黒ずんだ血痕が散るホッケーマスク。猟奇的なその面は左一部のみが欠け、そこから赤黒くどろりと濁った眼が覗く男――丞の接近に気付いた玉は、咄嗟に首の傷へ手を伸ばした。
闇堕ち前は塞がっていた筈の傷。今は開いたそこからは、血液ではなく闇がずるりと手引かれるまま空間へ具現化する。
――ガキン! 硬質な音と刃越しに手を痺れさせた衝撃に、丞は斬撃の相殺を悟った。
「流石に一筋縄ではいきませんか」
愉しそうに呟いて、丞は一度後退する。その間に玉は引き出した闇を右手に纏うと、変形させて魔力を放った。
自身を癒し、渡里と榛名を守護する防護壁。
「ありがとうございます! 行きますよQさん!!」
加護を受け取り、榛名は単の重さにも構わず大鎌を構え飛び出した。
艶姿、というよりは愛らしい部類であるだろう。しかしそこは蓬餅への愛に満ちたご当地怪人蓬もっちあQ。実力は折り紙付きだ。
「普段のわたしより、ちょっぴり過激なのですよ! 蓬餅パワーをお見せするのです!」
爽やかな蓬の香りを身に纏い、手に持つ大鎌を真横に一閃、緑の波動の斬撃が空気を裂いて駆け抜ける。千尋へ至ろうかというその時――ぬっと差し出された巨大な手が、波動を掴み握り潰した。
「戦闘は、攻撃と防御のバランスが大事……どっちを疎かにしても、勝つことはできない」
非常に攻撃的な今日のチームの仲間の様子に、防御役を買って出た透流だ。
(「ダークネスの保護に、ESP法の制定……武蔵坂学園ができるまでダークネスさんたちに力で支配されてきた歴史を思ったらこそ、今度はこれまで抑圧されてきた私たちが世界を力で好き勝手支配する権利をもってるはず」)
思うのは、ダークネスを打倒した現在、そしてこれから。
人それぞれに考えは違って良い。しかし――今武蔵坂学園が、仲間達が進む方向が自分の思い描いたものとは異なる、それが何だか悲しく思えて。
だから、今日の戦いは少しだけ、そんなもどかしさへの憂さ晴らし。
「……絶対に負けない!」
宣言と同時、ミシリと音立て縛霊手を指開けば、そこから溢れた闇の力が結界化し、一気に周囲へ広がった。
びり、と渡里の体が痺れる――しかし痛みにもふ、と口の片端を上げて笑んだ渡里がゆるりと扇を差し出した瞬間、渡里の周囲中空から無数の影が飛び立った。
「此方もね。……負けないよ!」
軌道に、紅、紫、青藍、様々な色の妖光帯びて――放たれた闇の正体、それは無数のシジミ蝶。
「あぁ、何て美しい! 飾れば、この白い身体にさぞや映えることだろうね!」
例えようもなく美しい攻撃を、躱しきれず射抜かれてもソフィアは称賛してみせた。
その声、言葉、芝居がかった大仰さが、彼女の余裕を見せつける。やがてソフィアは強かに、笑んだ氷藍の瞳の中へ黒い闇を覗かせた。
預言者の瞳――獲物を逃さぬ、狼の狩りの用意。
「余所見する暇はねぇぞ!」
しかしそんな白亜の体を、不意に空駆ける黒い帯が貫いた。
鮪のダイダロスベルトだ。渡里の蝶の様な美しさは無い、しかし力強く駆けたそれは、数重ねる毎に標的を射抜く力を高める。
狩る毎に、腕上げる狩人の様に。
「……あぁ、それはとても素敵だね、ユウ」
ソフィアの瞳に、それまでと違う恍惚な光が灯った。
「どうか射抜いてみせてくれ。勿論、そう簡単にはさせやしないが」
●闘志の果て
夜の底の色を帯びたコートから、手繰った影もまた夜の底。
「さァて、さて……アナタのトラウマは、どんなかな?」
愉悦の笑みを血に塗れた面下に張り付け、丞は影に更なる力を注ぎ込む。その間の隙を埋める様に、飛び出した千尋の光刃と玉の盾とが前で激しい火花を散らした。
「しぶといな。まだ倒れないか」
力の拮抗に軋んだ愛剣『紅剣』を千尋は踏み込む足で前に押す。耐える玉は、敵方の狙いが自分であると把握していた。
「不満でも?」
「いいや?」
不満などある筈もない。終始仲間の防御と補助、更には保身に注力し永く戦場に己を維持する、彼女こそ守りの要。そう断言出来るだけの戦功に、千尋は内心舌を巻いていたのだから。
手強さが楽しい。だからこそ負けたくない。
「――寧ろ狩りがいがあるってね!!」
玉の足元に黒い闇が蠢いたのを確認すると、千尋は力押しから一転、飛び退って間合いを取った。
瞬間、……どぷり。足元から玉の体を覆っていくのは丞の影。襲い来るトラウマに、金瞳の瞳孔は渦を巻いて――そこで玉は自分の限界を悟る。
だからといって終われない。だって悔しい。
「……行くよマドカ」
内なるダークネスに語り掛ける様呟けば、手を伸ばさずとも首の傷から闇が勝手に溢れ出た。そもそも機能的には手でわざわざ引き摺り出さずとも支障はないのだ、ダークネスの趣味に合わせていただけで――ただ疲れて、最早面倒臭かった。
「轢いて……じゃないな、踏んで潰す」
ギュン! と音でもしそうな速度で、溢れた闇が一直線に空へ駆けた。
それは吸収したライドキャリバー・クオリアを思わせる高速疾走。天井ギリギリまで高く浮上し、急降下して向かった先は――Bチームが狙う標的。
ジャマーのソフィア。
「……ッ!」
叩きつけるように胸を穿った一撃に、ソフィアは一瞬喉から声を失った。
口内に鉄味を感じれば、口の端から一筋鮮血が滑り落ちる。まだ倒れない。しかし余力幾ばくもないとその痛みで理解すれば、不思議と笑いが込み上げた。
「ふ、はは! なんて素敵な置き土産だろう!」
その言葉の送り先は、既に丞の影の中。覆うそれが引いた後には、横たわり眠る人の少女が姿を見せることだろう。
自分も、ただでは終わらすまい――倒れた好敵手の健闘に誓って、ソフィアは最後の攻勢を決意する。瞳を閉じ集中、全身の白という白が魔力纏って輝き出すと、その勇姿へ向かって男が1人駆け出した。
「ソフィアっ!!」
戦場下に、何度も名を呼ぶ男は鮪。近付くほどに強くなる冷気がフリージングデスだと理解しても迷わず接近、鮪は両手に闇の力を集束させた。
――ソフィアが、薄く瞳を開く。
「私もせめて、きみの動きを鈍らせよう。――群れで狩るのがおおかみなのさ」
刹那、体から一気に熱が奪われる。全身包む装甲あっても、魔性の冷気に鮪の体は一斉に痛み訴えるけれど――猛る心でこれを耐え、鮪はソフィアの両腕を掴んだ。
「目を離すんじゃぁねえぞ!」
交際の許しを経てまだ間もないソフィアに、いい所を見せたかった――互いに全力が約束だからと躊躇わず鮪が選ぶは渾身の投げ技、ご当地ダイナミック。
高く抱く様に持ち上げた恋人を、激しく床面へ叩きつける。
(「……あぁ、うん。愉しかったよ、ユウ」)
力は尽くした――薄れゆく意識の中に微笑むと、ソフィアは動かなくなった。
「……! 私の力で、少しでも多くのものを守ってみせる……!」
遂に起こった仲間の離脱に悔しさが滲んだか。宣言する透流の、護る決意は本物だ。
オーラ纏った全身が、榛名の大鎌を受け止めている。上下左右、単姿で振った刃を返しては振る榛名の様子はまるで戦舞でも舞うようだが、その全てにオーラ纏った全身を使い防御対応している透流もまた、闘姫の如き凛とした美しさを携えていた。
「ガンガン攻めるのも良いものですね! ヒーローとして戦っている実感があるのです」
榛名はといえば、同じご当地ヒーロー・鮪の雄姿に触発されたか、激戦に心が高揚してか――大鎌は一振り毎に、その速度を増している。
緑色の斬線は爽やかな香りを纏い、回復を重視していた透流の体に癒せぬ傷を徐々に蓄積させていた。
そんな透流を、渡里が見逃す筈がない。
「……うん、そろそろか」
闇の力を手に練って、顕現したのは漆黒の大鎌。その刃の部分には、よく見ればひらひらと、何かが無数に群れて揺れていた。
闇に融ける――黒アゲハだ。
刃振り上げた瞬間に、群れは一斉に空へと飛び立つ。ブラックウェイブ――咎の力を秘めた蝶たちが透流へと殺到すると、透流の体から力が抜け、背の方へと体が傾いだ。
「……、あ――」
しかしそれを、温かな手が受け止めた。
「……18分。刻限です、お疲れ様でした」
笑みの穏やさの中に、どこか飄々とした佇まい。猟奇的でさえあった仮面が消え去った丞に、そんな時間かと夜染色の髪に戻った渡里が目を丸くして近付いて来る。傍らには霊犬サフィアの姿も見えた。
透流の姿に変化はない――ただ、闇の力は消え去っている。倒れたのは、どうやら突然の脱力に疲弊した体がついて来れなかっただけらしい。
――今日の戦いの、これが結末。
「皆さんの目が覚めたら、蓬餅でお疲れ様会、しましょうね!」
手際よく傷の手当てを始めながら、榛名が透流へ笑顔を向ける。
闇など欠片も感じさせない仲間に戻った少女の笑顔に、透流もつられて微笑んだ。
作者:萩 |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2018年9月20日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 2/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 1
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